JPH04171632A - カラー受像管及びその製造方法 - Google Patents

カラー受像管及びその製造方法

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JPH04171632A
JPH04171632A JP29723890A JP29723890A JPH04171632A JP H04171632 A JPH04171632 A JP H04171632A JP 29723890 A JP29723890 A JP 29723890A JP 29723890 A JP29723890 A JP 29723890A JP H04171632 A JPH04171632 A JP H04171632A
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芳夫 鈴木
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政美 長谷川
Shiyoujirou Hazama
間 詳二郎
Akira Shoda
正田 彰
Hiroshi Sugawara
広 菅原
Masayoshi Nishizawa
西澤 公良
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、カラー受像管に係り、特に色純度の劣化を防
止するシャドウマスクを備えたカラー受像管及びその製
造方法に関するものである。
(従来の技術) 一般にシャドウマスク型カラー受像管は、第5図に示す
ように、受像管のパネル1内面に形成された各色の発光
領域を持つ蛍光スクリーン2と、多数の透孔3が穿設さ
れ曲面状の有効面を有するシャドウマスク4と、このシ
ャドウマスク4を周辺で保持するマスクフレーム5と、
複数の電子ビーム6を射出する電子銃7とを備え、シャ
ドウマスク4は、マスクフレーム5に設けられたホルダ
ー8を介してパネル1の直立端部内壁に埋設されたスタ
ッドピン9に係止されることにより、パネルj内面に支
持されている。カラー受像管は、電子ビーム6を前記シ
ャドウマスク4の有効面の透孔3を通過させて前記蛍光
スクリーン2の決められた発光領域上に電子ビーム6が
射突するようにしてカラー画像を表示するものである。
このようなカラー受像管では、その構造上電子ビーム6
の1/3以上がシャドウマスク4の透孔3以外の領域に
衝突し、シャドウマスク4を熱膨張させるいわゆるドー
ミング現象か起こり、その結果とじて電子ビーム6の発
光領域へのランディング位置がずれて色純度劣化を起こ
すことがある。
このようなドーミング現象によるミスランディングを抑
えるために、従来、シャドウマスクにセラミック層また
は電子吸収層を形成する提案が成されている。例えば、
特開昭60−54139号公報にはシャドウマスクの電
子銃側の主面にセラミック層を形成してシャドウマスク
に残留引張り応力を内在させてシャドウマスクのドーミ
ングを抑え、また、熱伝導率の低減によりシャドウマス
クそのものの温度上昇を抑制するものが記載され、また
特公昭57−18824号公報には電子ビームが射突す
る蛍光スクリーンの表面の非発光領域に対応して低い導
電率の電子吸収層を形成し、電子吸収層を負に帯電させ
て静電的に電子ビームの軌道を修正するものが記載され
ている。
しかしながら、シャドウマスクの電子銃側主面にセラミ
ック層を形成するだけではミスランディングの抑制とい
う意味では未だ不十分である。−方、蛍光スクリーンの
非発光領域に電子吸収層を形成するものは第一にドーミ
ング現象によるランディング後に負帯電による減速電界
が作用し始めるので時間の遅れを伴うこと、第二に電子
吸収層の負帯電部分はミスランディングを生じた部分の
みて、減速電界としては小面積で不十分であること、第
三に動作初期のドーミングによるミスランディングに対
しては有効でないこと、第四に形成方法は作業的にも精
度的にも量産に不向きという問題がある。
このようにシャドウマスクの電子銃側主面あるいは蛍光
スクリーンの非発光領域にセラミック層あるいは電子吸
収層を形成するだけでは、ドーミング現象によるミスラ
ンディングに即座に対応して色純度劣化を補正すること
ができない、あるいは補正作用を及ぼす部分が小さすぎ
るなどの理由で十分にミスランディングを補正できない
という問題がある。
そこで特開昭62−188135号公報には第6図に示
すように、シャドウマスク4の透孔3の壁面にも電子吸
収層を形成するものが提案されている。すなわちシャド
ウマスク4と管軸との交点をシャドウマスク中心とする
と、シャドウマスク4の透孔3のシャドウマスク中心側
の壁面(以下、中心側壁面10aと称する)に、または
中心側壁面10aとこの中心側壁面]Oaに対向する周
辺側壁面1tlbとに電子ビームの電子流密度に応じて
帯電し電子ビームを静電的に偏向する電子吸収層11を
形成している。
この電子吸収層は以下のようにして形成されている。
すなわち、熱膨張係数が1.2 X 1O−510Cと
大きい鉄を主成分とするいわゆる冷間圧延網からなる厚
さO,I mm−0,3mmの薄板に通常のエツチング
手段により多数の透孔を形成し、プレスにより所定の形
状に成型する。そして、パネルとファンネルとが封着さ
れる前に、ニトロセルローズを数%溶かした酢酸ブチル
アルコール溶液で溶かされた結晶性鉛はう酸塩ガラスを
シャドウマスクの電子銃側の主面と透孔の中心側壁面に
スプレー塗布し、この結晶性鉛はう酸塩ガラスを塗布し
たシャドウマスクをパネル内に装着する。その後、パネ
ルとファンネルを所定の枠台に載せて、最高温度が約4
00℃でその保持時間が35分以上ある炉を通過させて
鉛はう酸塩ガラスを結晶化させることにより、導電率か
10−1Ω−’、m−’の低導電率の鉛はう酸塩ガラス
層を電子吸収層としてシャドウマスクの電子銃側の主面
と透孔の中心側壁面に形成する。
上記のようにシャドウマスクの電子銃側主面と透孔の壁
面とに電子吸収層をスプレーする場合、第7図に示すよ
うに、シャドウマスク4の電子銃側に位置するスプレー
装置12aにより電子銃側主面10cの電子吸収層11
を形成し、蛍光スクリーン側のスプレー装置12bをシ
ャドウマスク4の周辺側から中心側に傾けることにより
透孔3の中心側壁面10aに電子吸収層を塗布形成して
いた。
しかしながら、上述の特開昭62−188135号公報
に示されるようなカラー受像管を動作させた場合でも、
ドーミング現象の時間的経過に伴いランディングがずれ
てくる。以下シャドウマスクのドーミングによる電子ビ
ームの軌道の変化について第8図乃至第10図を用いて
説明する。第8図において、シャドウマスク4がドーミ
ング現象を生じていない状態での電子ビームは蛍光スク
リーン2の所定位置にランディングするように構成され
ている。ここで、仮にシャドウマスク2に入射する電子
ビームの電子流密度が増大し、シャドウマスクが加熱さ
れドーミング現象を生じ第8図の破線に示す位置に移動
した場合、電子ビームの蛍光スクリーンへの本来のラン
ディング地点へランディングすべき電子ビームA、Bは
ドーミング現象によってビームDAI、DBIへと移動
し、シャドウマスク中心側の地点にミスランディングす
る。
このミスランディング量が各色発光蛍光体群の配列によ
るランディング余裕度の限界を越えると色純度の劣化を
生ずることになる。上記第8図に示  。
すドーミング現象は主に動作初期の段階で起こる。
この動作初期の段階では、画面中央部、周辺部ともにド
ーミングによるビームの移動方向は同じであり、これは
透孔3の中心側壁面10aに形成された電子吸収層11
の働きにより補正される。すなわち、電子吸収層11は
電子流密度に応じて帯電するので、透孔3の中心側壁面
10aの表面に帯電した負電荷の働きにより、ドーミン
グによって移動した電子ビームは管軸から遠さかる方向
に軌道を曲げられる。
その後動作時間が経つにつれてシャドウマスクの熱がマ
スクフレームへと伝わり第9図に示すように、マスクフ
レーム5が熱膨張を起こすようになる。このときの状態
を第9図の破線で表す。シャドウマスク4の周辺部はマ
スクフレーム5の膨張により周辺方向に引っ張られる。
その結果、画面中央部のビームAは動作初期のドーミン
グと同じビームDA2方向へ移動し、画面周辺部のビー
ムBはビームDB2方向へと移動する。このビームの移
動は第10図に示すように電子吸収層の働きにより、中
央部のビームDA2、周辺部のビームDB2ともに同方
向、つまりA2、B2方向に移動する。しかし、動作初
期と時間が経過した後とでは画面周辺部でのドーミング
によるビームの移動方向が逆方向であるため、時間が経
過したときでは電子吸収層の働きがミスランディングを
助長する方向となる。実際、動作初期のドーミング現象
の持続時間は短いので、上述の画面周辺でのミスランデ
ィングが主たる問題となる。
(発明が解決しようとする課題) 上述のようにシャドウマスクの透孔の中心側壁面または
中心側壁面とこれに対向する周辺側壁面とに電子吸収層
を形成するだけではランディングのずれに対する補正と
しては不十分で、画面周辺部における補正作用が動作初
期とその後の状態とで異なるという問題点があった。
そのためホルダーにバイメタルを用いることにより品位
の向上を図る方法もあるが、 1、熱伝導による補正動作のため補正開始が遅れる 2、マスク剛性を保つため、材厚の厚いフレームが必要
となり、その結果フレームの熱容量が増大し、上記1が
助長される 3、パネル、フレーム、マスク系の温度変化以外に環境
温度の変化にも対応するため、不必要な補正すなわち誤
動作を生じる という問題点がある。
さらに電子吸収層を塗布形成する際には、マスクを挟ん
で両側からスプレーするため、マスク面での乱流が大き
すぎ、所定の領域以外に形成されたり、均一に形成され
ない等の問題がある。また、電子吸収層の構成材料は高
価な重金属を含むため、両側からスプレーすることは余
分なスプレー流も多くなり、コストや環境の面でも問題
かある。
また、蛍光スクリーンをパネル内面に形成する際に補正
レンズを用いて露光焼付けを行うが、ドーミングによる
ミスランディングの方向がシャドウマスクの中央部と周
辺部とで異なるので、電子ビーム軌道の予想が困難であ
り、所望のレンズ形状の設計が困難となっていた。
本発明は上記問題点に鑑み、画面周辺部と中央部とでの
補正動作が共にドーミングによるビームのミスランディ
ングを補正する方向とし、色純度劣化の少ないカラー受
像管を提供することを目的とする。さらに、上記カラー
受像管を容易に製造する方法を提供するこきを目的とす
る。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上述の問題点を解決するため、本発明は、パネル内面に
形成された蛍光スクリーンと、この蛍光スクリーンに近
接対向して配置され多数の透孔の穿設されたシャドウマ
スクと、このシャドウマスクを介して前記蛍光スクリー
ンの蛍光体を選択発光せしめる電子ビームを射出する電
子銃とを少なくとも備え、前記シャドウマスクの少なく
とも各透孔の壁面に電子流密度に応じて帯電し電子ビー
ムを偏向する電子吸収層を有するカラー受像管において
、前記透孔の壁面に形成される電子吸収層の層厚が、シ
ャドウマスク中央部ではシャドウマスク中心側壁面の層
厚が対向する周辺側壁面の層厚より大きく、シャドウマ
スク周辺部では前記周辺側壁面の層厚が対向する前記中
心側壁面の層厚より大きくなっていることを特徴とする
また、パネル内面に形成された蛍光スクリーンと、この
蛍光スクリーンに近接対向して配置され多数の透孔の穿
設されたシャドウマスクと、このシャドウマスクを介し
て前記蛍光スクリーンの蛍光体を選択発光せしめる電子
ビームを射出する電子銃とを少なくとも備え、前記シャ
ドウマスクの少なくとも各透孔の壁面に電子流密度に応
じて帯電し電子ビームを偏向する電子吸収層を有するカ
ラー受像管の製造方法において、前記電子吸収層の構成
材料を含む溶液のスプレーを前記シャドウマスクの電子
銃側で且つシャドウマスク周辺側から行い、前記スプレ
ーによるスプレー流の傾角と前記透孔の壁面の傾角とを
略一致させることにより前記電子吸収層を形成すること
を特徴とする。
(作用) カラー受像管の動作初期におけるドーミング現象はシャ
ドウマスクの蛍光スクリーン側への熱膨張であり、その
結果画面中央部、周辺部ともにビームがシャドウマスク
中心側へミスランディングするのに対して、時間がある
程度経過したときの通常の動作状態におけるドーミング
現象ではマス1  クフレームの熱膨張も伴うためシャ
ドウマスク周辺部が周辺方向へ引っ張られるため、シャ
ドウマスク周辺部と中央部とではミスランディングの方
向が逆となる。
本発明では、上記のようにミスランディングの方向が逆
となるシャドウマスクの周辺部において、シャドウマス
クの透孔の周辺側壁面の電子吸収層の層厚を中心側壁面
より厚くすることにより、対向する壁面の電子吸収層間
で帯電量の差を生じさせ、電位差により静電的にビーム
を偏向させる。
なお、中央部においては、中央側壁面の電子吸収層の作
用を大きくすることによりミスランディングの補正をす
る。
さらに、本発明においては、電子吸収層を塗布形成する
スプレー装置はシャドウマスクの電子銃側に位置し、シ
ャドウマスク周辺から中心に向かってスプレーするよう
になっている。このスプレーによる透孔を通過する分流
は透孔の壁面に沿って流れる。すなわち、シャドウマス
ク中心を境にしてスプレー流を発生させるスプレー装置
のある側では分流の流れる壁面が中心側壁面、スプレー
装置のない側では周辺側壁面になるようにスプレー装置
によるスプレー流の傾角を決定する。さらに、シャドウ
マスクの中央部と周辺部とての対向する壁面間の電子吸
収層の層厚分布も、スプレー流の流量やスプレー領域の
制御により行なう。
(実施例) 以下、本発明の一実施例につき、図面を用いて詳細に説
明する。
本発明によるカラー受像管の全体構成は第4図に示すも
のと同一であり、前面部の外形が実質的に矩形上のパネ
ル1と、漏斗状のファンネル及びネックからなる真空外
囲器により構成されている。
そしてパネル1の内面には赤、緑及び青色にそれぞれ発
光するストライプ状の蛍光体層からなる蛍光スクリーン
2が被着形成されており、ネックにはパネル1の水平軸
に沿って一列に配列され、赤、緑、及び青に対応する3
本の電子ビーム6を射出するいわゆるインライン型電子
銃7が配設されている。また、蛍光スクリーン2に近接
対向する位゛    置には、多数のスリット状の透孔
3が垂直方向に配列され、この垂直配列が水平方向に多
数配列された曲面状のシャドウマスク4がマスクフレー
ム5によって支持固定されている。さらにマスクフレー
ム5はホルダー8を介してパネル1の直立端部内壁に埋
め込まれたスッタドピン9で係止されることにより、パ
ネル内に支持されている。3本のインライン配列の電子
ビーム6は、ファンネルの外部の偏向装置(図示してな
い)によって偏向され、矩形状のパネル1に対応する矩
形状の範囲を走査し、かつシャドウマスク4の透孔3を
通ることにより選択されてストライプ状の蛍光体層にラ
ンディングし、カラー画像を再現させるようになってい
る。
蛍光スフ【〕−ンに近接対向して配設されるシャドウマ
スクは、熱膨張係数か1.2 X 10−5/℃と大き
い鉄を主成分とするいわゆる冷間圧延網からなる厚さO
,1mm〜0.3mmの薄板から形成され、第1図に示
すように、電子銃側主面10C1少なくとも各透孔3の
シャドウマスク4の中心側壁面10a及び中心側壁面1
0aに対向する周辺側壁面10bとには例えば酸化鉛(
P b O)を約70重量%含む低導電性の結晶性鉛は
う酸塩ガラスからなる電子吸収層11が高温加熱処理に
よって封着接合されている。
この電子吸収層11の透孔3の壁面における層厚分布は
第2図に示すようになっている。すなわち、シャドラマ
ラフ中央部では中心側壁面1[1aの層厚が周辺側壁面
10bの層厚より大きく、シャドウマスク周辺部では周
辺側壁面]Obの層厚が中心側壁面10aの層厚より大
きくなっている。ここでシャドウマスクの中央部及び周
辺部とは、通常の動作状態でのドーミングによる電子ビ
ームの移動方向が動作初期のドーミングによる移動と同
じ方向となる領域が中央部、逆方向になる領域が周辺部
である。
このようなカラー受像管を動作させた場合のシャドウマ
スクのドーミングによる電子ビームの軌道の変化及びそ
の補正作用について第9図、第1図及び第2図を用いて
説明する。第9図において、シャドウマスク4がドーミ
ング現象を生じていない状態での電子ビームA、  B
は蛍光スクリーン2の所定位置にランディングするよう
に構成されている。ここで、実質的なカラー受像管の動
作状態で、シャドウマスク4に入射する電子流密度が増
大し、シャドウマスク4が加熱されドーミング現象を生
じた場合、電子ビームによるシャドウマスク4の熱膨張
だけでなく、マスクフレーム5の熱膨張も起こり、シャ
ドウマスク4は第9図の破線で示す状態となる。この結
果、電子ビームA、  BはDA2.DB2へと移動し
、シャドウマスク4の中央部と周辺部とで逆方向へミス
ランディングする。このミスランディング量が各色発光
蛍光体群の配列によるランディング余裕度の限界を越え
ると色純度の劣化を生ずることになる。
ここで本発明の場合第1図に示すように、シャドウマス
ク4の透孔3の壁面10a、 10bに電子吸収層11
が形成され、その一部がシャドウマスク4の電子ビーム
が射突する電子銃側主面10cにあるので、電子ビーム
を偏向走査した場合、電子流密度に応じて負に帯電する
ことになる。このことは、この電子吸収層11が電子の
侵入する平均深さ程度またはそれ以上の厚さ、本実施例
では約10μmを有すると共に、−次電子エネルギー、
通常はl0ke■乃至30keVに対し二次電子放出係
数を有していることを意味する。第2図に示すようにシ
ャドウマスク中央部では中心側壁面10aの方が周辺側
壁面10bより厚く形成されているため、シャドウマス
ク中央部では中心側壁面10aに帯電する負電荷の方が
多くなる。この負に帯電、特に透孔の中心側壁面10a
の表面に帯電した負電荷は、第1−図の破線で示すドー
ミングによって移動した電子ビームをシャドウマスク中
心より遠ざける方向に軌道を曲げて実線AOの如く偏向
させる。従って、ドーミング現象により所定のランディ
ング地点よりシャドウマスク中心方向に移動しようとす
る電子ビームのランディング地点を再び元のランディン
グ地点に戻すように相殺的に作用することとなり、ドー
ミング現象が生じても電子ビームのミスランディングを
抑制減少させることかできる。またシャドウマスク周辺
部では周辺側壁面10bの方が中心側壁面10aより厚
く形成されているため、シャドウマスク周辺部では周辺
側壁面10bに帯電する負電荷の方が多くなる。よって
、同様の作用によりドーミングによって移動したビーム
をシャドウマスク中心方向に曲げて実線BOの如く偏向
させる。この偏向方向は第10図に示すドーミングによ
るビームの移動方向と逆であり、ミスランディングを抑
制減少することができる。
このように、電子吸収層がシャドウマスクの透孔の壁面
に形成され、シャドウマスクの中央部と周辺部とで対向
する壁面間の層厚を変えているので、通常の動作時にお
けるフレームの熱膨張による画面周辺部の色純度劣化に
対しても、電子流密度に対応して負に帯電し、電子吸収
層の低熱伝導性を利用したドーミング抑制作用と協調し
てより有効に作用する。
また、電子吸収層には受像管が動作している限り常に電
子ビーム及びスクリーン面等からの二次電子が射突して
いるので、従来の例えば特公昭57−18824号公報
に示されているようなスクリーンの非発光領域に電子吸
収層を形成したものに比べてその作用面積は非常に大き
く、また抑制作用の生ずる時間的遅れはほとんどない。
上述のようにシャドウマスクの透孔の壁面に形成される
電子吸収層の層厚を制御することにより、負の帯電によ
る電子ビームの軌道変化の制御が可能となる。よって、
露光レンズの設計も容易にすることができる。
上述の電子吸収層は、以下のようにして形成される。パ
ネルとファンネルとが封着される前に、ニトロセルロー
ズを数%溶かした酢酸ブチルアルコール溶液で溶かされ
た結晶性鉛はう酸塩ガラスをシャドウマスクの中心側壁
面に塗布し、この結晶性鉛はう酸塩ガラスを塗布したシ
ャドウマスクをパネル内に装着する。その後、パネルと
ファンネルを所定の枠台に載せて、最高温度が約400
°Cでその保持時間が35分以上ある炉を通過させて鉛
はう酸塩ガラスを結晶化させることにより、導電率が1
0−’Ω−’、m””の低導電率の鉛はう酸塩ガラス層
をシャドウマスクの透孔の中心側壁面と周辺側壁面とに
形成する。
この電子吸収層の塗布方法としては、例えば通常のエツ
チング手段により多数の透孔を形成し、プレス成形した
後、スプレー塗布により形成することができる。
以下、スプレ一方法について第3図及び第4図を用いて
詳細に説明する。第3図に示すように、電子吸収層の構
成材料を含む溶液をスプレーするスプレー装置30a、
 30bはシャドウマスク4の電子銃側に位置し、シャ
ドウマスク4の周辺側から中心側に向かってスプレーす
るようになっている。
このスプレー装置30aによるスプレー流31は、シャ
ドウマスク4の電子銃側主面10cに衝突する分流32
と透孔3の壁面10a、 ]Obに沿って流れる分流3
3とに分かれる。分流33の流れる壁面はシャドウマス
ク中心を境にしてスプレー装置30aに近い半分の領域
と遠い半分の領域とで異なる。スプレー装置30aに近
い半分の領域では、分流33は中心側壁面]Oaに沿っ
て流れ、スプレー装置30aに遠い半分の領域では、周
辺側壁面10bに沿って流れる。
換言すれば、この様にシャドウマスク中心を境にして分
流33の流れる壁面が中心側壁面]Oaと周辺側壁面1
0bとになるようにスプレー装置30aによるスプレー
流31の傾角を決定すれば良い。さらに、電子吸収層の
層厚分布の制御もスプレー装置30gのノズル形状を変
えてスプレー流31.32.33を調整したり遮蔽板等
で部分的にスプレー領域を制限したりすることによりで
きる。尚、第3図にはスプレー装置30bによるスプレ
ー流を図示していないが、スプレー装置30aと同様で
ある。
本実施例では、シャドウマスク4周辺に30a、 30
bと2つのスプレー装置を備え、それぞれのスプレー装
置に対して上述のような制御を行うことにより、第4図
(a)及び(b)に示すように、マスクの中央部と周辺
部とで、対向する壁面間の層厚を変えている。尚、第4
図(a)及び(b)において、実線はスプレー装置30
aにより形成される電子吸収層の層厚分布を表し、破線
はスプレー装置30bにより形成される電子吸収層の層
厚分布を表している。
上述のように本発明によると、電子銃側からのスプレー
だけで電子吸収層を形成することができるので、スプレ
ー流の乱流を小さくして品位の向上を図ることができる
。また、スプレー流を効率よく使用しているので、高価
な材料を無駄にすること無くコスト及び環境面での改善
を図ることもできる。
尚、本実施例では電子吸収層を塗布形成する際、スプレ
ー装置によるスプレー流を調整することにより対向する
壁面間における層厚の制御を行っているが、本発明を応
用することにより、中心側壁面だけに電子吸収層を形成
することも可能である。
また、電子吸収層は本実施例に限定されないし、セラミ
ック層の塗布形成にも応用できる。
さらに、本実施例は、スリット状の透孔について説明し
ているが、ドツト状の透孔にも実施できることは言うま
でもない。
[発明の効果] 本発明によると、電子吸収層がシャドウマスクの透孔の
壁面に形成され、シャドウマスクの中央部と周辺部とで
対向する壁面間の層厚を変えているのて、画面全域で電
子吸収層の負の帯電によるビームの偏向作用か有効に働
き、色純度の劣化を抑制することができる。 さらに本
発明は、電子銃側からのスプレーだけで電子吸収層を形
成することができるので、スプレー流の乱流を小さくし
て品位の向上を図ることかできる。また、スプレー流を
効率よく使用しているので、高価な材料を無駄にするこ
と無くコスト及び環境面での改善を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるカラー受像管のシャドウマスクの
一実施例を示す拡大簡略図、第2図は第】図における透
孔の壁面での電子吸収JRO層厚分布を示す図、第3図
は本発明による電子吸収層の形成方法を示す模式図、第
4図は第3図におけるスプレー装置と電子吸収層の層厚
の関係を示す図、第5図はカラー受像管の全体構成を示
す模式断面図、第6図は従来のカラー受像管におけるシ
ャドウマスクを示す拡大簡略図、第7図は第6図に示す
電子吸収層の形成方法を示す模式図、第8図は動作初期
のドーミングによるビームの移動を説明するための模式
図、第9図は通常動作状態のドーミングによるビームの
移動を説明するための模式図、第10図は第6図に示す
シャドウマスクの作用を説明するための模式図である。 3・・・透孔 4・・・シャドウマスク 10a・・・中心側壁面 10b・・・周辺側壁面 10c・・・電子銃側主面 11・・・電子吸収層 30a、 30b・・・スプレー装置 31、32.33・・・スプレー流 代理人 弁理士 則 近 憲 佑 同    竹 花 喜久男

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)パネル内面に形成された蛍光スクリーンと、この
    蛍光スクリーンに近接対向して配置され多数の透孔の穿
    設されたシャドウマスクと、このシャドウマスクを介し
    て前記蛍光スクリーンの蛍光体を選択発光せしめる電子
    ビームを射出する電子銃とを少なくとも備え、前記シャ
    ドウマスクの少なくとも各透孔の壁面に電子流密度に応
    じて帯電し電子ビームを偏向する電子吸収層を有するカ
    ラー受像管において、 前記透孔の壁面に形成される電子吸収層の層厚が、シャ
    ドウマスク中央部ではシャドウマスク中心側壁面の層厚
    が対向する周辺側壁面の層厚より大きく、シャドウマス
    ク周辺部では前記周辺側壁面の層厚が対向する前記中心
    側壁面の層厚より大きくなっていることを特徴とするカ
    ラー受像管。
  2. (2)パネル内面に形成された蛍光スクリーンと、この
    蛍光スクリーンに近接対向して配置され多数の透孔の穿
    設されたシャドウマスクと、このシャドウマスクを介し
    て前記蛍光スクリーンの蛍光体を選択発光せしめる電子
    ビームを射出する電子銃とを少なくとも備え、前記シャ
    ドウマスクの少なくとも各透孔の壁面に電子流密度に応
    じて帯電し電子ビームを偏向する電子吸収層を有するカ
    ラー受像管の製造方法において、 前記電子吸収層の構成材料を含む溶液のスプレーを前記
    シャドウマスクの電子銃側で且つシャドウマスク周辺側
    から行い、前記スプレーによるスプレー流の傾角と前記
    透孔の壁面の傾角とを略一致させることにより前記電子
    吸収層を形成することを特徴とするカラー受像管の製造
    方法。
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