JPH06101310B2 - カラ−受像管 - Google Patents

カラ−受像管

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JPH06101310B2
JPH06101310B2 JP59049172A JP4917284A JPH06101310B2 JP H06101310 B2 JPH06101310 B2 JP H06101310B2 JP 59049172 A JP59049172 A JP 59049172A JP 4917284 A JP4917284 A JP 4917284A JP H06101310 B2 JPH06101310 B2 JP H06101310B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J29/00Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
    • H01J29/02Electrodes; Screens; Mounting, supporting, spacing or insulating thereof
    • H01J29/06Screens for shielding; Masks interposed in the electron stream
    • H01J29/07Shadow masks for colour television tubes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2229/00Details of cathode ray tubes or electron beam tubes
    • H01J2229/07Shadow masks
    • H01J2229/0727Aperture plate
    • H01J2229/0777Coatings

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  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明はシヤドウマスク型カラー受像管に係わり、特に
そのシヤドウマスクに関するものである。
[発明の技術的背景と問題点] 一般にシヤドウマスク型カラー受像管は第1図に示すよ
うに典型的には硝子で形成された外囲器は、実質的に矩
形状のパネル(1)と漏斗状のフアンネル(2)とネツ
ク(3)とから構成される。そしてパネル(1)の内面
には赤,緑及び青に夫々発光する例えばストライプ状螢
光体スクリーン(4)が設けられ、一方ネツク(3)に
はパネル(1)の水平軸線に沿つて一列に配列され赤,
緑及び青に対応する3本の電子ビーム(10)を射出する
いわゆるインライン型電子統(6)が内設されている。
またスクリーン(4)に近接対向して多数の透孔の穿設
された主面を有するシヤドウマスク(5)が配設され
る。シヤドウマスク(5)の周辺部はパネル外形に対応
して折り曲げられたスカート部(8)を有し、このスカ
ート部(8)は断面L字型の枠からなるマスクフレーム
(7)によつて支持固定され、さらにマスクフレーム
(7)はスプリング(9)を介してパネル(1)内側壁
に埋め込まれたピン(図示せず)で係止めされている。
このようなカラー受像管において、電子銃(6)から射
出された3本の電子ビーム(10)はフアンネル(2)近
傍の外部に配置された偏向装置(図示せず)によつて偏
向され、実質的に矩形状のパネル(1)に対応する矩形
状の範囲を走査するように且つシヤドウマスク(5)の
透孔を介して色選別され、各色発光ストライプ状螢光体
に正しく対応射出せしめてカラー映像を現出させる。こ
こでシヤドウマスク(5)の透孔を通過する有効電子ビ
ーム量はその機構上1/3以下であり、残りの電子ビーム
はシヤドウマスクに射突し熱エネルギーに変換され時と
して80℃程度までシヤドウマスクを加熱させる。シヤド
ウマスク(5)は一般に0〜100℃での熱膨張係数が1.2
×10-5/℃と大きい鉄を主成分とするいわゆる冷間圧延
鋼からなる厚さ0.1mm〜0.3mmの薄板から形成されてお
り、このシヤドウマスク(5)のスカート部(8)を支
持するマスクフレーム(7)は厚さ1mm前後の強固な断
面L型の黒化処理を施こされた同じく冷間圧延鋼から形
成されている。従つて加熱されたシヤドウマスク(5)
は容易に熱膨張を生ずるが、その周辺部は黒化処理を施
こされた熱容量の大きなマスクフレーム(7)に対接し
ているため輻射や伝導によりシヤドウマスク周辺からマ
スクフレームに熱が移動し、シヤドウマスク周辺の温度
が中央部よりも低くなる。このためシヤドウマスク
(5)の中央部と周辺部に温度差を生じ相対的に中央部
を主体として加熱膨張されたいわゆるドーミング現象を
生ずる。この結果シヤドウマスク(5)と螢光体スクリ
ーン(4)との距離が変化し電子ビームの正確なランデ
イングが乱され色純度の劣化を生ずる。このようなドー
ミングによるミスランデイングの現象は特にカラー受像
管の動作初期において顕著である。また映像面上で部分
的に高輝度の映像が映出され、特にこの高輝度映像部分
が一定時間停止している時は、シヤドウマスクに高電子
流密度の電子ビームが部分的に発生することとなり局部
的なドーミング現象を生ずる。
このようなカラー受像管のドーミングのうち動作初期に
おけるドーミング現象に対しては、シヤドウマスクへの
熱伝導の阻止という観点より多数の提案がなされてい
る。例えば、特開昭50-44771号公報ではシヤドウマスク
の電子銃側に、たとえば二酸化マンガンで構成される多
孔質層を堆積し、その上にアルミニウム層を、更にこの
アルミニウム層上に酸化ニツケルまたはニツケル鉄層を
それぞれ真空蒸着する構造のものが提案されている。こ
のような構成のものを採用すると、多孔質層の熱伝導係
数は極めて小さいので電子ビームの衝突面で発生した熱
はマスクに伝達されずマスクから遠ざかる方向に放射さ
れる。このため、シヤドウマスクの温度の上昇を効果的
に抑制することができる。しかしながらこのような構造
のシヤドウマスクは動作初期におけるドーミング現象に
は有効であつても局部的なドーミング現象に対しては追
随しきれずドーミング抑制効果を充分発揮することはで
きない。またシヤドウマスク面上に三重の層を真空蒸着
により設けるためには、膨大な設備と作業時間が必要と
なり工業的量産性に著るしく欠け好ましくない。
一方電子ビームのミスランデイングをスクリーン側で軽
減しようとする提案もなされている。例えば特公昭57−
18824号公報(米国特許第4065695号)では、電子ビーム
が射突するスクリーンの表面の非発光領域に対応して低
い導電率を有する電子吸収層を構成する例が提案されて
いる。このような構造のものを採用すると、ミスランデ
イングが生ずるスクリーンの区域では螢光体の存在しな
い非発光領域の電子吸収層にも電子ビームが射突するこ
とになり電子吸収層が負に帯電することになる。この結
果スクリーンとシヤドウマスクの間に局部的な減速電界
が発生し、この減速電界によりミスランデイングを生じ
ていた電子ビームの軌道が修正されミスランデイングを
減少させることができるとしている。しかし乍らこのよ
うな構造のものでは以下のような欠点を有している。第
1にシヤドウマスクのドーミング現象が生じミスランデ
イングが生じた後に始めて電子吸収層の負帯電による減
速電界が作用し始めるのでミスランデイングの減少作用
は常に一定の時間遅れを伴う。第2に各色発光螢光体群
の各螢光体間にのみ形成されている電子吸収層の負帯電
部分はミスランデイングを生じた部分のみであり極めて
小さい面積に限定されるので、電子ビームの軌道を修正
するに足る減速電界としては不充分である。第3に電子
吸収層の負帯電による作用は局部的に高電流密度となる
局部的ドーミング現象時のミスランデイングには有効で
あつても動作初期のドーミング現象時のミスランデイン
グに対しては前述の理由からあまり有効ではない。第4
にこのような電子吸収層をスクリーンの限定された部分
に形成する事は作業工程の増加や形成精度の管理の点か
らも工業的量産性に著るしく欠けるものである。即ち、
一般のカラー受像管のスクリーンは各色発光螢光体間に
光吸収層を設け、さらに全面にAl等の金属薄膜からなる
メタルバツクが施こされている。従つて赤,緑及び青と
光吸収層を形成するためにシヤドウマスクを合計4回脱
着して光露光法を用いて螢光面を形成するが、この電子
吸収層は導電性を有するメタルバツクがある故に光吸収
層自体を電子吸収層とすることはできない。即ちこの電
子吸収層はメタルバツク上に光吸収層に対応する部分に
のみ形成されなければならず、このためにはスクリーン
完成後更にシヤドウマスクの脱着操作を少なくとも1回
付加して光露光法により形成することになる。このよう
な形成方法では作業的にも精度的にも工業的量産性から
も極めて不利であり実用性に欠ける。
[発明の目的] 本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、シヤドウマ
スクのドーミングを小さくすると共に画像の色ずれ等に
よる色純度の劣化を防止した工業的量産性に富むカラー
受像管を提供することを目的とする。
[発明の概要] 本発明はスクリーンに近接しその主面に多数の透孔を有
するシヤドウマスクとこのシヤドウマスクを介してスク
リーン上の螢光体を発光せしめる電子ビームを射出する
電子銃を少なくとも備えたカラー受像管において、この
シヤドウマスクの電子銃側主面に高温加熱処理により封
着接合されたガラス層と、その表面に導電率が10-5乃至
10-12Ω-1m-1の被覆層を設けることによつてシヤドウマ
スクのドーミングを抑制すると共に局部的なドーミング
に対しても電子ビームのミスランデイングを抑制したカ
ラー受像管である。
[発明の実施例] 以下本発明について実施例に基き詳細に説明する。尚、
本発明のカラー受像管の部材構成自体は第1図に示すも
のと同様であるので詳細な説明は省略する。
第1図に示すようなカラー受像管に於いて、スクリーン
(4)に近接対向して配設されるシヤドウマスク(5)
の電子銃側主面に例えば結晶性鉛ほう酸塩ガラス(例え
ば旭硝子社製ASF−1307)からなる層が高温加熱処理に
よつて封着接合され、更にその表面に例えばSnO2と結晶
性鉛ほう酸塩ガラスが1:4の重量比で構成された被覆層
が形成されている。これらのガラス層はパネル(1)と
フアンネル(2)とが封着される前に、ニトロセルロー
スを数%溶かした酢酸ブチルアルコール溶液で溶かされ
た結晶性鉛ほう酸塩ガラス及びSnO2を含む結晶性鉛ほう
酸塩ガラスを、まず結晶性鉛ほう酸塩ガラスをシヤドウ
マスク(5)の電子銃側に塗布後、SnO2を含む鉛ほう酸
塩ガラスを先に塗布した結晶性鉛ほう酸塩ガラスの表面
に塗布乾燥後このシヤドウマスク(5)をパネル(1)
内に装着する。そして、この後、パネル(1)とフアン
ネル(2)を所定の枠台に乗せて、最高温度が約440℃
でその保持時間が35分以上ある炉を通過させると、シヤ
ドウマスク(5)の電子銃側に結晶化された鉛ほう酸塩
ガラス層とこのガラス層の電子銃側にSnO2を含んだ鉛ほ
う酸塩ガラスが形成できる。この結晶性鉛ほう酸塩ガラ
スはPbOの重量パーセントが44〜93%の範囲でガラス化
するが、結晶化に対し安定なのは70〜85%であり、この
範囲が量産に適している。特に前記実施例の如くガラス
層を電子ビームが射突するシヤドウマスクの電子銃側に
形成した場合、ガラスの表面は電子ビームの射突により
300℃以上の高温となるため軟化点(鉛ほう酸塩ガラス
では350〜600℃程度)以上となると体積流動を生じる結
晶質ガラスは好ましくなく、この観点からも再融化温度
が高い結晶化ガラスを使用することが好ましい。
また、このような鉛ほう酸塩ガラスを結晶化するために
は、600〜400℃の最高温度とそれを30分以上保持できる
炉が必要となり工業的に若干不利となるが、前述の通り
パネル(1)とフアンネル(2)との封着時に同時に封
着炉で結晶化できれば、或はシヤドウマスクとマスクフ
レームを主体とするシヤドウマスク構体のスタビライズ
工程で結晶化できれば工業的に非常に有利となる。この
ように従来の封着炉条件で最適化結晶させるため必要に
応じて、ZnOやCuOを鉛ほう酸塩ガラスに添加してもよ
い。ところで、一般に冷間圧延鋼板よりなるシヤドウマ
スク(5)の熱膨張係数は前記封着温度近傍では約1.2
×10-5/℃であるが、一方前記PbOの重量パーセントが7
0〜85%の鉛ほう酸塩ガラスの熱膨張係数は同じく前記
封着温度近傍で0.7〜1.2×10-5/℃でありこのように封
着温度近傍でのシヤドウマスクの熱膨張係数がガラスよ
り大きいと、封着後にシヤドウマスクに残留引張り応
力、逆にガラスには残留圧縮応力が発生する。
すなわち、第2図(a)に示すように、金属(12)とガ
ラス(11)が高温、例えば440℃に加熱された封着前の
状態では両者の長さLは同一であつたとする。この状態
から第2図(b)に示すように両者を封着しない尽で常
温まで戻した場合は、ガラスの熱膨張よりも金属のそれ
がわずかに大きく選択してあるので、両者の長さの関係
はlg>lmとなる。一方、第2図(c)に示すように金属
(12)とガラス(11)を高温で封着結合し常温まで冷却
した場合は、ガラスは金属のためにより縮み、逆に金属
はガラスがあるが故にその熱による収縮が途中で妨たげ
られる。従つて結局封着結合後の常温での長さは、lg>
l>lmとなる。この結果ガラス内部には圧縮応力Pcが、
金属内部には引張応力PTが残留歪力として常に残ること
になる。
ところで、ガラスではその圧縮強度が引つ張り強度の約
10倍であり、従つて封着後ガラスにわずかに圧縮応力が
加わつている状態にすることが好ましく、前記PbOの重
量%が70〜85%の鉛ほう酸塩ガラスは熱膨張係数が0.7
〜1.2×10-5/℃で熱膨張係数が約1.2×10-5/℃の冷間
圧延鋼板に接合するには好適である。
以上のような構成によるカラー受像管を動作させた場
合、電子ビームが射突する鉛ほう酸塩ガラスで発生した
熱でシヤドウマスクの温度が上昇するがシヤドウマスク
には残留引張り応力が作用しているため、シヤドウマス
クの温度上昇初期の熱膨張は大幅に抑制される。この機
構を第3図を用いて説明する。第3図は物質の原子間隔
の関数(横軸)としてあたえられた固体中のポテンシヤ
ルエネルギー(縦軸)を示す図である。一般にある温度
における原子の振動は調和的でないため、ポテンシヤル
曲線も絶対零度におけるポテンシヤルエネルギー点Zを
中心に非対称となる。従つて第3図において、常温でA
とBに対応する位置のあいだで振動している原子間の平
均距離はaRであるが、温度が上昇するにしたがつてエネ
ルギーが増加しCとDに対応する位置を振動するとポテ
ンシヤル曲線の非対称性のため原子間の平均距離はaH
なり振動の振巾が増加するにしたがつて移動する。この
ような固体中の原子の平均位置の移動Δl=aH−aRが熱
膨張であることはよく知られている。
ここで本発明による常温においてシヤドウマスクに残留
応力をかけた場合の熱膨張を考える。この場合残留引張
応力によりシヤドウマスクを構成する原子の間隔は拡が
るが、これを第3図上で表現すれば縦軸すなわちポテン
シヤルエネルギーの大きさは不変で、横軸すなわち原子
間隔を表わす単位長さがuからuTに拡大されたことと等
価になる(新しい横軸は点線で示す)。従つて、従来は
電子ビームによるシヤドウマスクの温度上昇で、aH−aR
=Δlだけ熱膨張しものが(実線で示す横軸)本発明に
よるシヤドウマスクでは残留引張り応力が存在するた
め、第3図の点線で示した横軸上のAH−AR=Δlだけ
熱膨張する。ところが、前述した如く実線で示す横軸の
単位長さuは点線で示す横軸の単位長さuTより小さく表
現されているため、従来の熱膨張量Δlと本発明による
熱膨張Δlとの関係は、Δl=(u/uT)×Δlとな
り、明らかに本発明によりシヤドウマスクの熱膨張量Δ
は従来より小さくなる。
更に本実施例の如く電子ビームが被覆層に射突した時の
状態について第4図及び第5図を用いて説明する。図中
同一符号は同一部分を示し第5図は第4図の(A)部近
傍を示す。第4図及び第5図において、シヤドウマスク
(5)がドーミング現象を生じていない状態での電子ビ
ーム(10)はスクリーン(4)の所定位置(12)にラン
デイングする。ここで仮にシヤドウマスクに入射する電
子ビーム密度が増大しシヤドウマスクが加熱されドーミ
ング現象を生じた場合、即ちシヤドウマスク(5a)が熱
状態の電子ビーム(11)はシヤドウマスク(5a)のドー
ミングと共に管軸(16)方向に移動し、電子ビームのラ
ンデイング地点も(12)から(12a)へ移動する。即ち
本来地点(12)へランデイングすべき電子ビームはドー
ミング現象によつて管軸側の地点(12a)にミスランデ
イングし、地点(12)と(12a)のミスランデイング量
が各色発光螢光体群の配列によるランデイング余裕度の
限界を超えると色純度の劣化を生ずることになる。ここ
で本発明の場合、シヤドウマスクの電子銃側主面の非透
孔部分(13)には被覆層(14−1)が高温加熱処理によ
る封着接合で形成されており前述のようにドーミング現
象そのものを抑制する作用を有している。しかし乍ら特
に局部的に高い電子流密度の部分が生じた場合、ドーミ
ング抑制作用が追随しきれずドーミング現象が発生す
る。このような場合本発明では被覆層(14−1)の表面
に導電率が10-5乃至10-12Ω-1m-1の低導電率材からなる
被覆層(14−2)が形成されているので電子流密度に対
応して負に帯電することになる。そしてこの負の帯電、
特にシヤドウマスク(5)の透孔(15)の管軸(16)側
の表面に帯電した負電荷は電子ビーム(11)を管軸(1
6)より遠ざかる方向に軌道(10a)を偏向する。従つて
ドーミング現象により所定のランデイング地点(12)よ
り管軸(16)方向に移動する筈の電子ビームのランデイ
ング地点(12a)を再び元のデンデイング地点(12)に
戻すように相殺的に作用することとなり、ドーミング現
象が生じても電子ビームのミスランデイングを抑制減少
させることができる。このようなミスランデイング抑制
作用は低導電率の被覆層(14−2)がシヤドウマスクの
電子銃側主面の非透孔部に形成されているので、主面各
部の電子流密度に対応して被覆層(14−2)の負帯電分
布が生じており、通常の映像映出時の電子流密度程度で
はこのランデイング抑制作用は弱く充分ランデイング余
裕度の範囲内にあるが、ドーミング現象を生ぜしめるよ
うな場合にはドーミング抑制作用と協調してより有効に
作用する。また被覆層には管が動作している限り常に電
子ビームが射突しているので、従来の例えば特公昭57−
18824号公報に示されているものに比べてその作用面積
部分は非常に大きく、また抑制作用の生ずる時間的遅れ
は殆んどないと考えてよい。ところでこのような被覆層
(14−2)は例えば局部的に高い電子流密度が消失した
場合、被覆層(14−2)に帯電していた負の電荷はドー
ミングの消失に対応して減少していなければならない。
今背影部分の負電荷密度に対して局部的に電子ビーム密
度が大でΔCだけ高い局部的な負電荷密度の状態から映
像が全て同一の背景部分に戻つたと仮程した時、ドーミ
ングがほぼ消失した時点で悪くともΔCが20乃至30%程
度には減少していなければならない。このためには被覆
層の導電率は常温で10-5乃至10-12Ω-1m-1であることが
必要である。即ち被覆層の導電率が上記以上に良いと負
帯電現象が充分に作用せず、逆に悪いと絶縁物に近く負
帯電現象が所定の時間内に解消されず逆にミスランデイ
ングを助長することになる。被覆層が鉛ほう酸塩ガラス
を主体とする場合、SnO2を添加することによつて導電率
を変化させることができる。SnO2の添加量はシヤドウマ
スクの形状や大きさ或は管種に応じて適宜選択すること
ができるが、上記導電率の範囲内とするためにはSnO2
添加量は10乃至50重量%とすればよい。例えば前記実施
例のようにSnO2を約25重量%添加した時の導電率は約10
-10Ω-1m-1であつた。
ところで上記実施例のようにシヤドウマスクと封着接合
された結晶性鉛ほう酸塩ガラス、すなわち旭硝子社製AS
F−1307の封着接合温度近傍での熱膨張係数は約1.0×10
-5/℃で、同じく封着接合温度近傍での熱膨張係数が約
1.2×10-5/℃の冷間圧延鋼板よりなるシヤドウマスク
に封着接合させるには非常に適している。ところが前記
実施例のようなSnO2を約25重量%添加された結晶性鉛ほ
う酸塩ガラスの封着接合温度近傍での熱膨張係数は約0.
9×10-5/℃とシヤドウマスクの封着接合温度近傍にお
ける熱膨張係数と約0.3×10-5/℃の差を生じる。した
がつて冷間圧延鋼板よりなるシヤドウマスクの板厚が薄
い場合や、封着接合される結晶性鉛ほう酸塩ガラス層の
厚さが厚過ぎる場合や、高温加熱炉の条件の不適切、例
えば、最高温度440℃で35分間保持後直ちにシヤドウマ
スクを炉外に取り出し急冷した場合はシヤドウマスクに
生じる残留引張り応力のためシヤドウマスクが変形する
可能性が強くなる。この問題に関して本発明者が実験に
より得た一つの例について説明する。すなわち21吋型カ
ラー受像管において、厚さ0.18mmの冷間圧延鋼板よりな
るシヤドウマスクの電子銃側表面に封着接合温度近傍で
の熱膨張係数が約0.9×10-5/℃のSnO2を約25重量%添
加した結晶性鉛ほう酸塩ガラスを約15μmの膜厚で結晶
化させたが、試験に用いたカラー受像管のうち約20%で
シヤドウマスクの周辺部に変形を生じた。ところが本発
明の如くシヤドウマスクの電子銃側に封着接合温度近傍
での熱膨張係数が約1.0×10-5/℃の結晶性鉛ほう酸塩
ガラス層を約15μmの膜厚で設け、その表面に封着接合
温度近傍での熱膨張係数が約0.9×10-5/℃のSnO2を約2
5重量%添加した結晶性鉛ほう酸塩ガラス層を約15μm
の膜厚で設けた場合は、前記の如きシヤドウマスクの変
形は皆無であつた。
またこのような本発明を適用した21吋型カラー受像管を
陽極電圧25KV、陽極平均電流1500μAで動作させ、動作
開始5分後の電子ビームの水平方向最大移動量をチエツ
クした。測定箇所は画面中心から水平方向に約140mmの
最もドーミングの生じ易い部分である。またこのカラー
受像管の場合、シヤドウマスクの水平方向曲率半径は約
1000mm螢光面のストライプ型螢光体細条の水平方向ピツ
チは約220μmで各螢光体細条間には約100μmの光吸収
帯を有している。更に電子ビームは1本の螢光体細条を
含めて両隣の光吸収帯にまたがるようにランデイングす
る、いわゆるネガテイブランデイングであるが、ランデ
イング地点が隣の螢光体細条まで移動しないまでも一定
量の移動により輝度が低下する。特に輝度に最も影響を
及ぼす緑螢光体を基準とするとこのカラー受像管の電子
ビーム移動量の許容値は約60μmである。このようなカ
ラー受像管において、従来の本発明を適用しない場合の
電子ビーム移動量が約90μmであるのに対し、本実施例
の場合の電子ビーム移動量は約50μmを示し充分許容値
の範囲内にあることが確認された。以上の如き実験結果
をまとめたものが第6図である。すなわち、厚さ0.18mm
の冷間圧延鋼板よりなるシヤドウマスクを有するカラー
受像管における電子ビームの最大移動量を縦軸に、シヤ
ドウマスクとこのシヤドウマスクの電子銃側に形成され
た結晶性鉛ほう酸塩ガラスの封着接合温度近傍における
熱膨張係数の差を横軸に示したものである。第6図にお
いて、特性(1)は結晶性鉛ほう酸塩ガラス層のみをシ
ヤドウマスクの電子銃側に封着接合した場合に得られる
カラー受像管の特性であるが、点(A)および点(B)
での電子ビーム移動量はシヤドウマスクと結晶性鉛ほう
酸塩ガラスの封着接合温度近傍における熱膨張係数の差
が大きいために生じたシヤドウマスクの変形が発生した
試作カラー受像管のデータは含まれていない。同じく点
(C)は、前記した封着接合温度近傍での熱膨張係数が
約0.9×10-5/℃のSnO2を約25重量%含む結晶性鉛ほう
酸塩ガラス層のみをシヤドウマスクの電磁銃側に形成し
た場合の電子ビーム移動量であるが、この場合もシヤド
ウマスクに変形が生じた試作カラー受像管のデータは含
まれておらず、その他のシヤドウマスクの変形が認めら
れなかつた試作カラー受像管のデータを平均したもので
ある。そして点(D)は本発明を適用した場合の電子ビ
ーム移動量であり、従来の本発明を適用しない場合の電
子ビーム移動量(点(Z))に比べ大幅に改善出来るこ
とが明らかである。
以上のようにシヤドウマスクの電子銃側に導電率が10-5
乃至10-12Ω-1m-1の結晶性鉛ほう酸塩ガラスを設ける
と、シヤドウマスクのドーミングによる電子ビームの移
動を効果的に制御することができるが、導電率を10-5
至10-12Ω-1m-1の範囲とするためにSnO2などを添加する
と一般に結晶性鉛ほう酸塩ガラスの熱膨張係数はより小
さくなり、シヤドウマスクとの封着接合が難かしくな
る。そこで本発明の如く導電率が10-5乃至10-12Ω-1m-1
の被覆層とシヤドウマスクの間にシヤドウマスクより封
着接合温度近傍における熱膨張係数がわずかに小さいガ
ラス層を設ければ、シヤドウマスクの変形を発生させる
ことなくシヤドウマスクのドーミングによる電子ビーム
の移動を種々のシヤドウマスクの形状および大きさある
いは管種にとらわれることなく、大幅に改善できる。
また他の実施例として導電率が10-5乃至10-12Ω-1m-1
被覆層は添加量が10乃至30重量%のCuを含む鉛ほう酸塩
ガラス層であつても前記と同様の効果が得られた。
ここで、鉛ほう酸塩ガラスはその導電率が10-15Ω-1m-1
以下と非常に絶縁性が高い。このため、この鉛ほう酸塩
ガラスに直接射突した電子ビームが、帯電して、後から
くる電子ビームに影響を及ぼしてその電子ビームの軌道
を変化させることも考えられるが、本発明によれば、こ
の鉛ほう酸塩ガラスよりなる絶縁層の電子銃側に、導電
率が10-5乃至10-12Ω-1m-1の被覆層が形成されているた
めこのような帯電現象を未然に防止することができる。
すなわち導電率が10-5乃至10-12Ω-1m-1の被覆層をシヤ
ドウマスクと封着接合しているガラス層より若干広い面
積に塗布することにより、この被覆層がシヤドウマスク
の周辺部において直接シヤドウマスクと接合されるので
電気的に接続することができる。この場合、シヤドウマ
スクと接合される被覆層は単に電気的接続を行なうため
であり、その膜厚は例えば5μmあれば充分であり、シ
ヤドウマスクに変形を生じさせないことも確認された。
また一般にシヤドウマスクの表面は黒色の酸化被膜でお
おわれているため、ガラスとの封着接合の際に強固な化
学結合を助長させることになり、ガラスのシヤドウマス
クからの脱落は非常に少なくなる。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、大規模な製造設備や作業
時間の増加を伴うことなく、シヤドウマスクのドーミン
グを効果的に軽減して色ずれや色むら等の色純度劣化を
改善することができ、工業的価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
第1図はシヤドウマスク型カラー受像管の構成を示す概
略断面図、第2図(a)乃至第2図(c)はガラスと金
属の封着現象を説明するための模式図、第3図は固体の
熱膨張現象を説明するための模式図、第4図はシヤドウ
マスクのドーミングによる電子ビームの移動を説明する
ための概略図、第5図は第4図のA部を拡大して示す概
略図、第6図はシヤドウマスクと被覆層との熱膨張係数
差に対する電子ビーム移動量を示す特性図である。 (1)…パネル、(2)…フアンネル (3)…ネツク、(4)…スクリーン (5)…シヤドウマスク、(6)…電子銃 (7)…マスクフレーム

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スクリーンに近接し多数の透孔の穿設され
    た主面と前記主面の周縁部に延在するスカート部とから
    なるシヤドウマスクとこのシヤドウマスクを介して前記
    スクリーン上の螢光体を選択発光せしめる電子ビームを
    射出する電子銃とを少なくとも備えたカラー受像管にお
    いて、前記シヤドウマスクの前記電子銃側に少なくとも
    高温加熱処理により封着接合されたガラスを主体とする
    層と前記ガラス層の表面に導電率が10-5乃至10-12Ω-1m
    -1の被覆層を有することを特徴とするカラー受像管。
  2. 【請求項2】前記ガラスを主体とする層の封着接合温度
    における熱膨張係数が前記シヤドウマスクの封着接合温
    度における熱膨張係数より小さいことを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載のカラー受像管。
  3. 【請求項3】前記ガラスが結晶性鉛ほう酸塩ガラスより
    なることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載のカラ
    ー受像管。
  4. 【請求項4】前記鉛ほう酸塩ガラス中に含まれるPbOが7
    0重量%乃至85重量%であることを特徴とする特許請求
    の範囲第3項記載のカラー受像管。
  5. 【請求項5】前記シヤドウマスクと前記ガラスを主体と
    する層との間に酸化物を介在せしめたことを特徴とする
    特許請求の範囲第1項乃至第4項記載のカラー受像管。
  6. 【請求項6】前記導電率が10-5乃至10-12Ω-1m-1の被覆
    層が少なくともSnO2を含む結晶性鉛ほう酸塩ガラスから
    なり、且つ前記SnO2の添加量が10乃至50重量%であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第5項記載の
    カラー受像管。
  7. 【請求項7】前記導電率が10-5乃至10-12Ω-1m-1の被覆
    層が少なくともCuを含む結晶性鉛ほう酸塩ガラスからな
    り、且つ前記Cuの添加量が10乃至30重量%であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第5項記載のカラ
    ー受像管。
  8. 【請求項8】前記導電率が10-5乃至10-12Ω-1m-1の被覆
    層が少なくとも1個所で、前記シヤドウマスクと電気的
    に接続されていることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項乃至第7項記載のカラー受像管。
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