JPH041715Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、回路部品を金属ケースに収納した回
路部品装置に使用する、絶縁被覆引き出し線に関
する。

回路部品装置、例えば箱形ノイズフイルタは、
従来、第３図に示すように、回路部品（コイル
１，コンデンサ２，３など）のリード線と絶縁被
覆引き出し線（以下、引出し線と記す）４とを圧
着端子５を用いて接続し、フイルタ回路を組み立
てた後、絶縁紙６と絶縁ブツシユ７を取りつけた
金属ケース８内に、引き出し線４を絶縁ブツシユ
７に内側から通し、引き出し線４を外方へ引っ張
りながら回路部品を装入し、ケース８に埋込樹脂
を充填し、回路部品と引き出し線を固定して作ら
れていた。

前述した従来構造の箱型ノイズフイルタの場合
には、絶縁ブツシユ７と引き出し線４を接着剤に
より固着することが困難であるので、絶縁ブツシ
ユ７を覆い隠す深さまで埋込樹脂を充填する必要
があり、大量の埋込樹脂と多くの工数を要する欠
点があつた。

本考案は、金属ケースに容易に、かつ確実に固
定出来る絶縁被覆引き出し線を提供することを目
的とし、一端に鍔を有する絶縁樹脂筒体を絶縁被
覆引き出し線の外周に同一軸心上になるように、
一体的に形成してなることを特徴とする。

以下、本考案の実施例を説明する。

第１図は、本考案の一実施例を示す半断面図で
ある。ブツシユ部９は一端に鍔９１を備えた絶縁
樹脂の円筒体９２であり、絶縁被覆引き出し線１
０の外周に、円筒体９２の中心穴が引出し線１０
と同軸になるように、絶縁被覆層１１と一体に形
成されている。円筒体９２は、外周にねじ９３が
形成されている。この絶縁ブツシユ付引き出し線
１０は、金属ケースの板体に設けたねじ穴（バー
リングによるもの、ナツトを溶接したものなど）
にケースの内側から円筒体９２のねじ９３を螺合
してケースに取り付けられる。ケースの内側の引
き出し線１０に回路部品のリード線を接続して所
要の回路部品装置を作ることが出来る。引き出し
線１０はケースに固定されるので、埋込樹脂は回
路部品をケース内底に固定出来る程度であればよ
い。

第２図は、本考案の他の実施例を示し、第１図
と異なる点は、円筒体９２の外周にねじを形成し
ないことと、鍔９１の内面に浅い円環溝９４を同
軸状に形成したことである。この引き出し線１２
は、金属ケースの板体に設けた貫通穴に、ケース
の内側から円筒体９２を挿通し、接着剤により鍔
９１の内面をケースの内壁に固着してケースに固
定される。なお、円環溝９４は接着剤の留め溝で
ある。引き出し線１２が太い場合、ケースの外側
で円筒体９２にキヤツプ状の部材を嵌着してもよ
い。

第２図に示した引き出し線１２の場合、及び第
１図に示した引き出し線１０において、ケースの
外側でねじ９３にナツトを螺着する場合、引き出
し線１０，１２と回路部品のリード線を接続し、
所要の回路を組み立てた後に、引き出し線１０，
１２をケースに取り付けることも出来る。

以上説明したように、本考案による絶縁被覆引
き出し線は、ブツシユ部を絶縁被覆層と一体的に
形成したので、金属ケースに容易に固定でき、従
つて少量の埋込樹脂を用いて回路部品をケース内
底に固着でき、資材費と、組み立て工数を従来よ
り低減出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す半断面図。
第２図は、同じく他の実施例を示す外観図。第３
図は、金属ケースに従来の絶縁被覆引出し線を接
続した回路部品を組込む状態を示す斜視図であ
る。 ４，１０，１２……絶縁被覆引出し線、６……
絶縁端子板、７……絶縁ブツシユ、８……金属ケ
ース、９……ブツシユ部、９１……鍔、１２……
円筒体、１１……絶縁被覆層、９４……円環溝、
９２……円筒体、９３……ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端に鍔を有し、ケースに固定するため円筒体
   外周にねじを切つてあるか、鍔に円環溝を有する
   絶縁樹脂筒体を、絶縁被覆引き出し線の外周に同
   一軸心上になるようにして一体的に形成してな
   る、絶縁ブツシユ付絶縁被覆引き出し線。