JPH0416571Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は、例えばケーブルラツク内での子桁
の如き支持部材上にケーブル類を支持固定すると
き、ケーブル結束バンドを支持部材に仮止めする
ケーブル結束バンド用支持具に関する。

（従来の技術） ビル、工場その他にケーブル、電線管等のケー
ブル類を纏めて配線するのに使用されるケーブル
ラツクは、その内部にケーブル類を引き込み通線
し、子桁上でケーブル類を固定することで、ケー
ブル類を支持している。

そして、ケーブルラツク内でケーブル類を子桁
に固定するのに、適当な紐状のバンド材によつて
縛り付けることで行つている。

例えば、第７図に示すように、支持部材Ｓとし
ての子桁上に直交状で載置したケーブル類Ｃを子
桁と共に斜めに巻回するケーブル結束バンドＢに
よつて縛り付けるもので、ケーブル結束バンドＢ
は１本或いは互いに交差する２本にして使用され
る。

また、第８図に示すように、子桁がリツプ溝形
鋼にて形成されている場合には、子桁のリツプ部
Ｌ内縁に係合する支持具１０を用意し、リツプ部
Ｌに係合した支持具１０の底面に沿つてケーブル
結束バンドＢを配してケーブル類Ｃを止着してい
る。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、第７図に示した従来のものは、子桁
と共に斜めに交差させて結束するために、ケーブ
ルラツク下側（裏側）から見え、見栄えが悪いば
かりでなく、必要以上の長さを要し、無駄があ
る。更には、子桁の横方向へずれることがあり、
そのずれを防止するには、２本のバンドを交差し
て使用する必要があつて、作業上の余分な手間を
要する。

また、第８図に示した従来のものは、子桁内に
配置する支持具１０が子桁内で固定されておら
ず、ずれ動くために、ケーブル結束バンドＢを支
持具１０の底面に沿わせて挿通するのが困難とな
ることもあつた。

そこで、この考案は、従来存した叙上の点に鑑
み案出されたものであり、リツプ溝形鋼製の子桁
の如き支持部材にケーブル類を結束固定すると
き、支持部材内に仮止め可能な状態で装入配置さ
れるものとし、ケーブル類の結束作業を簡易迅速
に、確実に行えるケーブル結束バンド用支持具の
提供を目的とする。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 上述した目的を達成するため、この考案にあつ
ては、リツプ溝形鋼製の支持部材でのリツプ部間
隙から支持部材内に装入され、平面においてほぼ
90度回転されることでリツプ部内縁に係合する係
合部を両側に有する支持体を形成し、この支持体
には、支持部材内への装入回転後での支持部材の
長さ方向に沿う方向でバンド挿通孔を開穿し、ま
た、支持体上面には、支持部材のリツプ部がわ開
口面に係止され、前記係合部とともにリツプ部を
挟持する仮止翼片を設けたことを特徴とする。

（作用） この考案に係るケーブル結束バンド用支持具に
おいて、支持部材においてのリツプ部間隙内に装
入し、ほぼ90度回転させることで支持体両側の係
合部をリツプ部内縁に係合する。

このとき、支持体上面に設けた仮止翼片は支持
体両側の係合部とともにリツプ部を挟持し、この
考案支持具自体を支持部材内で支持する。

（実施例） 以下、図面を参照してこの考案の実施例を説明
する。

図において示される符号Ｓは、例えば、ケーブ
ル類Ｃを纏めて配線支持するケーブルラツクにお
いてのリツプ溝形鋼製の子桁としての支持部材で
あり、リツプ部Ｌがある開口面を上方に向けて左
右の親桁相互間に架設されている。

この支持部材Ｓ上に引込み通線されることで載
置されたケーブル類Ｃをケーブル結束バンドＢに
て巻回し、固定するに際し、この考案支持具が支
持部材Ｓ内に装入配置され、ケーブル結束バンド
Ｂを支持する。

しかして、この考案支持具は、支持部材Ｓ内に
装入され、リツプ部Ｌに係合する支持体１に、ケ
ーブル結束バンドＢを挿通させるバンド挿通孔５
を開穿し、支持部材Ｓのリツプ部Ｌがわ開口面に
係止して係合部２とともにリツプ部Ｌを挟持する
仮止翼片６を設けて成る。

支持体１は、支持部材Ｓでのリツプ部Ｌ間隙か
ら支持部材Ｓ内に装入され、平面においてほぼ90
度回転されることでリツプ部Ｌ内縁に係合する係
合部２を両側に有する。すなわち、図示のよう
に、支持体１自体は、平面においてほぼ長方形状
を呈し、狭い方向での幅員はリツプ部Ｌ間隙幅よ
り大きくはなく、広い方向での長さはリツプ部Ｌ
内縁に係合し、かつ支持部材Ｓ内法幅員より大き
くはないものとしてある。そして、支持部材Ｓ内
に装入後での90度の回転がスムーズになるよう
に、回転方向での隅角部は面取加工が施されてい
る。

また、支持体１自体の回転操作をスムーズにす
るため、支持体１上面には十文字状の回転操作溝
３を形成してあり、プラスドライバー或いはマイ
ナスドライバーの刃先を回転操作溝３内に挿入
し、回転できるようにしてある。

図示にあつての支持体１は、正面からみて、中
央部を両側の係合部２より高くした凸字形と成し
てあり、リツプ部Ｌ内縁への係合時に、支持部材
Ｓの左右方向へずれないようにし、更に、係合部
２上面には、リツプ部Ｌ内縁に予め形成してある
凹凸波形面に係合する滑り止め溝４を形成するこ
とで、支持部材Ｓの長さ方向へずれないようにす
ることもできる。

また、支持体１には、支持部材Ｓ上でのケーブ
ル類Ｃを結束するケーブル結束バンドＢを挿通す
るバンド挿通孔５を開穿してあり、このバンド挿
通孔５は、支持部材Ｓ内への装入回転後での支持
部材Ｓの長さ方向に沿う方向で設けられる。この
とき、バンド挿通孔５は、挿通方向での断面で水
平一文字状とする場合に限らず、バンド挿通孔５
の中央付近で低く、開口付近で高くなる傾斜を付
しておくこともよい。特に、第４図に示すよう
に、中央付近で低く、両側の開口付近が高くなる
Ｖ字形とすることで、ケーブル結束バンドＢのバ
ンド挿通孔５内への挿入、引出しを極めてスムー
ズに行える利点がある。

前記仮止翼片６は、支持部材Ｓの開口面に沿設
されているリツプ部Ｌを前記係合部２とともに挟
持するもので、仮止翼片６自体は支持体１上面
に、支持部材Ｓでのリツプ部Ｌがわ開口面に係止
されるよう張り出し状に形成されている。

そのため、支持体１中央部での凸部の高さは、
リツプ部Ｌの高さに比し大きくはなく、支持体１
両側の係合部２と仮止翼片６とでリツプ部Ｌを半
ば強制的に挟持する程度でのものとしておくとよ
い。

第１図に示す仮止翼片６は、支持体１自体の長
さ方向に沿つたものと同様な方向にのみ延長し、
係合部２上方に位置するよう、全体が平面ほぼ長
円形状として形成されている。

第５図に示す仮止翼片６は、係合部２上方に位
置するよう、左右夫々が半月形を呈するように形
成されており、左右の仮止翼片６相互間に切欠部
が存することによつて、バンド挿通孔５に挿通し
たケーブル結束バンドＢによつてのケーブル類Ｃ
への巻回操作をムーズにする。

第６図に示す仮止翼片６は、平面ほぼ円形状に
形成されており、支持体１をリツプ部Ｌ間隙に挿
入したとき、支持部材Ｓ開口面に仮止翼片６が常
時係止しているから、支持体１自体の90度の回転
操作をスムーズにする。

この考案は叙上のように構成されており、これ
が使用に際しては、第２図に示すように、例え
ば、子桁として支持部材Ｓにおいてのリツプ部Ｌ
間隙内に装入し、ほぼ90度回転させることで支持
体１両側の係合部２をリツプ部Ｌ内縁に係合す
る。

このとき、支持体１上面に設けた仮止翼片６は
支持体１両側の係合部２とともにリツプ部Ｌを挟
持し、この考案支持具自体を支持部材Ｓ内で支持
する。

次いで、第３図に示すように、バンド挿通孔５
内にケーブル結束バンドＢを挿通し、また、支持
部材Ｓ上に載置されたケーブル類Ｃをケーブル結
束バンドＢにて巻回し、固定する。

［考案の効果］ 従つて、支持部材Ｓ内に装入配置されるとき、
係合部２と仮止翼片６とのリツプ部Ｌへの挟持作
用によつて仮止め状態となり、ケーブル類Ｃを結
束するためのケーブル結束バンドＢをバンド挿通
孔５に挿通することで簡単に支持しておくことが
できる。

すなわち、これは、リツプ部Ｌ内縁に係合する
係合部２を両側に有する支持体１上面に、支持部
材Ｓのリツプ部Ｌがわ開口面に係止され、前記係
合部２とともにリツプ部Ｌを挟持する仮止翼片６
を設けたからであり、係合部２と仮止翼片６との
挟持力にて支持体１自体を支持部材Ｓ内で支持す
る。

また、支持体１は、リツプ溝形鋼製の支持部材
Ｓでのリツプ部Ｌ間隙から支持部材Ｓ内に装入さ
れ、平面においてほぼ90度回転されることで支持
部材Ｓ内に装入配置できるから、極めて簡単に行
なうことができる。

ケーブル結束バンドＢを挿通させるバンド挿通
孔５は、支持部材Ｓ内への装入回転後での支持部
材Ｓの長さ方向に沿う方向で支持体１に開穿して
あるから、その挿通作業は容易であり、ケーブル
類Ｃの結束方向にも合致するから便利である。

以上説明したように、この考案よれば、リツプ
溝形鋼製の子桁の如き支持部材にケーブル類を結
束固定するとき、支持部材内に仮止め可能な状態
で装入配置されるものとし、ケーブル類の結束作
業を簡易迅速に、確実に行える等の優れた効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図はこの考案の実施例を示すも
ので、第１図は斜視図、第２図は支持部材内に装
着する状態での一部切欠平面図、第３図はケーブ
ル類をケーブル結束バンドにて結束した状態での
正面図、第４図はケーブル結束バンドをバンド挿
通孔に挿通するときでの要部断面図、第５図、第
６図夫々は他の実施例における斜視図であり、第
７図は従来例の斜視図、第８図は他の従来例の正
面図である。 Ｓ……支持部材、Ｌ……リツプ部、Ｃ……ケー
ブル類、Ｂ……ケーブル結束バンド、１……支持
体、２……係合部、３……回転操作溝、４……滑
り止め溝、５……バンド挿通孔、６……仮止翼
片、１０……支持具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ リツプ溝形鋼製の支持部材でのリツプ部間隙
   から支持部材内に装入され、平面においてほぼ
   90度回転されることでリツプ部内縁に係合する
   係合部を両側に有する支持体を形成し、この支
   持体には、支持部材内への装入回転後での支持
   部材の長さ方向に沿う方向でバンド挿通孔を開
   穿し、また、支持体上面には、支持部材のリツ
   プ部がわ開口面に係止され、前記係合部ととも
   にリツプ部を挟持する仮止翼片を設けたことを
   特徴とするケーブル結束バンド用支持具。 ２ バンド挿通孔は、その中央付近で低く、開口
   付近で高くなる傾斜を付してある実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のケーブル結束バンド用
   支持具。