JPH04165058A

JPH04165058A - 金属クロム溶射被膜の形成法

Info

Publication number: JPH04165058A
Application number: JP28829490A
Authority: JP
Inventors: Yoshitaka Iwasaki; 岩崎　好孝
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1990-10-29
Filing date: 1990-10-29
Publication date: 1992-06-10

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、主として圧延ロールや鋼板搬送ロールの耐摩
耗化や、溶融亜鉛メツキラインのポット内ロール等、溶
融金属に対する耐食性対策・耐摩耗化対策用に使用する
、耐食性、耐摩耗性に優れた金属クロム溶射被膜の形成
法に関する。

［従来の技術］従来、圧延ロールや鋼板搬送ロールの耐摩耗対策として
、クロムメツキや超硬材料たとえばＷＣ−Ｃｏ溶射が使
用されている。また、溶融亜鉛メツキラインのポット内
ロールとしてはＣｏ系の溶射ロールが使用されている。

この中で、圧延ロールについてはクロムメツキが主に使
用されており、これはロールの摩耗量の減少による圧延
量の増大や圧延スケジュールのフリー化を狙ったもので
ある。このクロムメツキにより寿命延長はなされある程
度のスケジュールフリー化は達成されたが、さらに耐摩
耗性の向上が望まれている。この対応としてクロムメツ
キよりも高硬度の超硬材料の溶射適用が検討されている
が、被膜剥離の問題があり実機適用には至っていない。

また、溶融亜鉛メツキラインのポット内ロールとしては
ＣＯ系溶射の適用により、ロール寿命の延長は図れたも
のの、まだまだ耐摩耗性は低く、品質面からも寿命延長
が望まれている。この対応としてＷ　Ｃ−Ｃｏ系溶射の
適用（材料とプロセスＣＡＭＰ−ＩＳＩＪ　Ｖｏｌ、２
（１９８９）−１６７８）が行われているが、剥離・摩
耗専決して良好な結果とはなっていない。

［発明が解決しようとする課題］このようなことから、本発明は被膜剥離の問題がなくか
つ耐食性、耐摩耗性の良い溶射被膜の提供を目的とする
。

［課題を解決するための手段］本発明はこのような課題を有利に達成するためになした
ものでその要旨とするところは、純度９９％以上の金属
クロム粉末を用い、溶射燃焼炎温度を金属クロムの融点
以上沸点未満とし、かつ該燃焼炎を還元炎とし、金属ク
ロムの粒子飛行速度をマツハ２〜３で被溶射面に溶射す
ることを特徴とする金属クロム溶射被膜の形成法に関す
る。

［作用コ従来のＣＯ系、Ｗ　Ｃ−Ｃｏ系の溶射被膜は溶融亜鉛に
対して耐食性が低く、剥離の問題が解決できたとしても
寿命延長は余り望めない。溶融亜鈴に対し耐食性を示す
ものとしてクロムメツキがあるが、被膜厚みが薄く、か
つ微小亀裂の発生から長寿命化は望めなかった。

しかして被膜を厚くする手段としては溶射法が知られて
おり、各分野において採用されている。

金属クロムの溶射はプラズマ溶射で施工された二とがあ
ったが、以下に示す問題が解決できず中止された。

（１）金属クロムは融点と沸点の値が近接していること
から、プラズマ溶射の場合金属クロムの大部分が蒸発し
、かつ酸化クロムを巻き込んだ被膜のため、その被膜性
質は非常に劣る。

（２）上記理由により、溶射効率が非常に悪く、商業的
にはクロムメツキと比較できない程度のコストとなる。

（３）プラズマ溶射は溶射粒子飛行速度が遅く、１０％
程度以上の気孔を含んでおり、耐食用途への使用はでき
ない。

本発明者は、耐食性その中でも特に溶融金属に対して優
れた機能を発揮する被覆方法について多数の実験と詳細
な検討を行ってきた。また耐摩耗性に対しても、現状の
メツキの問題点、溶射法の問題点について十分な検討及
び実験を行い、解決策の検討を行ってきた。その結果、
耐食性及び耐摩耗性被覆として純度９９％以上の金属ク
ロムの超音速溶射法（粒子飛行速度がマツハ２〜３）に
よる被覆の有効性を見い出した。

ここに金属クロムの純度を９９％以上とするのは９９％
未満では不純物（鉄等）の影響により耐食性が著しく低
下するため好ましくないからである。

使用する金属クロム粉末の大きさは、１０μ■〜１００
μ園が好ましい。この範囲以外では溶射時の粉末供給系
に問題を生じるとともに、粉末の均一加熱が困難である
。望ましくは１０〜５０μｍが好ましい。

溶射燃焼炎温度を金属クロムの融点以上としたのは、未
溶融粒子の残留を防ぎ、被膜性能を向上安定させるため
である。また、上限を沸点未満としたのは、これ以上温
度を上げると大部分の金属クロムが蒸発し溶射効率を著
しく低下することのほか品質の低下を招くからである。

燃焼炎を還元炎としたのは、酸化クロムの発生を防止し
健全な被膜を形成するためであり、燃料ガス（例えばＣ
，Ｈ，）：０２＝１：１以下とし、不活性ガス（例えば
Ｎ　Ｚ　）を燃焼ガス（Ｃ２Ｈ，＋０２　）の２０〜５
０％程度供給すれば良い。

次いで金属クロムの粒子飛行速度をマツハ２〜３とした
のは、被膜の密着力確保による耐剥離性向上と、低気孔
率化による耐食性向上を図るためであり、マツハ２未満
では密着力、気孔率ともに不十分である。一方マツバ３
を超える飛行速度は、実用上の被膜密着力、低気孔率確
保のうえから不要である。

ここに粒子飛行速度マツハ２〜３を達成する超音速溶射
法としては爆発溶射が最適であり、商品名Ｄ−Ｇｕｎ、
ジェットコート、ダイヤモンドジェット等の溶射装置が
利用しうる。

［実施例コ表１に本発明実施例と比較例について、被膜形成方法と
得られた被膜の特性を示す。

Ｎ０８１はメツキライン出側搬送ロール、Ｎｏ、２．３
は溶融亜鉛メツキポット内ロール、Ｎｏ、４．５は圧延
ロールとして供するようにしたものである。金属クロム
の純度は９９．５％で金属クロム粉末粒子の大きさは３
０μ−であり、爆発溶射装置はＤ−Ｇｕｎを用いた。

Ｎｏ、１−Ｎｏ、５の被膜はいずれも断面状況は良好で
あった・これに対してＮｏ、６．７．８はＮ００１〜Ｎ０１５と
同一溶射装置と同一金属クロム粉末を用いたものである
が、Ｎｏ、６は燃焼炎温度が高すぎること、燃料比で０
２量が過多であるとこと、粒子飛行速度が低すぎる等の
ため、断面観察において、酸化、クラックが認められた
。Ｎ００７は燃焼炎温度が低く被膜中に金属クロムの未
溶融まき込みがあり、クラックが認められた。Ｎ００８
は燃焼比で０２量が過多であるため被膜の酸化が認めら
れた。また粒子飛行速度が低いため気孔率も高いもので
あった。Ｎ００９は使用金属クロム純度が低く被膜の断
面状況は良好なるも耐食性に劣る被膜であった。Ｎｏ、
１０はプラズマ溶射であり、プラズマ温度が超高温であ
るため、被膜の酸化が認められた。また粒子飛行速度が
低いため気孔率も高いａ　Ｎｏ、１１はＣｒメツキであ
り、膜厚がうすい。

しかして表１のロールを用いて使用性能を調査した結果
を図により説明する。

第１図はメツキライン出側搬送ロールに被膜を施し摩耗
量を比較したものである。本発明法によるＣｒ溶射した
ものはＷＣ−Ｃｏ溶射ロールより優れた耐摩耗性を示す
。

第２図は転勤疲労特性について圧延ワークロールをシュ
ミレートしたテスト結果であり、Ｎｏ、１０のＷＣ−Ｃ
ｏ溶射したものは、早期に被膜剥離が発生し寿命は最も
短い。

本発明法によるＣｒ溶射（ＮＯ，４）の場合は、Ｃｒメ
ツキ（Ｎｏ、１１）以上の寿命となっている。

この結果より、Ｃｒ溶射を圧延ワークロールに適用した
結果、Ｃｒメツキの被膜厚さの２倍以上が可能であり、
トータル寿命としてＣｒメツキの３倍以上となっている
。

第３図は溶融亜鉛（４８０℃）への浸漬テスト結果を示
す。ＳＵＳ　３０４圧延鋼板、Ｗ　Ｃ−Ｃｏ溶射（Ｎｏ
、１０）と比べ１本発明法によりＣｒ溶射（Ｎｏ、２）
シた場合は非常に良好な耐食性を示している。この結果
より実際に連続溶融亜鉛メツキラインのポット内ロール
へ適用した結果、Ｗ　Ｃ−Ｃｏ溶射の場合２〜３ケ月の
寿命であったが、Ｃｒ溶射したものは、６ケ月以上の寿
命を示した。

［発明の効果〕以上詳細に説明したように、本発明によれば苛酷な使用
条件において一層の耐食性、耐摩耗性を要求される用途
に、被膜剥離の心配もない極めて安定な溶射被膜の形成
が可能となるので設備の長期安定稼動に大きく寄与する
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例において鋼板搬送ロールにおけ
る被膜別の摩耗量を示す説明図、第２図は本発明の実施
例において圧延ワークロールにおける被膜別の摩耗量を
示す説明図、第３図は本発明の実施例において溶融亜鉛
に対する被膜別の亜鉛拡散深ささ（耐食性）を示す説明
図、である。特許出願人　　新日本製鐵株式会社

Claims

【特許請求の範囲】

　純度９９％以上の金属クロム粉末を用い、溶射燃焼炎
温度を金属クロムの融点以上沸点未満としかつ該燃焼炎
を還元炎とし、金属クロムの粒子飛行速度をマッハ２〜
３で被溶射面に溶射することを特徴とする金属クロム溶
射被膜の形成法。