JPH0416289Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば光学式デイスクプレーヤにお
ける光学ヘツドの如き記録及び／又は再生用のヘ
ツドの移送ガイド機構に関するものである。

〔従来の技術〕

第４図は従来の光学式デイスクプレーヤにおけ
る光学ヘツドの移送ガイド機構を示したものであ
つて、対物レンズ１等を有する光学ヘツド２はそ
の一側部を支軸３を介してキヤリツジ４に支持さ
れ、他側部に回転自在に枢支したガイドローラ５
を固定のガイドレール６上に載置している。そし
てキヤリツジ４はリニアベアリング７を介して一
本の固定のガイド軸８に挿通されていて、キヤリ
ツジ４の下部に設けられたリニアモータ９により
キヤリツジ４が水平駆動されることにより光学ヘ
ツド２がガイド軸８に沿つて直線的に移送される
ように構成されていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしてこのような、光学ヘツド２の移送ガイ
ド機構においては、支軸３に質量が集中する構造
になつている為に比較的低い固有振動を有し、ガ
イド軸８とキヤリツジ４内に固定されているリニ
アベアリング７の内径との間にガタ（隙間）があ
ると、キヤリツジ４及びヘツド２の固有振動が増
幅されて共振を起こし、キヤリツジ４を水平駆動
するリニアモータ９のサーボに悪影響を及ぼす問
題があつた。

そこで従来、上記の問題点を解決する為に、第
５図に示す如くキヤリツジ４の側面にヨーク１１
を介して一対の永久磁石１２を取付け、これら両
永久磁石１２のガイド軸８に対する矢印ａ方向の
磁気吸引力を利用して、第６図に示すリニアベア
リング７にガイド軸８に対する矢印ａ方向の側圧
を加えて、そのガイド軸８とリニアベアリング７
の内径との間のガタを取り除く方法が考えられて
いた。

しかしながらこのように、永久磁石１２を用い
る方法では、永久磁石１２による残留磁気がリニ
アモータ９によるキヤリツジ４の水平駆動に悪影
響を与えたり、上記磁気吸引力を適切な値に設定
する為の永久磁石１２とガイド軸８との間の隙間
１３の調整が非常に困難であつたり、更には永久
磁石１２の取り扱い事体に煩らわしさがある等の
新たな問題があつた。

本考案は、永久磁石を用いたもののようにリニ
アモータによるキヤリツジの水平駆動に悪影響を
与えることなく、ガイド軸に対するキヤリツジの
ガタによる振動を極めて簡単な機構で取り除くこ
とが出来、しかも、破損部品の交換を極めて簡単
に行うことができるようにしたヘツドの移送ガイ
ド機構を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するための本考案のヘツドの
移送ガイド機構は、ヘツドが取付けられたキヤリ
ツジを一本のガイド軸によつて案内して移送する
ヘツドの移送ガイド機構において、支軸と、上記
支軸の略中央部の外周に回転自在に取付けられた
ローラと、上記支軸の両端が遊嵌された一対の支
持片を有するばねホルダーと、上記ばねホルダー
内に組み込まれ、上記ローラを跨ぐようにして上
記支軸の両端近傍をその支軸に対して直角な方向
から押圧する圧縮コイルばねとによつて圧着ユニ
ツトを構成し、上記支軸を上記ガイド軸に対して
直交させた状態で、上記圧着ユニツトのばねホル
ダーを上記キヤリツジに着脱自在にねじ止めし、
上記圧縮コイルばねによつて上記ローラを上記ガ
イド軸に圧着させて転動させるように構成したも
のである。

〔作用〕

上記のように構成された本考案のヘツドの移送
ガイド機構は、キヤリツジに着脱自在にねじ止め
した圧着ユニツトの圧縮コイルばねによつてロー
ラをガイド軸に圧着させて転動させるようにした
ので、リニアベアリング等のキヤリツジのガイド
軸挿通孔部分にそのガイド軸に対する側圧を加え
ることが出来る。従つて、ガイド軸に対するキヤ
リツジのガタを取り除くことが出来て、そのガタ
によるヘツドの振動を極めて簡単に取り除くこと
が出来るものである。しかも永久磁石等は一切使
用していないので、永久磁石を用いたもののよう
にリニアモータによるキヤリツジの水平駆動に悪
影響を与えたりすることが全くない。その上、圧
着ユニツトがキヤリツジに着脱自在にねじ止めさ
れているので、ローラが破損した時には、キヤリ
ツジから圧着ユニツトを取り外して、ローラを支
軸ごと新しいものに極めて簡単に交換することが
できる。

〔実施例〕

以下、本考案を光学式デイスクプレーヤにおけ
る光学ヘツドの移送ガイド機構の実施例を第１図
〜第３図によつて説明する。なお第４図に示した
従来例と同一構造部には同一の符号を付してその
説明を省略する。

先ず、光学ヘツド２に取付けられたキヤリツジ
４の側面で一対のリニアベアリング２７の中間部
分に切欠部２０を設け、この切欠部２０に対応さ
せてキヤリツジ４の側面に圧着ユニツト２９のば
ねホルダー２１をねじ２２によつて着脱自在にね
じ止めし、ガイド軸８に対して直角な支軸２３の
中央部にローラであるばねボールベアリング２４
を回転自在に取付け、支軸２３の両端２３ａをば
ねホルダー２１に一体に設けた一対の支持片２５
の支持孔２６内に遊嵌させてボールベアリング２
４を切欠部２０内に配置させ、ばねホルダー２１
内に取付けた圧縮コイルばね２７によりボールベ
アリング２４を跨ぐようにして支軸２３の両端２
３ａ近傍を第１図及び第２図に示すように支軸２
３に対し直角な方向である矢印ｂ方向に押圧し
て、そのばね力によりボールベアリング２４をガ
イド軸８に圧着させたものである。なお２８は支
軸２３の両端２３ａに嵌着した抜止め用ワツシヤ
ーである。

このように構成された光学ヘツドの移送ガイド
機構によれば、第４図で示したリニアモータ９に
よりキヤリツジ４を介して光学ヘツド２がガイド
軸８に沿つて直線的に移送される際、圧着ユニツ
ト２９のボールベアリング２４はガイド軸８に対
する圧着状態を保つたままでガイド軸８に沿つて
転動される。

しかしてこの際、第２図に示す如く圧着ユニツ
ト２９の圧縮コイルバネ２７のばね力によつてボ
ールベアリング２４がガイド軸８に矢印ｂ方向か
ら圧着されることにより、そのばね力の反発力に
よつてリニアベアリング７にガイド軸８に対する
矢印ｃ方向の側圧を加えることが出来て、そのガ
イド軸８とリニアベアリング７の内径との間のガ
タを取り除くこが出来る。

ところで、圧着ユニツト２９は、ばねホルダー
２１、支軸２３、ボールベアリング２４、圧縮コ
イルばね２７、抜止め用ワツシヤー２８によつて
構成されていて、その構造は簡単である。そし
て、この圧着ユニツト２９はキヤリツジ７にねじ
２２によつて着脱自在にねじ止めされている。そ
して、ばねホルダー２１に一体に設けられた一対
の支持片２５は第１図及び第２図に示すように略
Ｃ型に形成され、支軸２３の両端２３ａはこれら
一対の略Ｃ形形状の支持片２５の略Ｃ型形状の支
持孔２６内に遊嵌されて一対の抜け止めワツシヤ
ー２８で支持されている。

従つて、長時間の使用によりボールベアリング
２４が摩耗破損した時には、ねじ２２を外して、
圧着ユニツト２９をキヤリツジ４から取り外し、
支軸２３を支持片２５の略Ｃ型形状の支持孔２６
に沿つて支持片２５から極めて簡単に取り外し
て、ボールベアリング２４を支軸２３ごと新しい
ものと極めて簡単に交換することができる。

また、圧着ユニツト２９は、略中央部にボール
ベアリング２４が取り付けられた支軸２３をガイ
ド軸８に直交させ、圧縮コイルばね２７によつて
ボールベアリング２４を跨ぐようにして支軸２３
の両端２３ａ近傍を支軸２３に対して直角な方向
から押圧して、ボールベアリング２４をガイド軸
８に圧着している。

従つて、一本の圧縮コイルばね２７を用いなが
ら、支軸２３の両端２３ａを両持ち方式で支持す
ることができて、ガイド軸８に対するボールベア
リング２４の傾きによるこじれを未然に防止で
き、ボールベアリング２４をガイド軸８に沿つて
極めて円滑に転動させることができるので、ガイ
ド軸８に対するキヤリツジ４のリニアベアリング
７の側圧をキヤリツジ４の移送範囲の全域におい
て安定して加えることができる。

以上、本考案の実施例に付き述べたか、本考案
は実施例に限定されることなく、本考案の技術的
思想に基づき各種の変更が可能である。

例えば実施例では、キヤリツジ４内に固定した
リニアベアリング７をガイド軸８に挿通させた
が、リニアベアリング７は必ずしも必要ではな
く、単なる軸挿通孔やオイル含浸のメタル軸受等
であつても良い。

また光学ヘツド２の水平駆動はリニアベアリン
グ７の他にもねじ送り機構を用いることも可能で
ある。

また実施例では、ローラとしてボールベアリン
グ２４を用いたが、ボールベアリング２４以外の
如何なるローラであつても良い。

また本考案は、光学ヘツドの移送ガイド機構に
限定されることなく、光学式、磁気式或いは光磁
気式の如き各種方式による記録及び／又は再生用
の各種ヘツドの移送ガイド機構に適用可能であ
る。

〔考案の効果〕

本考案は、ガイド軸に対するキヤリツジのガタ
を取り除いて、そのガタによるヘツドの振動を取
り除くことが出来るので、ヘツドの移動駆動系の
サーボを常に正常に働かせることが出来て、ヘツ
ドの移送を常に極めて鋭敏かつ正確に行うことが
できる。しかも永久磁石を用いていないので、ヘ
ツドをリニアモータにより水平駆動するものにお
いては、そのリニアモータによるヘツドの水平駆
動に悪影響を与えたりすることが全くない。

そして、ローラが取り付けられた支軸、ばねホ
ルダー及び圧縮コイルばねからなる圧着ユニツト
は構造が極めて簡単である上に、その圧着ユニツ
トをキヤリツジに着脱自在にねじ止めしてあるの
で、長時間の使用によりローラが破損した時に
は、圧着ユニツトをキヤリツジから取り外して、
ローラを支軸ごと新しいものに極めて簡単に交換
することができるので、修理が極めて容易であ
る。また、圧着ユニツトをキヤリツジにねじ止め
する構造であるから、圧着ユニツトを既存のデイ
スクレーヤへも極めて簡単に取り付けることがで
きる。

更に、圧着ユニツトは、略中央部にローラが取
り付けられた支軸をガイド軸に直交させ、圧縮コ
イルばねによつてローラを跨ぐようにして支軸の
両端近傍をその軸に対して直角な方向から押圧し
て、ローラをガイド軸に圧着させているので、１
本の圧縮コイルばねを用いながら支軸の両端を両
持ち方式で支持することができる。

従つて、ガイド軸に対するローラの傾きによる
こじれが全く発生せず、ローラをガイド軸に沿つ
て極めて円滑に転動させることができるので、ガ
イド軸に対するキヤリツジのガイド軸挿通孔部分
の側圧をキヤリツジの移送範囲の全域において安
定して加えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案を光学式デイスクプレ
ーヤの光学ヘツドの移送ガイド機構に適用した実
施例を示したものであつて、第１図は要部の平面
図、第２図は第１図−線側面図、第３図は同
上の分解斜視図である。第４図は本考案の従来例
を示した側面図、第５図は同上の要部の平面図、
第６図は同上の側面図である。 また図面に用いられた符号において、２……光
学ヘツド、８……ガイド軸、２１……ばねホルダ
ー、２２……ねじ、２３……支軸、２４……ボー
ルベアリング（ローラ）、２５……支持片、２７
……圧縮コイルばね、２９……圧着ユニツトであ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ヘツドが取付けられたキヤリツジを一本のガイ
   ド軸によつて案内して移送するヘツドの移送ガイ
   ド機構において、 支軸と、上記支軸の略中央部の外周に回転自在
   に取付けられたローラと、上記支軸の両端が遊嵌
   された一対の支持片を有するばねホルダーと、上
   記ばねホルダー内に組み込まれ、上記ローラを跨
   ぐようにして上記支軸の両端近傍をその支軸に対
   して直角な方向から押圧する圧縮コイルばねとに
   よつて圧着ユニツトを構成し、 上記支軸を上記ガイド軸に対して直交させた状
   態で、上記圧着ユニツトのばねホルダーを上記キ
   ヤリツジに着脱自在にねじ止めし、 上記圧縮コイルばねによつて上記ローラを上記
   ガイド軸に圧着させて転動させるように構成した
   ことを特徴とするヘツドの移送ガイド機構。