JPH0416155B2 - - Google Patents

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JPH0416155B2
JPH0416155B2 JP30654586A JP30654586A JPH0416155B2 JP H0416155 B2 JPH0416155 B2 JP H0416155B2 JP 30654586 A JP30654586 A JP 30654586A JP 30654586 A JP30654586 A JP 30654586A JP H0416155 B2 JPH0416155 B2 JP H0416155B2
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sodium
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salt
phosphate
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Kikkoman Soyfoods Co
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Kibun Food Chemifa KK
Kibun KK
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  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は酵素又は微生物のアルギン酸ナトリウ
ムで固定化した機械的、化学的強度の大きい固定
化酵素又は固定化微生物の製造方法に関する。 〔従来の技術〕 酵素又は微生物を医薬、食品、その他に利用す
る場合、反応後酵素又は微生物を基質や生成物か
ら分離し、再利用、連続使用することが望まし
い。 このため酵素又は微生物を加工し、一定の空間
に閉じ込め連続反応及び再利用を可能にした固定
化酵素又は固定化微生物が開発され、その製造方
法についても担体結合法、架橋法、包括方法など
の方法が提案されている。 このうち包括法は酵素や微生物をゲル或いは高
分子材料等で包み込むことによつて固定化する方
法であるが、アルギン酸ナトリウムを用いる方法
も、その一般的な方法は包括法の一つとして既に
知られている方法である。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、従来のアルギン酸ナトリウムを用いた
包括固定化法はアルギン酸塩のゲルが反応液中に
含まれる種々の塩類の影響、或いはPHの変化によ
つてゲル強度が著しく低下したり、リン酸イオン
等のキレート剤の存在によりゲルが溶解してしま
うという問題点があつた。 そこでゲルの強度を向上させるため反応液中に
ゲル化剤であるカルシウムイオンを多量に添加す
ることが行われた。しかし、多量にカルシウムイ
オンを添加すると、ゲル強度の点は改善されても
生産物の分離及び精製に支障をきたすばかりでな
く、グルコースイソメラーゼなどの酵素又はそれ
を産生するストレプトマイセス・フエオクロモゲ
ナス(Streptomyces phaeochromogenes)、バ
チルス・コアギユランス(Bacills Coagulans)
等の活性を阻害するという新たな問題が生じてし
まつた。 更に、これとは別に本発明者らの研究により、
ゲル強度を向上させるためにはアルギン酸塩の構
成成分のどの成分が重要であるかという点を解明
する必要があることがわかつてきた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者は以上の諸問題を解決すべく鋭意検討
を続けた結果、まずアルギン酸塩の構成について
はアルギン酸を構成するD−マンヌロン酸(M)
とL−グルロン酸(G)G)の成分比(M/G比)が
重要であり、より詳細には単なるM/G比だけで
なくその内訳、すなわちMのみからなる部分、G
のみからなる部分、MとGが混在する部分の夫々
の成分比が問題になること、及びカルシウムイオ
ンと結合して強固なゲルを形成するのは主として
Gブロツクの働きによることを見出だした。 又、アルギン酸ナトリウム水溶液に酵素又は微
生物を添加する際、難溶性カルシウム塩を共存せ
しめることによりゲルに内包されたカルシウム塩
がゲルの種々の条件下(PH、リン酸等の影響)で
マトリツクスの補強に寄与すること、及び難溶性
カルシウム塩を形成するような水溶性塩を共存せ
しめることによりアルギン酸ナトリウムと水溶性
塩類の複合体が同時にカルシウム塩となることで
強固なゲルのマトリツクスを形成することを見出
だし、これらの知見にもとづいて本発明を完成し
た。 すなわち本発明はアルギン酸ナトリウムの水溶
液に酵素又は微生物と難溶性カルシウム塩又はカ
ルシウムと難溶性の塩を形成する水溶性塩類を添
加混合した後、該混合液をカルシウムイオンを含
む水溶液と接触させ、ゲル化せしめることを特徴
とする固定化酵素又は固定化微生物の製造方法を
提供するものである。 以下本発明を詳細に説明する。 本発明で用いるアルギン酸ナトリウムはカツ藻
類中に含まれるアルギン酸を化学操作により抽出
しナトリウム塩にした市販されている一般のアル
ギン酸ナトリウムが使用できるが、それ等の中で
もアルギン酸を構成するD−マンヌロン酸(M)
とLグルロン酸(L)の比、すなわちM/G比が
2.0以下のものを選んで用いるのが好ましい。 これらのアルギン酸ナトリウムの中でもM/G
比の低いものを選んで用いるのが好ましいが、特
にG含量の高い海藻類、若しくは多く含まれてい
る部位[茎(幹)部]、及びとれた季節(5〜8
月)を選択して抽出調製するか、又はG含量の高
いものをブレンドするなどの方法により、特別に
調製したM/G比0.8以下のものが最も好ましい。
これはM/G比の小さいものほどゲル強度が大
で、熱やキレート剤の影響、或いは電解物質の影
響やPHの変動に強く安定なゲルを形成することが
できるからである。 なお、本発明者等はM/G比についてより詳細
に検討した結果、GといつてもGのみからなる部
分と、MとGの混在している部分があり、このう
ちGブロツク部分がカルシウムイオンと結合して
強固なゲルを形成するのに役だつていることを見
出した。 前述のG含有量の多いアルギン酸ナトリウムを
使用するという思想はこの知見から導出されたも
のである。 酵素又は微生物を加えた溶液中でのアルギン酸
ナトリウムの濃度は、難溶性カルシウム塩を用い
た場合0.1(W/V)%〜20(W/V)%濃度が良
く、より好ましくは3(W/V)%〜6(W/V)
%濃度である。 一方、難溶性カルシウム塩を形成する水溶性塩
類を用いる場合には0.5(W/V)%〜10(W/V)
%濃度が良く、より好ましくは1(W/V)%〜
6(W/V)%濃度である。 次に本発明で用いる難溶性カルシウム塩として
は水に対する溶解度の低い、いわゆる難溶性を示
すカルシウム塩ならいづれも使用できるが、特に
リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、
リン酸二水素カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸
カルシウム、乳酸カルシウム、シユウ酸カルシウ
ム、クエン酸カルシウム等が好適に用いられる。 この難溶性カルシウム塩のアルギン酸ナトリウ
ムに対する量比はアルギン酸ナトリウム1モルに
対して0.05モル〜10モルが好ましい。 一方、難溶性カルシウム塩を形成する水溶性塩
類としては本発明において水溶液中で過剰のカル
シウムイオンと反応して難溶性の結晶になるもの
であればいずれも使用できるが、具体的には、リ
ン酸一カリウム又はそのナトリウム塩、リン酸二
カリウム又はそのナトリウム塩、リン酸三カリウ
ム又はそのナトリウム塩、硫酸カリウム、硫酸ナ
トリウム、エチレンジアミン二酢酸ナトリウム
塩、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メタリン酸ナ
トリウム、ポリリン酸ナトリウム、クエン酸、ク
エン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、乳酸、乳
酸ナトリウム、乳酸カリウム等をあげることがで
きる。 該水溶性塩類のアルギン酸ナトリウムに対する
量比はアルギン酸ナトリウム1モルに対し0.5モ
ル〜10モルが好ましい。 本発明に使用する酵素もしくは微生物はとくに
限定されず、例えば酵素としては、アルコールデ
ビドロゲナーゼ、D−アミノ酸オキシダーゼ、カ
タラーゼ等の酸化還元酵素、トランスケトラー
ゼ、アデニレートキナーゼ、ヘキソキナーゼ等の
転移酵素、β−ガラクトシダーゼ、ペニシリナー
ゼ、リパーゼ、エステラーゼなどの加水分解酵
素、フマラーゼ、アスパルターゼ、スレオニンア
ルドラーゼ、β−チロシダーゼなどのリアーゼ酵
素、グルコースイソメラーゼ、アラニンイソメラ
ーゼなどの異性化酵素、グルタチオンシンター
ゼ、グルタミンシンターゼなどのリガーゼ酵素な
どがあげられる。 又、微生物としても細菌、酵母、カビ、放線菌
など酵素活性を有する微生物であれば特に限定さ
れることはなく、酵素活性を有する細胞小器管、
細胞画分或いは酵素もしくは微生物の処理物など
も使用することができる。 酵素を固定化する場合、酵素の濃度は0.01
(W/V)%〜20(W/V)%濃度が好ましく、微
生物菌体を固定化する場合の微生物濃度は0.01
(湿重量/V)%〜50(湿重量/V)%濃度が好ま
しい。なお、生菌体を固定化する場合には固定化
後適当な培地で固定化微生物を培養することによ
つてゲル内生菌数を増大させることができるので
固定化時微生物の濃度は幅広くとることができ
る。ゲル化に用いるカルシウムイオンを含有する
水溶液としては、通常アルギン酸ナトリウムのゲ
ル化に用いられるカルシウム塩を水に溶解したも
のが用いられる。該カルシウム塩の具体例として
は、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、酢酸カル
シウム等があげられるが、このうち特に塩化カル
シウムが安価で使いやすい。 本発明に於けるゲル化に用いるカルシウムイオ
ンの濃度は0.01モル〜1.0モル濃度がよく、好ま
しくは0.02モル〜0.5モル濃度がよい。 ゲルの調製方法は次の〜の方法を固定化酵
素又は固定化微生物の利用目的に合わせ適宜選択
して行えばよい。 アルギン酸ナトリウムと酵素又は微生物と難
溶性カルシウム塩又は難溶性カルシウム塩を形
成する水溶性塩類からなる混合溶液(以下これ
を該混合溶液と言う)を注射器やピペツト等の
ノズルからカルシウムイオンを含有する水溶液
中に滴下することによりビーズ状の固定化物が
得られる。 カルシウムイオンを含有する水溶液中で注射
器、ピペツト等のノズルから該混合溶液を連続
的に吐出させることにより繊維状の固定化物が
得られる。 該混合溶液を平板上にキヤストするか濾紙も
しくはガーゼなどに含浸させた後、水溶液中の
カルシウムイオンと接触させることにより膜状
の固定化物を得ることができる。 なお、上記各方法において、カルシウムイオン
との接触時間、PH、温度等の条件は酵素又は微生
物の活性に悪影響を与えない範囲から選ぶ必要が
あるが、通常該混合溶液とカルシウムイオンを含
有する水溶液との接触時間は0.5時間〜24時間の
範囲から選ばれ、PHは3〜11の範囲から、温度は
4〜50℃の範囲から選ばれる。 〔実施例〕 次に本発明を実施例で具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 なお、以下の実施例、比較例にあるゲル強度は
次のようにして測定したものである。 測定には(株)不動工業製「レオメーター」を用
い、その装置に付属する金属製テーブル上に直径
Rmmの固定化酵素もしくは固定化微生物をのせ、
金属製テーブルの上昇速度を2cm/minとしてス
テンレス製直径10mmのプランジヤーをこの球状固
定化物に圧着せしめ、加重応力とその加重応力
200gに達する時間をレコーダーに記録し、金属
製テーブルの送り速度からこの球状固定化物の圧
縮後の厚みrmmを求める。この方法によつて求め
た圧縮変形率は次式より求めた。 圧縮変形率=r/R 従つて圧縮変形率が小さいほうが変形しにくいこ
とになる。又、このときの加重応力を0〜2Kgの
範囲で変化させることにより固定化物一個が破壊
される点の加重をレコーダーの記録紙上から測定
し、ビーズ破壊強度(g/個)と定義してもとめ
た。 実施例 1 M/G比約1.0の市販アルギン酸ナトリウム0.3
gとリン酸カルシウム0.6gを水22.5mlに加え、
よく混合した後、温度120℃、圧力1Kg/cm2で10
分間加熱殺菌を行つた。 冷却後グルコース30g/、リン酸二カリウム
8g/、硫酸マグネシウム7水和物2g/、
硫酸アンモニウム4g、酵母エキス8g/を含
む培地(PH5)で30℃24時間培養した酵母[サツ
カロミセス セレビシエ(Saccharomyces
cerevisiae)]の培養液2.5mlを加え混合した。 この混合液を内径1mmのノズルを通し、あらか
じめ減菌処理した0.3モル塩化カルシウム水溶液
に滴下して、ゲルビーズを調製した。続いてこれ
を25℃で2時間撹拌下におきゲル化を完成させ
た。 このものを濾過し目的とする固定化酵母30mlを
得た。 次に固定化酵母10mlを上記の培地に加え、300
mlフラスコ中で24時間、30℃200rpmの撹拌下培
養し、アルコール醗酵を行つた。アルコール生産
量は11.9g/であつた。 この培養後のゲルビーズの破壊強度は200g/
個で十分な強度を維持しておりゲルビーズの破
壊、溶解は全く見られなかつた。 比較例 1 リン酸カルシウムを用いない他は実施例1と全
く同一の原料及び方法でゲルビーズを調製し、固
定化酵母30mlを得た。この固定化酵母10mlを実施
例1と同じ培地100mlに加え、300mlのフラスコ中
で実施例1と同一の培養をし、アルコール醗酵を
行つた。アルコール生産量は12.0g/であつた
が、培養後のゲルビーズはその破壊強度が50g/
個であり実施例1に比べ大巾に低いものであつ
た。 実施例 2 M/G比約1.0の市販アルギン酸ナトリウム0.3
g、炭酸カルシウム0.6gを水22.5mlに加え、よ
く混合した後、温度120℃、1Kg/cm2で10分間加
熱殺菌を行つた。以下実施例1と同様の操作にて
固定化酵母を得た。 この固定化酵母10mlを実施例1と同様の培地
100mlに加えて300mlフラスコ中で30℃、24時間、
200rpmで培養を行つた。アルコール生産量は
12.2g/であつた。 培養後のゲルビーズの崩壊、溶解は全く見られ
ず、ゲルビーズの破壊強度は200g/個(cf.炭酸
カルシウムのない場合50g/個)という十分なゲ
ル強度を保持していた。 実施例 3 M/G比約0.6のアルギン酸ナトリウム0.3g、
シユウ酸カルシウム0.6gを水30mlに加えよく混
合させた後、この溶液にβガラクトシダーゼの部
分精製希釈粉末(ICN Nutritional
Biochemicals社製 25℃、PH7.5における活性
80000unit/g)0.25gを添加して混合溶液を調
製した。この混合溶液を0.3M濃度の塩化カルシ
ウム水溶液に内径1mmのノズルを通し滴下しゲル
ビーズを調製した。そして、25℃で2時間撹拌を
続けゲル化を完成させた。その後濾過水洗を繰返
し固定化β−ガラクトシダーゼ30mlを得た。 固定化β−ガラクトシダーゼの活性を9%
(W/V)濃度のラクトースを基質として、PH7.5
25℃で生成するグリコース量によつて測定した結
果523(unit/ml−固定化ラクターゼ)の活性を示
した。活性収率は78.5%であつた。 なお、ここに示す酵素活性の表示は1分間に
1μmolのグルコースを生成する酵素量を1unitと
して表示したものである。又、活性収率は以下の
式によつて算出した。 活性収率=固定化βガラクトシダーゼ活性×固
定化βガラクトシダーゼ収量/投入βガラクトシダーゼ
活性×投入βガラクトシダーゼ収量×100 実施例 4 M/G比約1.0の市販アルギン酸ナトリウム0.5
gとリン酸二カリウム1.0gを水22.5mlに加え溶
解させた後、120℃、1Kg/cm2で10分間加熱殺菌
を行つた後、冷却後グリコース3g/、酵母エ
キス1g/、リン酸一カリウム0.1g/、硫
酸アンモニウム0.1g/、硫酸マグネシウム7
水和物0.005g/を含む培地でPH6.0、30℃、24
時間培養した。ザイモモナス、モビルス
(Zymomonas mobilis)の培養液2.5mlをを加え
混合した後、実施例1と同様な操作で固定化細菌
30mlを得た。 この固定化細菌を上記の培地100mlに加えて300
mlのフラスコ中で24時間、30℃、200rpmで培養
を行つた。アルコール生産量は12.5g/であつ
た。ゲルビーズの崩壊、溶解は全く見られず、ゲ
ルビーズの破壊強度は270g/個であり、十分な
ゲル強度を維持していた。 実施例 5 M/G比0.4のアルギン酸ナトリウム0.5gとポ
リリン酸ナトリウム1.0gを水22.5mlに加え溶解
させた後、120℃、1Kg/cm2で10分間加熱殺菌を
行つた。冷却後グリコース20g/、トリプトン
5g/、酵母エキス5g/、カザミノ酸1
g/、リン酸一カリウム1g/、硫酸マグネ
シウム7水和物0.5g/、炭酸カルシウム15
g/を含む培地で30℃、24時間培養した乳酸菌
ストレプトコツカス・ラクチス(Streptococcus
lactis)の培養液2.5mlをを加え混合した後、実施
例1と同様な操作で固定化乳酸菌30mlを得た。 この固定化乳酸菌を上記の培地100mlに加えて
300mlのフラスコ中で15時間、30℃、200rpmで培
養を行つた。乳酸生産量は17g/であつた。ゲ
ルビーズの破壊、溶解は全く見られず、ゲルビー
ズの破壊強度は300g/個であり、十分なゲル強
度を維持していた。 実施例6 比較例2 20mlの水にM/G比1.5及びM/G比0.8のアル
ギン酸ナトリウムを夫々300mg及び炭酸カルシウ
ム300mgを加え、混合し懸濁液を調製した。 この懸濁液を120℃、1Kg/cm2で10分間加熱殺
菌した後、冷却しグルコース30g/、リン酸二
カリウム8g/、硫酸マグネシウム7水和物2
g/、硫酸アンモニウム4g/、酵母エキス
8g/をふくむばいちでPH5.0、30℃、24時間
培養した。酵母〔サツカロミセス セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)〕の培養液2.5mlを
加え混合した。 次にこの混合液を内径1mmのノズルを通し減菌
処理された0.3モルの塩化カルシウム水溶液に滴
下し、ゲルビーズを調製した。このゲルビーズは
更に25℃で2時間撹拌を続けゲル化を完成させ
た。このゲルビーズの強度を調べるため夫々PH6
の酢酸ベロナール緩衝液及び0.1モルのリン酸1
カリウムの各10mlに浸漬しL字管内で30℃で振と
うを行い、24時間後のビーズ破壊強度を測定し
た。 比較例として炭酸カルシウムを加えない系で同
様にゲルビーズを調製し、ビーズ破壊強度を測定
した。 結果は表−1に示す通りであつた。
【表】 表−1から明らかな通り、炭酸カルシウムを含
有させるとゲル強度が大巾に向上する。又、M/
G比の低いアルギン酸ナトリウムの方がより高い
ゲルビーズ強度を有することがわかる。 実施例7 比較例3 水20mlにM/G比1.5及びM/G比0.8のアルギ
ン酸ナトリウムを夫々300mmg、ヘキサメタリン
酸ナトリウムを600mmgを加え、水溶液を調製し
た。この水溶液を内径1mmのノズルを通じ0.3M
塩化カルシウム水溶液に滴下し、ゲルビーズを完
成させた。その後、濾過、水洗し、ゲルビーズの
圧縮変形率の測定を行つた。比較例3としてヘキ
サメタリン酸ナトリウムを加えない系で同様にゲ
ルビーズを調製した。結果を表−2に示す。
【表】 上表より、アルギン酸ナトリウムにヘキサメタ
リン酸ナトリウムを加えることにより、著しく圧
縮変形率が小さくなつた。 実施例8 比較例4 水22.5mlにM/G比0.8のアルギン酸ナトリウ
ム500mmg及びヘキサメタリン酸ナトリウム1.0g
を加えて溶解させた後、120℃、1Kg/cm2で10分
間加熱殺菌を行つた。以下実施例6と同様の操作
により固定化酵母〔サツカロミセス セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)〕を得た。 この固定化酵母5mlを用い、上記の培養液50ml
中で、アルコール醗酵試験を行つた。比較例4と
してヘキサメタリン酸ナトリウムを加えない系で
同様にして固定化酵母を調製し、アルコール生産
量、及び固定化ゲルビーズの圧縮変形率の比較を
行つた。結果を表−3に示す。
〔発明の効果〕
本発明の製造方法によつて得られた固定化酵素
又は固定化微生物はアルギン酸ナトリウムを用い
た従来の包括固定法のものに比べ著しくゲル強度
が高く、PHの変化やキレート剤の存在に対しても
安定に使用でき、且つカラムに充填して連続流通
反応に供した場合、目詰まりなどのトラブルが起
こることがなく、長期間の運転を可能にしたとい
う効果を有する。 しかも本発明の固定化法は複雑な工程を要する
こと無く1段で実施できるという利点も有してい
る。 又、本発明で用いるゲル改良剤の中には食品添
加物として認可されているものがあるので、これ
を用いた場合には食品工業への幅広い利用が期待
されるのである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルギン酸ナトリウムの水溶液に酵素又は微
    生物と難溶性カルシウム塩又はカルシウムと難溶
    性の塩を形成する水溶性塩類を添加混合した後、
    該混合液をカルシウムイオンを含む水溶液と接触
    させ、ゲル化せしめることを特徴とする固定化酵
    素又は固定化微生物の製造方法。 2 M/G比が2.0以下、好ましくは0.8以下のア
    ルギン酸ナトリウムを用いることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の固定化酵素又は固定化
    微生物の製造方法。 3 難溶性カルシウム塩がリン酸カルシウム、リ
    ン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウ
    ム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、乳酸カル
    シウム、シユウ酸カルシウム、クエン酸カルシウ
    ムから選ばれたものであることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の固定化酵素又は固定化微
    生物の製造方法。 4 難溶性カルシウム塩を形成する水溶性塩類が
    リン酸一カリウム又はそのナトリウム塩、リン酸
    二カリウム又はそのナトリウム塩、リン酸三カリ
    ウム又はそのナトリウム塩、硫酸カリウム、硫酸
    ナトリウム、エチレンジアミン二酢酸二ナトリウ
    ム塩、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メタリン酸
    ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、クエン酸、
    クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、乳酸、
    乳酸ナトリウム、乳酸カリウムから選ばれたもの
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の固定化酵素又は固定化微生物の製造方法。
JP30654586A 1986-12-24 1986-12-24 固定化酵素又は固定化微生物の製造方法 Granted JPS63160584A (ja)

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JP4997522B2 (ja) * 2006-01-13 2012-08-08 財団法人生産技術研究奨励会 単一直径アルギン酸マイクロビーズの製造方法及びその製造装置

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