JPH0415542A - 被検体通過光中の散乱光成分抑制方法およびその装置 - Google Patents

被検体通過光中の散乱光成分抑制方法およびその装置

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JPH0415542A
JPH0415542A JP2119468A JP11946890A JPH0415542A JP H0415542 A JPH0415542 A JP H0415542A JP 2119468 A JP2119468 A JP 2119468A JP 11946890 A JP11946890 A JP 11946890A JP H0415542 A JPH0415542 A JP H0415542A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、光による生体の透視、光による生体の断層像
撮影、光による半導体やIC内部構造の非破壊検査や、
霧中・降雪中・水中等での作業支援等のなめに、光を用
いて被検体内部の情報を可視化するのに適した、被検体
通過光中の散乱成分抑制方法に関する。
「従来の技術」 近年、心循環器系、脳血管系疾患の増加、及び診療にお
ける画像利用の普及に伴い、血管造影の重要性かまずま
ず高まってきている。しかし、血管造影は、デジタルラ
ジオグラフィの進歩により比較的容易になったとは言え
、人体に適用する場合の危険性や被検者の苦痛は無視し
得ないものがある。
また、従来、生体等の被検体内部の情報の兼侵襲的1.
Iト接触的計測は、主としてX線によって行われていた
。しかしながら、X線の使用は、放射線被爆の問題や生
体機能の画像化が困難という問題点が知られている。ま
た、N M R−CT手法は装置が大がかりであり高価
という問題点があり、超音波による透視は空間分解能が
悪いという問題点がある。また、従来は、生体やIC基
板等は不透明て、光を用いて内部を透視することは不可
能と考えられていた。
ところで、近赤外領域の光に対し、血中ヘモグロビン(
Hb )は酸素化の度合に応じて特有のスペクトル変化
を示すことが知られている。この特徴を利用し、例えば
ro  plus  E、1誌の1−987年5月ない
し1−988年3月に掲載された「光を使った生体開側
」に示されるように、血液の酸素飽和度計測等、生体内
部情報の無侵必計測に関する研究か活発に行われている
。また、血中ヘモグI′7ビン(f−1b )は、生体
組繊に比べ、赤外領域における吸光度が大きいことから
、光を用いて組織中の血管を画像として検出てきる可能
性が考えられる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、光を用いて生体内部を体外から観測した
場合、体内または体表組織の強い光散乱により、コン1
〜ラス1〜が低下する等して、生体内部情報を可視化す
ることは難しい。もし、この光散乱の問題を解決できれ
ば、造影剤等を使用せずに、体内血管の形状及びその変
化を実時間て可視化、計測できるものと考えられる。こ
のようにして得られた体内情報からは、分光学の豊富な
知識体系を基に、形状だけではなく生体の代謝機催等の
情報も得られるものと思われる。
本発明は、」1記事情に鑑みてなされたものであり、被
検体の散乱による影響を抑制して高分解能て光を用いノ
S被検体内部の情報の可視化を可能とするための被検体
通過光中の散乱成分抑制方法を提供することを目的とし
ている。
1課題を解決するための手段] 第1の発明の被検体通過光中の散乱成分抑制方法は、被
検体にパルス光を照射する手順と、前記照射する手順に
よって照射され前記被検体内を通過した光のうちの直進
光成分と散乱光成分とを合む光の時間分解波形を検出す
る第1の検出手順と、前記照射する手順によって照射さ
れ前記被検体内を通過した光のうちの散乱光成分のみの
時間分解波形を検出する第2の検出手順と、前記第1の
検出手順による検出出力と前記第2の検出手順による検
出出力とを用いた演算により、前記散乱光成分を抑制す
る手順とを備えたちのである。
また、第2の発明の被検体通過光中の散乱成分抑制方法
は、被検体に変調された光を照射する手順と、前記照射
する手順によって照射され前記被検体内を通過した光を
検出する手順と、前記検出する手順による検出出力のう
ちの所定の位相成分を抽出することにより、前記散乱光
成分を抑制する手順とを備えたものである。
第3の発明の被検体通過光中の散乱成分抑制方法は、被
検体に複数の波長の光を照射する手順と、前記照射する
手順によって照射され前記被検体内を通過した光を検出
する手順と、前記検出する手順に」:って検出された複
数の波長に対応する複数の検出出力を用いた演算により
、前記散乱光成分を抑制する手順とを備えたものである
[作用] 第1の発明では、被検体にパルス光が照射され、被検体
内を通過した光のうちの直進光成分と散乱光成分とを含
む光の時間分解波形と散乱光成分のみの時間分解波形と
が検出され、これらの時間分解波形を用いた演算により
散乱光成分が抑制される。
また、第2の発明では、被検体に変調された光が照射さ
れ、被検体内を通過した光が検出され、この検出出力の
うちの所定の位相成分を抽出することにより散乱光成分
が抑制される。
第3の発明では、被検体に複数の波長の光が照射され、
被検体内を通過した光が検出され、複数の波長に対応す
る複数の検出出力を用いた演算により散乱光成分が抑制
さ・れる。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の詳細な説明する。
第1図ないし第10図は本発明の第1一実施例に係り、
第1図は散乱成分抑制方法を実現するだめの装置の概略
構成を示す説明図、第2図は散乱成分抑制方法の原理を
説明するための説明図、第3図は光子の生体組織中の伝
搬のシュミレーションモデルを示す説明図、第4し1は
シュミレーションで仮定した検出系の配置を示す説明図
、第5図はシュミレーション結果を示す波形図、第6図
は散乱成分抑制方法を実現するための装置の構成を示ず
説明図、第7図は第6図の装置においてファイバ中心部
で検出した時間分解波形を示す波形図、第8図は第6図
の装置においてファイバ中心部で検出した時間分解波形
とファイバ周辺部で検出した時間分解波形との差分を示
す波形図、第9図は第6図の装置を用いたエツジ近傍の
透過光量の計測結果を示す特性図、第10図は広範囲の
透視を可能とする透視装置の概略構成を示す説明図であ
る。
まず、第1図ないし第5図を参照して、本実施例の散乱
成分抑制方法の原理について説明する。
第2図に示すように、ビーム状のパルス光を散乱体1−
に照射すると、光パルスは空間・時間方向に広がる。そ
こで、光軸上にある微小立体角ω0と軸外にある同し立
体角ΔQ)内の各光を検出し、それぞれに対して時間分
解波形を求める。ここで、光軸を含んだ微小立体角ω0
 (第2図では中心部と記す。)に到達する光を検出す
ると直進成分と散乱成分の和が検出され、立体角Δ0)
内(第2図では周辺部と記す。)に到達する光を検出す
ると散乱成分のみが検出される。この2つの時間分解波
形の各時間に対し、光強度の差分をとると、第2図左側
の最下部に示すように、時間的にも空間的にも散乱成分
が抑制されていることとなり、直進光成分を抽出するこ
とができる。
従って、以」二の原理を実現する装置は、例えば、第1
図に示すように、パルス光を出射するパルス光源2と、
試料3を挟んて前記光源2に対向し前記光源2の出射光
の光軸]二に配置されたコリメータ4と、試料3を挟ん
で前記光源2に対向し前記光源2の出射光の光軸外に配
置されたコリメータ5と、各コリメータ4,5に一端が
接続された光ファイバ6.7と、この光フ7・イバ6,
7の他端か接続された時間分解測光装置8と、この時間
分解測光装置8の出力信号を用いて所定の演算を行う信
号処理演算装置9とて構成される。
第1図に示す装置では、パルス光源2がら出射されたパ
ルス光が試料3に照射され、この試料3を通過した直進
成分と散乱成分の和がコリメータ4て受光され、光ファ
イバ6を経て時間分解測光装置8で検出される。また、
試料3を通過した光のうちの散乱成分のみがコリメータ
5で受光され、光ファイバ7を経て時間分解測光装置8
で検出される。前記時間分解測光装置8では、直進成分
と散乱成分の和の時間分解波形と、散乱成分のみの時間
分解波形とを検出し、信号処理演算装置9へ送る。尚、
nif記直進成分と散乱成分の相の時間分解波形のうち
の立上かり部分が、最短光路を伝搬してきた直進成分に
対応する。前記信号処理演算装置9ては、前記2つの時
間分解波形の差分を演算する。摺られた差分は、略萌記
直進成分と散乱成分の和の時間分解波形のうちの立上が
り部分てあり、この差分を検出することにより直進成分
が抽出される。
次に、本実施例の散乱成分抑制方法の有効性を確認する
ため、モンテカルロ法による計算機シュミレーションを
行った結果について説明する。
生体組織中の光の挙動を計や〕機て模擬する試みがウィ
ルソン(Wilson)や長谷用により報告されている
。散乱光の挙動をシュミレー1・する場合、]0 モンテカルロ法や拡散方程式が用いられる。ここでは、
モンテカルロ法により生体組織中の光伝搬を模擬し、本
方法の有効性を評価した。
モンテカルロ法では、生体組織を散乱粒子と吸収粒子の
集合体と考え、光とその粒子間の衝突過程を確率的事象
として計算する。まず、光を微小な光束粒子と考える。
物理的意味は異なるが、これをここでは光子と呼ぶ。第
3図に示すように、光子は組繊細胞や赤血球等の粒子と
衝突を繰り返し、生体中を進んていく。その衝突毎に光
は散乱・吸収される。まず、光子が2方向から入射し、
xyz軸の原点で粒子と衝突したとする。そして、球座
種糸(θ、φ)方向に散乱されると共に、そ(7) 強
度WはμS/(μS+μa)倍に減衰される。
更に衝突後、光子は距離り進み再び次の粒子と衝突する
。ここでμs(mm−1)は散乱係数、μa(mm−1
)は吸収係数である。L、θ2φは0がら1の値をとる
乱数R1,R2、R3がら次式により計算される。
L−(−IQ(](R+ ) )/(μa 十μs>−
(] )1.1 θ−f−1 (R,2)              
 ・・・ (2)φ −2π R3・ く 3 〉 (2)式のf(θ)は、粒子による散乱光強度の角度分
布(散乱パターン)を関数で表したものである。
細胞組織や赤血球は可視から近赤外光に対し、強い前方
散乱を示すことが知られている。しがし、丸ごとの生体
組織を対象とする場合では光学的に1−分Pyいため等
方散乱として扱うことが可能であるとの報告がある。ま
た、実験で用いる乳球懸濁液の散乱粒子はカゼイン粒子
て、その散乱パターンは計算から等方散乱とほとんど一
致している。
ここでは、散乱の影響が最も大きい等方散乱の場合に対
しシュミレーションを行った。等方散乱のf(θ)は次
式で表される。
r(θ) = (1=c o sθ)/2   ・・ 
(4)第4図にシュ蕎し−ション条件を示す。まず光子
を空間的・時間的にデルタ関数(点光源、半値幅零)と
し、試料1]に照射する。ここて、試料の厚さを10m
m、また散乱体の散乱係数μs−1゜] 2 5、吸収係数μa=O,Oとした。実際の生体では、吸
収係数は零ではないが、ここでは、散乱の影響を見るた
め吸収係数を零とした。検出側は、試料]1から光軸の
延長上40mm離れた位置に、同心二層構造の検出器1
2を配置した。この検出器12は、中心部にある円状の
検出器(外径2011m)1.2aと、周辺部にあるド
ーナツ状の検出器(内径2.0mm、外径4.0mm)
’J、2bがら構成されている。更に、入射角を制限す
るため、検出器]−2と試料11の中央に内径1、om
mの絞り]3を配置する。この配置に対し光子の運動を
計算し、それぞれの検出器12a、12bに到達した光
の時間分布を求めた。また、比較のため、試料]]面直
後直径1mmの検出器14を配置した場合についても計
算した。ここで、入射パルスをデルタ関数としているが
、実際の入射パルスは有限の時間幅を持っており、その
空間的大きさは試料の厚さに比べ無視できない。そこで
、入射波形を正規分布関数(半値幅40ps)と仮定し
、たたみこみ積分により出射パルス波形を求めた。尚、
今回の計算の入射光子数は800万個てあった。
第5図(a)ないしくc)にシュミレーション結果を示
す。これらの図において横軸は時間、縦軸は規格化され
た光強度を示す。第5図(a)の実線は試料直後に配置
した検出器14に到達した光の時間分布であり、散乱成
分が大きく入射波形(破線)に比べ大きく広がっている
のが分かる。
また、第5図(b)の実線は同心二層構造の検出器]2
の中心部に到達した光と周辺部に到達した光の時間分布
を示したものである。光軸上には、直進光か8′まれて
おり、ビンポール13によるコリメーション系を通過す
ることによって、散乱成分がある程度抑制され、中心部
に到達する先の直進成分は相対的に増加する。このため
、第5図(a>の波形に比べて速い時間に光強度が上昇
し、ピークも前寄りとなる特性を示す。それに対し、周
辺部に到達した光は散乱光だけなので、光強度の上昇は
中心部や第5図(a>の波形に比べ全体的に遅れる特性
を示す。更に、第5図(C)は第5図(b)の中心部と
周辺部の時間分解波形に対し、各時間での光強度の差分
を求めた結果である。
このように、波形間の差分により散乱成分が打ち消され
、時間的に遅い成分が少なくなり、入射波形の形に近い
、速い時間にピークを持つ波形となっているのが分かる
。つまり、この光のピークを検出することにより直進光
成分を抽出できると考えられる。ところで、それぞれの
時間分解波形の減衰部分に大きな波打ちが見られるのは
、シュミレーションにおける光子数の不足に起因するテ
ークのほらつきが入射パルス波形とのななみこみ積分で
平滑されて発生しなと考えられる。
以上、計算機シュミレーションによって空間的な差分と
時間的な分離を組み合わせた本実施例の方法が、散乱成
分を抑制し、散乱体内部構造を高い空間分解能で画像化
するのに有効であることが示された。
次に、第6図ないし第9図を参照して、本実施例の方法
を用いた空間的 時間的散乱成分抑制システムについて
説明する。
第6図は前記システムの概略を示す。このシス] 5 テムは、光照射手段として、Nd:YAGレーサ2]−
を備え、試料22を挟んで前記レーザ21に対向するよ
うに、入射ビームの光軸と光軸を正しく合わぜなピンホ
ール23が設けられている。このピンホール23を経た
光は、光ファイバ束24を介してストリークカメラ25
に導かれるようになっている。前記光ファイバ束24は
、入射端が同心二層構造のファイバ束から成っており、
その中心部24 aと周辺部241つの出射端側は7字
状に分岐されている。このス1〜リークカメラ25の出
力は信号処理装置26及び(パーソナル)コンピュータ
27により処理され、出射パルスの時間分解波形が観測
されるようになっている。尚、レーザ21と試料22と
の間には、ハーフミラ−28が設けられ、このハーフミ
ラ−28で反射された光をフォ1へダイオード29で受
光し、周知のように、ストリークカメラ25のトリガー
信号としている。
このシステムでは、レーザ21よりビーム状のパルス光
を試料22に照射し、この試料22を通過した透過・散
乱光をピンポール23を介して光ファイバ束24で受光
する。この光ファイバ束24の中心部24aと周辺部2
/1bに入射した光は、光ファイバ束24の出射端から
それぞれ分離されて出射される。このような光ファイバ
束24の中心軸に、入射ビームの光軸を正しく軸合わせ
して配置すると、中心部2 /]、 aでは透過光のう
ぢ直進成分と散乱成分の和か検出される。また周辺部2
4bでは散乱成分のみが検出される。従って、それぞれ
を同時にス1〜リークカメラ25に入射し、得られた時
間分解波形を、信号処理装置26とコンピュータ27と
で処理して、2つの時間分解波形の差分を求めることに
より、散乱成分が打し消されて直進成分が抽出される。
尚、実験では、散乱光をある程度制限するコリノー1〜
系として、試料とファイバ(中心部外径2゜2mm、周
辺部内径3.0mm、外径3.8mm、住田光学ガラス
社製000AO14)を80mm離し、その中央にピン
ホール(1mm)を配置した。試料22には、内壁間隔
20mmのアクリル製容器に乳]−7 球懸濁液(脱脂粉乳15g/、Q)を満たし、その中央
部にナイフェツジ22aを配置したものを用いた。そし
て、この試料22中のナイフェツジ22a近傍における
透過像の空間分解能の測定を行った。
第7図及び第8図に、前記システムを用いてナイフェツ
ジ像を時間分解波形を測定した結果を示す。第7図はフ
ァイバ中心部24aで検出したときの時間分解波形、第
8図はファイバ中心部24aで検出した時間分解波形と
ファイバ周辺部24bで検出した時間分解波形との差分
結果である。
第8図の差分結果の波形ては、第7図の波形に見られる
散乱成分が大きく抑制されており、各図の左上に示す入
射パルス波形に近づいていること、及び、ナイフェツジ
22aの端周辺の空間分解能が大きく改善されているこ
とが分かる。
また、このようにして得られた時間分解波形からナイフ
ェツジ22aの透過像を求めた結果を第9図に示す。図
中Cはファイバ中心部24aて招−られた波形のピーク
を検出した結果で、散乱の影響のない水(A)に比べ、
エツジ像が大きく平滑化されているのが分かる。それに
対し、本実施例の方法による差分の結果(B)では、散
乱の影響が減少し、散乱のない水の場合(A)に近づい
ている。ここで、(B)及び(C)で局所的に出力の減
少が見られるかこれはレーザ出力の変動あるいは試料セ
ル面の汚れに起因し、空間分解能の低下を示すものでは
ないと考えられる。
以上のように、空間的差分と時間的分離を組み合わせる
ことにより、これらを単独で実施する場合に比べ大きな
散乱成分の抑制効果が確認された。
また、第10図に、広範囲の透視を可能とする透視装置
の概略構成を示す。
この装置では、光源31から出射されたビーム光を例え
ば回転鏡32を用いて空間的に走査するようになってい
る。不透明な空間36を挟んで前記回転鏡32に対向す
る位置には、凹面状に配列された多数の光検出器からな
る検出器群34が設けられ、この検出器群34の各光検
出器の出力は信号処理演算装置35に入力され処理され
るよう1つ になっている。尚、前記回転鏡32による走査と信号処
理演算装置35による処理とは、同期信号発生器33か
らの同期信号によって同期して行われるようになってい
イ)。
この装置では、光源3]から出射されたビーム光を回転
鏡32を用いて空間36内を空間的に走査する。前記検
出器群34のうち、前記ビーム光に対向する検出器によ
り直進成分と散乱成分の相を検出し、その池の検出器で
散乱成分のみを検出する。そして、信号処理演算装置3
5で、直進成分と散乱成分の和の検出出力と、散乱成分
のみの検出出力との演算(差分)により、散乱成分を抑
制して、光散乱のため不透明な空間36内の物体や構造
を可視化することができる。尚、前記光源3]の出射光
を連続光として空間的に散乱成分を抑制することもでき
るが、光源31の出射光をパルス光とすることによって
、本実施例の方法である空間的差分と時間的分離を組み
合わせにより、より効果的に散乱成分を抑制することが
できる。
このように、本実施例によれば、被検体通過光中の散乱
成分を抑制することができ、これまで透視が不可能と考
えられてきた強い散乱物質であっても、空間分解能の高
い透過像計測が可能となる。
尚、連続光を用い、光軸」二に配置した検出器の出力と
光軸外に配置した検出器の出力との空間的な差分によっ
て散乱成分を抑制する空間的手法では、極めて強い散乱
の場合には、直進成分が散乱成分に埋もれてしまい、差
分時の係数の決定が難しくなると考えられる。また、コ
リメーションを強くすれば直進成分の割合が増加し、そ
の効果は改善されるか、半面光軸の調整が難しくなる。
また、パルス光を用い時間的に速く到達した光を検出し
て散乱成分を抑制する時間的手法においては、入射パル
ス波形の有限な時間幅が散乱成分の抑制効果を減少させ
ると考えられる。しかし、実際には入射光のパルス幅を
短くするのに限界があり、出力波形を入力波形でデコン
ホルユーション(deconvolution )する
必要があると考えられる。
空間的手法と時間的手法とを組み合わせた本実施例の方
法ては、これらの問題がある稈度低減される。従って、
散乱が極めて強く、また屈折率の不連続が多く光軸の調
整の難しい生体組織のような試料に適用するには有利で
あると考えられる。
このように、散乱が弱い状態では、装置が簡単で実現が
容易な空間的な手法が有効であり、散乱が強い状態では
、空間的な差分と時間的な分離とを組み合わぜな本実施
例の方法が有効であると考えられる。
第11図ないし第コー9図は本発明の第2実施例に係り
、第11図は散乱成分抑制方法を実現するための装置の
概略構成を示す説明図、第1−2図は散乱による位相遅
れの分布を示すヒストダラム、第13図は第1−1図の
装置の作用を説明するための波形図、第1/′I図は変
調された入射光を示す波形図、第15図は波長変調を用
いた場合の散乱成分抑制装置の概略構成を示す説明図、
第16図は散乱成分抑制のために基準光を用いる場合の
散乱成分抑制装置の概略構成を示す説明図、第17図な
いし第19図はそれぞれ第16図の装置の具体的な構成
例を示す説明図である。
本実施例の散乱成分抑制方法は、直進成分を位相的に分
離する方法である。すなわち、光変調波を被検体に照射
すると、被検体を通過した光のうちの散乱成分は、直進
成分に比へて伝搬光路が長いことから、光変調波の位相
が直進成分よりも遅れる。そこで、本実施例では、これ
を利用し、容易に高感度な検出系の得られる位相差検出
装置(例えば干渉系)等を用いて、位相の同期した成分
を取り出すことにより、直進成分を抽出して散乱成分を
抑制するものである。
本実施例の方法を実現する装置の概略構成を、第11図
を用いて説明する。この装置は、光源41と、この光源
41の出射光を変調する光変調器42と、この光変調器
42で変調され、被検体43を通過した光を検出する検
出器44と、この検出器44の出力のうち前記光変調器
42による変調に位相が同期した成分を抽出する同期検
波器45と、この同期検波器45の出力を処理する信号
処理装置46とを備えている。
この装置では、光源41の出射光が光変調器42によっ
て変調されて被検体43に照射される。
この被検体43を通過した光は検出器44で検出され、
同期検波器45にて、前記検出器44の出力のうち前記
光変調器42による変調に位相が同期した成分が抽出さ
れる。そして、信号処理装置46にて、前記同期検波器
45で抽出された成分を用いて例えば被検体43の透過
像が求められる。
第12図に示すように、被検体43の散乱による位相遅
れは、ある位相遅れ時間Tにてピークを有する分布を持
つ。本実施例では、第13図(a)に示すように、例え
は、前記ピークに対応する位相遅れ時間1゛の2倍の周
期で被検体43に対する入射光を変調する。すなわち、
散乱による位相遅れ成分が直進光成分に重畳されないよ
うにする。
検出器44には、第13図(b)に示すような直進成分
と、第13図(C)に示すような散乱成分の和が入射す
る。この検出器44の出力に対して、光変調器42から
の信号を基に同期検波を行い、所定の位相成分を抽出す
ることにより直進成分が抽出され、散乱成分が抑制され
る。
前記入射光の変調方式としては、第1,4図に示すよう
に種々のものが考えられる。第14図において、(a)
は変調の周期を変調信号、(b)は光強度を直接変調す
る強度変調(IM)、(c)は強度変調の周波数を変調
する周波数変調(FM/IM)、(d)は強度変調の位
相を変調する位相変調(PM/IM)、(e)は強度変
調の振幅を変調する振幅変調(AM/IM)、(f)は
入射光の波長自体を変調する波長変調(WLM)を示し
、それぞれをパルス化した変調も考えられる。
これらの変調方式のうち、第1.4図(b)〜(e)に
示すIMないしAM/IMは、被検体43の通過光を検
出器44で電気信号に変換した後、同期検波器45にて
光変調器42からの同期信号との相関をとることにより
位相ずれ成分、すなわち散乱成分を抑制する。
第1.4図(f)に示すWLMを用いる場合には、散乱
成分抑制装置を第15図に示すような構成とする。この
装置では、光源として波長可変レーザ51が用いられ、
このレーザ51の出射光の波長は変調器52によって変
えられ、レーザ5]−の出射光が波長変調されるように
なっている。前記レーザ51の出射光は、半透鏡53て
2つに分岐され、一方の光(透過光)は被検体43を通
過して半透鏡56に入射する。半透鏡53て分岐された
他方の光(反射光)は、鏡54.55で反射され、前記
半透鏡56に入射する。そして、この半透鏡56にて、
被検体43を通過した光と被検体を迂回した基準光とが
ミキシングされて干渉し、相関がとられて位相遅れ成分
(散乱成分)が抑制される。このミキシングされた光は
検出器57で検出され、この検出器57の出力を検波器
58で、変調器52からの同期信号を用いて検波するこ
とにより、位相ずれ成分(散乱成分)が抑制された信号
が得られる。
第16図は、第15図のように散乱成分抑制のために基
準光を用いる場合の散乱成分抑制装置の概略構成を示し
ている。
この図に示す装置では、光源としてのレーザ61の出射
光は光変調器62で変調され、半透鏡63で2つに分岐
される。分岐された一方の光(透過光)は被検体43を
通過して位相差検出装置65に入射する。前記半透鏡6
3で分岐された他方の光(反射光)は鏡64で反射され
、前記位相差検出装置65に入射する。前記位相差検出
装置65では、被検体43を迂回した光(基準光)を基
にして、被検体43の通過光中の所定の位相に同期した
成分を取り出すことにより、直進成分を抽出して散乱成
分を抑制する。そして、信号処理装置66にて、前記位
相差検出装置65の出力を処理することにより、例えば
被検体43の透過像が求められる。
第17図に、第16図の装置の具体的な構成例を示す。
この装置では、レーザ61から出射され光変調器62で
変調され、半透鏡63で分岐された一方の光(透過光)
は被検体43を通過して半透鏡69に入射する。前記半
透鏡63で分岐された他方の光(反射光)は鏡64.6
8で反射され、前記半透鏡69に入射する。そして、こ
の半透鏡69にて、被検体43を通過した光と被検体を
迂回した基準光とがミキシングされ干渉する。このミキ
シングされノS光は検出器57て検出され、この検出器
57の出力はへテロダイン検出器7]に入力される。こ
のヘデロタイン検出器71は、前記光変調器62に対す
る同期信号を発生する発振器67からの同期信号を用い
て、前記検出器57の出力のうち位相の同期した成分を
取り出すことにより、直進成分を抽出して散乱成分を抑
制する。
第18図に、第16図の装置の他の具体的な構成例を示
す。
この装置では、レーザ6]から出射された光は半透鏡6
3で分岐される。分岐された一方の光(透過光)は音響
光学素子73で変調され、被検体43を通過し、鏡74
て反射されて半透鏡76に入射する。前記半透鏡72で
分岐された他方の光(反射光)は鏡75で反射されて前
記半透鏡76に入射する。そして、この半透鏡76にて
、被検体43を通過した光と被検体を迂回した基準光と
がミキシングされ相関がとられて位相遅れ成分(散乱成
分)が抑制される。このミキシングされた光は検出器5
7で検出される。この検出器57の出力はローパスフィ
ルタ(LPF)77を経て、位相ずれ成分く散乱成分)
が抑制された信号が得られる。このローパスフィルタ7
7の出力は信号処理装置78に入力される。
第19図に、第1−6図の装置の更に他の具体的な構成
例を示す。
この装置ては、レーザ61から出射された光はイコライ
ザ81に入力され、このイコライザ82にて、発振器8
2からの同期信号に基づいて光強度変調され、このイコ
ライザ81で変調された光は、半透鏡83で分岐される
。分岐された一方の光(透過光)は、被検体43を通過
し、鏡84で反射されて半透鏡86に入射する。前記半
透鏡83で分岐された他方の光(反射光)は鏡85で反
射されて前記半透鏡86に入射する。そして、この半透
鏡76にて、被検体43を通過した光と被検体を迂回し
た基準光とがミキシングされ相関がとられて位相遅れ成
分(散乱成分)が抑制される。
2つ このミキシングされた光は検出器57で検出される。こ
の検出器57の出力は信号処理装置78に入力される。
以上説明したように、本実施例では、変調された光を被
検体に照射し、被検体を通過した光のうち、直進光の位
相に同期した成分を取り出すことにより、直進成分が抽
出され、散乱成分が抑制される。これにより、これまで
透視が不可能と考えられてきた強い散乱性の物質であっ
ても、空間分解能の高い透過像計測が可能となる。
第20図ないし第35図は本発明の第3実施例に係り、
第20図は散乱成分抑制方法を実現するための装置の概
略構成を示す説明図、第21図ないし第23図はそれぞ
れ光源及び波長可変装置の例を示す説明図、第24図は
第23図の装置の動作を説明するためのタイミングチャ
ート、第25図は光源及び波長可変装置の例を示す説明
図、第26図ないし第29図はそれぞれ波長選択装置の
例を示す説明図、第30図は吸収係数及び散乱係数の波
長特性を示す特性図、第31図は各波長の光の出射タイ
ミングを示すタイミングチャー1へ、第32図は被検体
通過後の各波長の光の波形を示す波形図、第33図は被
検体通過後の各波長の光の強度と時間との関係を示す特
性図、第34図は第33図の要部拡大図、第35図は被
検体通過光の強度と被検体との関係を説明するための説
明図である。
本実施例の散乱成分抑制方法は、被検体に照射する光の
波長を変化させて各波長間での特性の違いを利用して散
乱成分を抑制する方法である。すなわち、被検体に光を
照射した場合、第30図に示すように、散乱光の強度に
影響する散乱係数は波長により大きく変fヒしないか、
直進光の強度に影響する吸収係数は波長により大きく変
化する。
被検体に対する入射光に対し、被検体通過光の受光強度
は、被検体による散乱、吸収のため減少するが、散乱係
数と吸収係数の波長特性の違いにより、前記入射光の波
長を変化さぜな場合の受光強度の変化(差)を求めるこ
とにより、散乱成分を抑制することができる。すなわち
、波長を変化させて受光強度に変化があれば直進成分を
より多く含み、受光強度の変化が小さければ散乱成分が
多く直進成分が少ないことが分かる。入射光の波長とし
ては、例えば第30図のλa、λbのように、複数の波
長間で散乱係数と吸収係数との差の変化が大きい複数の
波長を選択する。尚、吸収係数の大きい波長領域は、光
が透過しないので使用しない また、第35図に示すように、被検体93を通過した光
の受光強度の変化の大きさにより、被検体93の識別、
すなわち血管、臓器等の有無や正常組織か否か等を判別
でき、これにより生体内部の情報を映像化することかて
きる。
次に、本実施例の方法を実現する装置の概略構成を、第
20図を用いて説明する。この装置は、光源91と、こ
の光源9]の出射光の波長を変化させる波長可変装置9
2と、この波長可変装置92から出射され被検体93を
通過した光を受光し、複数の波長を選択してその波長毎
の光強度を検出する波長選択装置94と、この波長選択
装置94の出力を処理する信号処理装置95と、前記波
長可変装置92を駆動すると共に、前記信号処理装置9
5に同期信号を送るドライバ96とを備えている。
この装置では、光源91から出射された光は被検体93
に窯口・jされる。この被検体93に照射される光は、
波長可変装置92によって波長か変化される。前記被検
体93を通過した光は波長jx択装置94で受光され、
複数の波長での光強度が検出される。そして、信号処理
装置95にて、前記波長選択装置94で検出された複数
の波長での光強度を用いて例えば被検体93の透過像が
求められる。前記波長可変装置92によって、被検体9
3に照射される光の波長を変化させ、波長選択装置94
及び信号処理装置95によって、前記波長可変装置92
による波長の変化に伴う受光強度の変化(差)を求める
ことにより、散乱成分が抑制される。
次に、第21図ないし第25図を参照して、前記光源9
1−及び波長可変装置92の4つの例を説明する。
第21図は第1の例を示し、この例では、光源91及び
波長可変装置92として、色素レーザ101が用いられ
、この色素レーザ10]の回折格子102がドライバ9
6によって駆動されるようになっている。この例では、
ドライバ96によって回折格子102を駆動することに
よって、色素レーザ10]−から出射される光の波長が
変化する。
尚、色素レーザ101の代りに、波長可変半導体レーザ
やアレキ゛ナンドライ1−レーザや、自由電子レーザ等
の波長を変えることのできるレーザを用いても良い。
第22図は第2の例を示し、この例では、光源9]とし
て白色光を出射する白色光源103か用いられ、波長可
変装置92として回転フィルタ104か用いられている
。前記回転フィルタ]04は、互いに異なる波長の光を
透過する複数の色フィルタ(パンI・パスフィルタ)i
、04a〜104(」を有し、この色フィルタのうちの
1つか選択的に光源103の出射光の光路上に配置され
るようになっている。この例では、回転フィルタ1.0
 /1を回転させることにより、光源103の出射光が
順次色フィルタ104a〜]、 04 dを通過し、被
検体93に照射される光の波長が切り換えられる。
第23図及び第24図は第3の例を示し、この例では、
光源91及び波長可変装置92として、複数の半導体レ
ーザ(以下、LDと記す。)1゜5a〜1−05cが設
けられている。各1− D ]−05a〜105cは、
それぞれ異なる波長λ1.λ2λ3の光を出射するよう
になっている。LD]−05aの出射光は鏡106.半
透鏡1.07,1.08を経て、LD105bの出射光
は半透鏡]、 07108を経て、L D 105 C
の出射光は半透鏡108を経て、それぞれ被検体93に
照射されるようになっている。また、各L D 105
 a〜1.o5Cは、それぞれドライバ96からの駆動
信号D1D2 、D3によって駆動されるようになって
いる。
この例では、第24図<a)ないしくc)に示すように
、ドライバ96がらの駆動信号D1 、 D2 。
D3によって′I−D1o5a〜1o5cを互いに異な
るタイミングで駆動することにより、第24図(d)に
示すように出射光の波長が順次切り換えられる。
第25図は第4の例を示し、この例では、光源91とし
て互いに異なる波長の光を出身・Iする複数のレーザ1
1]a〜111cが設けられ、レーザ]]1゜dの出射
光は半透鏡11Bを経て、レーザ111bの出射光は半
透鏡]、 1.4.、11Bを経て、レーザ111cの
出射光は、鏡」15.半透鏡114.113を経て、そ
れぞれ被検体93に照射されるようになっている。レー
ザ111aへ一111cと半透鏡11.3,114.、
鏡115との間には、波長可変装置92としての回転フ
ィルタ]12が設けられている。この回転フィルタ]1
2には、1つの孔]12aが設けられ、この孔112a
が、レーザ1]1a〜111 cの出射光の光路上に選
択的に配置されるようになっている。この例では、回転
フィルタ112を回転させることにより、孔]、 1.
2 aがレーザ1]1a〜]、 ]−1Cの出射光の光
路上に選択的に配置され、レーザ1]1a〜:+−1,
]−cの出射光が順次、被検体93に照射される。
次に、第26図ないし第29図を参照して、前記波長選
択装置94の3つの例を説明する。
第26図は第1の例を示し、この例では、波長選択装置
94として、被検体通過光の光路上に配置されたスリブ
1〜121と、このスリット12]の通過光を複数の波
長λ1.・・・λnの光に分離する回折格子]−22と
、この回折格子122で分離された各波長の光を受光す
る複数の受光素子を有するイメージアレイ1.23とか
らなる分光器を用いている。尚、第27図に示すように
、前記スリブ)〜121及び回折格子]22の代りにプ
リズム]24を用いても良い。また、第26図や第27
図に示す分光器の代りにモノクロメータを用いても良い
第28図は第2の例を示し、この例では、被検体通過光
は、3つのビームスプリッタ126.]27.1.28
にJ:って4つの光束に分離される。
分画された各光束の光路」二には、それぞれ、互いに異
なる波長の光を透過する色フィルタ127a〜127d
が配置されている。各色フィルタ1−27a〜]、 2
7 dを通過した各波長の光は、それぞれ、検出器12
8a〜128dによって検出される。尚、前記ビームス
プリッタ126a〜126Cの代りに、ダイクロツクミ
ラーを用いても良い。
その場合には、邑フィルタ127a〜]27dは不要で
ある。
第29図は第3の例を示し、この例では、回転フィルタ
129が用いられている。この回転フィルタ129は、
互いに異なる波長の光を透過する複数の色フィルタ12
9a〜129dを有し、この色フィルタのうちの1一つ
が選択的に被検体通過光の光路上に配置されるようにな
っている。この例では、回転フィルタ129を回転さぜ
ることにより、被検体通過光が順次色フィルタ129a
〜129dを通過し、各波長の光に分離される。尚、前
記回転フィルタ129は、波長可変装置92での波長の
切換のタイミングに同期するように回転させる。
本実施例では、例えば、第31図(a>ないしくd)に
示すように、波長可変装置92がら被検体93に照射さ
れる複数の波長λ1〜λ4の光の各出射タイミングをず
らずと共に、1つの波長の光の出射の周期を、被検体9
3での散乱により長くなる通過時間よりも長い周期く例
えばIons程度より大きい周期)とする。このような
光が被検体93を通過し、波長選択装置94では、各波
長λ1〜λ4.毎に第32図(a)ないしくd)に示ず
ような波形が検出される。各波長の波形のタイミングを
合わせると、第33図に示すようになる。また、第33
図の波形の立上がり部分を拡大すると第34図に示すよ
うになる。これらの図に示すように、被検体通過光の立
上がり部分には、直進成分が合まれでいるため、波長に
よって強度か異なる。これに対し、被検体通過光のうち
時間の遅い部分は散乱成分のみなので、波長の変化によ
って強度はあまり変化しない。本実施例では、特に第3
4図に示すような被検体通過光の立上がり部分における
各波長毎の強度の差(λ1−λ2.3つ λ1−λ4等)を求めることにより、より効果的に直進
成分を抽出して散乱成分を抑制することができる。
以−1−説明したように、本実施例では、被検体に照射
する光の波長を変化させて、複数の波長における被検体
通過光の受光強度の変化(差)を求めることにより、直
進成分が抽出され、散乱成分が抑制される。これにより
、これまで透視が不可能と考えられてきた強い散乱性の
物質であっても、空間分解能の高い透過像計測が可能と
なる。
ここで、第36図ないし第39図を参照して、被検体の
断層像を得る実験とその結果について説明する。第36
図は生体モデルの斜視図、第37図は第36図の要部の
平面図、第38図は差分法の原理を説明するための説明
図、第39図は実験結果を示す説明図である。
第36図及び第37図に示すように、この実験を行うた
めの生体モデルは、容器]51と、この容器151内に
設けられた回転可能且つX方向に移動可能な試料台15
2と、この試料台152に取り付られた試料153を備
え、前記容器151内には、散乱体として水100mρ
あたり1.。
gの脱脂粉乳を溶かしたものを充填している。この実験
では、試料台1.52をX方向にスキャンしなから0点
から0.5mm刻みに透過光強度を測定する。64’m
m(1,27点)までのデータを測定した後、試料台1
52を反時計方向に]o°回転させ同様に0〜127点
まで測定する。これを170°分(18方向)について
行い、透過光強度分布のデータを得る。このデータをX
線CTのアルゴリズムを用いて再構成すると断層像が得
られる。
同様の実験を、3種類の受光方式を用いて測定する。3
種類の受光方式とは、受光面にピンポールを配置したも
の、コリメータを使用したもの、コリメータと差分法を
用いたものである。また、比較のため、散乱体の代りに
水を用いコリメータを使用した測定も行った。また、前
記3種類の受光方式の特性を確認した後、最もコン)ヘ
ラストのはっきりした手法で、モデルをマウスに置き換
えて同様の実験を行い断層イメージングを試みる。
前記3種類の受光方式のうち、コリメータと差分法を用
いたものとは、連続光を用い、光軸」−に配置した検出
器の出力と光軸外に配置した検出器の出力との空間的な
差分によって散乱成分を抑制する空間的手法であり、こ
の原理を第38図を用いて説明する。He−Neレーザ
]61−がら出射されたレーザ光は、第36図に示した
ような生体モデル162を通過し、このレーザ光の光軸
」二に正しくに合わされたコリメータ]63と前記光軸
から角度θを持って配置されたコリメータ164とを通
過する。各コリメータ]−63,1,64を通過した光
は、それぞれ、受光器1.65,166で受光される。
受光器165では生体モデル162を通過した光の直進
成分と散乱成分の和が検出され、受光器166では散乱
光成分のみが検出される。そして、差動増幅器]67に
て、受光器165の出力から受光器166の出力に重み
付番すした値を差し引くことにより散乱成分を抑制する
ことができる。
第39図に実験結果を示す。(a)、(b)。
(c)、(d)はそれぞれ、散乱体の代りに水を用いコ
リメータを使用した場合、受光面にピンポールを配置し
た場合、コリメータを使用した場合、コリメータと差分
法を用いた場合の各測定結果として得られた断層像であ
る。これらの図がら分かるように、コリメータと差分法
を用いた場合に最も散乱成分が抑制され、空間分解能の
高い断層像が得られることが分かる。尚、第36図及び
第37図を用いて説明した実験方法は、本発明の各実施
例の散乱成分抑制方法の効果を確かめるために用いるこ
ともできる。
尚、本発明は、上記各実施例に限定されず、実施例に示
した複数の方法を適宜組み合わせたり、第2または第3
実施例に示した方法に空間的手法あるいは時間的手法を
組み合わせても良い。
また、本発明によれは、被検体通過光中の直進成分をと
らえることから、既存のX線CTの手法をそのまま利用
することができ、単なる二次元面内ての透視にとどまら
ず、断層像や三次元立体構造の透視が可能となる。
まな、X線や超音波と異なり、対象物体の内部情報の検
知手段として光を用いることがら、肉眼での観察に近い
透視像が得られる。
また、X線や超音波による透視の場合は、主として対象
の形状情報の収得が目的となるが、光を用いた場合、分
光化学の知識体系を背景として、対象物体内の化学的情
報が得られる。例えは、脳内や筋肉内のエネルギ代謝の
分布状態の透視等が考えられる。
また、対象物体の内部情報の検知手段として光を用いる
ことから、対象物体に対して機械的振動や電離のような
影響の少ない非接触計測が可能となる。
[発明の効果コ 以上説明したように本発明によれば、被検体の散乱によ
る影響を抑制できるので、高分解能で光を用いた被検体
内部の情報の可視化が可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図ないし第10図は本発明の第1実施例に係り、第
1図は散乱成分抑制方法を実現するための装置の概略構
成を示す説明図、第2図は散乱成分抑制方法の原理を説
明するための説明図、第3図は光子の生体組織中の伝搬
のシュミレーションモデルを示す説明図、第4図はシュ
ミレーションで仮定した検出系の配置を示す説明図、第
5図はシュミレーション結果を示す波形図、第6図は散
乱成分抑制方法を実現するための装置の構成を示す説明
図、第7図は第6図の装置においてファイバ中心部で検
出した時間分解波形を示す波形図、第8図は第6図の装
置においてファイバ中心部で検出した時間分解波形とフ
ァイバ周辺部で検出した時間分解波形との差分を示す波
形図、第9図は第6図の装置を用いたエツジ近傍の透過
光量の計測結果を示す特性図、第10図は広範囲の透視
を可能とする透視装置の概略構成を示す説明図、第11
図ないし第19図は本発明の第2実施例に係り、第11
図は散乱成分抑制方法を実現するための装置の概略構成
を示す説明図、第12図は散乱による位相遅れの分布を
示すヒス1〜グラム、第13図は第11図の装置の作用
を説明するための波形図、第14図は変調された入射光
を示す波形図、第15図は波長変調を用いた場合の散乱
成分抑制装置の概略構成を示す説明図、第16図は散乱
成分抑制のために基準光を用いる場合の散乱成分抑制装
置の概略構成を示す説明図、第17図ないし第19図は
それぞれ第16図の装置の具体的な構成例を示す説明図
、第20図ないし第35図は本発明の第3実施例に係り
、第20図は散乱成分抑制方法を実現するための装置の
概略構成を示す説明図、第21図ないし第23図はそれ
ぞれ光源及び波長可変装置の例を示す説明図、第24図
は第23図の装置の動作を説明するためのタイミングヂ
ャー1〜、第25図は光源及び波長可変装置の例を示す
説明図、第26図ないし第29図はそれぞれ波長選択装
置の例を示す説明図、第30図は吸収係数及び散乱係数
の波長特性を示す特性図、第31図は各波長の光の出射
タイミングを示すタイミングヂャー1〜、第32図は被
検体通過後の各波長の光の波形を示す波形図、第33図
は被検体通適役の各波長の光の強度と時間との関係を示
す特性図、第34図は第33図の要部拡大図、第35図
は被検体通過光の強度と被検体との関係を説明するため
の説明図、第36図は生体モテルの斜視図、第37図は
第36図の要部の平面図、第38図は差分法の原理を説
明するための説明図、第39図は実験結果を示す説明図
である。 1−・パルス光源   3・・・試料 4.5・・・コリメータ 6.7・・・光ファイバ 8・・時間分解測光装置 9・・・信号処理演算装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)被検体にパルス光を照射する手順と、前記照射す
    る手順によって照射され前記被検体内を通過した光のう
    ちの直進光成分と散乱光成分とを含む光の時間分解波形
    を検出する第1の検出手順と、 前記照射する手順によって照射され前記被検体内を通過
    した光のうちの散乱光成分のみの時間分解波形を検出す
    る第2の検出手順と、 前記第1の検出手順による検出出力と前記第2の検出手
    順による検出出力とを用いた演算により、前記散乱光成
    分を抑制する手順と を備えたことを特徴とする被検体通過光中の散乱成分抑
    制方法。
  2. (2)被検体に変調された光を照射する手順と、前記照
    射する手順によつて照射され前記被検体内を通過した光
    を検出する手順と、 前記検出する手順による検出出力のうちの所定の位相成
    分を抽出することにより、前記散乱光成分を抑制する手
    順と を備えたことを特徴とする被検体通過光中の散乱成分抑
    制方法。
  3. (3)被検体に複数の波長の光を照射する手順と、前記
    照射する手順によって照射され前記被検体内を通過した
    光を検出する手順と、 前記検出する手順によって検出された複数の波長に対応
    する複数の検出出力を用いた演算により、前記散乱光成
    分を抑制する手順と を備えたことを特徴とする被検体通過光中の散乱成分抑
    制方法。
JP2119468A 1990-03-29 1990-05-08 被検体通過光中の散乱光成分抑制方法およびその装置 Expired - Fee Related JP2862016B2 (ja)

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JP2014035190A (ja) * 2012-08-07 2014-02-24 Seiko Epson Corp 電子機器

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