JPH0415281B2 - - Google Patents
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- JPH0415281B2 JPH0415281B2 JP20827786A JP20827786A JPH0415281B2 JP H0415281 B2 JPH0415281 B2 JP H0415281B2 JP 20827786 A JP20827786 A JP 20827786A JP 20827786 A JP20827786 A JP 20827786A JP H0415281 B2 JPH0415281 B2 JP H0415281B2
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Landscapes
- Undergarments, Swaddling Clothes, Handkerchiefs Or Underwear Materials (AREA)
- Socks And Pantyhose (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、独特の肌触りを有し、発汗を抑える
作用により水虫の活動を本質的に抑制する作用効
果のある靴下に関するものである。 (従来の技術) 水虫(汗疱状白癬)は、一旦発症すると治り難
い非常に不愉快な疾患である。近年、靴を履く生
活時間が長くなつた上に、合成樹脂並びに合成繊
維等を原料とした靴、靴敷、靴下等の大幅な普及
が重なり、水虫に悩む人の数は益々増加する傾向
にある。そこで、この極めて不愉快な疾患を何と
かしようと、様々な治療薬及び治療法が提供され
てきているが、それらをもつてしても、ほとんど
の場合完全治癒までは至らないというのが実情で
ある。 そこで以前より、患部に塗布する単なる治療薬
を研究することのみならず、患部と最も密接な関
係にある靴下に着目し、水虫治療に効果的な要素
を有する靴下を提供することが重視されてきてい
る。例えば、種々の防カビ剤等の薬剤を含浸せし
めた靴下があるが、頻繁な洗濯を必要とする靴下
にあつては洗濯による薬剤の脱落が甚だしく、そ
の薬効の長期間継続は困難であり、又薬剤等を含
浸せしめることで風合いは損われ、着用時に違和
感を伴うというような欠点があつた。 また、銅あるいは銀のイオンがカビ類の発生を
防ぎ水虫治療に効果のあることが知られ、銅、銀
の金属を細線にして繊維の中に混紡、交撚並びに
交編したものが多数提案されたが、金属の細線の
紡績は技術的に困難な点が多くコスト面の問題を
伴つたし、又金属の耐屈曲性が繊維素材に比して
劣ることから、着用と洗濯の繰り返しが金属線の
折損を引き起こし、それが皮膚に傷や痛みを与え
ることにもなりかねなかつた。 (発明が解決しようとする問題点) 上述のように、一旦発症すると極めて治り難
く、その根治に関してはほとんど不可能であると
いわれる水虫の完全治癒を目指して作り出された
多種の靴下は、それぞれに様々な工夫をもつてな
されたものであつたが、いずれもそれに伴う問題
点が多い割に充分な効果を期待できるものではな
かつた。 本発明は、このような実情に鑑みてなされたも
のであつて、本来の水虫治療に対する概念から発
想を大胆に転換することによつて生み出されたも
のである。すなわち、昔から行なわれてきた水虫
対策とは、様々な薬剤あるいは方法によつて水虫
を根絶することをその目的とし、つまり何らかの
手段によつて水虫の根絶が可能であるという考え
を基盤としたものであつたが、本発明者達はこの
考えを根本から覆し、いかなる薬剤や方法をもつ
てしても水虫の根絶は不可能ではないかと考え、
水虫を治療するのではなく水虫の苦痛から解放さ
れた状態を獲得することを目的とした。すなわ
ち、水虫の根治を切望し排除に必死になる必要は
なく、水虫を常在菌として保持していても、その
症状が現れさえしなければ苦痛を与えることはな
いという考えから、履いていることにより水虫の
活動が抑制され苦痛から解放されるという、極め
て簡単に優れた効果を奏する靴下を提供するもの
である。 水虫というものは夏場に悪化することから、発
汗と密接な関係があることは周知であり、一般的
には木綿の靴下が水虫治療には最適であると考え
られている。しかし、実際には木綿の靴下もナイ
ロンの靴下よりはましという程度のものであつ
て、水虫治療に最適であるなどとは言い難く、そ
こから前述のような金属線等を含有せしめた靴下
等の研究開発へと進展するようになつたが、結局
は、以前から水虫と靴下の関係に注目しながらも
未だ充分要求に応えるものを得ることができない
のが現状である。 (問題点を解決するための手段) 本発明は前述の問題点を解決するために提案さ
れた純毛靴下であつて、該純毛靴下の編成糸条の
番手が30〜60、撚り係数が30〜80、毛羽指数が60
以上であつて、且つ編地の気孔容積が75%以上で
あることを特徴とする水虫抑制靴下である。 すなわち、本発明者達は再び靴下の構成素材の
研究に溯り、上述の構成をなす羊毛靴下を見出す
に至つたのである。これは、発汗と水虫との密接
な関係を考慮した上で羊毛という素材を選択した
ものであるが、その効果を羊毛の優れた吸湿性に
求めるものではなく、その肌触りと発汗との徹底
的追求から見出されたものである。すなわち、皮
膚は非常に鋭敏であつて、接する素材から受ける
感触によつて発汗の程度を異にする。本発明者等
は、発汗を抑制するという観点から種々研究を重
ねた結果、靴下の構造にその鍵があることを見出
した。すなわち毛羽立つた柔らかい肌触りを有す
るものが最適であるという結論に達した。 以下、実施例に基づき本発明を詳述する。 (実施例) 本発明における純毛靴下とは、羊毛をその主構
成素材とするものを指す。一般的に羊毛靴下は弱
く破れ易いといわれ、補強のために多少なりとも
ナイロン等を含有せしめたものがほとんどである
が、これらの構成素材はあくまでも羊毛を主とす
るものであるから、補強目的のナイロン等につい
ては考えに入れずに純毛・・靴下と称するものとす
る。この補強については、靴下全体に渡つて施し
たもの、あるいは破れ易い踵部、爪先部のみに施
したもの等、必要に応じて選択することができる
が、羊毛以外の素材の占める割合が高過ぎると本
発明の靴下に要求される独特な風合いは損われる
こととなるため、補強効果が充分作用する程度に
できるだけ低い割合で含有せしめることを目指
し、構成素材の好ましくは80%以上、特に好まし
くは90%以上、最も好ましくは95%以上が羊毛繊
維からなるものとする。 また、本発明の純毛靴下の大きな特徴として毛
羽立つた柔らかい風合いが挙げられるが、それは
編成糸条の毛羽指数と気孔容積に依るところが大
きい。本発明において言及する編成糸条の毛羽指
数とは、一旦製品として編成されたものを解舒し
た糸条について測定したものを指す。原糸時に比
べ編成工程及び解舒によつてかなりの毛羽が落ち
ることになるが、本発明の純毛靴下はその解舒糸
条の毛羽指数が60以上、好ましくは80以上、特に
好ましくは90以上であるものである。毛羽指数が
60未満の糸条では、本発明の純毛靴下が要求する
毛羽立つた柔らかい感触が得られず不適であるた
め、少なくとも60とし、毛羽指数が高いものほ
ど、感触としては好適なものが得られる。 さらに、本発明の純毛靴下の独特な風合い、感
触を作り出すためには、編地の気孔容積が、75%
以上である必要があることがわかつた。すなわ
ち、前述の高い毛羽指数による毛羽立つた柔らか
い肌触りと、高い気孔率により得られるクツシヨ
ン性、編地内の空気の交換性との相乗効果が発汗
抑制効果につながるということを考慮し、編地の
気孔容積を少なくとも75%、好ましくは85%以上
とするものが、柔らかい肌触りとともにさらつと
した心地良さを接する部分に与え、優れた発汗抑
制効果を生み出すものであつた。 上述のように、編成糸条の毛羽指数と編地の気
孔容積の要件を同時に満たした本発明の純毛靴下
は、毛羽立つた柔らかい風合いを有し、足にさら
つとした心地良い感触を与えることで、水虫の症
状が現れない状態を作り出すという驚くべき効果
がもたらされた。 次に、本発明の純毛靴下の編成糸条についてさ
らに詳しく説明すると、この靴下が単糸で編成さ
れていることが、前述の構成を容易に実現しうる
大きな要因となつている。また、本発明の靴下の
編成糸条は、30〜60番手(メートル番手、以下同
様)の太さのものとする。すなわち、30番手未満
の太番手の糸条を用いると編成された靴下が厚く
なり過ぎ、その保温性のため水虫の悪化する夏場
においては心地良い肌触りよりも暑苦しさが先行
することになるし、逆に60番手以上の細番手の糸
条を用いると靴下が薄いものとなり過ぎ、所望の
柔らかい風合いを得ることができないからであ
る。 そして、この編成糸条は、撚り係数30〜80の撚
りを備えるものとする。(但し、撚り係数K=
T/√,Tは1m当たりの撚り数、Nは糸のメ
ートル式で表した番手である。) すなわち、前述した30〜60番手の糸条に上記範
囲内の撚り係数の撚りを与えることによつて、本
発明の靴下独特の風合いが得られるようになつて
いる。例えば、36番手の糸条においては、撚り数
を330〜450の範囲内として、本発明の水虫抑制靴
下が得られるのである。つまり、撚り係数30未満
の撚りを備える糸条では、編成の際に糸切れ等の
トラブルを生じ、逆に撚り係数が80を越えると、
風合いが硬くなり、本発明の靴下が要求する毛羽
立つた柔らかい風合いにはならないのである。 実施例 1 毛羽指数の異なつた純毛原糸(40番手単糸、撚
り係数60)で4種類の靴下を編成し、該靴下のソ
ール底部における解舒糸条の毛羽指数を測定し
た。その測定値と得られた風合いとの関係及び水
虫保持者を対象とした着用テスト結果を第1表に
示す。この4種類の靴下については、気孔容積の
差異がテスト結果に影響を及ぼさないように全て
の靴下の編地の気孔容積は75%以上に設定してい
る。この編地の気孔容積は、JIS L1018.6.11に従
つてソール底部の編地について測定したものを同
様に第1表に示しておく。 尚、毛羽指数の測定は、JIS L 1095.一般紡
績糸試験法によるものであり、風合いとは本発明
の靴下が要求する毛羽立つた柔らかい感触の度合
いを示すものである。また、水虫保持者対象の着
用テストについては、本社の男性から水虫に悩む
者40名を募り、各靴下の担当者をそれぞれ10名と
し6月の第3週第4週の2週間に渡り行なつた。
尚、その条件にできるだけ不平等が生じないよ
う、期間中は他の靴下を決して着用しないこと、
靴を履く時は必ず決められた靴下を着用すること
を規定した。2週間経過後、各人の症状及び程度
の推移、受けた感じ(痒みが無くなつた等の感
想)について水虫抑制効果調査を行ない、その集
計結果に基づき総合評価をした。この調査は以下
の通りとした。A…素晴しく効果を奏した(痒み
等の苦痛が全く無くなつた)、B…かなりの効果
を奏した(痒み等の苦痛が気にならない程度にな
つた)、C…少々効果を奏した(着用前ほどの苦
痛は無くなつたが完全ではない)、D…効果は感
じられない(着用前と変化無し)、E…症状が悪
化した。
作用により水虫の活動を本質的に抑制する作用効
果のある靴下に関するものである。 (従来の技術) 水虫(汗疱状白癬)は、一旦発症すると治り難
い非常に不愉快な疾患である。近年、靴を履く生
活時間が長くなつた上に、合成樹脂並びに合成繊
維等を原料とした靴、靴敷、靴下等の大幅な普及
が重なり、水虫に悩む人の数は益々増加する傾向
にある。そこで、この極めて不愉快な疾患を何と
かしようと、様々な治療薬及び治療法が提供され
てきているが、それらをもつてしても、ほとんど
の場合完全治癒までは至らないというのが実情で
ある。 そこで以前より、患部に塗布する単なる治療薬
を研究することのみならず、患部と最も密接な関
係にある靴下に着目し、水虫治療に効果的な要素
を有する靴下を提供することが重視されてきてい
る。例えば、種々の防カビ剤等の薬剤を含浸せし
めた靴下があるが、頻繁な洗濯を必要とする靴下
にあつては洗濯による薬剤の脱落が甚だしく、そ
の薬効の長期間継続は困難であり、又薬剤等を含
浸せしめることで風合いは損われ、着用時に違和
感を伴うというような欠点があつた。 また、銅あるいは銀のイオンがカビ類の発生を
防ぎ水虫治療に効果のあることが知られ、銅、銀
の金属を細線にして繊維の中に混紡、交撚並びに
交編したものが多数提案されたが、金属の細線の
紡績は技術的に困難な点が多くコスト面の問題を
伴つたし、又金属の耐屈曲性が繊維素材に比して
劣ることから、着用と洗濯の繰り返しが金属線の
折損を引き起こし、それが皮膚に傷や痛みを与え
ることにもなりかねなかつた。 (発明が解決しようとする問題点) 上述のように、一旦発症すると極めて治り難
く、その根治に関してはほとんど不可能であると
いわれる水虫の完全治癒を目指して作り出された
多種の靴下は、それぞれに様々な工夫をもつてな
されたものであつたが、いずれもそれに伴う問題
点が多い割に充分な効果を期待できるものではな
かつた。 本発明は、このような実情に鑑みてなされたも
のであつて、本来の水虫治療に対する概念から発
想を大胆に転換することによつて生み出されたも
のである。すなわち、昔から行なわれてきた水虫
対策とは、様々な薬剤あるいは方法によつて水虫
を根絶することをその目的とし、つまり何らかの
手段によつて水虫の根絶が可能であるという考え
を基盤としたものであつたが、本発明者達はこの
考えを根本から覆し、いかなる薬剤や方法をもつ
てしても水虫の根絶は不可能ではないかと考え、
水虫を治療するのではなく水虫の苦痛から解放さ
れた状態を獲得することを目的とした。すなわ
ち、水虫の根治を切望し排除に必死になる必要は
なく、水虫を常在菌として保持していても、その
症状が現れさえしなければ苦痛を与えることはな
いという考えから、履いていることにより水虫の
活動が抑制され苦痛から解放されるという、極め
て簡単に優れた効果を奏する靴下を提供するもの
である。 水虫というものは夏場に悪化することから、発
汗と密接な関係があることは周知であり、一般的
には木綿の靴下が水虫治療には最適であると考え
られている。しかし、実際には木綿の靴下もナイ
ロンの靴下よりはましという程度のものであつ
て、水虫治療に最適であるなどとは言い難く、そ
こから前述のような金属線等を含有せしめた靴下
等の研究開発へと進展するようになつたが、結局
は、以前から水虫と靴下の関係に注目しながらも
未だ充分要求に応えるものを得ることができない
のが現状である。 (問題点を解決するための手段) 本発明は前述の問題点を解決するために提案さ
れた純毛靴下であつて、該純毛靴下の編成糸条の
番手が30〜60、撚り係数が30〜80、毛羽指数が60
以上であつて、且つ編地の気孔容積が75%以上で
あることを特徴とする水虫抑制靴下である。 すなわち、本発明者達は再び靴下の構成素材の
研究に溯り、上述の構成をなす羊毛靴下を見出す
に至つたのである。これは、発汗と水虫との密接
な関係を考慮した上で羊毛という素材を選択した
ものであるが、その効果を羊毛の優れた吸湿性に
求めるものではなく、その肌触りと発汗との徹底
的追求から見出されたものである。すなわち、皮
膚は非常に鋭敏であつて、接する素材から受ける
感触によつて発汗の程度を異にする。本発明者等
は、発汗を抑制するという観点から種々研究を重
ねた結果、靴下の構造にその鍵があることを見出
した。すなわち毛羽立つた柔らかい肌触りを有す
るものが最適であるという結論に達した。 以下、実施例に基づき本発明を詳述する。 (実施例) 本発明における純毛靴下とは、羊毛をその主構
成素材とするものを指す。一般的に羊毛靴下は弱
く破れ易いといわれ、補強のために多少なりとも
ナイロン等を含有せしめたものがほとんどである
が、これらの構成素材はあくまでも羊毛を主とす
るものであるから、補強目的のナイロン等につい
ては考えに入れずに純毛・・靴下と称するものとす
る。この補強については、靴下全体に渡つて施し
たもの、あるいは破れ易い踵部、爪先部のみに施
したもの等、必要に応じて選択することができる
が、羊毛以外の素材の占める割合が高過ぎると本
発明の靴下に要求される独特な風合いは損われる
こととなるため、補強効果が充分作用する程度に
できるだけ低い割合で含有せしめることを目指
し、構成素材の好ましくは80%以上、特に好まし
くは90%以上、最も好ましくは95%以上が羊毛繊
維からなるものとする。 また、本発明の純毛靴下の大きな特徴として毛
羽立つた柔らかい風合いが挙げられるが、それは
編成糸条の毛羽指数と気孔容積に依るところが大
きい。本発明において言及する編成糸条の毛羽指
数とは、一旦製品として編成されたものを解舒し
た糸条について測定したものを指す。原糸時に比
べ編成工程及び解舒によつてかなりの毛羽が落ち
ることになるが、本発明の純毛靴下はその解舒糸
条の毛羽指数が60以上、好ましくは80以上、特に
好ましくは90以上であるものである。毛羽指数が
60未満の糸条では、本発明の純毛靴下が要求する
毛羽立つた柔らかい感触が得られず不適であるた
め、少なくとも60とし、毛羽指数が高いものほ
ど、感触としては好適なものが得られる。 さらに、本発明の純毛靴下の独特な風合い、感
触を作り出すためには、編地の気孔容積が、75%
以上である必要があることがわかつた。すなわ
ち、前述の高い毛羽指数による毛羽立つた柔らか
い肌触りと、高い気孔率により得られるクツシヨ
ン性、編地内の空気の交換性との相乗効果が発汗
抑制効果につながるということを考慮し、編地の
気孔容積を少なくとも75%、好ましくは85%以上
とするものが、柔らかい肌触りとともにさらつと
した心地良さを接する部分に与え、優れた発汗抑
制効果を生み出すものであつた。 上述のように、編成糸条の毛羽指数と編地の気
孔容積の要件を同時に満たした本発明の純毛靴下
は、毛羽立つた柔らかい風合いを有し、足にさら
つとした心地良い感触を与えることで、水虫の症
状が現れない状態を作り出すという驚くべき効果
がもたらされた。 次に、本発明の純毛靴下の編成糸条についてさ
らに詳しく説明すると、この靴下が単糸で編成さ
れていることが、前述の構成を容易に実現しうる
大きな要因となつている。また、本発明の靴下の
編成糸条は、30〜60番手(メートル番手、以下同
様)の太さのものとする。すなわち、30番手未満
の太番手の糸条を用いると編成された靴下が厚く
なり過ぎ、その保温性のため水虫の悪化する夏場
においては心地良い肌触りよりも暑苦しさが先行
することになるし、逆に60番手以上の細番手の糸
条を用いると靴下が薄いものとなり過ぎ、所望の
柔らかい風合いを得ることができないからであ
る。 そして、この編成糸条は、撚り係数30〜80の撚
りを備えるものとする。(但し、撚り係数K=
T/√,Tは1m当たりの撚り数、Nは糸のメ
ートル式で表した番手である。) すなわち、前述した30〜60番手の糸条に上記範
囲内の撚り係数の撚りを与えることによつて、本
発明の靴下独特の風合いが得られるようになつて
いる。例えば、36番手の糸条においては、撚り数
を330〜450の範囲内として、本発明の水虫抑制靴
下が得られるのである。つまり、撚り係数30未満
の撚りを備える糸条では、編成の際に糸切れ等の
トラブルを生じ、逆に撚り係数が80を越えると、
風合いが硬くなり、本発明の靴下が要求する毛羽
立つた柔らかい風合いにはならないのである。 実施例 1 毛羽指数の異なつた純毛原糸(40番手単糸、撚
り係数60)で4種類の靴下を編成し、該靴下のソ
ール底部における解舒糸条の毛羽指数を測定し
た。その測定値と得られた風合いとの関係及び水
虫保持者を対象とした着用テスト結果を第1表に
示す。この4種類の靴下については、気孔容積の
差異がテスト結果に影響を及ぼさないように全て
の靴下の編地の気孔容積は75%以上に設定してい
る。この編地の気孔容積は、JIS L1018.6.11に従
つてソール底部の編地について測定したものを同
様に第1表に示しておく。 尚、毛羽指数の測定は、JIS L 1095.一般紡
績糸試験法によるものであり、風合いとは本発明
の靴下が要求する毛羽立つた柔らかい感触の度合
いを示すものである。また、水虫保持者対象の着
用テストについては、本社の男性から水虫に悩む
者40名を募り、各靴下の担当者をそれぞれ10名と
し6月の第3週第4週の2週間に渡り行なつた。
尚、その条件にできるだけ不平等が生じないよ
う、期間中は他の靴下を決して着用しないこと、
靴を履く時は必ず決められた靴下を着用すること
を規定した。2週間経過後、各人の症状及び程度
の推移、受けた感じ(痒みが無くなつた等の感
想)について水虫抑制効果調査を行ない、その集
計結果に基づき総合評価をした。この調査は以下
の通りとした。A…素晴しく効果を奏した(痒み
等の苦痛が全く無くなつた)、B…かなりの効果
を奏した(痒み等の苦痛が気にならない程度にな
つた)、C…少々効果を奏した(着用前ほどの苦
痛は無くなつたが完全ではない)、D…効果は感
じられない(着用前と変化無し)、E…症状が悪
化した。
【表】
【表】
この結果に明らかな如く、風合いに関しては、
毛羽指数の高いものが好適であつた。また、水虫
の抑制効果については、いずれの純毛靴下も、ナ
イロン靴下のように水虫をひどく悪化せしめるこ
とはなかつたが、その毛羽指数が少なくとも60、
好ましくは80以上、特に好ましくは90以上の毛羽
指数を有するものが、それに比例して優れた効果
を奏した。 実施例 2 実施例1で使用したNo.4の純毛原糸(40番手単
糸、撚り係数60)で気孔容積の異なつた3種類の
靴下を編成し、気孔容積と肌触りとの関係及び実
施例1と同様の着用テストを行なつた結果を第2
表に示す。尚、肌触りとは、気孔容積により左右
される編地の柔らかさ、クツシヨン性、空気の交
換性を相対的に評価し、気孔容積の測定はJIS L
1018.6.11に従つてソール底部の編地について
行なつた。着用テストについては、実施例1にお
いて水虫抑制効果をD…効果は感じられない(着
用前と変化無し)と回答した者11名とC…少々効
果を奏した(着用前ほどの苦痛は無くなつたが完
全ではない)と回答した者10名、計21名の7名ず
つに前記3種類の靴下をそれぞれ1種類ずつ担当
させ、7月の第2週、第3週の2週間に渡つて行
なつた。着用条件及び水虫抑制効果調査は実施例
1と同様とした。
毛羽指数の高いものが好適であつた。また、水虫
の抑制効果については、いずれの純毛靴下も、ナ
イロン靴下のように水虫をひどく悪化せしめるこ
とはなかつたが、その毛羽指数が少なくとも60、
好ましくは80以上、特に好ましくは90以上の毛羽
指数を有するものが、それに比例して優れた効果
を奏した。 実施例 2 実施例1で使用したNo.4の純毛原糸(40番手単
糸、撚り係数60)で気孔容積の異なつた3種類の
靴下を編成し、気孔容積と肌触りとの関係及び実
施例1と同様の着用テストを行なつた結果を第2
表に示す。尚、肌触りとは、気孔容積により左右
される編地の柔らかさ、クツシヨン性、空気の交
換性を相対的に評価し、気孔容積の測定はJIS L
1018.6.11に従つてソール底部の編地について
行なつた。着用テストについては、実施例1にお
いて水虫抑制効果をD…効果は感じられない(着
用前と変化無し)と回答した者11名とC…少々効
果を奏した(着用前ほどの苦痛は無くなつたが完
全ではない)と回答した者10名、計21名の7名ず
つに前記3種類の靴下をそれぞれ1種類ずつ担当
させ、7月の第2週、第3週の2週間に渡つて行
なつた。着用条件及び水虫抑制効果調査は実施例
1と同様とした。
【表】
尚、毛羽指数については実施例1におけるNo.4
と同様の純毛原糸を用いることで、3種類共差異
なく最適なものが与えられている。 上記の如く、柔らかくさらつとした心地良い感
触によつて優れた水虫抑制効果を発揮するもの
は、その編地の気孔容積を75%以上、好ましくは
85%以上とするものであることがわかつた。 (発明の効果) 上述のように、本発明の純毛靴下は、その目的
を水虫の根治ではなく、水虫との共存、すなわち
水虫が常在菌として存在しながら症状が現れない
状態を作り出すこととするものであつて、水虫と
発汗との密接な関係に観点をおき、発汗抑制に素
晴らしく効果のある独特な肌触り、つまり毛羽立
つた風合いと柔らかな感触を有し、この感触がさ
らつとした快適な履き心地を与えるものである。 以上述べてきた通り、本発明の純毛靴下は、こ
れを履いていることにより、水虫の根治を目指し
てひたすら根気良く薬を塗る等の無駄な煩雑さか
ら解放され、水虫が存在しながら苦痛の無い状態
が作り出されるという顕著な効果を奏する水虫抑
制靴下である。
と同様の純毛原糸を用いることで、3種類共差異
なく最適なものが与えられている。 上記の如く、柔らかくさらつとした心地良い感
触によつて優れた水虫抑制効果を発揮するもの
は、その編地の気孔容積を75%以上、好ましくは
85%以上とするものであることがわかつた。 (発明の効果) 上述のように、本発明の純毛靴下は、その目的
を水虫の根治ではなく、水虫との共存、すなわち
水虫が常在菌として存在しながら症状が現れない
状態を作り出すこととするものであつて、水虫と
発汗との密接な関係に観点をおき、発汗抑制に素
晴らしく効果のある独特な肌触り、つまり毛羽立
つた風合いと柔らかな感触を有し、この感触がさ
らつとした快適な履き心地を与えるものである。 以上述べてきた通り、本発明の純毛靴下は、こ
れを履いていることにより、水虫の根治を目指し
てひたすら根気良く薬を塗る等の無駄な煩雑さか
ら解放され、水虫が存在しながら苦痛の無い状態
が作り出されるという顕著な効果を奏する水虫抑
制靴下である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 純毛靴下において、編成糸条の番手が30〜
60、撚り係数が30〜80、毛羽指数が60以上であつ
て、且つ編地の気孔容積が75%以上であることを
特徴とする水虫抑制靴下。 (撚り係数K=T/√、 Tは1m当たりの撚り数 Nは糸のメートル式で表した番手) 2 純毛靴下の編成糸条が単糸である特許請求の
範囲第1項記載の水虫抑制靴下。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20827786A JPS6366301A (ja) | 1986-09-03 | 1986-09-03 | 水虫抑制靴下 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20827786A JPS6366301A (ja) | 1986-09-03 | 1986-09-03 | 水虫抑制靴下 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6366301A JPS6366301A (ja) | 1988-03-25 |
JPH0415281B2 true JPH0415281B2 (ja) | 1992-03-17 |
Family
ID=16553573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20827786A Granted JPS6366301A (ja) | 1986-09-03 | 1986-09-03 | 水虫抑制靴下 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6366301A (ja) |
-
1986
- 1986-09-03 JP JP20827786A patent/JPS6366301A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6366301A (ja) | 1988-03-25 |
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