JPH0415005Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、植物の茎を支柱に沿わせるときに使
用される植物の支持具に関する。

〔従来の技術〕

一般に、トマト、キユウリ、菊等のように茎が
自立性に乏しい植物は、従来、その茎を紐で支柱
に縛り付けることによつて茎が倒れないように支
持している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、植物の茎を一本一本支柱に縛り付ける
作業は煩わしくて手間がかかるばかりでなく、縛
つていた紐がずれ落ちて役立たなくなつたり、紐
を締め過ぎて植物の成長に悪影響を及ぼすことが
多々あつた。また、支柱の回収に当たつて鎌や鋏
等の刃物を使つて支柱から紐を切り離すときに、
刃物が支柱に当たつて該支柱を傷付けることがあ
り、鋼管にメツキ被覆や樹脂被覆を施した支柱の
場合には、その傷付き部分から鋼管が発錆して繰
り返し使用ができなくなるという問題もあつた。

本考案は、上記のような問題点を解決するもの
で、植物の茎を簡単に支柱に支持させることがで
き、支持させた後はずれ落ちる心配がなく、しか
も、支柱の回収に当たつては鎌や鋏等の刃物を用
いずに支柱から取り外すことが可能な植物の支持
具を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するため、本考案の支持具
は、厚さ方向にはＵ字状に湾曲しやすく板幅方向
には湾曲しにくい薄肉板状の合成樹脂製の巻付け
部と、巻付け部の長手方向両端にその巻付け部と
一体に形成された合成樹脂製の一対の係合部と、
を具備し、一対の係合部のそれぞれは、平面視形
状がＣ字状の筒形をなし、その筒長方向が上記巻
付け部の板幅方向に沿う状態でかつ上記巻付け部
の長手方向に対して直交しない状態になつている
と共に、支柱にその側部から嵌め込まれて該支柱
を弾性的に挟持するように構成され、さらに、一
対の係合部は、その筒長方向が互いに平行でかつ
切欠部の向きが互いに90度変位しており、かつ上
記巻付け部によつて筒長方向で段違い状に連結さ
れている点に要旨を有する。

〔作用〕

上記構成の支持具によると、巻付け部を植物の
茎に外巻きすると共に、Ｃ字状の係合部を支柱に
嵌め込むだけで植物の茎が支柱に支持され、上記
係合部は支柱を弾性的に挟持するので、当該支持
具が支柱からずれ落ちて茎の支持に役立たなくな
る心配はない。また、支柱を回収するために支持
具を取り外すときは、支持具を引つ張つて係合部
の弾性に抗して該係合部を支柱から離脱させれば
よく、従来のように支柱を傷つける心配がある刃
物を用いる必要がない。さらに、支持具は繰り返
し使用できる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図及び第２図に例示した支持具Ａは、切欠
部１ａ，２ａを有する平面視形状がＣ字状の筒形
をなす係合部１，２を、可撓性の巻付け部３の両
端に一体に形成した合成樹脂成形品よりなる。係
合部１，２はその切欠部１ａ，２ａの向きが互い
に90度変位しており、一方の係合部１の切欠部１
ａは巻付け部３の延長方向に向き、他方の係合部
２の切欠部２ａは連結部３の延長方向に対して90
度変位した方向を向いている。巻付け部３は薄肉
板状に形成されていて、厚さ方向ＴにはＵ字状に
湾曲しやすく板幅方向Ｗには湾曲しにくいもので
ある。したがつて、Ｕ字状に湾曲させても垂れ下
がらないようになつている。また、この巻付け部
３は上記両係合部１，２を段違い状態に連結して
おり、この巻付け部３を湾曲させても一方の係合
部１と他方の係合部２とが当たらないようになつ
ている。すなわち、それぞれの係合部１，２はそ
の筒長方向L₁，L₂が上記巻付け部３の板幅方向
Ｗに沿う状態でかつ上記巻付け部３の長手方向Ｌ
に対して直交しない状態になつていると共に、後
述する支柱Ｂにその側部から嵌め込まれて該支柱
Ｂを弾性的に挟持し得るように構成されている。

次に支持具Ａの使用例を説明する。

第３図及び第４図のように植物の茎Ｐを支柱に
支持させるには、支持具Ａの巻付け部３をＵ字状
に湾曲させて上記茎Ｐに外巻きし、係合部１，２
を支柱Ｂに嵌め込む。係合部１，２を支柱Ｂに嵌
合させるには、係合部１の切欠部１ａ，２ａを支
柱Ｂに押し当てた状態から該係合部１，２を支柱
Ｂに押し込む。このようにすると、切欠部１ａ，
２ａが支柱Ｂの径だけ押し拡げられ、係合部１、
２が支柱Ｂに嵌合し、その後は、該係合部１，２
がその弾性復元力によつて支柱Ｂを弾性的に挟持
する。従つて、支持具Ａが支柱Ｂからずれ落ちて
茎の支持に役立たなくなることはない。次に、支
持具Ａを支柱Ｂから取り外して支柱Ｂを回収する
ときは、支持具Ａを引つ張つてその係合部１，２
を支柱Ｂから離脱させる。

上記の実施例において、巻付け部３は薄肉板状
に形成されているので、植物の茎Ｐに外巻きして
Ｕ字状に湾曲させても、この巻付け部３は第４図
のように横向きに突出した状態のまま保形され
る。そのため、茎Ｐを傷付けたりすることがな
く、また、支柱Ｂから支持具Ａを引つ張つて離脱
させるときにも横向きに突出した巻付け部３を手
で持つて引つ張れるので便利である。さらに、こ
の巻付け部３は上記両係合部１，２を段違い状態
に連結しており、この巻付け部３を湾曲させても
一方の係合部１と他方の係合部２とが当たらない
ようになつているので、係合部１，２を支柱Ｂに
嵌め込むときに係合部１，２同士が干渉しない利
便がある。さらにまた、係合部１，２はその切欠
部１ａ，２ａの向きが互いに90度変位しているの
で、例えば、一方の係合部１を先に支柱Ｂに嵌め
込んでから巻付け部３を茎Ｐに外巻きし、その後
で他方の係合部２を無理なく楽に支柱Ｂに嵌め込
むことができる。

また、係合部１，２が筒形であるために支柱Ｂ
に係合された支持具Ａがぐらつきにくくなる利点
がある。さらに、係合部１，２の形状は図示例の
ように丸形であつてもよいが、この形状は支柱Ｂ
の形状に応じたものにしておく方が好都合であ
る。例えば、支柱が丸形であれば係合部も丸形と
し、支柱が多角形であれば係合部もそれに相応す
る多角形としておくことがずれ落ちを確実に防止
する上で望ましい。なお、支持具Ａはポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ABS、MMA等の各種合
成樹脂を用いて一体成形することが、係合部１，
２の寸法精度等を確保する上で有利である。

〔考案の効果〕

以上のように、本考案の支持具は、巻付け部を
植物の茎に外巻きして係合部を支柱に嵌め込むだ
けで、茎を支柱に支持できるので、従来のように
紐を支柱にいちいち結び付ける手間が省け、作業
性が大幅に改善されるうえ、省力化が達成され
る。また、支柱に嵌め込まれた係合部は該支柱を
弾性的に挟持するので、支持具が支柱からずれ落
ちて植物の茎を支持するのに役立たなくなるとい
つた不都合がなくなる。さらに、支柱の回収時に
鎌や鋏等の刃物を用いる必要がないので安全であ
り、支柱が上述した被覆鋼管である場合にもその
被覆を傷付けて支柱の繰り返し使用を阻害するこ
とがなくなる。特に本考案の支持具では、巻付け
部で植物の茎を外巻きするため、茎と支柱との間
隔の広狭にあまり左右されずに茎を無理なく支柱
に支持させることができるのみならず、薄肉板状
の巻付け部と一体の係合部とが、上向きに延び出
た植物の茎を立設支柱に支持させるのに適した配
置状態になつているので、立設支柱に上向きに延
び出た茎を巻付け部を捩じつたりせずに無理なく
支持させることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の支持具を例示する
平面図及び側面図、第３図は支持具の使用状態を
示す斜視図、第４図は第３図の要部を拡大した斜
視図である。 １，２……係合部、３……巻付け部、Ｂ……支
柱、Ｐ……植物の茎、Ｔ……巻付け部の厚さ方
向、Ｗ……巻付け部の幅方向、Ｌ……巻付け部の
長手方向、L₁，L₂……筒形の係合部の筒長方向。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 厚さ方向ＴにはＵ字状に湾曲しやすく板幅方向
   Ｗには湾曲しにくい薄肉板状の合成樹脂製の巻付
   け部３と、 巻付け部３の長手方向Ｌ両端にその巻付け部３
   と一体に形成された合成樹脂製の一対の係合部
   １，２と、を具備し、 一対の係合部１，２のそれぞれは、平面視形状
   がＣ字状の筒形をなし、その筒長方向L₁，L₂が
   上記巻付け部３の板幅方向Ｗに沿う状態でかつ上
   記巻付け部３の長手方向Ｌに対して直交しない状
   態になつていると共に、支柱Ｂにその側部から嵌
   め込まれて該支柱Ｂを弾性的に挟持するように構
   成され、さらに、一対の係合部１，２は、その筒
   長方向L₁，L₂が互いに平行でかつ切欠部１ａ，
   ２ａの向きが互いに90度変位しており、さらに上
   記巻付け部３によつて筒長方向L₁，L₂で段違い
   状に連結されていることを特徴とする植物の支持
   具。