JPH04148683A - 新規遺伝子、ベクター、それを用いた形質転換体およびその利用 - Google Patents

新規遺伝子、ベクター、それを用いた形質転換体およびその利用

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JPH04148683A
JPH04148683A JP2269416A JP26941690A JPH04148683A JP H04148683 A JPH04148683 A JP H04148683A JP 2269416 A JP2269416 A JP 2269416A JP 26941690 A JP26941690 A JP 26941690A JP H04148683 A JPH04148683 A JP H04148683A
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glucoamylase
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aspergillus oryzae
dna
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洋二 秦
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田村 學造
Katsuhiko Kitamoto
勝ひこ 北本
Katsuya Gomi
勝也 五味
Chieko Kumagai
熊谷 知栄子
Masamichi Hara
原 昌道
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アスペルギルス・オリゼーから得られた新規
グルコアミラーゼ遺伝子、これを含むベクター、そのベ
クターをアスペルギルス・オリゼーまたはサッカロミセ
ス・セレビシアエに移入した形質転換体及びその利用に
関するものである。
アスペルギルス・オリゼーのグルコアミラーゼは産業上
重要な酵素であり、本発明によって得られた形質転換体
は本酵素を著量に生産し、これら本酵素を用いる産業界
に大いに貢献するものである。
(従来技術およびその問題点) 一般にグルコアミラーゼは、糖化型アミラーゼないしア
ミロ−1,4′−グルコシダーゼともいわれ、澱粉を非
還元末端からグルコース単位で分解する酵素であって、
酒類醸造や糖類製造等の産業において澱粉を糖化する工
程において広く利用されている(「化学大辞典1」共立
出版(昭42−9−10)p、302)。
清酒醸造や味噌、醤油製造においては、アスペルギルス
・オリゼーを麹と呼ばれる固体培養を行って得られるグ
ルコアミラーゼを利用している。
特に清酒醸造においては本酵素の生産性は非常に重要で
、培養において本酵素の生産量が低い場合すなわち、本
酵素力価の低い麹は、その後の発酵工程に悪影響を及ぼ
す。従って、本酵素の高生産を計るため、培養方法の検
討や菌株の育種等の努力が重ねられてきた。
従来の菌株育種法は主に、紫外線や変異誘発剤によって
得られる変異株から選択する方法に限られている。しか
しながらこれらの育種方法は、安定な変異体を単離する
のが困難である、グルコアミラーゼのみが高生産になら
ず、褐変性やプロテアーゼカ価が高くなるなど好まざる
形質が伴う場合が多い、などの欠点を有している。その
結実現在までにグルコアミラーゼの生産性のみが上昇し
た実用菌株の育種は成功していない。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので
あって、グルコアミラーゼのみを著量生産する微生物を
開発する目的でなされたものである。
そして上記目的達成のため各方面から検討した結果、目
的とする微生物を創製するには、古典的な変異法よりは
遺伝子を直接使用する遺伝子操作による方法が好適であ
るとの観点にたった。
この観点にたち、グルコアミラーゼ生産菌として多用さ
れているアスペルギルス・オリゼーのグルコアミラーゼ
遺伝子に着目した。そして研究、検討を重ねた結果、同
菌由来の染色体DNAライブラリーを作成し、更にまた
同菌のmRNAから合成したcDNAを用いてcDNA
ライブラリーを作成し、これら双方のライブラリーから
目的とするグルコアミラーゼをコードする遺伝子をそれ
ぞれクローニングするのに成功した。
そして更に、これらクローン化するのに成功したグルコ
アミラーゼをコードする遺伝子を有する染色体DNA断
片及びcDNAについて、これらをアスペルギルス・オ
リゼー(Aspergillus oryzae)やサ
ツカロミセス0セレビシアエ(Saccharomyc
escerevisiae)といった宿主ベクター系に
移入することにも成功し、得られた形質転換体において
これらの遺伝子がいずれも発現することも確認した。
すなわち、本発明者らはアスペルギルス・オリゼーのグ
ルコアミラーゼ遺伝子に着目し、アスペルギルス・オリ
ゼーのゲノムDNA制限酵素断片よりグルコアミラーゼ
をコードするDNA断片をクローン化し、これをアスペ
ルギルス・オリゼーの宿主ベクター系に移入することに
よりグルコアミラーゼを著量生産する形質転換体(A)
を得ることに成功した。ここで得られた形質転換体(A
)はFERMP−11728として微工研に寄託されて
いる。
さらに、アスペルギルス・オリゼーの全mRNAをWR
製し、これに基すいてcDNAを合成してcDNAライ
ブラリーを作製し、その中からアスペルギルス・オリゼ
ーのグルコアミラーゼをコードするクローンを分離する
ことができた。そして、このcDNAを発現ベクターに
連結した後サッカロミセス・セレビシアエに移入するこ
とにより、アスペルギルス・オリゼーと同等のグルコア
ミラーゼを生産する形質転換体(B)を得ることにも成
功した。ここで得られた形質転換体(B)はFERM 
P−11729として微工研に寄託されている。
また、ここに得られた形質転換体(A)を用いて、清酒
醸造を行なったところ、従来の菌株と比較して麹使用量
が減少し、粕歩合が低下し、原料コストを大きく減少さ
せることが可能となった。さらに、形質転換体CB)を
用いることにより澱粉原料から直接アルコール醗酵が可
能となることも確認した。
本発明は、これらの新知見に基づき、更に検討の結果完
成されたものであって、その態様を例挙すれば次のとお
りである。
(1)アスペルギルス・オリゼーから単離したプロモー
ターを含むグルコアミラーゼ遺伝子のDNA配列。
(2)この(1)のグルコアミラーゼ遺伝子のDNA配
列を連結したアスペルギルス・オリゼーのベクタ(3)
 (2)のベクターをアスペルギルス・オリゼーに移入
することによって得られる高グルコアミラーゼ分泌能を
有する形質転換体。
(4)アスペルギルス・オリゼーのグルコアミラーゼの
eDNA配列。
(5) (4)のcDNAを含むサッカロミセス・セレ
ビシアエのグルコアミラーゼを分泌させるベクター(6
) (5)のベクターをサッカロミセス・セレビシアエ
に移入することによって得られるアスペルギルス・オリ
ゼーのグルコアミラーゼを分泌生産する形質転換体。
(7) (3)あるいは(6)の形質転換体を用いるこ
とによって酒類、アルコール等を製造する方法。
(8) (3)あるいは(6)の形質転換体を用いるこ
とによってグルコアミラーゼを効率的に著量製造する方
法。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明に用い
た染色体DNA、  mRNAおよびグルコアミラーゼ
酵素の供与体はアスペルギルス・オリゼーであり、具体
的には例えばRIB 40株である。
まず本発明においては、本菌株の精製グルコアミラーゼ
を得るため、例えば精白米と本菌株の分生胞子を用いて
固体麹を調製する。得られた固体麹からグルコアミラー
ゼを精製するには、例えばAgric、 Biol、 
Chew、、 Vol、52.1707−1711 (
1989)に記載されたアスペルギルス・オリゼーのグ
ルコアミラーゼの精製に関する方法に準じて行なわれる
次に、得られた精製グルコアミラーゼをJ、 Biol
9μm、並、 305−318(1985)に準じてリ
シルエンドペプチダーゼによって消化し、さらに逆相高
速液体クロマトグラフィーによりペプチド断片を分離回
収する。得られたペプチド断片をJ、 Biol。
Chem、、256.7990(1981)に準じてA
pplied Biosystems社製の自動ペプチ
ドシーケンサ−MODEL 470Aにて、そのアミノ
酸配列を決定する。得られたアミノ酸配列に基すいてオ
リゴDNAを合成し、これを後述のプラークハイブリダ
イゼーションのプローブとして使用する。
また澱粉を唯一炭素源とした培地で培養したアスペルギ
ルス・オリゼーの菌体よりAgric、 Biol。
0μm、、 54.1905(1990)に記載された
方法によりmRNAを抽出し、Gene、 Vol、 
25.263−269(1983)の記載の方法にてc
DNAを合成し、5cience、Vol、 222゜
778−782(1983) 17)方法テファージD
NA λgt 1−0 ニ挿入し、inν1troパッ
ケージを行なってcDNAのライブラリーを作製する。
上記で得られたオリゴDNAをプローブとしてこのcD
NAライブラリーよりプラークハイブリダイゼーション
法によりグルコアミラーゼcDNAをクローニングする
。単離したグルコアミラーゼcDNAの中で、最も塩基
対の長さが長いものは第1図の塩基配列を有していた。
次に、得られたアスペルギルス・オリゼーのグルコアミ
ラーゼcDNAをサッカロミセス・セレビシアエの発現
ベクター、例えば酵母アルコールデヒドロゲナーゼ(用
圓)プロモーターを持つ酵母発現ベクターpYcDE!
あるいはpAAH5に挿入し、サッカロミセス・セレビ
シアエに移入することにより、それぞれ形質転換体(B
、I)あるいは(B21)を作製する。形質転換法とし
ては公知の方法例えばJ、 Bacteriol、、 
Vol、 153.163−168(1983)に記載
されている方法あるいはそれに準じた方法がとられる。
この方法により形質転換体(B)を得る。
上記で得られた形質転換体がアスペルギルス・オリゼー
と同一のグルコアミラーゼを生産するがどうかを確認す
るには、次に記載の方法によって行なうことができる。
先に記述した精製グルコアミラーゼを抗原として、ウサ
ギ等を用いてポリクローナル抗体を作製する。この抗体
と形質転換体の培養液中の蛋白質との抗原−抗体反応を
公知の方法例えばウェスタンブロッティング法によって
判定する。
次にアスペルギルス・オリゼーRIB 40株より染包
体DNAを、例えばA ric、 Biol、 Che
Il、、 Vol、 51゜323−328(1987
)に記載された方法に準じて抽出し、A ric、 B
iol、 Chem、、 Vol、 53.593(1
989)に準じて染色体シーンライブラリーを作製する
。この染色体シーンライブラリーより、先に単離したグ
ルコアミラーゼcDNAをプローブとしてグルコアミラ
ーゼ染色体遺伝子を単離する。得られたDNA断片は第
2図のDNA配列を有していた。
上記で得られたDNA断片をアスペルギルス・オリゼー
のベクターとして例えばarg B遺伝子をマーカーに
持つpRGBl(A ric、 Biol、 Chem
、、 Vol。
53、2549−2555(1987))  に挿入し
、得られたDNAを部欠損株のアスペルギルス・オリゼ
ーに移入し形質転換体を得る。argB欠損株として具
体的にはM−2−3株(A ric、 Biol、 C
hem、、 Vol、53.2549(1989))が
あげられる。形質転換方法としては、公知の方法例えば
A ric、 Biol、 CheIll、、 Vol
、51゜323−328(1987)に記載された方法
あるいはこれに準じた方法がとられる。この方法によっ
て形質転換体(^)を得る。
次に、形質転換体(A)を蒸米上で生育させ、分生胞子
を形成させ、得られた分生胞子を用いて公知の方法によ
って米麹を製造し、これに水、酵母および蒸米を加え1
発酵させることにより、酒類、エタノール等を製造する
形質転換体(A)は、 そのグルコアミラーゼ力価が非
常に高く、糖化力のすぐれた麹が得られるので、酒類、
エタノール等を短期間に効率よく製造することができる
また、形質転換体(B)を用いることにより、グルコア
ミラーゼ等の糖化酵素を加える事なく、サッカロミセス
・セレビシアエによる澱粉から直接アルコール醗酵を行
なうことが可能である。したがって、形質転換体(B)
を例えばカラム壁部に固定したり、ビーズにこれを固定
化した後カラムに充填したりしておき、カラムの一方か
ら澱粉等の基質を流入せしめれば他方からエタノール等
を得ることができ、エタノール製造用バイオリアクタと
しても利用することができる。スケールアップも可能で
あるので、本発明はアルコールの工業的製造にも利用す
ることができ、飲用のみならず燃料等エネルギーの面で
の貢献も大いに期待することができる。
当然のことながら、形質転換体(A、 B)は、常法に
したがってこれを培養することによって、グルコアミラ
ーゼを多量分泌生産するので、培養物から酵素を分離採
取すれば、酵素を効率よく製造することができ、発酵工
業のみならず、食品工業、医薬品工業その他各種の工業
において様々な用途に利用することができる。本発明に
よれば酵素は菌体外に分泌されることが多いので、酵素
の分離採取が容易となり、この点においてもすぐれてい
る。
次に1本発明の実施例を示す。
実施例1 アスペルギルス・オリゼーRIB 40株の分生胞子約
1e個を蒸米1kgに接種し、37℃で44時間培養し
た。培養を終了した米麹に対して、2Qの抽出バッファ
ー(1%NaCl1.10mM Acetate bu
ffer(pH5,0))を加え、 4℃にて16時間
放置した後、トーヨー濾紙Nci5Aにてろ過した。得
られたろ液をトーソー製DEAE−トヨバール650S
にロードし、O−0,5MNaCQの直線的グラジェン
トにて溶出し、グルコアミラーゼ活性を有する両分を集
めた。
このグルコアミラーゼ画分を限外ろ過装置にて濃縮し、
グルコアミラーゼインヒビターであるアカボースを固定
化したアフィニティーカラムにロードした。グルコアミ
ラーゼをこのカラムに吸着させた後、カラムを10mM
 Tris−HCQ buffer(pH7,0)によ
って十分洗浄後、溶出バッファー(0,5M Malt
ose、 10mM Tris−HCQbuffer 
(pH7,0))にて吸着したグルコアミラーゼをカラ
ムから溶出した。溶出液を凍結乾燥することにより、最
終的に精製グルコアミラーゼを200mg得た。
得られた精製グルコアミラーゼ2Bをlll1flの8
Murea、 10mM Tris−)ICQ(pH7
,0)に溶解し、37℃にて10分間保温し、グルコア
ミラーゼ蛋白を変性させる。変性した蛋白溶液に5μg
のりシルエンドペブチダーゼを−含む1mQの100m
M C1trate buffer(pH4)を加え、
37℃にて6−8時間保温し、グルコアミラーゼ蛋白を
ペプチド断片に分解した。これを100℃、10分間加
熱した後、逆相高速液体クロマトグラフによって各ペプ
チド断片を分離回収した。このペプチド画分を濃縮し、
気相式自動ペプチドシーケンサ−(Applied B
iosystems、 MODEL370A)によって
、そのN末端付近のアミノ酸配列を決定した。
得られたペプチド断片のアミノ酸配列と、・それから類
推して合成したオリゴDNAプローブの塩基配列を、以
下に示す。
Probe  # I HisA 5pProAspTyrPheTyr Th
rTrpThrArgA spA 1aG 1yLeu
GACTACTTCTACACGTGGACTTTT Probe  # 2 −− GlyArgProGlnArgAspGlyP
roAlaGGGAGGCCGCAGAGGGATGG
GCCGGCCCCCCCCCCC 実施例2 cDNAライブラ!−からグルコアミラーゼeDNAの
クローニング 実施例1に記載のオリゴDNAをT4ポリヌクレオチド
・キナーゼにより33P放射能ラベルしたものをプロー
ブとして、アスペルギルス・オリゼーのλgt 10を
用いたファージライブラリーよりプラークハイブリダイ
ゼーション法によりグルコアミラーゼeDNAの選択を
行なった。一連の操作はMo1ecular Clon
ing、 pp63−67、 Co1d Spring
 1(arbor Laboratory(1982)
に記載の常法によった。約10000個のファージクロ
ーンより2種類のプローブ両方にハイブリダイズするク
ローン3個を選択した。
その中で最もインサートDNAサイズの長いクローンよ
りインサートcDNA(2,1kbp)を切り出し、こ
れをプラスミドベクターpUc118に連結しpUc−
cGAを得た。
実施例3 アスペルギルス・オリゼーのグルコアミラーゼcDNA
のコーディング  のDNA塩基  の実施例2に記載
のpUc−cGAに挿入されている2、1kbpのアス
ペルギルス・オリゼーのグルコアミラーゼcDNAのD
NA塩基配列を次の方法にて決定した。
まずGene、 Vol、 28.351−359(1
984)の方法に従ってpUc−cGA上の2.1kb
p挿入部分をエキソヌクレアーゼ■及び、マングビーン
ヌクレアーゼで処理して短鎖化し、当該挿入部分の一部
が脱落し、異なる鎖長を持った種々のクローンを作製し
た。この過程ではキロシーフェンス用デレージョンキッ
ト(全酒造(株))を使用した。得られた種々のクロー
ンの挿入断片について、ジデオキシ法(Science
214、1295−1310(1981))によりDN
A塩基配列を決定した。その結果、第1図に示すグルコ
アミラーゼcDNAのコーディング領域のDNA配列を
得た。この全塩基配列は1836bpであり、Netで
始まる612個のアミノ酸からなるペプチドをコードす
る。
実施例4 讃」1 第1図に示したアスペルギルス・オリゼーのグルコアミ
ラーゼcDNAをサッカロミセス・セレビシアエの発現
ベクターに連結し、酵母に移入し発現させることにより
、アスペルギルス・オリゼーのグルコアミラーゼの分泌
生産が可能となる。
pUc−cGAより制限酵素EcoRIで切り出したグ
ルコアミラーゼcDNA(2,1kbp) を0.8%
アガロースゲル電気泳動により分取後、第3図に示すよ
うに発現ベクターに連結した。使用した発現ベクターは
Methods in Enzymology、 10
1. pp、192−201(1983)に記載のpY
cDElである0本ベクターは酵母で複製可能な2ミク
ロンDNA、 E、 eoliのpBR322,標識遺
伝子として酵母TRPI及び酵母のアルコール脱水酵素
遺伝子(^DHI)のプロモーターとチトクロームC遺
伝子(CYCI ’)のターミネータで構成されている
異種DNA挿入部位はEcoRIである。
このベクターをEcoRIで処理後、細菌のアルカリフ
ォスファターゼを用いて5′末端のリン酸を除去し、こ
れにグルコアミラーゼcDN^のEcoRI断片を加え
、T4DNAリガーゼにて連結し、第3図に示すpYG
A−1を得る。
次に、このpYGA−1をIto等のJ、 Bacte
riol。
Vol、 153.163−168(1983)記載の
方法に従って、酵母宿主(YPH−250旦、肛1.閃
1.匣、江鮭this3,1au2)に移入し、トリプ
トファン要求性が相補されたことにより、トリプトファ
ンを含まない培地によっても生育可能な形質転換体(B
)を得る。
この形質転換体を次に示す組成の合成培地100mQに
接種し、30℃、48時間、振どう培養した。
合成培地:2%グルコース、2%ポリペプトン、1%イ
ーストエキストラクト、50mg/Rアデニン 培養終了後、3000rpm、  10分の遠心分離に
より酵母菌体を除去し、上清のグルコアミラーゼ活性を
、岩野等の醸造協会誌、71巻、383頁(1976)
に記載の方法に従って測定した。その上清中のグルコア
ミラーゼ活性を第1表に示した。
上記の様にプラスミドpYGA−1でサッカロミセス・
セレビシアエを形質転換し、得られた形質転換体(B)
は微工研にFERM P−11729として寄託した。
次に酵母の形質転換体(B)によって分泌生産されたグ
ルコアミラーゼがアスペルギルス・オリゼー由来のもの
であることの確認は、アスペルギルス・オリゼーのグル
コアミラーゼに対するポリクローナル抗体を用いたウェ
スタンブロッティング法によった。
培養終了後の培養ろ液10μQに対して等量のLoad
ing buffer (100mM Tris−HC
Q(pH6,8)、 200mMdithiothre
itol、 4%SDS、 0,2%bromophe
nolblue、 20%glycerol)を加え沸
とう水中で10分間放置する・その後、  Mo1ec
ular Cloning、 5econdediti
on、 pp18.60−18.74. Co1d S
pring HarborLaboratory(19
89)の記載に準じて5O5−ポリアクリ、ルアミドゲ
ル電気泳動を行い、PVDF (polyvinyli
dendif 1uoride)膜に蛋白をセミドライ
法にて転写する。転写したPVDF膜にアスペルギルス
・オリゼーのグルコアミラーゼのポリクローナル抗体を
反応させ、次にペルオキシダーゼにて標識した2次抗体
を反応させて目的タンパク質を検出した。
その結果ベクターのみによる形質転換体ではグルコアミ
ラーゼ抗体と反応するバンドは全く見られなかったが、
 pYGA−1による形質転換体(B)には分子量7O
kd付近にグルコアミラーゼ抗体と反応する蛋白が検出
された。
以上のことから、形質転換体(B)はアスペルギルス・
オリゼーと同等のグルコアミラーゼを生産していること
が確認できた。
実施例5 ニック A ric、 Biol、 Chew、、 53.59
3−599に記載のEMBL3ファージを用いたアスペ
ルギルス・オリゼーの染色体シーンライブラリーより、
プラークハイブリダイゼーション法によりグルコアミラ
ーゼ染色体遺伝子をクローニングした。プローブとして
は実施例2に記載のpUc−cGAよりグルコアミラー
ゼcDNAを含む2.1kbpのEcoRT断片を、ニ
ックトランスレーション法(Molecular Cl
oning、 pp109−112゜Co1d Spr
ing )Iarbor Laboratory(19
82))にて32p放射能標識したものを用いた。約2
0000個のファージクローンよりグルコアミラーゼc
DNAとハイブリダイズするクローン4株を単離した。
これらのクローンの中に挿入されてい孔アスペルギルス
・オリゼー由来のDNA断片を各種制限酵素にて消化し
、グルコアミラーゼcDNAをプローブとしてサザンハ
イプリダイゼーションを行なった結果、Pst I  
5.0kbp断片中にグルコアミラーゼ遺伝子の全長が
含まれていることが明らかとなった。この5.0kbp
 Pst I断片をプラスミドベクターpUc118に
連結し、pUc−genGAを得て、第3図に示す如く
、当該挿入断片の制限酵素切断地図を作製した。
実施例6 ■ 実施例5で得られたサブクローンplc−genGAに
挿入されている5、0kbp Pst I断片のDNA
塩基配列を実施例3に記載と同様の方法で決定した。そ
の結果、アスペルギルス・オリゼーのグルコアミラーゼ
遺伝子のコーディング領域およびその介在配列の全部並
びにコーディング領域に隣接する上流及び下流領域の一
部のDNA配列について、第2図に示す配列が見いださ
れた。
実施例7 実施例5に記載のグルコアミラーゼ染色体DNAを含む
5.0kbp Pst I断片を、アスペルギルス・オ
リゼーで複製可能なベクターpRGB1(Agric、
 Biol。
Chew、、 Vol、 51.323−328)のP
st Iサイトに連結し、第4図に示すpGGA−1を
作製した。挿入したPst I断はグルコアミラーゼの
コーディング領域2.2kbpとその上流部分1.8k
bpと下流部分1.0kbpを含んでおり、グルコアミ
ラーゼの発現、転写に必要な領域はすべてこの断片中に
存在すると考えられたことにより、この断片を含むpG
GA−17スペルギルス・オリゼーに移入することによ
り、グルコアミラーゼを多量に分泌生産する形質転換体
が得られると予想される。そこで次のようにPGGA−
1のアスペルギルス・オリゼーの移入を行なった。
アスペルギルス・オリゼーのアルギニン要求性株(畦d
)をデキストリン・ペプトン培地(2%デキストリン、
1%ポリペプトン、0.5%KH,POい0.1%Na
NO3及び0.05%Mg5O4)で30℃、48時間
振どう培養した後、得られた菌糸を無菌水で洗浄した。
この菌糸を細胞壁溶解酵素液(50鱈リン酸緩衝液P)
16.0.5.0%NaCf1.0.5mg/−エルス
コビア酵素を含む)に懸濁し、30℃、2時間振とうす
ることによりプロトプラスト化を図った。
得られたプロトプラストをガラスフィルターでろ過する
ことにより残存する菌糸を除去した。次にこのプロトプ
ラスト1.OX 10’個を5.0%NaCQ及び10
mM CaCu5を含む50mM Tris−HCl2
(pH7,5) 100/JQに懸濁し、これにpGG
A−1を加え室温に5分間放置した後、等量のPEG溶
液(70%ポリエチレングリコール4000.50mM
 Tris−)1cQ(pH7,5)、10IIMCa
CQ2を含む)を添加し室温にて10分間放置した。得
られたプロトプラストを5%Na(、Qを含むツアペッ
ク・ドックス培地(0,2%NaNO2,0,1%に2
)IPO,、0,05%MgSO4・7H20,0,0
5%KCQ、0.001%Fe50.、2%グルコース
、 pH5,5)の平板上に塗布し、その上に5.0%
Na(jlを含む0.5%寒天を重層し、30℃で培養
した。
pGGA−1はアルギニン要求性を相補する遺伝子を含
んでおり、形質転換体は最小培地(ツアペック・ドック
ス培地)が生育することができた。得られた形質転換体
でデキストリン・ペプトンにおいて30℃で48時間振
どう培養して得られた培養ろ液のグルコアミラーゼ活性
を測定した。その結果を第2表に示した。
上記のようにプラスミドpGG^−1でアスペルギルス
・オリゼーを形質転換し、得られた形質転換体(A)は
、微生物工業技術研究所にFERM P−11728と
して寄託した。
(発明の効果) 本発明によってはじめてアスペルギルス・オリゼー由来
のグルコアミラーゼ遺伝子のクローン化に成功し、その
ヌクレオチド配列も解明された。
また本発明においては、クローニングされた上記遺伝子
をベクターに挿入して宿主の形質転換を行うことにも成
功したものである。したがって。
得られた形質転換体を培養することによってグルコアミ
ラーゼを著量製造することができる。
これら形質転換体の内、例えばアスペルギルスオリゼー
を宿主とするものについては、これを用いて製麹するこ
とによってすぐれた麹が製造できるので、酒類の製造や
アルコール発酵その他麹利用工業製品の効率的製造に有
利に利用することができる。
また例えばサッカロミセス・セレビシアエを宿主とする
ものについては、澱粉糖化工程を別途経ることなく直接
アルコール発酵することができるので、澱粉から直接ア
ルコールを製造することができるという著効が奏される
。したがって本発明によれば澱粉から直接アルコール飲
料を製造できるだけでなく、例えば形質転換体を固定し
たカラムの一方から澱粉を供給し他方からアルコールを
取り出すことができ、アルコールの工業的製造も可能で
あるので、エネルギー業界においてもその効果は卓越し
ている。
【図面の簡単な説明】
第1図は、グルコアミラーゼcDNAのコーディング領
域の1)NA配列を図示したものであり、第2図はグル
コアミラーゼ染色体遺伝子のDNA配列を図示したもの
である。 第3図及び第4図は、プラスミドρYGA−1及びpG
G^−1の制限酵素地図をそれぞれ図示したものである
。 代理人 弁理士 戸 1)親 男 第 図 (ぶり#省や、イjヒ、ン E : ECORI 第 図 S EB S S BE pHLp巳1

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)第2図に示す塩基配列を含む、アスペルギルス・
    オリゼーから単離したグルコアミラーゼ遺伝子のプロモ
    ータ及び/又は蛋白質コード領域を含むDNA配列。
  2. (2)第1図に含まれる、アスペルギルス・オリゼーの
    グルコアミラーゼmRNAから合成したcDNA配列。
  3. (3)請求項第1項記載のDNA配列を含んだアスペル
    ギルス・オリゼーのベクター。
  4. (4)請求項第2項記載のcDNA配列を含んだサッカ
    ロミセス・セレビシアエのベクター。
  5. (5)請求項第3項記載のベクターをアスペルギルス・
    オリゼーに移入することによって得られたグルコアミラ
    ーゼ酵素生産能の上昇した形質転換体。
  6. (6)請求項第4項記載のベクターをサッカロミセス・
    セレビシアエに移入することによって得られるグルコア
    ミラーゼを生産する形質転換体。
  7. (7)請求項第5項又は第6項に記載の形質転換体を使
    用することを特徴とするアルコール、酒類の製造方法。
  8. (8)請求項第5項又は第6項に記載の形質転換体を培
    養し、培養物からグルコアミラーゼを採取することを特
    徴とするグルコアミラーゼの製造方法。
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