JPH04146748A - 凸状隆起部を有する吸収体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、主として生理用ナプキンおよび／または生理
用パッドに関するものであるが、女性用の失禁周当て片
および／またはおりもの周当て片にも適した吸収体を含
むものである。

［従来技術とその問題点］ 前記生理用ナプキン（パッド）またはｌｌ収１：関して
は、従来から種々の研究が行われているが、それらは、
主として経血や分泌物の透過（吸収）速度・吸収能力・
モレ防止・逆流防止等の性能面の改善に向けられており
、それ以外の面では当該ナプキンのミニ化・テープ付は
等の使用勝手面からみた機能の向上に工夫が払われてい
る。しかしながら、女性局部の構造や形状にマツチした
吸収体の研究は不充分であり、その技術開発には見るべ
きものがなかった。

周知のように、前記生理用、おりもの用または失禁用ナ
プキンもしくは吸収体（以下、これらを総括してナプキ
ンということがある。）の着用部位である女性の局部は
、姿勢や動作によって形状が変化するため、着用時のナ
プキンには外部圧が加わって、着用前の形状は保持され
ず、形が崩れてしまうのが実情である。また、着用部位
の女性局部は、凹凸に富み、姿勢、動作の変化によって
器官位置に移動が見られるため、経血や分泌物の排出口
である腟口とナプキンとの間に隙間が生したり、ズした
すすることが多く、それも洩れの一因であることはよく
知られている。

そこで、局部へのフィツト性を保たせ、もしくは形状保
持性の向上を目的として、当該ナプキンの幅方向の中央
部に隆起部を設け、この隆起部が局部に挟み込まれるよ
うにしたり、或いはタンポン形式の突起を設けてその突
起を腟口に挿入して装着時の位置ズレを防くといった考
案も提案されている。しかしながら、現在に至るまでナ
プキンの使用部位である女性局部の凹凸構造に適した構
成、形状を有し、実際に着用した場合にその目的を充足
する製品は現れていない。

以下、従来型の構成とその問題点を整理して示すと、次
のとおりである。

■ナプキンの中方向中央部に、長手方向両端にかけて、
他の部分より多量の吸収材を積層して中高構造に形成せ
しめる（特開昭５９−１２０１５４号公報参照）。

■　ナプキンの長手方向の片端の１１方向中央部を摘み
上げ、長手方向片端から中央部にかけて中高構造を形成
せしめる（実開昭５７−１９１３３３号および同５９−
１２７６２９号公報参照）。

■　ナプキンの巾方向の中央部に、腟に挿入する目的を
有する突起物を設ける（実開昭６２−４３１８号および
同６３−１２７６２５号公報参照）。

以上の３種類に集約される。

前記従来型はその効果において、 次に述べる欠点を有している。

（１）吸収材として用いられるバルブや紙類は、含水す
るとバルキー性を失って厚みを減じ、また外圧によって
押しつぶされ、形状復元性は殆んどないに等しく、した
がって経血や分泌物を吸収すると、隆起物の存在を特徴
とする特許は失われる。

（２）一般に、ナプキンを構成する吸収体のうちの或る
特定部分に対して、より多量の吸収材を積層する場合、
これら吸収材の散逸を防ぎ吸収体構造を安定化させるた
めには、吸収材全体を被覆材で被包する必要を生ずる。

しかし被覆材を使用すると、吸収体の厚薄の境界線は、
被覆材の影響で曖昧化し、女性局部に対する構造的フィ
ツト性か減退し、一方、吸収材の多量積層部分は剛度を
増すため、ナプキン全体の柔軟性が損われ、姿勢・動作
の変化による女性局部の形または製法上、 状変化に対応８来す、ズレや違和感の原因となる。

（３）幅方向の特定位置に多量の吸収材を積層させるこ
とは比較的容易であるが、所定の位置に正確に多量の吸
収材積層帯を設けることは、加工技術上、極めて困難で
ある。ただし、多量の吸収材積層帯として綿状バルブを
用いた場合は、長手方向の特定位置に多量の吸収材を積
層させることは比較的容易であるが、綿状パルプは形状
保持性に劣るため、吸収体の厚薄の境界線が曖昧化し、
女性局部に対する構造的フィツト性が失われる。

（４）また、製法面からみて吸収体の長手方向に対して
、任意の位置・長さに吸収体を摘みあげる場合、その位
置・長さを正確にコントロールすることは至難であり、
また、長手方向の全長でなく、特定位置のみ摘んで吸収
体を隆起させる場合、隆起点の端末と吸収体における長
手方向のもう一方の端末との間の形状を整えることも至
難となり、ほとんど実用に適さない。他方、吸収体の両
端末に至るまで隆起物を形成せしめると、吸収体は長手
方向に対して著しく柔軟性を欠くことになり、女性局部
への構造的フィツト性が失われて無意味な製品となって
しまう。

（５）吸収体の長手方向の一方端から中央部にかけての
み位置ズレ防止用の隆起部を摘みあげた場合には、前記
に較べ柔軟性を失うことは比較的少ないが、か＼る構造
のナプキンは、使用面で、次のような不具合を免れない
。すなわち、前記隆起部は女性局部の後部にあたる臀部
にあてがわれることになるか、その際、吸収体の最も高
い隆起部位は、臀部（Ｃｈｅｎａ　Ａｎｔ）に挟み込ま
れることになる。ところが、臀部に異物が介在すると違
和感を生ずることは周知であり、従って、吸収体の長手
方向における一方端を摘み上げる方式は、使用感の上で
馴染まず、実用に適さない。

（６）ナプキンのほぼ中央部に設けられる突起物を腟に
挿入することにより位置ズレを防ぐ方式は、その目的を
達成せんがためには、前記突起物に一定の硬度を必要と
する。一方、突起物の支持体である吸収体は、着用感や
形状保持性を充足させるのために柔軟性を必要とする。

腟挿入に必要な硬度を必要とする突起物を、より柔軟性
を要求される支持体（吸収体）に設置することは、構造
的に無理があり、その実用化は殆んど不可能である。

ちなみに、腟内挿入型の生理処理用品であるタンポンの
使用は、我が国においては、金額ベースで生理処理用品
全体のｌ／１０程度であることに鑑みても、腟内挿入タ
イプを忌避する女性が圧倒的多数を占めていることを物
語っている。

（７）この種のナプキンは、着用時に型崩れが起こると
、その目的を達成することが出来ないから高度の形状保
持性が要求される。従来型においては、吸収材と表面材
ならびに緩衝材（吸収材の分散を防いだり、或いは吸収
体への液体の浸透を促進するための繊維質材料）等によ
ってこの形状保持力を発揮させようとしていたので、ナ
プキン全体の厚みをあまり薄くすることが出来なかった
。すなわち、前記吸収材等で形状保持性を保たせるため
には、それらをプレスして剛性を帯びさせる（コシを出
す）必要があったし、一方、全体をあまり薄くすると剛
性を帯びさせることが難しいので、少なくとも１．Ｆ＋
ｏｍ以上の厚みとすることが必要であった。周知のよう
にナプキンは、薄くないとフィツト性が悪く、装着時の
外圧に対しても抵抗性を持たないので、出来るだけ薄く
することが望まれたいるが、従来型にあっては、か＼る
要求を充分に満たすことができず、現在の市販品の中で
最も薄いものでもその厚みは２ｍｍである。

以上の考察からも明らかなように、従来提案されている
局部フィツト型の吸収体は、何れも満足すべき成果をあ
げ得る構成とはなっていない。

［問題点を解決する手段］ ここにおいて本発明は、これまでに提案されてきた前記
従来型の不備・不適を解決し、ナプキンの装着位置の安
定性ならびに形状保持性に優れた製品を提供しようとし
たものである。

以下、本発明を完成させるに当っての技術思想の基調に
ついて述べる。

ナプキンの使用部位は、女性局部において長さ方向は恥
丘（Ｍｏｎｓ　Ｐｕｂｌｓ）の下部から肛門（Ａｎｕｓ
）と尾舐骨（Ｃｏｃｃｙｇｉｓ）の間までであることが
広く知られている。この部位の構造的特徴は、前方が左
右の鼠径溝線、後方が臀溝線によって制約され、しかも
その幅寸法は、姿勢や動作の変化によって最も狭いとさ
れる、左右の薄筋（Ｇｒａｃｊｌｉｓ）間や腟口の左右
部位において２０關強〜８０＋ｍｍ強と大きな差があり
、また、腟口が位置する陰部（Ｒｉｎｉａ）の基底部は
、その周辺部位に対し、最大２０龍弱、最小１０ｍｍ弱
の凹部を形成している。

かくの如き女性の局部にナプキンをフィツトさせつつ、
しかも所定の形状を保持させるためには、８女性の局部
構造に適合した立体構造であること、ｂ、姿勢・動作の
変化によって生ずる局部の形状変化に対応できる柔軟性
を有すること、 Ｃ９装着時にナプキンに加えられる外圧を最小限にする
ための形状・寸法（長さ・巾・厚み）とすること、 ｄ、製品たるナプキンの厚みを出来るだけ薄くすること
。

本発明は、以上４点の課題をすべて充足させることが出
来るようにしたものである。すなわち、吸収体の主要部
材を、吸収性・柔軟性を兼備する吸収材と、防水性・柔
軟性と熱可塑性を有し、成型後の形状保持性に富む防漏
材の２部材で構成させ、かつ前記吸収材を上側にして前
記防漏材を重合・接着させると共に、その表面における
所定位置に熱成形加工により凸状の隆起部を形成させる
ようになし、それによって前記課題の解決を図ったもの
である。なお、前記吸収材の上に、水分透過性に優れ、
かつ疎水性の繊維から成るシートまたはメツシュ状のプ
ラスチックフィルムを重合してもよい。また、前記吸収
材と防漏材との間に、繊維状または粉状の高吸収性高分
子吸収材を介在させてもよく、もしくは、それらの高吸
収性高分子を紙または不織布に凝着もしくは混抄して成
る薄層を介在せしめてもよい。さらにまた、吸収体の裏
面側である防漏材側に両面テープを取付けてもよい。

ちなみに、装着時にナプキンに加えられる外圧を最小限
にするための形状・寸法としては、その幅を５０〜７０
關、長さを１５０〜１７０　ｍｌＩ、凸状隆起部の幅を
５〜１５鰭、長さを５０〜７０１１１１％高さを３〜１
０ｍｍとするのがよい。なお、本発明にあっては後記の
理由からナプキンそれ自体の厚みを０．８〜１．５ｍｍ
の範囲に納め得るのである。

［実施態様］ まず、吸収体の主要部材である吸収性・柔軟性を兼備す
る吸収材と、防水性・柔軟性と熱可塑性を有し、成型後
の形状保持性に富む防漏材の２部材について具体的に説
明する。第１〜５図において、符号１１は、ナプキンま
たは当て片などに適用する吸収体の全体を示し、同１２
および１３は前記吸収体の主たる構成要素である吸収材
と防漏材を示す。吸収材■２の下面側に防漏材Ｉ３を配
設するもので、この防漏材Ｉ３の中央部分には、長平方
向の中央部から前方寄りで、かつ幅方向の中央部に位置
して連続した一条の凸状隆起部１４を形成させる。

進んて、前記防漏材１３について詳説すると、この防漏
材は、次のような要件を満たす必要がある。

すなわち、防水性、柔軟性（弾力性）、形状保持性（復
元性）を有し、さらに熱成形が可能な熱可塑性樹脂であ
ることを要する。而して下記素材は、何れも疎水性であ
ると共に、独立気泡を有して水分の浸透を防ぐ効果があ
るので、前記した防水性を具備しており、それだけでな
く成形後においても柔軟性と形状保持性が損なわれず、
しかも前記した吸収材１２と比較すると剛性が高い。

以下、前記防漏材についての具体例を列挙する。

すなわち、低密度または高密度のポリエチレンフオーム
もしくはエチレン酢酸とニルコポリマ（ＥＶＡ）を素材
とする（変性）フオームおよび前記各素材のブレンドフ
オームならびにポリスチレンフオーム（ポリスチレンペ
ーパーを含む）、ポリプロピレンフオーム、アイオノマ
ーフオーム、ポリ塩化ビニルフオーム、ポリウレタンフ
ォーム等を挙げることが出来る。

続いて、本発明の防漏材が熱可塑性を有することの必要
性について説明する。本発明において重要な要素をなす
吸収体表面の凸状隆起部■４は、前記防漏材が有する形
状保持性に依存するものであるから、該隆起部を形成さ
せるためにも、任意の立体形状を容易に形成させ得る熱
可塑性樹脂を用いることを要件とする。次に前記防漏材
の形状保持性について説明しておく。前記のように、従
来品は形状保持性を吸収体そのものによって維持させよ
うとしていたが、本発明においては、この形状保持性と
形状復元性を専ら前記防漏材によって維持させようとし
た点において著しい特色゛がある。

か＼る特色を発揮させるために、前記した各種の発泡樹
脂を用いたものであって、独立気泡を持つ構造特性によ
り適度の柔軟性と剛性である「コシ」を具備させること
ができるので、本発明のナプキン基材に用いて極めて有
用である。

特に、本発明にあっては吸収体を構成する基材の一つで
ある防漏材を発泡性の熱可塑性合成樹脂製薄板で構成さ
せたから、それ自体の剛性は、前記した従来型の繊維質
吸収材等に比較して遥かに高く、その上、弾力性ならび
に外圧に対する形状復元性も格段に優れている。そのた
め、前記防漏材の厚みを０．３〜０．５ｍｍ程度に抑え
ても、前記した各特性は失われず、したがって吸収体そ
のものの厚みを１．５ｗ程度に納めたい場合にも、それ
を実現させることが出来るのである。

次に、防漏材１３の形状ならびに寸法について記す。図
示の例では、防漏材１３の形状を一例として小判形に形
成させたが、楕円形状でもよく、要するに全体として長
方形であればよいが、好ましくは図示のような杓子形の
とするのがよい。また、防漏材■３の寸法としては、そ
の幅を５０〜７０１１％長さを１５０〜１７０　ｍｍ、
厚みを０．３〜０．５　＋ａｎの範囲となし、その大小
は、使用者の体型に適合した複数種類の寸法に対応させ
る。そしてさらに、防漏材Ｉ３の中央部分には、長手方
向の中央部から前方寄りで、かつ幅方向の中央部に位置
して連続した一条の凸状隆起部１４を形成させる。凸状
隆起部の平面形状は、前方の一端部を比較的小径の半球
形１４ａとなし、他端部である後方を比較的大径の半球
形１４ｂとした、全体が杓子状の隆起部とする。

また、該隆起部の側面形状は、これを前記小径部分１４
ａにおいて最も低く、大径部分１４ｂに向って漸次高く
なるようにした小丘状とするのがよい。

か＼る形状とするのが最も好ましく、以下にその理由を
述べるが、本発明においては、必ずしも前記形状に限る
ものではなく、例えば第９〜１１図に示すような平行か
つ均等な高さを有する隆起部２０としてもよく、その他
、全体として女性の局部に入り込むような中高な形状で
あれば、如何なる形態としてもよい。

■凸状隆起部の前後関係： 前述のように除袋の内部構造は、除核を起点として腟口
後部まで左右に陰唇が横たわっており、かつ前記陰唇の
左右の幅は起点の除核が最小で、末端の腟口後部で最大
となるので、隆起部の前方を細く、後方を太くするのが
好ましい。

■凸状隆起部の配役位置： おりもの用にせよ、生理用にせよ、腟口を覆うことが重
要であるから、前記凸状隆起部を基準として第３図にお
いて符号Ａで示したナプキン１１の前方は「装着位置の
ズレ止め」と「装着位置の安定」のために存在する部位
であって、符号Ｂて示す後方か本来の吸収機能を発揮す
る部位となる。したがって隆起部の起点は当該ナプキン
１１のやや前方に位置させるのがよく、前記隆起部の後
部末端からナプキン１１の端末に至るまで比較的余裕の
あるスペースを設けておいて、装着時の心理的安定感を
付与すると共に、分泌物の吸収容量を確保するようにな
すのかよい。

■凸状隆起部の高低： 前述のように陰部内は、周辺の皮膚位置に比し凹部を形
成すると共に、その凹部の大きさは起点の除核付近で最
も浅く、腟口付近で最も深い。

したがって隆起部の前部を低く、後部を高くすることは
人間工学的にも理に適っているので、最も好ましい実施
例としては第１〜３図に示すような形態とするのがよい
。

本発明で重要な要素をなす凸状隆起部ならびにその前後
に位置するナプキン本体の作用は、以上のとおりである
が、前記隆起部１４または２０の如き立体形状を得るに
当っての一例を述べると、次のとおりである。すなわち
、前記した熱可塑性発泡樹脂を素材として一旦防漏材用
の薄板を形成させ、このものに適宜の接着剤を介して前
記の吸収材を貼合または圧着させて一枚のシート状物を
つくってから、次いて前記隆起部に対応した形状の金型
を使用し、熱および圧を加えて型押し操作を施して所定
の立体形状を得るようになす。ちなみに、前記した熱可
塑性樹脂の耐熱温度は概ね６５〜１１０℃の範囲にある
ので、前記のように吸収材と防漏材とを貼合または圧着
して成るシートを金型に入れ、当該樹脂の耐熱温度に合
せて加熱、加圧すれば、容易に型押しをすることができ
る。なお、型押しに際しては前記防漏材と吸収材との間
に、後記のような高吸収性高分子を、紙または不織布に
凝着または混抄して成る薄層を介在させることも出来る
。第６〜８図ならびに第１２〜１３図は、以上の説明を
図解したものであって、素材たる発泡樹脂製の平板状薄
板１３ａの上表面に、高吸収性高分子を凝着または混抄
して成る不織布製の薄層■５と、前記した吸収材１２と
を貼合または圧着重合させた上で、それら全体を加熱、
加圧下に型押しすると、第７〜８図および第１３図に示
すような立体形状が得られ、それによって吸収体１１の
表面に凸状隆起部Ｉ４または２０が形成されるのである
。

ちなみに、前記隆起部Ｉ４または２Ｇは、基本的には隆
起部以外の本体部分とほぼ同一厚みとなるように形成さ
せるものであるから、当該隆起部の裏面側は空洞１４ｃ
となっており、充実体とはしない。

この部分が充実体であると、前記の如き姿勢・動作の変
化によって生ずる局部の形状変化に対応できない。また
、この隆起部は隆起部以外の平面的な主体部分を含め剛
直なものであってはならず、全体として柔軟性を帯び、
かつ形状復元性に富んだ材質で構成させる必要があるこ
とは、既に述べたとおりである。

既に述べたところから明らかなように、本発明における
主要部材は、防漏材１３とその上に位置する吸収材Ｉ２
の２部材であって、前記防漏材によって本発明の吸収体
全体の形状を保持させ、一方、吸収材によって、経血、
尿、その他のおりもの等を吸収、定着させるのである。

なお、必要に応じ、経血、おりもの等の吸着容量を増加
させるための補助部材、すなわち前記した高吸収性の薄
層１５を介在させることがある。この薄層は、繊維状ま
たは粉状の高吸収性高分子吸収材またはそれらの高吸収
性高分子を紙または不織布に凝着もしくは混抄させたも
ので構成させ、高吸収性高分子吸収材としては、ポリア
クリル酸ナトリウム、アクリル酸とビニルアルコールの
共重合体等が用いられる。

さらにまた、前記高吸収性高分子吸収材からなる薄層１
５を介在させると否とにかかわらず、前記吸収材Ｉ２の
表面側に（必要に応じ、裏面側にも符号１６’で示すよ
うに）、水分透過性に優れ、かつ疎水性の繊維から成る
水透過性シートまたはメツシュ状のプラスチックフィル
ム１６で全体を覆ってもよく、具体的には第６〜８図に
示すとおりである。か＼る構成としたときには、次のよ
うな作用を呈する。すなわち、親水性の吸収材１２が経
血やおりものを吸収すると、その表面は濡れた状態とな
り、その結果、皮膚との間のドライネスが保てず不快感
を与えることになるが、前記シートまたはフィルム１６
が表面に配設されているときには、前記不快感を解消さ
せ得るのである。

なお、本発明の吸収体にあっても、第２図に符号２１で
示すように、吸収体の裏面である防漏材側に両面粘着テ
ープ２１を取付けおき、該テープを介して吸収体をショ
ーツまたはパンティ等に固定することが出来るようにし
てもよいのは勿論である。

［実施例］ 前述のように、本発明の防漏材は、熱可塑性、柔軟性、
形状保持性、水分に対するバリヤ性ならびに外圧による
変形に対しての復元性を有することが必要であるが、実
施に際しては前記に加え加工適性ならびに経済性を考慮
して厚さ０．３〜０．５鰭の高密度ポリエチレンを用い
るのを可とする。而して前記防漏材の表面に下記構成の
吸収材を配設する。すなわち、天然バルブを積層してウ
ェブを形成させ、さらに該パルプウェブの表面に短くカ
ットしたレーヨンの薄層を重ね、それらをレジンボンド
で固着させて坪量７０ｇ／ｒｒｒのパルプ不織布を構成
させて、厚さ０．８〜１．Ｏｍｍの吸収材とする。

ちなみに、パルプウェブの上にレーヨンの薄層を設けた
のは、皮膚に接する面の肌触りをよくするためである。

なお、皮膚接触面のドライネスを保たせるためには、前
記以外にポリエステルまたはポリプロピレンを用いても
よく、またバルブ不織布の上にポリエステルかポリプロ
ピレンのスパンボンドもしくは短繊維のスパンボンド不
織布を重合して成る吸収材としてもよい。ちなみに、前
記吸収材の吸収能力を向上させ、がっ吸収体表面のドラ
イネスをより一層向上させるために、防漏材と吸収材と
の間に高吸収性ポリマーを介在させたり、或いは前記ポ
リマーを凝着または混抄してなる紙または不織布の薄層
を介在させてもよいことは既に述べたとおりである。こ
の場合、吸収体全体の厚みは若干厚くなるが、厚みを薄
くするためには、第６〜８図に示すように、疎水性繊維
の不織布を用いる代わりに、メツシュフィルムを用いる
のがよい。

前記防漏材用の薄板と吸収材とを前記のように接着剤で
重合、固着せしめてから所定の熱伝導性金型に入れて１
００〜１３０℃程度で加熱しながら加圧すると、該金型
の形状に対応した図示の如き凸状隆起部が吸収体の表面
に形成され、かくして吸収体全体の厚みが１．１〜１．
５＋＊ｍの製品が得られるのである。凸状隆起部の寸法
は既述のとおりである。なお、加工に際しての加熱温度
ならびに加圧の程度は、用いる防漏材ならびに吸収材の
材質によって異なることは勿論である。また、凸状隆起
部の形状がワンパターンであっては、使用部位の形状に
個人差があるため、充足しきれないので、実施に当って
は数種のパターンを用意する必要がある。さらにまた、
女性用品であることを考慮し、美粧性の観点から吸収体
表面に花柄を施したり、或いは周辺のトリミングにエン
ボス加工を施す等付加的に任意の加工を行なうことも出
来る。

［発明の効果］ 上記のとおり本発明の吸収体は、柔軟性と形状保持性に
富む防漏材と吸収材とを主要２部材とし、かつその表面
における所定位置に、熱成型加工により凸状隆起部を設
ける構造を採用したから、それに基づき、次に述べる如
き本発明に特有の効果を発揮する。

（１）本発明の吸収体を、女性局部に装着した場合、該
吸収体の表面に形成された凸状隆起部が局部形状に対応
した形態を保持しているので、無理なく陰部の凹部に入
り込む形となり、しかも前記凸状隆起部は、柔軟性と弾
力性に富む材質で形成されているから、該隆起部によっ
て陰部内が強い物理的刺激を受けることもなく、違和感
は僅少である。しかも当該隆起部それ自体が吸収性を有
しているので、腟口から排出される経血やおりものを素
早く吸収する効果を有する。

換言すれば、前記隆起部が腟口に対し密に接触するので
、経血や分泌物に表面張力を働かせることなく、そのも
のを速やかに吸収し、しみ込ませる特長を有する。

これに対し、従来の吸収体は、表面が平坦なため、局部
に接着した場合、局部の凹凸にフィツトし得ず、吸収体
と腟口との間に間隙を生じ易い。この状態において経血
や分泌物が排出されると、表面張力の作用により、吸収
体表面の液透過速度が遅くなることと、腟口と吸収体が
ズして、経血や分泌物が幅方向両端からモレ易くなる。

（２）吸収体の表面に隆起部が設けられているので、吸
収体の表面積が、平坦なものに比較して大きく、吸収効
率に優れ、同時に、幅方向中央部がその周辺に比較して
、より多く経血や分泌物を吸収するという理想的な吸収
パターンを実現する。

（３）また、本発明にあっては吸収体を構成する基材の
一つである防漏材を発泡性の熱可塑性合成樹脂製薄板で
構成させたから、そのものの厚みが０．３〜０．５ｍｍ
程度の薄さであっても剛性が失われず、したがって前記
した従来型の繊維質吸収材等を基材に用いた吸収体に比
較し、弾力性ならびに外圧に対する形状復元性も保持し
ながら、吸収体そのものの厚みを１．５ｗｗ＋程度に止
どめることが出来る。

（４）本発明において、前記防漏材と吸収材との間に、
繊維状または粒状の高吸収性高分子吸収材を介在させ、
もしくは、それらの高吸収性高分子を紙又は不織布に凝
着又は混抄して成る薄層を介在せしめた場合には、前記
（１）および（２）の効果は更に大きくなる。なお、吸
収体の表面に凸状隆起部を設ける際、加熱のみてなく加
圧を行なうと、その部分のバルキー性（嵩高性）が若干
損われて吸収能力が減少することになるが、その場合に
おいても、前記高吸収性高分子吸収材を介在させたとき
には、前記のマイナスを補ない、しかも水分が吸収体表
面に滲み出さず、局部に接触する吸収体表面にドライネ
スを保たせることが出来る。

（５）かくして本発明による製品は、下着感覚に近く身
体によくフィツトして、メクレやヨレおよび皺等の発生
のない優れた生理用品となる。

４、

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明たる吸収体の一実施例を示すもので、
一部を切欠いて示した平面図、第２図は同上側面図、第
３図は同上縦断面図、第４図は同上背面図、第５図は、
第１図のｖ−Ｖ線における断面図、第６図は、本発明に
おける他の実施例である吸収体の一部を切欠いて示した
平面図、第７図は同上側面図、第８図は、第６図の■−
■線における断面図、第９図は、さらに別の実施例であ
る吸収体の一部を切欠いて示した平面図、第１０図は同
上側面図、第１１図は同上縦断面図、第１２図は、発泡
性の熱可塑性合成樹脂製薄板からなる防漏材の上面に、
吸収材と高水分吸収性の補助部材とを貼合してなる平板
状シートを示す断面図、第１３図は前記シートを加熱、
加圧して凸状隆起部を形成させた状態を示す断面図であ
る。 ｌｌ：吸収体　　　　　　１２．吸収材１３：防漏材　
　　　１４．２０：凸状隆起部１５：高水分吸収性薄層 １６：表面の疎水性シート ２１：両面粘着テープ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．吸収体の主要部材を、吸収性・柔軟性を兼備する吸
   収材と、防水性・柔軟性と熱可塑性を有し、成型後の形
   状保持性に富む防漏材の２部材で構成させ、かつ前記吸
   収材を上側にして前記防漏材を重合・接着させると共に
   、その表面における所定位置に熱成形加工により凸状の
   隆起部を形成させるようにしたことを特徴とする凸状隆
   起部を有する吸収体。２．前記吸収材の上に、水分透過
   性に優れ、かつ疎水性の繊維から成るシートまたはメッ
   シュ状のプラスチックフィルムを重合して成る請求第１
   項の吸収体。 ３．吸収材と防漏材との間に、繊維状または粉状の高吸
   収性高分子吸収材を介在させ、もしくは、それらの高吸
   収性高分子を紙または不織布に凝着もしくは混抄して成
   る薄層を介在せしめた請求第１項記載の吸収体。 ４．吸収体の幅を５０〜８０ｍｍ、長さを１５０〜１７
   ０ｍｍ、厚みを０．８〜１．５ｍｍとなし、かつ吸収体
   の表面に形成させた凸状隆起部の幅を５〜１５ｍｍ、長
   さを５０〜９０ｍｍ、高さを３〜１０ｍｍとした請求第
   １項ないし第４項の何れかに記載の吸収体。５．吸収体
   の裏面である防漏材側に両面テープを取付けて成る請求
   第１項ないし第４項の何れかに記載の吸収体。