JP5737680B1 - 凸状吸収体を有する生理用ナプキンと専用サニタリーショーツ - Google Patents
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Abstract
Description
(11)特許文献12も膣口より一旦漏れ出た経血の流れを阻止するものであり、極めて対症療法的発案であると言わざるを得ず、経血漏れは避けられない。
凸状吸収体に高低差をつけることにより、凸状吸収体を膣口に安定的に当接させることができ、経血漏れを防ぐことが容易となる。
なお、特許文献8のように、凸状吸収体に高低差がついていない場合には、凸状吸収体の小陰唇内への当接位置が安定せずに、経血漏れを防ぐことが困難となる。
このような形態では、凸状吸収体の高い(長い)突起部である膣口当接部を小陰唇内の膣口に、より低い(短い)突起部である尿道口当接部を小陰唇内の尿道口にあてがうことにより、凸状吸収体を膣口に安定的に当接させることが可能となり、経血を、膣口にあてがわれた凸状吸収体に吸収させ、パッド本体に移行させることが可能となる。
なお、当該形態において、膣口当接部は、あくまでも、膣口にやや押し込むように、膣口を封じ込むように、膣口に蓋をするように当接させるものであり、膣腔に挿入するものではない。ここで、膣腔に中途半端に挿入する形態とした場合には膣口を開くことに繋がり、かえって経血漏れを起こしやすくなる場合がある。
そもそも尿道口にも凸状吸収体を当接させる意図は、膣口一箇所への当接だけでは密着度が不安定で、突起物が膣口から外れたり移動したりして、経血漏れに繋がるのを防ぐためである。そして、補助をする尿道口へ当接する凸状吸収体の尿道口当接部を膣口当接部より相対的に低くすることで、凸状吸収体が膣腔に中途半端に挿入されることを防ぐのにも寄与し、経血漏れを有効に防ぐことができる。より詳細に説明すれば、尿道口当接部と膣口当接部の高さが同じである場合には、尿道口に何らかの痛みあるいは邪魔に感じる違和感から、無意識に、凸状吸収体全体を尿道口付近から排除すべく力が生じ、より高い方の凸状吸収体を、膣腔へ中途半端に挿入することへとつながってしまい、経血漏れが発生し得る。
これにより、凸状吸収体を、上述した小陰唇内の適切な部分に安定的に保持することを可能にし、万一漏れた場合であっても凸状吸収体の真下に位置する折れ曲がらないパッドの表面の柔軟な薄い不織布或いはファイバーシートを透過して着実に吸収される。
これにより、凸状吸収体は素早く経血を吸収しつつも、この部分では経血を保持しないことから、膨張することなく形状を維持し、快適な使用感が実現される。
一方、凸状吸収体で吸収した経血は、速やかにパッド本体全域に移行し、保持されることになる。
該サニタリーショーツのポケットに、第1の発明の生理用ナプキンを装着して使用することにより、生理用ナプキンが前後左右に移動することを防ぎ、経血漏れの防止が最大限に強化される。
さらに、本発明の生理用ナプキンは、装着、取り外しが容易であり、手や衣服を汚す心配も小さい。
本発明の生理用ショーツは、本発明の生理用ナプキンと併せて使用することにより、経血漏れの防止を最大限可能にする。
本実施例では、パッド本体2は、従来の生理用ナプキンと同様に、液体不透過性の裏シート、高分子吸収材料、及び液体透過性の表シートがこの順で積層されており、表シート側から吸収した経血等を高分子吸収材料が吸収し、保持し、ショーツ側に透過させないように形成されている。パッド本体を構成する各種材料は、従来生理用ナプキンに用いられているものを特段の制限なく用いることができる。
例えば、表シートとしては、各種の製法による単層又は多層の不織布を用いることができ、着用者の皮膚に対して従順であり、柔らかな感触であり、そして非刺激性である。裏面シートとしては、非透水性の外漏れ防止用シートとして、樹脂フィルムや、樹脂フィルムの非肌対向面側に不織布等の他のシートを接合してなる積層シート、撥水性の不織布(SMS)等の不織布を用いることができる。裏面シートも着用者の皮膚に対して従順であり、柔らかな感触であり、そして非刺激性である。
パッド本体2の中央付近の厚みは、好ましくは8〜10mmとする。この範囲は、現市販品の薄型生理用ナプキンに対し厚い範囲である。また、パッド本体2の横幅は、55〜60mmとする。この範囲は、現市販品の薄型生理用ナプキンに対し狭い範囲である。パッド本体2の縦幅は、105〜110mmとする。この範囲は、現市販品よりコンパクトな範囲である。
パッド本体の厚みと横幅を上記のような範囲とすることにより、装着時の閉脚によってもパッド本体2が左右に折れ曲がったりよれにくくなり、経血漏れを有効に防ぐことが可能となる。
本実施形態において、膣口当接部3aと尿道口当接部3bは、同一素材で一体に成型されている。
本実施形態では、膣口当接部3aと尿道口当接部3bの表面は、薄く柔軟な不織布等で連続的に覆われている。
本実施形態においては、凸状吸収体3は、吸収性の材料で形成することが好ましく、特に急速に吸収が可能な材料で形成することが好ましい。このような材料として、たとえば、高分子ファイバーを束ねた素材を使用することが好ましい。このような材料を使用することにより、凸状吸収体3を、型くずれし難く、柔軟性があって、吸収した経血を保持せずに順次、逐次、下層の吸収要素まで移動させるものとすることができる。
なお、当該凸状吸収体3の素材は、従来使用されている使い捨て可能な衛生ナプキン及び他の使い捨て可能な吸収物品において通常使用されている幅広い種類の液体吸収材料から製造することができることは言うまでもない。
上述の通り、凸状吸収体3は、吸収性である必要があるが、一方で、保水性ではないことが好ましい。保水性の場合には、凸状吸収体3が経血の吸収により膨張し、着用時に不快感を起こさせる可能性があるためである。
本発明の好ましい形態では、凸状吸収体3は、経血を速やかに吸収し、パッド本体2に移行させる一方、パッド本体2は、凸状吸収体3に吸収された経血を速やかに引き込む。そして、パッド本体2は、経血を保持する。
本発明の生理用ナプキン10を着用すると、膣口当接部3a(凸状吸収体3のより高い(長い)突起部分)は、着用者の小陰唇内に入り膣口に当接される。そして、尿道口当接部3b(凸状吸収体3のより低い(短い)突起部分)は小陰唇内の尿道口に当接される。
このように、膣口当接部3と尿道口当接部3bにおいて所定位置に当接された凸状吸収体3は、小陰唇という壁によってガードされ、安定する。
また、寸法としては、具体的には、長手方向並びの寸法は、凸状吸収体2つを合わせて32mm〜40mm、各々の直径は16mm〜20mmとし、従来のタンポン様の形状とする。膣口当接部3a(高いほうの突起部)の高さを12mm〜15mm、尿道口当接部3b(短いほうの突起部)の高さを4mm〜7mmとし、高低差を8mm前後とすることが好ましい。
また、膣口当接部3a(高いほうの突起部)については、直径を16mm〜20mm程度とし、尿道口当接部3b(短いほうの突起部)については、直径を16mm程度とすることが好ましい。
ここで、膣口当接部3a(高いほうの突起部)については、初潮から間もない十代の利用者と、経産婦とで、直径を変えることが好ましい。具体的には、前者の場合には、16mm程度とすることが好ましく、後者の場合には、16mm〜20mm程度とすることが好ましい。
そして、本発明の生理用ナプキンは、着用感やアウターにさほど影響を及ぼさず、しかも尻付近等におけるむれやかぶれを低減させることが可能となる。
本発明に係る生理用ナプキンは、例えば、急速吸収性のファイバーを束ねた素材あるいは吸収綿等で作られた所定形状の凸状吸収体を作製し、凸状吸収体とパッド本体との接触位置を凸状吸収体が分離しないように軽く束ねて、ファイバーの裾野をナプキン本体の吸収要素まで広げるなどして、パッド本体の中央付近に凸状吸収体を接着剤、縫合、熱融着等既知の方法で配置及び/または固定して製造することができる。
すなわち、重要な観点は、吸収性に優れた高低差ある二つ連なった突起吸収体で、経血を素早く吸収するという点であり、当該機能が発揮されるものであればどのような製造方法を採用することも可能である。
実施例1の生理用ナプキンは、サニタリーショーツに装着して用いることができる。装着の方法は従来の貼り付け方法を用いることも可能であるが、好ましい形態では、図3および4に示すサニタリーショーツ11に装着する。サニタリーショーツ11は、股下布4内側の長手方向の両端に、生理用ナプキン10のパッド本体2の長手方向の端2a、2bを挿入するためのポケット4a、4bを有する。図3、4において、ポケット4aは前側、ポケット4bは後側に設けられている。
ここで、パッド本体2とサニタリーショーツ11の股下布4は寸法に於いて対応するものとする。ポケット4a、4bは、たとえば、パッド本体2の端2a、2bのそれぞれ17mm程度を挿入することができる深さに形成することができる。
ポケット4a、4bの挿入口の縁は、シャーリング、又は、伸び縮みする布地或いはゴムを内側に縫い付けて、挟み込んだナプキン本体の上端下端をゴム等で緩やかに締め付けるようにすることが好ましく、これにより、生理用ナプキン10が容易に外れないという効果が得られる。たとえば、パッド本体2の横幅が60mm程度の場合は、ポケット4a、4bの挿入口の横幅は70mmとすることができる。パッド本体2の縦幅が110mm程度の場合は、ポケット4の長さは130mm程度にする。このように、パッド本体2の横幅60mmに対しポケット4a、4bの挿入口の横幅を好ましくは70mm程度(両サイドに5mmずつの余裕)大きくすることにより、装着が容易になる。
なお、股下布4内側に設けるポケット4a、4bの位置は、一般的な女性の身体を基準にして、所謂、膣位置が「上付き」を想定して縫い付けられることが好ましい。
このようなサニタリーショーツ11を用いることにより、生理用ナプキン10のずれやよれを防止することができ、経血漏れをより有効に防ぐことが可能となる。
[生理用ナプキンの外し方]
トイレなどで生理用ナプキン10を膣口から外すとき、吸収しきれず膣内に残っている後追い経血などがドッと垂れ落ちてくる可能性がある。しかし、本発明の生理用ナプキン10の場合には、上手く取り外すことができる。トイレに行って、和式、洋式に関係なく、まず、サニタリーショーツ11のポケット4a、4bからパッド本体2の端2a、2bを外す。その時、生理用ナプキン10の凸状吸収体3は未だ小陰唇内の膣口と尿道口に当接され密着されている。生理用ナプキン10を小陰唇から外すと、吸収し切れなかった経血などは見事にトイレの中に落ちる。タンポンの様に糸を引っ張ることで手に経血がついてしまうようなことはない。すなわち、本発明の生理用ナプキン10は、膣口に蓋をした形態ということができ、それを外せば、膣内あるいは子宮口から新たに経血が流れ落ちて来ても、全部、トイレの中に落ちるので、後は水を流せばよい。
特に、子宮筋腫等がある使用者の場合や閉経前には、月経時に子宮内膜が剥がれ落ち、レバー状の塊となって排出されることがある。本発明の生理用ナプキンを使用すると、液体ではないレバー状の塊は、3aからは吸収されず膣腔の中に留まっているが、生理用ナプキンを取り外した際に、後追い経血と共にトイレの中に落ちるので、手や下着を汚す心配がない。
局部の経血を拭ったあと、洋式の場合、膝辺りにずらしているサニタリーショーツ11の股下布4内側に設けられたポケット4a、4bに凸状吸収体3の高低(長手方向)を間違わないように確認して新しい生理用ナプキン10をセットする。正しくセットするコツは、先ず、向かって上側に尿道口にあてがう低いほうの尿道口当接部3bが来るように生理用ナプキン10を持って、パッド本体2の上端2aを上側(前側)のポケット4a内に差し込み、次にパッド本体2の下端2bを下側(後側)のポケット4b内に差し込む。続いて、立ち上がり、サニタリーショーツ11を上に引っ張って穿いてゆくが、ほぼサニタリーショーツ11を穿き終わった段階で、左手の人差し指と中指で小陰唇を開き、右手で、生理用ナプキン10をセットしたサニタリーショーツ11の外側(表側)から押し付けるように、膣口当接部3aを小陰唇内の膣口に嵌め込むなら、尿道口当接部3bも自動的に尿道口に当接できていることになる。その段階でサニタリーショーツ11のウエスト開口部を持ってサニタリーショーツ11を完全に穿き切るなら型崩れし難く、柔軟性のある凸状吸収体3は、膣口当接部3aと尿道口当接部3bにおいて、小陰唇内膣口および小陰唇内尿道口の二ヶ所に上手く当接され密着出来ていると言える。和式トイレの場合も同様である。
液体不透過性のシート5は、凸状吸収体3に対応する位置に、開口51を有した非透水性フィルムで形成されている。そして、液体不透過性のシート5は、パッド本体2を覆っている。
また、液体不透過性のシート5の上側(表層)、つまりパッド本体の最上面は、透水性の柔軟な薄い不織布或いはファイバーシートなどの液体透過性のシート6が、パッド本体2全体及び凸状吸収体3を含めて覆っているので、着用者皮膚に対して従順で、柔らかな感触を齎す。よって、本実施例の生理用ナプキン10は、経血量が多い場合などでも、パッド本体2の側面等から経血漏れを起こす心配がない。
本実施例の生理用ナプキン10も、上述したサニタリーショーツ11に装着して用いることが可能である。
2 パッド本体
3 凸状吸収体
3a 膣口当接部
3b 尿道口当接部
11 サニタリーショーツ
4a 膣口側ポケット
4b 尿道口側ポケット
5 液体不透過性のシート
6 液体透過性のシート
Claims (5)
- パッド本体と該パッド本体の上面中央付近に該パッド本体と一体に形成された凸状吸収体を備えた生理用ナプキンであって、
前記凸状吸収体は、膣口へ当接される略円筒形状の膣口当接部と、尿道口へ当接される略円筒形状の尿道口当接部とを有し、
前記膣口当接部と前記尿道口当接部は、互いに隣接して配置され、かつそれぞれの略円筒形状の軸方向がパッド本体の上面に対し垂直となるように形成され、
前記膣口当接部の上面と尿道口当接部の上面はそれぞれ丸みを帯びた曲面状に形成され、
前記尿道口当接部の上面が前記膣口当接部の上面よりも低くなるように両者間に段差が形成されていることを特徴とする、生理用ナプキン。 - 前記パッド本体は、厚みが8〜10mm、横幅が55〜60mm、縦幅が105〜110mmであることを特徴とする、請求項1に記載の生理用ナプキン。
- 前記凸状吸収体は吸水性かつ非保水性であり、前記パッド本体は、吸水性かつ保水性である、請求項1又は2に記載の生理用ナプキン。
- 前記生理用ナプキンは、パッド本体を覆い凸状吸収体に対応する位置に開口を有する液体不透過性のシートを備え、該パッド本体および凸状吸収体の最上面は、液体透過性のシートで覆われていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の生理用ナプキン。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の生理用ナプキンを装着するための専用サニタリーショーツであって、股下布内側の長手方向の両端に、前記生理用ナプキンのパッド本体の長手方向の両端を挿入するためのポケットが形成されていることを特徴とする、サニタリーショーツ。
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