JP5737680B1 - 凸状吸収体を有する生理用ナプキンと専用サニタリーショーツ - Google Patents

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Abstract

【課題】膣口に蓋をするような形で使用する、安全、かつ、経血漏れのない生理用ナプキンを提供すること。【解決手段】本発明の生理用ナプキンは、パッド本体と該パッド本体の上面中央付近に該パッドと一体に形成された凸状吸収体を備えており、前記凸状吸収体は、膣口へ当接される膣口当接部と、該膣口当接部と隣接して一体に形成され尿道口へ当接される尿道口当接部とを有し、前記尿道口当接部は、前記膣口当接部に対し低く形成されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、画期的な形状により経血漏れ防止を強化した使い捨て生理用ナプキンと、それと併用するサニタリーショーツに関する。
従来の生理用品は、シート式ナプキンと生理用タンポンとに二分されている。両方とも、特有の良さがあり、特有の用途もあり、別々にあるいは両方を装着する方法で長年愛用されてきた。
(1)シート式ナプキンは、[ふつうの日用スリムハネつき]とか[多い日の昼用スリムハネつき]とか[多い日の夜用スリムハネつき]とかに分かれて製品化され、ハネつきの粘着テープでショーツにナプキンを固定させる仕様になっている。そのため、立ち居姿勢や、座っている姿勢等、身体を起している体勢のときは、経血が上から下に落ちナプキンに吸収され、経血の量がよほど多過ぎる場合を除いて、肌とナプキンの間に隙間があったとしても漏れの問題は生じない。しかし、身体を横たわらせた場合には、逆凹型の外性器と平らなシート式ナプキンの間には隙間ができてしまい、経血漏れが生じやすくなる。これは、数枚のナプキンを重ねたり、40cmを超えるものを装着したりしても、横臥中、体の動きや向きにより、ナプキンが波打ってその隙間はますます大きく開き漏れが生じてしまう。これが就寝中になると、無意識の寝返りの度にナプキンの位置にズレが生じ、波打っているナプキンと大陰唇との間に隙間ができあがり、経血はナプキンに届かず、その隙間からお尻の窪を伝わって、ショーツ、寝巻き、布団に付着するのは避けられない。また子宮筋腫などの病気に起因する大きな塊の下血の場合には、ナプキンが外性器に密着しているときであっても、ナプキンと大陰唇の間にあって身体で押しつぶされると大量の血液になり、従来の平らなだけのナプキンでは横から経血が溢れ出し漏れは回避しにくい。結局、逆凹型の女性器と、平らな、若しくは、凹型の船底型のナプキンとでは密着性が乏しく、身体を起している時、経血量の少ない日は辛うじて漏れ防止となり得るが、経血量が多い日、夜の横臥状態では経血漏れは当然である。結論的に言えば、従来のシート式ナプキンの形状だけで漏れ防止を完璧に回避するのは無理なのである。
(2)タンポンは、正しく挿入し難く、それを外す時が大変である。仮に上手く膣腔に挿入でき、子宮口にタンポンの先端が当たって、タンポンが十分に経血を吸収し、外に漏れないとしても、糸を引っ張って抜き取る時が大変である。経血を保持し大きく膨張したタンポンは抜けなくなるケースも生じているし、やっと抜き取れた時には、手の平の広い範囲に多量の経血が付いてしまいがち、便座や床等に垂れてしまいがち、うっかりすると靴に衣類に経血が付いてしまいがちの為、装着中の漏れにくさは良いものの、取り外す時が大変という難点・欠点がある為煩わしさを一度でも経験すると使用したくなくなる。然も問題はそれだけでない。生理中に高湿性のタンポンをうかつにも長時間使用していることによって膣内に黄色ブドウ球菌の排出物が毒として作用し毒素性ショック症候群(TSST‐1)という病気が誘発され易い事などにも注意しなければならず、体調不良や異常が出てくるのを避けられず危険性は極めて大きいと言える。総合的に判断してシート式ナプキンも同時に必要ということで役目不足という欠点は否めない生理用品である。
(1)特許文献1に記載の生理用ナプキンは、断面が三角形状の第1の吸収部材を有している。この第1の吸収部材は、液を吸収保持する吸収核とこの吸収核を覆う外側覆いとを有している。前記第1の吸収部材が膣口に密着し、経血が主に前記第1の吸収部材で吸収されて保持される。また、前記生理用ナプキンには、衣類に接触する平坦状の第2の吸収部材が設けられており、前記第1の吸収部材は、前記第2の吸収部材の表面に設置されている
(2)特許文献2に記載のものは、生理用ナプキンの肌側表面に断面が三角形状のこぶが隆起している。前記こぶは、液透過性の表面シートと液吸収層との間に設けられた吸収体と補強部材とで構成されており、前記補強部材は、プラスチックシートなどの硬質材料で形成されている。補強部材で補強されたこぶが膣口に当たり、体圧による圧縮力を受けたときにも、前記こぶが潰されることがなく、生理用ナプキンと膣口との密接状態を維持できるというものである。
(3)特許文献3に記載の生理用ナプキンは、肌側表面の後方領域に山形形状の突起が設けられている。この突起がどのような手段で構成されているのか不明であるが、この突起がヒップの溝に当接することで経血の後ろ洩れを防ぐものとされている。
(4)特許文献4に記載の生理用ナプキンは、血液を吸収する帯状の吸収体の厚さを、女性器外陰部と対応する細長い部分において他の部分よりも厚くし、該吸収体の厚みを増した部分を該吸収体の女性器外陰部に押し当てられる側の面に突出させたことを特徴とする。これは、棒状体(吸収体の厚みを増した部分)を配置した部分が他の部分よりも厚くなっており、この厚くなった部分を押当面側に突出させることによって、前後方向に細長い突出部が形成されているという大陰唇の上から膣口を圧する形で塞ぐ仕様である。
(5)特許文献5ないし特許文献7も、細かい点は異なるものの、中央部分を立体的に盛り上げて身体に密着するようにした形状という点で同じであり、総じて、突出部が長すぎて大陰唇は覆っても小陰唇内には入り切らないタイプであり、中央の縦方向の帯状の突起ということで特許文献1ないし特許文献4と同様に、小陰唇内ではなく外陰部つまり大陰唇にあてがうものばかりなので、これらは、無意識の夜の横臥状態などでは、やはり、隙間が生じ経血の横漏れは避けられない。
(6)すなわち、上記特許文献1〜特許文献7に示された山形凸構造部を設けた生理用ナプキンは、山形凸構造部がナプキン本体とほぼ同じ長さかやや短いだけの縦長のものであり、就寝時に、肛門から後方に延びる臀裂に沿って後方へ流れようとする経血を有効に留めることはできない。また、仰向け姿勢になると、山形凸構造部が臀部の浅い溝に当たって違和感を与えやすくなり、心地よく就寝することができなくなる。
(7)特許文献8に記載の生理用ナプキンは、シート式ナプキンとタンポンとの両方を装着するタイプの物で、透水性の表面シートと非透水性の裏面シートの間に吸水材が介装されたナプキン本体と、当該ナプキン本体の表面シートの上面に配置される小塊状のブロック材とから構成され、当該ブロック材は柔軟な吸水性材料から成り、且つ、装着時に、前記ナプキン本体から独立していることを特徴としており、小塊状のブロック材がナプキン本体から独立している小塊1つということから、尿道口の方に移動するなど安定した装着感を期待し難い。
(8)特許文献9は、船底形挟挿ひれ部を局部の筋溝から膣内に挿し込み経血が出血する部分の近くの皮膚面に当接するとの構成についても、船底形挟挿ひれ部一つで出血する部分の近くの皮膚面に当接するというのは安定性に乏しく、極めて漏れ易い仕様と思われる。
(9)特許文献10は従来型生理用タンポンを膣内に挿入するものであり、引き抜いたとき後追い血液をナプキンシートが受け皿として受け包み、血液の飛び散りによる手や局所付近の着衣の汚れを防ぎ、捨てる時も、そのまま包み込んで衛生的に処理出来るナプキン付生理用タンポンであるが、ナプキンシートが薄いイメージなので、股間に挟んだときシートが半分に折れ曲がり、タンポンが恰も山の頂上、薄いナプキンシートが山裾のような形状になり得るし、タンポンと同じ横幅かそれより狭く折れ曲がって後追い血液を上手く受け取れるかどうかの疑問は否めない。
(10)特許文献11もタンポンと併用する小型の適正な位置へ装着できる吸収パッドを提供しているが、あくまでの膣内に挿入するタンポン装着方式の生理用品であり、タンポンと吸収パッドの装着はタンポンの紐により位置決めされるため吸収パッドを確実に膣腔に一致させることが出来るので装着中パッドが位置ずれしにくいという点は良い事であると言えるが、裏面全体が狭持シートで覆われた吸収パッドがタンポンと一体化でなく分離されたものなので、実際に商品化されて使用するとなると、特許文献10同様、吸収パッドが薄い故に股間に挟むや真ん中で半分に折れ曲がるので、折角の吸収パッドと併用型とは言え、タンポンの吸収体から漏れ出した少量の経血といえども2つに折れ曲がった吸収パッドには上手く吸収されないどころか経血は山肌を滑り落ちる雪崩の如く滑り落ちると思われ、形状の複雑さと使い勝手の煩雑さは宜しくなく、改善の余地があるように感じられる。
(11)特許文献12も膣口より一旦漏れ出た経血の流れを阻止するものであり、極めて対症療法的発案であると言わざるを得ず、経血漏れは避けられない。
特許第3459260号公報 特表2001−504727号公報 特開平11−42250号公報 実開平5−18523号公報 実用新案登録2587787号公報 特開平8−299383号公報 特許第3276159号公報 特許3812826号公報 実用新案登録3031006号公報 特開2000−237234号公報 特許第3942819号公報 実開平7−28529号公報
本発明が、従来の生理用品の欠点に鑑み解決しようとするのは、女性が就寝するときに着用する生理用ナプキンとして、製品化され販売されている生理用ナプキンや上記特許文献に見られるような生理用品が、総じて、平らなシート式ナプキンであり、例え、シート部分に肌側表面の後方領域に山形形状の突起が設けられていたり、膣対向部の後方に臀部対向部が形成された縦長のものによって肛門から後方に延び臀裂に沿って流れる経血を止めようとしても、就寝時の横臥状態の時のナプキンと大陰唇との位置の関係たるや、仰向きの場合は垂直並行、右向き、左向きの場合は水平並行となり、経血は地球引力の関係で下に位置する敷布団側に垂れてしまい易いので、大陰唇にあてがって使用する従来品は極めて対象療法的考案であって、経血を有効に防止することはできなかった。本発明は、このような対象療法的な形状ではなく、女体の逆凹型の外性器と、平ら若しくは船底型・凹型形状のナプキンの間に隙間があることによって、経血漏れが生じてくるという問題点に着眼し、タンポンとシート式ナプキンの利点、欠点を取捨選択して異なる概念を組み入れた新しい技術思想に基づく生理用品を提供することにより、経血漏れの悩み、夜の横臥状態の漏れ易さを解決することを目的としている。
(1)第1の発明は、パッド本体と該パッド本体の上面中央付近に該パッドと一体に形成された凸状吸収体を備えた生理用ナプキンであって、前記凸状吸収体は、パッド本体の長手方向に沿って高低差を有することを特徴とする、生理用ナプキンである。
本発明に係る生理用ナプキンは、基本的には従来のシート式ナプキンに属すものであるのでパッド部分(シート部分)が存在する生理用品ではあるが、従来品のような大陰唇にあてがったパッド表面部分で経血を吸収する仕様ではなく、パッド本体と一体化したパッド本体表面の中央付近にパッド本体の長手方向に高低差をつけた凸状吸収体を設け、この凸状吸収体を生理時、漏れ防止を強化する目的で小陰唇内に装着して使用する。
凸状吸収体に高低差をつけることにより、凸状吸収体を膣口に安定的に当接させることができ、経血漏れを防ぐことが容易となる。
なお、特許文献8のように、凸状吸収体に高低差がついていない場合には、凸状吸収体の小陰唇内への当接位置が安定せずに、経血漏れを防ぐことが困難となる。
本発明の好ましい形態では、前記凸状吸収体は、膣口へ当接される膣口当接部と、尿道口へ当接される尿道口当接部とを有し、前記尿道口当接部は、前記膣口当接部に対し低く(短く)形成されていることを特徴とする。
このような形態では、凸状吸収体の高い(長い)突起部である膣口当接部を小陰唇内の膣口に、より低い(短い)突起部である尿道口当接部を小陰唇内の尿道口にあてがうことにより、凸状吸収体を膣口に安定的に当接させることが可能となり、経血を、膣口にあてがわれた凸状吸収体に吸収させ、パッド本体に移行させることが可能となる。
さらに具体的に説明すると、凸状吸収体の膣口当接部を膣口に蓋をするように安定的に当接させるには、尿道口にも凸状吸収体の尿道口当接部を当接させ、二箇所を押さえ込むことが効果的であることを本発明者は見出した。
なお、当該形態において、膣口当接部は、あくまでも、膣口にやや押し込むように、膣口を封じ込むように、膣口に蓋をするように当接させるものであり、膣腔に挿入するものではない。ここで、膣腔に中途半端に挿入する形態とした場合には膣口を開くことに繋がり、かえって経血漏れを起こしやすくなる場合がある。
また、凸状吸収体の尿道口を、膣口に対して相対的に低くする趣旨について説明すると、膣口は産道の通り道、タンポンの挿入を可能とする膣腔が奥に続くので、幾分食い込んだりも可能な場所であるのに対し、女性の尿道口は平らな粘膜の中に小さい丸い穴が空いているにすぎず何ものも挿入したりする形状にはなっていないため、尿道口に当接する凸状吸収体を、膣口にあてがうものと同じ高さ(長さ)の寸法にするなら痛みを発症させかねないためである。
そもそも尿道口にも凸状吸収体を当接させる意図は、膣口一箇所への当接だけでは密着度が不安定で、突起物が膣口から外れたり移動したりして、経血漏れに繋がるのを防ぐためである。そして、補助をする尿道口へ当接する凸状吸収体の尿道口当接部を膣口当接部より相対的に低くすることで、凸状吸収体が膣腔に中途半端に挿入されることを防ぐのにも寄与し、経血漏れを有効に防ぐことができる。より詳細に説明すれば、尿道口当接部と膣口当接部の高さが同じである場合には、尿道口に何らかの痛みあるいは邪魔に感じる違和感から、無意識に、凸状吸収体全体を尿道口付近から排除すべく力が生じ、より高い方の凸状吸収体を、膣腔へ中途半端に挿入することへとつながってしまい、経血漏れが発生し得る。
本発明の好ましい形態では、前記パッド本体は、装着時に閉脚によりパッド短手方向に折れ曲がらないように形成されていることを特徴とする。
これにより、凸状吸収体を、上述した小陰唇内の適切な部分に安定的に保持することを可能にし、万一漏れた場合であっても凸状吸収体の真下に位置する折れ曲がらないパッドの表面の柔軟な薄い不織布或いはファイバーシートを透過して着実に吸収される。
本発明の好ましい形態では、前記凸状吸収体は吸水性かつ非保水性であり、前記パッド本体は、吸水性かつ保水性である。
これにより、凸状吸収体は素早く経血を吸収しつつも、この部分では経血を保持しないことから、膨張することなく形状を維持し、快適な使用感が実現される。
一方、凸状吸収体で吸収した経血は、速やかにパッド本体全域に移行し、保持されることになる。
(2)第2の発明は、第1の発明の生理用ナプキンを装着するためのサニタリーショーツであって、股下布内側に、前記生理用ナプキンのパッド本体の長手方向両端を挿入し保持するためのポケットが形成されていることを特徴とする。
該サニタリーショーツのポケットに、第1の発明の生理用ナプキンを装着して使用することにより、生理用ナプキンが前後左右に移動することを防ぎ、経血漏れの防止が最大限に強化される。
本発明の生理用ナプキンは、上述した凸状吸収体により、有効に経血漏れを防止する。また、フィット感に優れつつも、違和感はなく、極めて良好な使用感を有するものである。
さらに、本発明の生理用ナプキンは、装着、取り外しが容易であり、手や衣服を汚す心配も小さい。
本発明の生理用ショーツは、本発明の生理用ナプキンと併せて使用することにより、経血漏れの防止を最大限可能にする。
本発明の生理用ナプキンの斜視図である。 本発明の生理用ナプキンの正面図である。 本発明のサニタリーショーツ(サニタリーショーツを裏返した状態)と生理用ナプキンの平面図である。 本発明のサニタリーショーツに本発明の生理用ナプキンを装着した時(サニタリーショーツを裏返した状態)の平面図である。 本発明の生理用ナプキンのパッド本体内側に液体不透過性のシートを設けた実施例の平面図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明はこの形態に限定されるものではない。
実施例1の生理用ナプキン10を図1および図2に沿って説明する。生理用ナプキン10は、パッド本体2と、凸状吸収体3とを備える。
本実施例では、パッド本体2は、従来の生理用ナプキンと同様に、液体不透過性の裏シート、高分子吸収材料、及び液体透過性の表シートがこの順で積層されており、表シート側から吸収した経血等を高分子吸収材料が吸収し、保持し、ショーツ側に透過させないように形成されている。パッド本体を構成する各種材料は、従来生理用ナプキンに用いられているものを特段の制限なく用いることができる。
例えば、表シートとしては、各種の製法による単層又は多層の不織布を用いることができ、着用者の皮膚に対して従順であり、柔らかな感触であり、そして非刺激性である。裏面シートとしては、非透水性の外漏れ防止用シートとして、樹脂フィルムや、樹脂フィルムの非肌対向面側に不織布等の他のシートを接合してなる積層シート、撥水性の不織布(SMS)等の不織布を用いることができる。裏面シートも着用者の皮膚に対して従順であり、柔らかな感触であり、そして非刺激性である。
パッド本体2の中央付近の厚みは、好ましくは8〜10mmとする。この範囲は、現市販品の薄型生理用ナプキンに対し厚い範囲である。また、パッド本体2の横幅は、55〜60mmとする。この範囲は、現市販品の薄型生理用ナプキンに対し狭い範囲である。パッド本体2の縦幅は、105〜110mmとする。この範囲は、現市販品よりコンパクトな範囲である。
パッド本体の厚みと横幅を上記のような範囲とすることにより、装着時の閉脚によってもパッド本体2が左右に折れ曲がったりよれにくくなり、経血漏れを有効に防ぐことが可能となる。
凸状吸収体3は、パッド本体2の中央付近に設けられている。凸状吸収体3は、パッド本体2より狭い幅を有し、膣口当接部3aと、尿道口当接部3bとを備える。
本実施形態において、膣口当接部3aと尿道口当接部3bは、同一素材で一体に成型されている。
本実施形態では、膣口当接部3aと尿道口当接部3bの表面は、薄く柔軟な不織布等で連続的に覆われている。
本実施形態においては、凸状吸収体3は、吸収性の材料で形成することが好ましく、特に急速に吸収が可能な材料で形成することが好ましい。このような材料として、たとえば、高分子ファイバーを束ねた素材を使用することが好ましい。このような材料を使用することにより、凸状吸収体3を、型くずれし難く、柔軟性があって、吸収した経血を保持せずに順次、逐次、下層の吸収要素まで移動させるものとすることができる。
また、パッド本体2と凸状吸収体3の表面は、柔軟な薄い不織布、或いは、急速吸収性の機能を持ったファイバーシートなどの材料で形成することができる。
なお、当該凸状吸収体3の素材は、従来使用されている使い捨て可能な衛生ナプキン及び他の使い捨て可能な吸収物品において通常使用されている幅広い種類の液体吸収材料から製造することができることは言うまでもない。
上述の通り、凸状吸収体3は、吸収性である必要があるが、一方で、保水性ではないことが好ましい。保水性の場合には、凸状吸収体3が経血の吸収により膨張し、着用時に不快感を起こさせる可能性があるためである。
本発明の好ましい形態では、凸状吸収体3は、経血を速やかに吸収し、パッド本体2に移行させる一方、パッド本体2は、凸状吸収体3に吸収された経血を速やかに引き込む。そして、パッド本体2は、経血を保持する。
膣口当接部3aと尿道口当接部3bは、パッド本体2の長手方向に高低差をつけて形成されている。尿道口当接部3bは、膣口当接部3aに対し、相対的に低く(短く)形成されている。
本発明の生理用ナプキン10を着用すると、膣口当接部3a(凸状吸収体3のより高い(長い)突起部分)は、着用者の小陰唇内に入り膣口に当接される。そして、尿道口当接部3b(凸状吸収体3のより低い(短い)突起部分)は小陰唇内の尿道口に当接される。
このように、膣口当接部3と尿道口当接部3bにおいて所定位置に当接された凸状吸収体3は、小陰唇という壁によってガードされ、安定する。
凸状吸収体3の形状は、全体として円筒形状であることが好ましい。また、凸状吸収体3の身体に触れる上面は、曲面状に形成する(丸みを帯びた球面状とする)ことが好ましい。
また、寸法としては、具体的には、長手方向並びの寸法は、凸状吸収体2つを合わせて32mm〜40mm、各々の直径は16mm〜20mmとし、従来のタンポン様の形状とする。膣口当接部3a(高いほうの突起部)の高さを12mm〜15mm、尿道口当接部3b(短いほうの突起部)の高さを4mm〜7mmとし、高低差を8mm前後とすることが好ましい。
また、膣口当接部3a(高いほうの突起部)については、直径を16mm〜20mm程度とし、尿道口当接部3b(短いほうの突起部)については、直径を16mm程度とすることが好ましい。
ここで、膣口当接部3a(高いほうの突起部)については、初潮から間もない十代の利用者と、経産婦とで、直径を変えることが好ましい。具体的には、前者の場合には、16mm程度とすることが好ましく、後者の場合には、16mm〜20mm程度とすることが好ましい。
このような寸法とすることにより、凸状吸収体3を所定位置に安定的に当接させることができると同時に、尿道口付近を圧迫しすぎることを防止することができる。
従来は、経血の量が多いときには生理用ナプキンを何枚か重ねて使用する場合があったが、このような使用方法では、ゴワゴワする等、着用感が悪くアウターにも響いてしまうという問題があった。また、重ね使用が不要な部分である膣口付近以外にまで生理用ナプキンが重ねられてしまうため、かぶれやむれの原因ともなっていた。この点、本実施例の凸状吸収体3を備えた生理用ナプキン10によれば、小陰唇内の膣口と尿道口部分だけに生理用品が重ねられたような効果と同様の効果を得ることが可能となる。
そして、本発明の生理用ナプキンは、着用感やアウターにさほど影響を及ぼさず、しかも尻付近等におけるむれやかぶれを低減させることが可能となる。
[本発明の生理用ナプキンの製造方法]
本発明に係る生理用ナプキンは、例えば、急速吸収性のファイバーを束ねた素材あるいは吸収綿等で作られた所定形状の凸状吸収体を作製し、凸状吸収体とパッド本体との接触位置を凸状吸収体が分離しないように軽く束ねて、ファイバーの裾野をナプキン本体の吸収要素まで広げるなどして、パッド本体の中央付近に凸状吸収体を接着剤、縫合、熱融着等既知の方法で配置及び/または固定して製造することができる。
あるいは、凸状吸収体をパッド本体の表面中央付近に配置及び/または固定し、ファイバーの裾野の上面と下面を柔軟な単層・多層の不織布で覆い吸収移動を確実にさせ吸収を引き込むように構成してもよい。また、生理用ナプキンの表面は、着用者の皮膚に対して従順で、柔らかな感触で、非刺激性のシートを用いて、膣口当接部および尿道口当接部は蜜に並べて連結して一つの凸状吸収体に見えるようにし、パッド本体と一体化することが好ましい。これにより、凸状吸収体からパッド本体へ経血を上手く誘導する仕組みとすることが可能となる。大きさや高さなど規定することは図面に例示したが、それに限定されるものではない。
すなわち、重要な観点は、吸収性に優れた高低差ある二つ連なった突起吸収体で、経血を素早く吸収するという点であり、当該機能が発揮されるものであればどのような製造方法を採用することも可能である。
[サニタリーショーツ]
実施例1の生理用ナプキンは、サニタリーショーツに装着して用いることができる。装着の方法は従来の貼り付け方法を用いることも可能であるが、好ましい形態では、図3および4に示すサニタリーショーツ11に装着する。サニタリーショーツ11は、股下布4内側の長手方向の両端に、生理用ナプキン10のパッド本体2の長手方向の端2a、2bを挿入するためのポケット4a、4bを有する。図3、4において、ポケット4aは前側、ポケット4bは後側に設けられている。
ここで、パッド本体2とサニタリーショーツ11の股下布4は寸法に於いて対応するものとする。ポケット4a、4bは、たとえば、パッド本体2の端2a、2bのそれぞれ17mm程度を挿入することができる深さに形成することができる。
ポケット4a、4bの挿入口の縁は、シャーリング、又は、伸び縮みする布地或いはゴムを内側に縫い付けて、挟み込んだナプキン本体の上端下端をゴム等で緩やかに締め付けるようにすることが好ましく、これにより、生理用ナプキン10が容易に外れないという効果が得られる。たとえば、パッド本体2の横幅が60mm程度の場合は、ポケット4a、4bの挿入口の横幅は70mmとすることができる。パッド本体2の縦幅が110mm程度の場合は、ポケット4の長さは130mm程度にする。このように、パッド本体2の横幅60mmに対しポケット4a、4bの挿入口の横幅を好ましくは70mm程度(両サイドに5mmずつの余裕)大きくすることにより、装着が容易になる。
なお、股下布4内側に設けるポケット4a、4bの位置は、一般的な女性の身体を基準にして、所謂、膣位置が「上付き」を想定して縫い付けられることが好ましい。
このようなサニタリーショーツ11を用いることにより、生理用ナプキン10のずれやよれを防止することができ、経血漏れをより有効に防ぐことが可能となる。
生理用ナプキン10は、排泄された体液を吸収する為のものである一方、サニタリーショーツ11は着用者の衣類を汚れから防止する役目と、生理用ナプキン10を位置決めし、安定させる役目を持つ。すなわち、本発明のサニタリーショーツ11は、一般のショーツを着用した時に比べ、生理用ナプキン10を着用者の股領域の近傍に維持するように機能する。
以下、本発明の生理用ナプキン10とサニタリーショーツ11の使用方法について説明する。
[生理用ナプキンの外し方]
トイレなどで生理用ナプキン10を膣口から外すとき、吸収しきれず膣内に残っている後追い経血などがドッと垂れ落ちてくる可能性がある。しかし、本発明の生理用ナプキン10の場合には、上手く取り外すことができる。トイレに行って、和式、洋式に関係なく、まず、サニタリーショーツ11のポケット4a、4bからパッド本体2の端2a、2bを外す。その時、生理用ナプキン10の凸状吸収体3は未だ小陰唇内の膣口と尿道口に当接され密着されている。生理用ナプキン10を小陰唇から外すと、吸収し切れなかった経血などは見事にトイレの中に落ちる。タンポンの様に糸を引っ張ることで手に経血がついてしまうようなことはない。すなわち、本発明の生理用ナプキン10は、膣口に蓋をした形態ということができ、それを外せば、膣内あるいは子宮口から新たに経血が流れ落ちて来ても、全部、トイレの中に落ちるので、後は水を流せばよい。
特に、子宮筋腫等がある使用者の場合や閉経前には、月経時に子宮内膜が剥がれ落ち、レバー状の塊となって排出されることがある。本発明の生理用ナプキンを使用すると、液体ではないレバー状の塊は、3aからは吸収されず膣腔の中に留まっているが、生理用ナプキンを取り外した際に、後追い経血と共にトイレの中に落ちるので、手や下着を汚す心配がない。
[ナプキンの嵌め方]
局部の経血を拭ったあと、洋式の場合、膝辺りにずらしているサニタリーショーツ11の股下布4内側に設けられたポケット4a、4bに凸状吸収体3の高低(長手方向)を間違わないように確認して新しい生理用ナプキン10をセットする。正しくセットするコツは、先ず、向かって上側に尿道口にあてがう低いほうの尿道口当接部3bが来るように生理用ナプキン10を持って、パッド本体2の上端2aを上側(前側)のポケット4a内に差し込み、次にパッド本体2の下端2bを下側(後側)のポケット4b内に差し込む。続いて、立ち上がり、サニタリーショーツ11を上に引っ張って穿いてゆくが、ほぼサニタリーショーツ11を穿き終わった段階で、左手の人差し指と中指で小陰唇を開き、右手で、生理用ナプキン10をセットしたサニタリーショーツ11の外側(表側)から押し付けるように、膣口当接部3aを小陰唇内の膣口に嵌め込むなら、尿道口当接部3bも自動的に尿道口に当接できていることになる。その段階でサニタリーショーツ11のウエスト開口部を持ってサニタリーショーツ11を完全に穿き切るなら型崩れし難く、柔軟性のある凸状吸収体3は、膣口当接部3aと尿道口当接部3bにおいて、小陰唇内膣口および小陰唇内尿道口の二ヶ所に上手く当接され密着出来ていると言える。和式トイレの場合も同様である。
実施例2の生理用ナプキン10は、実施例1の生理用ナプキン10と基本的な構成は同様であるが、図5に示すように、外漏れ防止用の液体不透過性のシート5をさらに備えている。
液体不透過性のシート5は、凸状吸収体3に対応する位置に、開口51を有した非透水性フィルムで形成されている。そして、液体不透過性のシート5は、パッド本体2を覆っている。
また、液体不透過性のシート5の上側(表層)、つまりパッド本体の最上面は、透水性の柔軟な薄い不織布或いはファイバーシートなどの液体透過性のシート6が、パッド本体2全体及び凸状吸収体3を含めて覆っているので、着用者皮膚に対して従順で、柔らかな感触を齎す。よって、本実施例の生理用ナプキン10は、経血量が多い場合などでも、パッド本体2の側面等から経血漏れを起こす心配がない。
本実施例の生理用ナプキン10も、上述したサニタリーショーツ11に装着して用いることが可能である。
長年の女性の悩み、特に夜の横臥状態の漏れ易さを解決する生理用ナプキンの製造が期待される。
10 生理用ナプキン
2 パッド本体
3 凸状吸収体
3a 膣口当接部
3b 尿道口当接部
11 サニタリーショーツ
4a 膣口側ポケット
4b 尿道口側ポケット
5 液体不透過性のシート
6 液体透過性のシート

Claims (5)

  1. パッド本体と該パッド本体の上面中央付近に該パッド本体と一体に形成された凸状吸収体を備えた生理用ナプキンであって、
    前記凸状吸収体は、膣口へ当接される略円筒形状の膣口当接部と、尿道口へ当接される略円筒形状の尿道口当接部とを有し、
    前記膣口当接部と前記尿道口当接部は、互いに隣接して配置され、かつそれぞれの略円筒形状の軸方向がパッド本体の上面に対し垂直となるように形成され、
    前記膣口当接部の上面と尿道口当接部の上面はそれぞれ丸みを帯びた曲面状に形成され、
    前記尿道口当接部の上面が前記膣口当接部の上面よりも低くなるように両者間に段差が形成されていることを特徴とする、生理用ナプキン。
  2. 前記パッド本体は、厚みが8〜10mm、横幅が55〜60mm、縦幅が105〜110mmであることを特徴とする、請求項1に記載の生理用ナプキン。
  3. 前記凸状吸収体は吸水性かつ非保水性であり、前記パッド本体は、吸水性かつ保水性である、請求項1又は2に記載の生理用ナプキン。
  4. 前記生理用ナプキンは、パッド本体を覆い凸状吸収体に対応する位置に開口を有する液体不透過性のシートを備え、該パッド本体および凸状吸収体の最上面は、液体透過性のシートで覆われていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の生理用ナプキン。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の生理用ナプキンを装着するための専用サニタリーショーツであって、股下布内側の長手方向の両端に、前記生理用ナプキンのパッド本体の長手方向の両端を挿入するためのポケットが形成されていることを特徴とする、サニタリーショーツ。
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