JPH04145668A - 放射線検出素子およびその製造方法 - Google Patents

放射線検出素子およびその製造方法

Info

Publication number
JPH04145668A
JPH04145668A JP2418980A JP41898090A JPH04145668A JP H04145668 A JPH04145668 A JP H04145668A JP 2418980 A JP2418980 A JP 2418980A JP 41898090 A JP41898090 A JP 41898090A JP H04145668 A JPH04145668 A JP H04145668A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diamond
substrate
layer
diamond layer
grown
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2418980A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2591533B2 (ja
Inventor
Takahiro Imai
貴浩 今井
Naoharu Fujimori
直治 藤森
Tetsuo Yashiki
矢敷 哲男
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2418980A priority Critical patent/JP2591533B2/ja
Publication of JPH04145668A publication Critical patent/JPH04145668A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2591533B2 publication Critical patent/JP2591533B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
[0001]
【産業上の利用分野】
本発明は、加速器による高エネルギー物理実、験などに
用いられ、α線、β線、γ線、X線、中性子線等を検出
する放射線検出素子に関する。 [0002]
【従来の技術】
放射線検出器として、ガス・ドリフト・チャンバー等の
大きな容積を必要とするものに代わって、Si等の半導
体を用いた半導体検出器が多く使われるようになってい
る。これはSiのpn接合に逆電圧を印加しておき、放
射線が接合部に入射すると、電子正孔対が生じ電流が流
れるようにしたものである。放射線のエネルギーと検出
電流の線形性が良い。 [0003] しかしシリコンやゲルマニウムを検出部に用いているた
めに、キャリヤの飽和移動度が小さく(シリコンの飽和
電子移動度1×1070m/5eC)放射線検出素子と
しての応答速度が遅い。シリコンは高純度の真性の物で
も抵抗率が105Ω・cm程度であり、ゲルマニウムは
更に低い。真性領域のSi、Ge半導体に電極を付け、
このまま電流を印加すると暗電流が大きすぎる。そこで
光を検出する素子と同じようにpn接合を作って逆バイ
アスになるように電圧を印加するが、この方法では数十
μmの空乏層でしか放射線を検出できないので、放射線
の衝突断面積から考えて検出感度が十分でないことが多
い。 [0004] 単結晶のダイヤモンドを放射線検出素子の検出部の半導
体に用いると、応答速度が速く、高感度のものができる
ことは既に知られている(特開昭62−198780、
EP52397)。単結晶ダイヤモンドの中のキャリヤ
の飽和移動度が極めて大きいからである(2.5x10
7cm/5ec)。ダイヤモンドを検出素子とする場合
は、pn接合に逆バイアス電圧を印加するのではなく真
性領域を検出部に使いこれに電圧を印加するだけである
。その一つの理由は真性領域のダイヤモンドの比抵抗は
十分に高く暗電流を小さくできるからである。もう一つ
の理由は、ダイヤモンドの場合pn接合が作り難いとい
うこともある。しかし放射線の検出という場合は素子の
厚み全体で検出できる方が良い。pn接合の近傍だけで
しか検出できないというのではどうしても感度が低くな
る。素子面に垂直に放射線が通過する場合、Siの場合
はpn接合の空乏層でのみ電子正孔対が発生する。しか
しダイヤモンドのようにpn接合によらないものは放射
線が通った厚みの全体で電子正孔対が発生する。だから
このような方式の検出器の方が感度が高い。しかしこれ
は欠陥の少ない単結晶ダイヤモンドでなければならない
。そのようなものは容易に入手できないし製作すること
も難しい。 [0005] 近年になって気相から安価に膜状の多結晶ダイヤモンド
を合成する方法が開発された。この方法を用いて多結晶
ダイヤモンドを利用した放射線検出素子の製作が試みら
れたが良い結果を見なかった。多結晶ダイヤモンドは放
射線に対する感度が極めて低かったからである。 [0006]
【発明が解決しようとする課題】
多結晶ダイヤモンドが、放射線に対する感度が低い原因
は、結晶粒間に存在する粒界が放射線によって発生する
電気的なキャリアの移動の障害となるからである。結晶
粒界を通過するたびに大きく減速されるので実効的なキ
ャリヤ移動度が小さくなり、Si検出器以上の性能が得
られない。 応答速度が速く、感度が良くしかも安価な多結晶ダイヤ
モンドを用いた放射線検出素子を提供することが本発明
の目的である。 [0007]
【課題を解決するための手段】
発明者等は、気相合成法によって適当な粒径をもって、
粒界が柱状になるよう成長させた多結晶ダイヤモンド膜
の両面に電極を設け、ダイヤモンドの粒界を横切らない
方向に電圧を印加して、放射線検出感度を測定したとこ
ろ実用的な感度を持つ放射線検出素子を得な。 [0008] 本発明で用いる多結晶ダイヤモンドは結晶内のダイヤモ
ンドの粒径が大きく、ダイヤモンド粒が成長方向に柱状
に成長しており、成る場合は柱の長手方向には粒界が無
いようにしである。あるいは電極の近傍で不純物をドー
プした導電層を形成し電極近傍では粒界があってもキャ
リヤが減速されないようにしである。導電層には殆ど電
界が存在しないので放射線によってキャリヤが発生して
も再結合して信号とはならないが、高抵抗層から導電層
に到達したキャリヤは電流として導電層を通過すること
ができるので、キャリヤを失活させたり減速させたすせ
ずに信号を取り出す作用がある。 [0009] このような柱状に成長し柱方向に粒界を持たない多結晶
ダイヤモンドの成長方向の対向2面に電極を付ける。そ
うすると電流が結晶粒界を横切ることなく電極から電極
へと流れることができる。このためキャリヤの移動度が
高くなる。これによってこれまで多結晶ダイヤモンドで
は得られなかった高感度の放射線検出素子を作製できる
ようになったものである。 [0010] 検出素子に用いる半導体ダイヤモンド層の厚さは放射線
に対する衝突断面積から考えて、少なくとも10μm以
上がよく、より好ましくは100μm以上がよい。最も
良いのは200〜300μmである。経済性から1mm
以下であることが望ましい。ここで電流の流れる方向つ
まり成長方向を縦方向、これに直角な方向を横方向とい
うことにする。 [0011] 多結晶ダイヤモンド内のダイヤモンド粒子の横方向の粒
径が小さすぎると、電流の流れを遮る方向(縦方向)に
粒界がなくても、キャリヤが斜めに粒界に衝突する可能
性が高くなり検出感度に悪影響を及ぼすので、横方向に
ついても、粒径は大きく、粒界は少ない方がよい。本発
明の多結晶ダイヤモンド内の最小の横方向粒径が1μm
以上であることが好ましい。好適な横方向粒径の範囲は
5〜50μmである。最適値は20μmである。 [0012] 気相合成法によるダイヤモンドの成長の初期の層は結晶
粒径が小さいことが多い。又ダイヤモンドの成長時の基
板との界面や、成長表面は欠陥や凹凸が多く残っている
ため、キャリヤの移動度が下がり結果として感度を低下
させる惧れがある。これを克服するために本発明者はふ
たつの解決法を案出した。 [0013] これを防ぐ一つの方法は、気相合成で得られたダイヤモ
ンド膜の小粒界が多数ある片面近傍或は両面近傍を、平
滑になるように研磨し小粒界を除くことである。この結
果残った部分が縦方向に粒界が存在しなくなり、高感度
を得る上で有効である。成長時の基板との界面は5μm
以上削り落とす事が好ましい。研磨した面の平滑度は0
.2μm以下であることが望ましい。 [0014] ダイヤモンド層の基板との界面や成長表面でのキャリヤ
の失活を防ぐもう一つの方法は、ダイヤモンド層の基板
界面や成長表面に近い粒界、欠陥の多い部分に、気相合
成時に充分な量の不純物をドーピングして高い導電率を
有するダイヤモンド導電層とし、感度や応答速度にかか
わるダイヤモンド半導体層内のキャリヤの発生・移動と
分離することである。この部分のダイヤモンド層は粒界
があってもよい。この部分では粒界を横切ってキャリヤ
が流れる。但しキャリヤ密度が高いので放射線によって
キャリヤが生じてもすぐに再結合してしまうので検出電
流に寄与しない。しかしここでの粒界での信号の損失を
防ぐことができるので間接的には感度向上に寄与するの
である。 [0015] ダイヤモンドに導電性を付与するために、ドーピングす
る不純物元素としてはホウ素、アルミニウム、リチウム
、リン、イオウ、セレンなどが考えられるが、ホウ素が
最も少量の添加で効果的に電気抵抗率を低下させること
ができ、ダイヤモンドの結晶性を劣化させることもない
ので好ましい。ダイヤモンド層端部の移動度低下を抑制
するためにダイヤモンド導電層の厚さは5μm以上であ
ることが好ましい。しかし導電層が厚いと放射線を感じ
る部分が薄くなるから導電層が余り厚くてもいけない。 このように成長層の両面で多数の結晶粒界が存在すると
いう問題を二つの方法で解決できるがこれらは勿論単独
でも用いることができるし、両者を併用しても良い。つ
まり成長層の端部に導電層を設けた場合は研磨せずにそ
のまま電極を付けても良いし、研磨してから電極を付け
ても良い。 [0016] 放射線検出素子に用いられる半導体層は、微小信号の検
出を行うために暗電流が少なくなければならず、電気抵
抗率は高い方がよい。だからダイヤモンドの真性領域を
使う。しかし半導体層内に電荷がチャージするほど高く
てはよくない。 これは電気抵抗率の中身を考えれば区別できる。電気抵
抗率はキャリヤの密度と移動度の積の逆数である。移動
度は高くキャリヤ密度は小さくということが要求される
条件である。検出部のダイヤモンド半導体層の電気抵抗
率は107Ω・Cm以上であることが好ましい。より好
ましい電気抵抗率の範囲は109〜1012Ω・cmで
ある。勿論ダイヤモンド層の端面近傍に導電層ダイヤモ
ンドを成長させる場合、導電層の電気抵抗率は低く、1
0−2〜102Ω・cmが望ましい抵抗率の範囲である
。 [0017] 本発明の素子において検出部のダイヤモンドは、気相合
成時に少量の不純物をドーピングすることによってダイ
ヤモンド層の抵抗率を制御することができる。 少量のBを添加することによって抵抗値は下がり、Nを
添加することによって抵抗値は上がる。これはキャリヤ
の数を制御しているのであって移動度を変化させている
のではない。 [0018]
【作用】
この発明に利用するダイヤモンドの気相合成法は、プラ
ズマCVD法、熱電子放射材を加熱する熱CVD法、燃
焼炎法、イオンビーム法、レーザCVD法などのダイヤ
モンドの気相合成法のうちいずれをも用いる事ができる
。 基板としては、ダイヤモンドの合成に必要な温度に耐え
る材料ならばよいが、Si、Mo、SiCなどの耐熱材
料が最も好ましい。 炭素原料としては、炭化水素やアルコール、ケトン等炭
素を含有するガス状の物質ならよく、水素または不活性
ガスで希釈して用いる。ダイヤモンドの結晶性を向上さ
せるために、酸素含有ガスを添加することも可能である
。 [0019] 成長端面を研磨する方法による本発明のダイヤモンド検
出器の製造方法を説明する。図1は基板1を示す。これ
はさきに述べたように、Si、Mo、SiCなどである
。 この上に先程述べた方法によりダイヤモンド多結晶を成
長させる。最初は微小な粒界を持ちやすく小さな粒径の
多結晶が成長して行くが徐々に成長方向には粒界の無い
柱状の結晶が成長してゆく。それゆえ必要な厚さよりも
厚く成るようにダイヤモンド膜2を成長させる。これが
図2に示すものである。 この後、基板1を除去する。図3はこれを示している。 最初の部分は柱状でない多結晶が多いし最後の部分には
多様な欠陥や凹凸が多く残っているので、ダイヤモンド
層の両面を研磨する。最初成長側を研磨し次いで基板に
付着していた面を研磨する。これを図4に示す。先に述
べたようにこれによって縦方向に粒界が残らないように
研磨しなければならないので、基板と接触していた方の
面は5μm以上削り落とさなければ成らない。また研磨
後の平滑度は、0.2μm以下であるようにする。 この後ダイヤモンド層2の両面に電極3.4を形成する
。これは例えば、T1Ni等である。これを図5に示す
。柱状多結晶の長手方向に電極が直交している。このた
め電流は多結晶の粒界を横切ることなく電極から電極へ
と流れることができる。キャリヤ移動度が高いので応答
速度が速い。 [0020] 図1〜図5に示すように自然に基板から柱状の多結晶を
成長させることのほかに、より積極的に柱状多結晶を成
長させることができる。 図6のように基板状に微小な多結晶粒を成長させた段階
で、−旦成長を中止しく100)に配向していない結晶
粒を選択的に除去する。そして(100)に配向した結
晶粒のみを残す。この時X線回折などの方法で(100
)に配向した粒子が残っていることを確認することがで
きる。これが図7に示す状態である。 この後再びダイヤモンドの結晶成長を開始すると、 (
100)面が基板面に平行な結晶粒だけが成長する。こ
れは方位が同じであるので、結晶粒が大きくなり易く、
成長方向に粒界を持たないようになる。こうして成長さ
せても良い。この後の工程は同じである。図3のように
両面研磨し、電極を付けるのである。 [0021] ダイヤモンド成長層の両面に導電層を設ける本発明の検
出器製造方法を図9〜図14によって説明する。図9は
基板1を示す。図10は基板の上に多結晶ダイヤモンド
導電層7を薄く成長させた物を示す。図11は多結晶ダ
イヤモンド導電層の上に高抵抗率の多結晶ダイヤモンド
半導体層8を成長させたものを示す。図12は高抵抗率
多結晶ダイヤモンド半導体層の上にさらに多結晶ダイヤ
モンド導電層9を成長させたものを示す。中間のダイヤ
モンド半導体層8は多結晶であるが縦方向に粒界が存在
しない。両面の導電層は微小な粒界があるがもしれない
がそれは差し支えない。次に酸などで処理し基板1を除
去する。これが図13に示す状態である。両面を研磨し
ても良いが、研磨しなくても良い。この例では研磨して
いない。次にこれの両面に電極を蒸着する。図14に示
す。 [0022] 放射線検出素子としては通常のとおりの使い方をする。 電極間に適当な電圧を印加しておく。ダイヤモンド層に
放射線が入射すると放射線によって電子正孔対が励起さ
れ放射線のエネルギーに比例した電流が電極間に流れる
。これによって放射線の存在とエネルギーとを検出する
ことができる。 ダイヤモンドは極めて高い耐電圧性を有するので、応答
速度を向上させるためにも、高電圧を印加して使用する
のが良い。ダイヤモンドの厚さに対して2000 V 
/ c m以上の電解を印加するのが好ましい。 本発明の検出器が検出できる放射線は、α線、γ線、X
線、β線、中性子線のいずれかひとつ以上を含むもので
ある。 特開平4−x4566g (10) [0023]
【実施例】
〔実施例1〕多結晶SiをllXllX1mmのサイズ
に加工して、ダイヤモンド砥粒で成長表面を研磨したも
のを基板として、公知のマイクロ波プラズマCvD法で
、多結晶ダイヤモンドを合成した。原料として、イソプ
ロピルアルコール蒸気5SCCM、水素500SCCM
、アルゴン11005CCを供給し、マイクロ波(2,
45GHz)出カフ 00W、ガス圧カフ 0To r
 rで200時間成長を行ったところ平均580μmの
ダイヤモンド膜を得た。 [0024] このダイヤモンド膜の断面を研磨して光学顕微鏡によっ
て粒界を観察したところ、成長面から500μm以上に
わたって柱状に成長した膜であることがわかった。基板
を酸で除去し、成長面及び基板との界面を研磨して最終
的に9X9XO45mmのサイズのダイヤモンド層を得
た。ダイヤモンド層の両面の平滑度は0.1μm以下で
、光学顕微鏡で観察したところ、上下面を貫通する電流
を遮る粒界のない柱状の結晶粒界のみで構成されている
ことを確認した。 研磨後の平均厚さは450μm、基板との界面は平均1
2μm削り落としており、表面荒さ(Rmax)は基板
界面側、成長表面側とも0.1μm以下であった。 このダイヤモンド膜の両面に、Ni、Tiを積層して蒸
着し、両面に8×8mmの電極を形成して放射線検出素
子とした。 この検出素子の両電極間に300Vの電圧を印加し、約
4 M e Vのエネルギーを持つγ線を照射したとこ
ろ、平均30μAの検出電流を得た。γ線を照射しない
ときの暗電流は0.01μ八以下であった。 [0025] 〔実施例2〕実施例1と同様の方法で研磨法、導電層の
種類を変えた放射線検出器を作成した。 導電層の成長時には上記の条件に加えて水素で500p
pmに希釈されたジボランガス(B2 H6)を53C
CM供給しな。 電極形成、感度試験法は1と同じである。つまり電極間
に300Vの電圧を印加し4MeVのγ線を照射したも
のである。検出感度の電流値は暗電流を差し引いた値で
ある。表1に試料の作製条件と検出感度を示す。 [0026]
【表1】 高抵抗多結晶ダイヤモンド層の端面を研磨し或は研磨せ
ず、端面近傍に導電層を設けあるいは設けずに端面に電
極を付けた放射線検出素子の厚み、導電層厚さ、研磨の
有無と、300Vの電圧を印加し4 M e Vのγ線
を照射した場合の感度[0027] No、1はダイヤモンド成長層の厚みが340μmで、
端面を研磨せず端部近傍に導電層を設けなかったもので
あり感度は3μAと小さい。これは多結晶ダイヤモンド
の両面近傍の欠陥や粒界により移動度が低くなるためで
ある。両面近傍に電圧がかかり放射線によるキャリヤ対
生成も少ない。NO,2はダイヤモンド成長層の厚みが
300Atmで、基板側の端面を研磨したものである。 成長側の端面は研磨していないし導電層も設けていない
。感度は18μAとかなり高くなる。NO63はダイヤ
モンド成長層の厚みが320/imで、両面を研磨した
ものである。導電層はない。感度は35μAで先程のN
O12の約2倍になっている。 これらはダイヤモンド成長層の端面を研磨することが有
効であることを示す。N014はダイヤモンド成長層の
厚みが170μmで、両面を研磨したものである。感度
は39μAで最も良い。N005はダイヤモンド成長層
の厚みが370μmで、端面研磨せず、基板側に厚み2
0μmの導電層を形成したものである。感度は22μA
でかなり良い。N006はダイヤモンド成長層の厚みは
370μmで、端面研磨せず、基板側に厚み20μmの
導電層、成長面側に30μmの導電層を設けたものであ
る。感度は36μAでこれも優れている。この結果から
ダイヤモンド成長層は両面研磨したほうがよく導電層は
両面に形成した方が良いということが分かる。 [0028]
【発明の効果】
本発明によれば、安価で、大面積、高感度、高速応答の
放射線検出素子が得られる。放射線検出に用いるのは多
結晶ダイヤモンドであるが、両端面近傍を研磨除去ある
いは両端面近傍に導電層を形成しているから、キャリヤ
が粒界を横切らないかあるいは横切るにしてもキャリヤ
の多い部分であるようにしであるので、実質的に高移動
度である。このためシリコンの検出素子よりも応答速度
が速い。 また検出部分がSiのようにpn接合近傍の空乏層だけ
ではなく、ダイヤモンド層の大部分で放射線を感受し電
子正孔対を発生するからこの意味でも高感度である。ダ
イヤモンドであるので、耐環境性が優れている。電極や
その他の部分に適当な材料を選べば高温や腐蝕性の雰囲
気でも使用できる。 単結晶ダイヤモンドを用いるものに比べてきわめて安価
である。単結晶ダイヤモンドの場合は大きいものがない
が、本発明の場合は基板の上に成長させた多結晶ダイヤ
モンドを用いるので大面積の検出素子とすることができ
る。放射線検出素子の場合ある程度の面積があるという
ことは便利なことである。
【図面の簡単な説明】 【図1】 ダイヤモンドを成長させるべき基板の断面図である。 【図2】 多結晶ダイヤモンドを基板上に成長させた状態の断面図
である。 【図3】 基板を除去した状態を示す断面図である。 【図4】 ダイヤモンド層の両面を研磨した状態の断面図である。 【図5】 ダイヤモンド層の両面に電極を付けた状態の断面図であ
る。 【図6】 基板の上に結晶方位が多様で微小なダイヤモンド粒が成
長し始める初期の状態を示す断面図である。斜線を付し
たものが(100)に配向したものである。 【図7】 基板の上に成長したダイヤモンド粒のうち(100)方
位に配向したものを除いた状態の断面図である。 【図8】 (100)に配向したものから成長したダイヤモンド多
結晶を示す断面図である。   【図9】 ダイヤモンドを成長させるべき基板の断面図である。 【図10】 基板の上にダイヤモンド導電層を薄く成長させた状態の
断面図である。 【図11】 ダイヤモンド導電層の上に高抵抗ダイヤモンド層を成長
させた状態の断面図である。 【図12】 高抵抗ダイヤモンド層の上に導電性ダイヤモンドを薄く
成長させたものの断面図である。 【図13】 ダイヤモンドから基板を除去した状態を示す断面図であ
る。 【図14】 ダイヤモンドの両面に電極を設けた状態を示す断面図で
ある。 【符号の説明】 1 基板 2 ダイヤモンド層 3電極 4電極 7 ダイヤモンド導電層 8 ダイヤモンド高抵抗層 9 ダイヤモンド導電層 【書類芯】 【図1】 【図2】 【図3】 図面 基板除去 【図4】 【図5】 【図6】 両面研磨 ダイヤモンド成長 【図7】 【図9】 (100)からのダイヤモンド成長 基板 【図101 【図11】 【図13】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも二つの金属電極層とこれらによ
    って挟まれた半導体層からなり金属電極間に電圧を印加
    し半導体層に放射線が入射した時に電極間に電流が流れ
    るようにした放射線検出素子であって、半導体層として
    高抵抗の多結晶ダイヤモンドを用い、その多結晶ダイヤ
    モンドが電圧を印加する方向に粒界を持たず、粒界を貫
    通する事なく電極から電極へ電流が流れ得るようにした
    事を特徴とする放射線検出素子。
  2. 【請求項2】少なくとも二つの金属電極層とこれらによ
    って挟まれた半導体層からなり金属電極間に電圧を印加
    し半導体層に放射線が入射した時に電極間に電流が流れ
    るようにした放射線検出素子であって、半導体層として
    多結晶ダイヤモンドを用い、放射線検出半導体層として
    用いる高抵抗多結晶ダイヤモンドの一方の面または両方
    の面に導電性ダイヤモンド層が設けられ、高抵抗半導体
    層が導電性ダイヤモンド層を介して金属電極層に接する
    ことを特徴とする放射線検出素子。
  3. 【請求項3】少なくとも炭素含有気体を原料として、基
    板上に気相合成法によって面に垂直な柱状の高抵抗多結
    晶ダイヤモンド層を成長させ、基板を除去した後ダイヤ
    モンド層の両面に金属電極層を設けることを特徴とする
    放射線検出素子の製造方法。
  4. 【請求項4】少なくとも炭素含有気体を原料として、基
    板上に気相合成法によって面に垂直な柱状の高抵抗の多
    結晶ダイヤモンド層を成長させ、基板を除去した後に、
    ダイヤモンド層の成長面側又は基板との界面側の少なく
    とも一方を5μm以上削り落とし、ダイヤモンド層の両
    面に金属電極を設けることを特徴とする放射線検出素子
    の製造方法。
  5. 【請求項5】少なくとも炭素とホウ素を含む気体を原料
    として基板の上に薄く導電性ダイヤモンド層を形成し、
    その後少なくとも炭素含有気体を原料として、導電性ダ
    イヤモンド層の上に気相合成法によって面に垂直な柱状
    の高抵抗多結晶ダイヤモンド層を成長させ、基板を除去
    した後に、ダイヤモンド層の両面に金属電極層を設ける
    ことを特徴とする放射線検出素子の製造方法。
  6. 【請求項6】少なくとも炭素とホウ素を含む気体を原料
    として基板の上に薄く導電性ダイヤモンド層を形成し、
    その後少なくとも炭素含有気体を原料として、導電性ダ
    イヤモンド層の上に気相合成法によって面に垂直な柱状
    の高抵抗多結晶ダイヤモンド層を成長させ、さらに高抵
    抗ダイヤモンド層の上に少なくとも炭素とホウ素を含む
    基体を原料として導電性ダイヤモンド層を形成し、基板
    を除去した後に、ダイヤモンド層の両面に金属電極層を
    設けることを特徴とする放射線検出素子の製造方法。
JP2418980A 1990-01-10 1990-12-26 放射線検出素子およびその製造方法 Expired - Fee Related JP2591533B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2418980A JP2591533B2 (ja) 1990-01-10 1990-12-26 放射線検出素子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-3810 1990-01-10
JP381090 1990-01-10
JP2418980A JP2591533B2 (ja) 1990-01-10 1990-12-26 放射線検出素子およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04145668A true JPH04145668A (ja) 1992-05-19
JP2591533B2 JP2591533B2 (ja) 1997-03-19

Family

ID=26337448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2418980A Expired - Fee Related JP2591533B2 (ja) 1990-01-10 1990-12-26 放射線検出素子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2591533B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003527611A (ja) * 2000-03-15 2003-09-16 デ ビアス インダストリアル ダイアモンズ (プロプライエタリイ)リミテッド ダイヤモンド放射線検出器
JP2011139069A (ja) * 2009-12-30 2011-07-14 Commissariat A L'energie Atomique & Aux Energies Alternatives 集積ダイアモンド変換画素化撮像装置及びその製造方法
JP2013543588A (ja) * 2010-10-07 2013-12-05 コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ 液体媒体中の核測定のために電気化学支援のアルファ検出器を用いる検出方法
JP2013543587A (ja) * 2010-10-07 2013-12-05 コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ アルファ線のinsitu直接測定のためのシステム及びこれに関連する溶液中におけるアルファ放射性核種の放射能を定量化するための方法
WO2020003603A1 (ja) * 2018-06-26 2020-01-02 国立大学法人京都大学 放射線検出器、及び放射線検出器の製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003527611A (ja) * 2000-03-15 2003-09-16 デ ビアス インダストリアル ダイアモンズ (プロプライエタリイ)リミテッド ダイヤモンド放射線検出器
JP2011064698A (ja) * 2000-03-15 2011-03-31 De Beers Industrial Diamond Pty Ltd ダイヤモンド放射線検出器
JP4753519B2 (ja) * 2000-03-15 2011-08-24 デ ビアス インダストリアル ダイアモンズ (プロプライエタリイ)リミテッド ダイヤモンド放射線検出器
JP2011139069A (ja) * 2009-12-30 2011-07-14 Commissariat A L'energie Atomique & Aux Energies Alternatives 集積ダイアモンド変換画素化撮像装置及びその製造方法
JP2013543588A (ja) * 2010-10-07 2013-12-05 コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ 液体媒体中の核測定のために電気化学支援のアルファ検出器を用いる検出方法
JP2013543587A (ja) * 2010-10-07 2013-12-05 コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ アルファ線のinsitu直接測定のためのシステム及びこれに関連する溶液中におけるアルファ放射性核種の放射能を定量化するための方法
WO2020003603A1 (ja) * 2018-06-26 2020-01-02 国立大学法人京都大学 放射線検出器、及び放射線検出器の製造方法
CN112313543A (zh) * 2018-06-26 2021-02-02 国立大学法人京都大学 放射线检测器、及放射线检测器的制造方法
JPWO2020003603A1 (ja) * 2018-06-26 2021-07-08 国立大学法人京都大学 放射線検出器、及び放射線検出器の製造方法
TWI813632B (zh) * 2018-06-26 2023-09-01 國立大學法人京都大學 放射線檢測器、及放射線檢測器之製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2591533B2 (ja) 1997-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Funaki et al. Growth and characterization of CdTe single crystals for radiation detectors
Stehl et al. Efficiency of dislocation density reduction during heteroepitaxial growth of diamond for detector applications
RU2237912C2 (ru) Детектор излучения, выполненный из алмаза
JPH0481352B2 (ja)
Katz The epitaxy of copper on sapphire
Wang et al. Crystal growth and detector performance of large size high-purity Ge crystals
US5079425A (en) Radiation detecting element
Liu et al. Electrical properties of x-ray detector based on bismuth tri-iodide single crystal with electrode configuration considering
Dahal et al. Anisotropic charge carrier transport in free-standing hexagonal boron nitride thin films
Maslyanchuk et al. Performance Comparison of X-and $\gamma $-Ray CdTe Detectors With MoO x, TiO x, and TiN Schottky Contacts
JPH04145668A (ja) 放射線検出素子およびその製造方法
JPH07113870A (ja) ダイヤモンド放射線検出素子
Sajjad et al. Crystal growth, characterization, and fabrication of Cd0. 9Zn0. 1Te monolithic pixelated detectors for high-energy gamma-ray
Choi et al. Growth and fabrication method of CdTe and its performance as a radiation detector
Fornaro et al. Growth of lead iodide platelets for room temperature X-ray detection by the vapor transport method
Zaletin Development of semiconductor detectors based on wide-gap materials
JP6725212B2 (ja) CdTe系化合物半導体及びそれを用いた放射線検出素子
JPH0769789A (ja) 高配向性ダイヤモンド薄膜
Squillante et al. Other materials: Status and prospects
Squillante et al. New compound semiconductor materials for nuclear detectors
Liao et al. Submicron metal-semiconductor-metal diamond photodiodes toward improving the responsivity
Gawron et al. Recent progress in LWIR HOT photoconductors based on MOCVD grown (100) HgCdTe
Wu et al. Radiation detectors fabricated on high-purity GaAs epitaxial materials
Mandal et al. Crystal Growth and Characterization of CdTe and Cd0. 9Zn0. 1Te for Nuclear Radiation Detectors
Zaveryukhin et al. Cadmium telluride thin-film detectors of nuclear radiation

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071219

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081219

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091219

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees