JPH0414201A - ポリエチレングリコール―炭素粉末系正特性電気抵抗組成物 - Google Patents
ポリエチレングリコール―炭素粉末系正特性電気抵抗組成物Info
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- JPH0414201A JPH0414201A JP11634890A JP11634890A JPH0414201A JP H0414201 A JPH0414201 A JP H0414201A JP 11634890 A JP11634890 A JP 11634890A JP 11634890 A JP11634890 A JP 11634890A JP H0414201 A JPH0414201 A JP H0414201A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
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Description
[産業上の利用分野]
本発明は、面状発熱体等に用いる自己温度調節可能な正
特性を有するポリエチレングリコール−炭素粉末系正特
性電気抵抗組成物の電気的安定性、安全性の向上を目的
に開発されたものである。 (従来の技術] ■ポリエチレングリコール(以下PEG)−黒鉛(GC
)系の組成物は感熱電気抵抗組成物、自己温度調節面状
発熱体等として有用であり、現在出願中である(例えば
、特開昭60−140692号、同60−158586
号、同62−65401号、同63−48788号、
特願昭63−225183号、同63−326485号
)。 PEG−GC系組成物においてはスイッチング温度が系
に用いたPEGの分子量に依存するので所定の温度範囲
内(10〜70℃)の任意の固有定常発熱温度を有する
発熱体が可能である(特開昭62−65401号)。 PEG−GC系の極大抵抗値(Rmax)と、20℃に
おける抵抗値との比を、コントラスト比(γ)と定義す
ると、 y = (Rmax/ Rzoc) となる、 PEG(#6,000)−GC系よりなる
面状発熱体のγは、GC濃度にもよるが実用範囲のGO
濃度(この濃度領域では高いγを示す)では、大体子の
オーダーであった。
特性を有するポリエチレングリコール−炭素粉末系正特
性電気抵抗組成物の電気的安定性、安全性の向上を目的
に開発されたものである。 (従来の技術] ■ポリエチレングリコール(以下PEG)−黒鉛(GC
)系の組成物は感熱電気抵抗組成物、自己温度調節面状
発熱体等として有用であり、現在出願中である(例えば
、特開昭60−140692号、同60−158586
号、同62−65401号、同63−48788号、
特願昭63−225183号、同63−326485号
)。 PEG−GC系組成物においてはスイッチング温度が系
に用いたPEGの分子量に依存するので所定の温度範囲
内(10〜70℃)の任意の固有定常発熱温度を有する
発熱体が可能である(特開昭62−65401号)。 PEG−GC系の極大抵抗値(Rmax)と、20℃に
おける抵抗値との比を、コントラスト比(γ)と定義す
ると、 y = (Rmax/ Rzoc) となる、 PEG(#6,000)−GC系よりなる
面状発熱体のγは、GC濃度にもよるが実用範囲のGO
濃度(この濃度領域では高いγを示す)では、大体子の
オーダーであった。
■前記従来の技術におけるPEG−GC系組成物におい
ては自己温度調節発熱体として使用する場合の安全性を
考えると、このγ値が高い方が望ましい。また■固有定
常発熱温度に関してはPEG−GC系において温度が抵
抗極大温度を越えると、抵抗値が減少する。そこで、非
常に極端な状況、例えば雰囲気温度がスイッチング温度
に近い温度又はスイッチング温度を越えるような環境で
使用した場合には、ヒーターの熱暴走も起こり得る。し
たがって、これらを解決することが課題であった。
ては自己温度調節発熱体として使用する場合の安全性を
考えると、このγ値が高い方が望ましい。また■固有定
常発熱温度に関してはPEG−GC系において温度が抵
抗極大温度を越えると、抵抗値が減少する。そこで、非
常に極端な状況、例えば雰囲気温度がスイッチング温度
に近い温度又はスイッチング温度を越えるような環境で
使用した場合には、ヒーターの熱暴走も起こり得る。し
たがって、これらを解決することが課題であった。
【課題を解決するための手段]
本発明ではPEG−GC系組成物を使用する自己温度調
節面状発熱体等の安全性に検討を加えて、下記に示すよ
うな三種類の組成物を開発したのである。すなわち。 ■PEGとGC粉末の混合物系において、分子量1万以
下のPEGに分子量1万〜10万のPEGを混合して得
られるハイコントラストなPEG−GC系正特性電気抵
抗組成物、 ■PEGとGOの混合物系において分子量1万以下のポ
リエチレングリコールに分子量10万〜100万のPE
Gを混合して得られる広温度領域高抵抗のPEG−GC
粉末系正特性電気抵抗組成物、及び■上記■、■の混合
で得られるハイコントラストかつ広温度領域高抵抗のP
EG−GC粉末系正特性電気抵抗組成物、 である。 ここにいうハイコントラストなとは、スイッチング温度
(自己調節温度)におけるコントラスト比(y)が高い
ことをいう。また、広温度領域高抵抗のとは、スイッチ
ング温度から高温側で広い温度領域にわたって高抵抗値
を示すことをいう。 【作用1 上記■の組成としたことにより、コントラスト比(γ)
が従来の千のオーダーから万のオーダーへと1桁以上増
す、この理由については現在のところ研究中であり、ま
だ結論が出せる段階にはきていない、しかしながらハイ
コントラストの理由については1次のように推論できる
。PEG−GC系のスイッチング現象とバルクのPEG
の誘電率の温度特性とは密接な関係がある。すなわち、
バルクのPEGの誘電率が極大を示すとき、PEG−G
C系の抵抗値も極大となる。したがってハイコントラス
トな系を得るには高い誘電率ピークをもつPEGを用い
ればよい。特に分子量2〜5万程度のPEGが高い誘電
率ピークを示す。PEGはこの程度の分子量までは高い
結晶化度を示すが、分子量10万を越えると無定形領域
が出てきて結晶化度が低下する。PEGの誘電率ピーク
を生ずる理由がエーテル結合の双極子のある方向成分の
増加によるならば、結晶領域内で分子鎖の長い上記の2
〜5万のPEGが高い誘電率ピークを示すことが説明で
きる。したがって、この領域の分子量のPEGがハイコ
ントラストのヒータを与える。 また、■の組成としたことによりスイッチング後の高抵
抗の温度領域が広くなる。この点を詳細に説明すると、
従来のPEG−GC系の温度抵抗特性を第1図中に示し
た。すなわち、25wt%のGCを P E G #
6,000に添加した系(第1図×印)においては、抵
抗極大温度(62,7℃)を越えた温度では、抵抗値は
最初は急激に減少し、その後減少は鈍ってきて20℃の
抵抗値より大体1桁高い値の所に落ち着く。ただし、系
の温度が抵抗極大温度を越えると、直ちに抵抗値が減少
するのではない。 すなわち第1図に示した値は、系にそれぞれ対応する温
度に十分な時間を保持して、抵抗値が一定となったのを
確認した後測定した値であり、ピーり温度近辺では一定
値を読み取るのに1時間程度はかけている。 抵抗極大温度を越えた温度領域での抵抗値の減少を鈍化
させるには1分子量10万を越えるようなPEGを用い
れば解決することが判明している。 ただし、分子量が10万を越えると無定形の部分が出現
しはじめ、スイッチングのコントラストは弱くなる傾向
が見られる。また、分子量が数千〜5万程度のものに較
べ、GCを混合したりする上での作業性は悪くなってく
る。しかし、分子量が10万以上のPEG単体を用いて
も、当初の目的の自己温度調節面状発熱体を製作するこ
とは可能である。 ここでは、コントラスト、作業性を維持する目的でP
E G # 6,000に対して、特に、分子量15〜
40万のPEGを添加した系を用いた。同じく第1図に
G C(25wt%)、 P E G # 6,00
0(65vt%)及びPEG(分子量:I5〜40万)
(10wt%)の組成の面状発熱体の温度抵抗特性を示
す(0印)。図より明らかなように、極大抵抗温度を越
えたときの抵抗値の減少は、 P E G # 6,0
00単体のときに比して極めて緩やかであることが分か
る。また図において、それぞれの場合の20℃と70℃
の抵抗値の比較をする。 この場合70℃の抵抗値(Rtoi)と20℃の抵抗値
(R2゜、)との比をγで表すことにする。すなわち、
γ: R76v/ Rzoc P E G # 6,000単体を用いた系の場合(第
1図×印)はγ値は約14であるのに対して、分子量1
5〜40万のPEGを加えた(0印)場合は460程度
にもなる。 この性質は、系がなんらかの理由で極大抵抗温度以上に
なった場合に、熱暴走の状態にはなり難いことを示して
いる。したがってこの性質は、系がヒータとして用いら
れる場合、高い安全性が期待できることになる。 分子量が10万を越えるようなPEGを用いた場合の極
大抵抗温度以上の温度領域での抵抗値減少の鈍化を説明
するのに十分な根拠を示すことは、現在のところ困難で
ある。PEG−GC系の電気伝導に関する基礎研究の成
果を待たねばならない。 これまでに分かっていることは、従来知られている系の
ような導電性粒子の直接接触によるオーミック伝導、ま
た粒子の間隙を通しての単なるトンネル伝導だけではP
EG−GC系の伝導性は説明できない、GC粒子間に介
在するPEGの薄い層が重要な役割を演じている。分子
量が高い場合、PEG層内には無定形の部分が増加する
ことはDSCの結果からも明らかであり、また熔融後の
系の粘性も高くなってくるので、熔融後エーテル結合の
双極子が完全にランダムになるのに抵抗を受けるのでは
ないかと推定される。もしそうであれば、5万以下の分
子量のPEG系で提唱されているような、極大温度にお
ける双極子のある方向成分が増加した後、ランダムにな
るといった現象は。 分子量が高い場合には極大温度以上の温度領域でも、あ
る方向成分のまま幾分かの双極子が残った状態のままで
いて、これが抵抗値減少の鈍化につながると考えること
はできる。 【実施例】 以下実施例によって本発明の組成物の特性を詳細に説明
する。 ここでハイコントラストなスイッチング特性を備えたP
EG−GC系の実施例1〜3について示す。なお同時に
比較例を示した。 実施例1 第一工業製薬■製P E G (# 20,000)7
5重量部を120℃で加熱熔融し、これに25重量部の
黒鉛(西村黒鉛■製9090−3O0を撹拌しながら混
合し、 フィルム間に挾んで面状発熱体とした。この面
状発熱体は幅80m、長さ100閣であって、長さ方向
両側に電極が設けられている。この面状発熱体を小松エ
レクトロニクス社製空気恒温槽(COOLNC00LN
IC5CTG−520)中で温度制御を行い、各温度に
おける抵抗値をデジタルマルチメータ(タケダリケンT
R−6841)で測定した。この結果を第1図中に示し
た(O印)。 このグラフからスイッチング温度(65
℃付近)における抵抗値が高く、 コントラスト比(γ
)が万のオーダーであることが分かる。 実施例2 P E G # 6,000を加熱熔融し、同重量のP
EG#20,000を混合し、この混合物75部に対し
て25部のGCを上記の方法で混合し、面状発熱体を作
製し、各温度における抵抗値を測定した。この結果を第
1図中に示した(Δ印)。 このグラフからもスイッチング温度(62℃付近)にお
ける抵抗値が高く、コントラスト比(γ)が万のオーダ
ーであることが分かる。 実施例3 次に、第一工業製薬P E G (# 6,000)6
5重量部及び製鉄化学工業製高分子量PEG [PE0
−I分子量15〜40万コ10重量部を加熱混合熔融し
、これに25重量部の黒鉛(日本黒鉛製)を撹拌しなが
ら混合し、面状発熱体とした。これを前記実施例同様空
気恒温槽で温度制御を行い、各温度における抵抗値を測
定した。この結果を第1図中に示した(0印)。 スイッチング温度(60℃付近)における抵抗値も高く
、スイッチング温度からそれ以上の高い温度に至るまで
高抵抗の温度領域が広がっていることが立証された。 実施例4 ポリエチレングリコール(第一工業製薬#fi、000
)ポリエチレングリコール(第一工業製薬# 20,0
00)及びポリエチレンオキシド(製鉄化学工業PE○
−I)の混合物(7:7:2重量比)75重量部を加熱
熔融し、 これに対して画材黒鉛グラファイト(90−
300M )25重量部を添加混合して電極間距離1o
an、長さ30CII+の面状発熱体を作製した。この
面状発熱体の各温度における抵抗値を測定し第2図に示
した。第2図から解るように、ポリエチレングリコール
、ポリエチレンオキシドの3種混合系においては、ハイ
コントラスト型の特性と、広温度領域高抵抗型の特性と
を兼ね備えている。 比較例 75部の第一工業製薬P E G # 6,000を用
い、実施例1と同じ方法で25部のGCを撹拌混合し1
面状発熱体を作製しく比較例)、各温度における抵抗値
を測定した。 この結果を第1図中に示した(X印)。 これよりコントラスト比(γ)が千のオーダーであり、
高抵抗領域も狭いことが分かる。
節面状発熱体等の安全性に検討を加えて、下記に示すよ
うな三種類の組成物を開発したのである。すなわち。 ■PEGとGC粉末の混合物系において、分子量1万以
下のPEGに分子量1万〜10万のPEGを混合して得
られるハイコントラストなPEG−GC系正特性電気抵
抗組成物、 ■PEGとGOの混合物系において分子量1万以下のポ
リエチレングリコールに分子量10万〜100万のPE
Gを混合して得られる広温度領域高抵抗のPEG−GC
粉末系正特性電気抵抗組成物、及び■上記■、■の混合
で得られるハイコントラストかつ広温度領域高抵抗のP
EG−GC粉末系正特性電気抵抗組成物、 である。 ここにいうハイコントラストなとは、スイッチング温度
(自己調節温度)におけるコントラスト比(y)が高い
ことをいう。また、広温度領域高抵抗のとは、スイッチ
ング温度から高温側で広い温度領域にわたって高抵抗値
を示すことをいう。 【作用1 上記■の組成としたことにより、コントラスト比(γ)
が従来の千のオーダーから万のオーダーへと1桁以上増
す、この理由については現在のところ研究中であり、ま
だ結論が出せる段階にはきていない、しかしながらハイ
コントラストの理由については1次のように推論できる
。PEG−GC系のスイッチング現象とバルクのPEG
の誘電率の温度特性とは密接な関係がある。すなわち、
バルクのPEGの誘電率が極大を示すとき、PEG−G
C系の抵抗値も極大となる。したがってハイコントラス
トな系を得るには高い誘電率ピークをもつPEGを用い
ればよい。特に分子量2〜5万程度のPEGが高い誘電
率ピークを示す。PEGはこの程度の分子量までは高い
結晶化度を示すが、分子量10万を越えると無定形領域
が出てきて結晶化度が低下する。PEGの誘電率ピーク
を生ずる理由がエーテル結合の双極子のある方向成分の
増加によるならば、結晶領域内で分子鎖の長い上記の2
〜5万のPEGが高い誘電率ピークを示すことが説明で
きる。したがって、この領域の分子量のPEGがハイコ
ントラストのヒータを与える。 また、■の組成としたことによりスイッチング後の高抵
抗の温度領域が広くなる。この点を詳細に説明すると、
従来のPEG−GC系の温度抵抗特性を第1図中に示し
た。すなわち、25wt%のGCを P E G #
6,000に添加した系(第1図×印)においては、抵
抗極大温度(62,7℃)を越えた温度では、抵抗値は
最初は急激に減少し、その後減少は鈍ってきて20℃の
抵抗値より大体1桁高い値の所に落ち着く。ただし、系
の温度が抵抗極大温度を越えると、直ちに抵抗値が減少
するのではない。 すなわち第1図に示した値は、系にそれぞれ対応する温
度に十分な時間を保持して、抵抗値が一定となったのを
確認した後測定した値であり、ピーり温度近辺では一定
値を読み取るのに1時間程度はかけている。 抵抗極大温度を越えた温度領域での抵抗値の減少を鈍化
させるには1分子量10万を越えるようなPEGを用い
れば解決することが判明している。 ただし、分子量が10万を越えると無定形の部分が出現
しはじめ、スイッチングのコントラストは弱くなる傾向
が見られる。また、分子量が数千〜5万程度のものに較
べ、GCを混合したりする上での作業性は悪くなってく
る。しかし、分子量が10万以上のPEG単体を用いて
も、当初の目的の自己温度調節面状発熱体を製作するこ
とは可能である。 ここでは、コントラスト、作業性を維持する目的でP
E G # 6,000に対して、特に、分子量15〜
40万のPEGを添加した系を用いた。同じく第1図に
G C(25wt%)、 P E G # 6,00
0(65vt%)及びPEG(分子量:I5〜40万)
(10wt%)の組成の面状発熱体の温度抵抗特性を示
す(0印)。図より明らかなように、極大抵抗温度を越
えたときの抵抗値の減少は、 P E G # 6,0
00単体のときに比して極めて緩やかであることが分か
る。また図において、それぞれの場合の20℃と70℃
の抵抗値の比較をする。 この場合70℃の抵抗値(Rtoi)と20℃の抵抗値
(R2゜、)との比をγで表すことにする。すなわち、
γ: R76v/ Rzoc P E G # 6,000単体を用いた系の場合(第
1図×印)はγ値は約14であるのに対して、分子量1
5〜40万のPEGを加えた(0印)場合は460程度
にもなる。 この性質は、系がなんらかの理由で極大抵抗温度以上に
なった場合に、熱暴走の状態にはなり難いことを示して
いる。したがってこの性質は、系がヒータとして用いら
れる場合、高い安全性が期待できることになる。 分子量が10万を越えるようなPEGを用いた場合の極
大抵抗温度以上の温度領域での抵抗値減少の鈍化を説明
するのに十分な根拠を示すことは、現在のところ困難で
ある。PEG−GC系の電気伝導に関する基礎研究の成
果を待たねばならない。 これまでに分かっていることは、従来知られている系の
ような導電性粒子の直接接触によるオーミック伝導、ま
た粒子の間隙を通しての単なるトンネル伝導だけではP
EG−GC系の伝導性は説明できない、GC粒子間に介
在するPEGの薄い層が重要な役割を演じている。分子
量が高い場合、PEG層内には無定形の部分が増加する
ことはDSCの結果からも明らかであり、また熔融後の
系の粘性も高くなってくるので、熔融後エーテル結合の
双極子が完全にランダムになるのに抵抗を受けるのでは
ないかと推定される。もしそうであれば、5万以下の分
子量のPEG系で提唱されているような、極大温度にお
ける双極子のある方向成分が増加した後、ランダムにな
るといった現象は。 分子量が高い場合には極大温度以上の温度領域でも、あ
る方向成分のまま幾分かの双極子が残った状態のままで
いて、これが抵抗値減少の鈍化につながると考えること
はできる。 【実施例】 以下実施例によって本発明の組成物の特性を詳細に説明
する。 ここでハイコントラストなスイッチング特性を備えたP
EG−GC系の実施例1〜3について示す。なお同時に
比較例を示した。 実施例1 第一工業製薬■製P E G (# 20,000)7
5重量部を120℃で加熱熔融し、これに25重量部の
黒鉛(西村黒鉛■製9090−3O0を撹拌しながら混
合し、 フィルム間に挾んで面状発熱体とした。この面
状発熱体は幅80m、長さ100閣であって、長さ方向
両側に電極が設けられている。この面状発熱体を小松エ
レクトロニクス社製空気恒温槽(COOLNC00LN
IC5CTG−520)中で温度制御を行い、各温度に
おける抵抗値をデジタルマルチメータ(タケダリケンT
R−6841)で測定した。この結果を第1図中に示し
た(O印)。 このグラフからスイッチング温度(65
℃付近)における抵抗値が高く、 コントラスト比(γ
)が万のオーダーであることが分かる。 実施例2 P E G # 6,000を加熱熔融し、同重量のP
EG#20,000を混合し、この混合物75部に対し
て25部のGCを上記の方法で混合し、面状発熱体を作
製し、各温度における抵抗値を測定した。この結果を第
1図中に示した(Δ印)。 このグラフからもスイッチング温度(62℃付近)にお
ける抵抗値が高く、コントラスト比(γ)が万のオーダ
ーであることが分かる。 実施例3 次に、第一工業製薬P E G (# 6,000)6
5重量部及び製鉄化学工業製高分子量PEG [PE0
−I分子量15〜40万コ10重量部を加熱混合熔融し
、これに25重量部の黒鉛(日本黒鉛製)を撹拌しなが
ら混合し、面状発熱体とした。これを前記実施例同様空
気恒温槽で温度制御を行い、各温度における抵抗値を測
定した。この結果を第1図中に示した(0印)。 スイッチング温度(60℃付近)における抵抗値も高く
、スイッチング温度からそれ以上の高い温度に至るまで
高抵抗の温度領域が広がっていることが立証された。 実施例4 ポリエチレングリコール(第一工業製薬#fi、000
)ポリエチレングリコール(第一工業製薬# 20,0
00)及びポリエチレンオキシド(製鉄化学工業PE○
−I)の混合物(7:7:2重量比)75重量部を加熱
熔融し、 これに対して画材黒鉛グラファイト(90−
300M )25重量部を添加混合して電極間距離1o
an、長さ30CII+の面状発熱体を作製した。この
面状発熱体の各温度における抵抗値を測定し第2図に示
した。第2図から解るように、ポリエチレングリコール
、ポリエチレンオキシドの3種混合系においては、ハイ
コントラスト型の特性と、広温度領域高抵抗型の特性と
を兼ね備えている。 比較例 75部の第一工業製薬P E G # 6,000を用
い、実施例1と同じ方法で25部のGCを撹拌混合し1
面状発熱体を作製しく比較例)、各温度における抵抗値
を測定した。 この結果を第1図中に示した(X印)。 これよりコントラスト比(γ)が千のオーダーであり、
高抵抗領域も狭いことが分かる。
本発明のポリエチレングリコール−炭素粉末系正特性電
気抵抗組成物は以上のようなハイコントラストなスイッ
チング特性又は高抵抗の状態が広い温度領域に及ぶ性質
を有しており、自己温度調節面状発熱体(ヒータ)等に
用いた場合の使用時の熱暴走を防ぐ等、安全性、信頼性
を高めることが可能となった。
気抵抗組成物は以上のようなハイコントラストなスイッ
チング特性又は高抵抗の状態が広い温度領域に及ぶ性質
を有しており、自己温度調節面状発熱体(ヒータ)等に
用いた場合の使用時の熱暴走を防ぐ等、安全性、信頼性
を高めることが可能となった。
第1,2図は温度抵抗特性を示すグラフである。
以上
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ポリエチレングリコールと炭素粉末の混合物系正特
性電気抵抗組成物において、分子量1万以下のポリエチ
レングリコールに分子量1万〜10万のポリエチレング
リコールを混合することを特徴とするハイコントラスト
なポリエチレングリコール−炭素粉末系正特性電気抵抗
組成物。 2 ポリエチレングリコールと炭素粉末の混合物系にお
いて、分子量1万以下のポリエチレングリコールに分子
量10万〜100万のポリエチレングリコールを混合す
ることを特徴とする広温度領域高抵抗のポリエチレング
リコール−炭素粉末系正特性電気抵抗組成物。 3 ポリエチレングリコール−炭素粉末系正特性電気抵
抗組成物において、分子量1万以下のポリエチレングリ
コールに分子量1万〜10万のポリエチレングリコール
と 分子量10万〜100万のポリエチレングリコール
を混合することを特徴とするハイコントラストかつ広温
度領域高抵抗のポリエチレングリコール−炭素粉末系正
特性電気抵抗組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11634890A JPH0414201A (ja) | 1990-05-02 | 1990-05-02 | ポリエチレングリコール―炭素粉末系正特性電気抵抗組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11634890A JPH0414201A (ja) | 1990-05-02 | 1990-05-02 | ポリエチレングリコール―炭素粉末系正特性電気抵抗組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0414201A true JPH0414201A (ja) | 1992-01-20 |
Family
ID=14684730
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11634890A Pending JPH0414201A (ja) | 1990-05-02 | 1990-05-02 | ポリエチレングリコール―炭素粉末系正特性電気抵抗組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0414201A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5982271A (en) * | 1996-11-28 | 1999-11-09 | Tdk Corporation | Organic positive temperature coefficient thermistor |
-
1990
- 1990-05-02 JP JP11634890A patent/JPH0414201A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5982271A (en) * | 1996-11-28 | 1999-11-09 | Tdk Corporation | Organic positive temperature coefficient thermistor |
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