JPH0413958B2 - - Google Patents

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JPH0413958B2
JPH0413958B2 JP61179114A JP17911486A JPH0413958B2 JP H0413958 B2 JPH0413958 B2 JP H0413958B2 JP 61179114 A JP61179114 A JP 61179114A JP 17911486 A JP17911486 A JP 17911486A JP H0413958 B2 JPH0413958 B2 JP H0413958B2
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Shigeru Tanaka
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Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、鉄鋼圧延機、水道ポンプあるいはト
ンネル排気用ブロア等に利用される高速大容量の
交流電動機駆動装置に関する。
(従来の技術) 電動機は大きく分けて、直流電動機と交流電動
機がある。前者はトルクリツプルが小さく、制御
性能に優れ、取扱い易いという利点があり、広い
分野で利用されてきた。しかし、ブラシや整流子
の保守に手間がかかり、高速化や大容量化に限度
があるため、最近では交流可変速電動機に置き換
えられる傾向にある。
交流電動機の代表的なものは、誘導電動機と同
期電動機である。その他にリラクタンスモータや
ヒステリシスモータ等があるが、適用分野はかな
り限られている。
同期電動機の逆起電力を利用してサイリスタイ
ンバータを自然転流させるものは無整流子電動機
として一般に知られている。この無整流子電動機
は自然転流であるため大容量化が容易で、制御性
能も直流機に近似しており、種々の分野に適用さ
れてきている。しかし、界磁極を必要とするた
め、電動機本体が大きくなり、また、自然転流の
限界からの制約により過負荷耐量が小さい等の欠
点を有する。
誘導電動機、特にかご形誘導電動機はその構造
が簡単で堅牢で取扱い易い利点を有する。反面、
自励インバータが必要となり、当該変換器からの
制約がある。
最近、トランジスタやゲートターンオフサイリ
スタ等の自己消弧素子の大容量化が図られ、上記
自励インバータに用いられるようになつてきた。
特に、パルス幅変調制御(PWM)インバータは
電動機に正弦波電流を供給できるため、トルクリ
ツプルが小さく、低騒音の交流可変速電動機を達
成できる。また、制約法としてはV/f=一定制
御、すべり周波数制御あるいはベクトル制御等の
技術が確立しており、直流機なみの特性が得られ
ることも知られている。
また、交流電源の電圧を利用して自然転流させ
る代表例としてサイクロコンバータがある。この
サイクロコンバータは正弦波電流を電動機に供給
することができ、自然転流であるため大容量化が
容易である等の利点を有する。特に最近では受電
端の入力力率を常に1に制御する無効電力補償形
サイクロコンバータ(特公昭59−14988号)が注
目を集めている。
(発明が解決しようとする問題点) 上記従来の交流電動機駆動装置は各々の長所を
活かし、種々の分野に利用されている。
しかしながら、大容量で高速の電動機を駆動す
る装置となると、上記従来技術では容易に達成す
ることができないのが現状である。
すなわち、サイクロコンバータは自然転流であ
るため、大容量化が容易に図れるが、出力周波数
が低く、高速化が図れない。また、自励インバー
タはトランジスタやゲートターンオフサイリスタ
等の自己消弧素子を必要とし、装置が高価になる
ため、大容量化が難しい等の問題がある。
また、無整流子電動機は自然転流であるため大
容量化が可能で、高速化も比較的容易であるが、
電動機自体が複雑で大形になり、かつ矩形波電流
が電機子巻線に供給されるため、トルクリツプル
が大きい等の問題がある。さらに始動時の転流問
題や過負荷耐量等にも問題が残る。
一方、電動機の大容量化に伴ない、電源側に発
生する無効電力や高調波の影響も無視できなくな
る。無効電力の変動は電源系統電圧の変動をきた
し、同一系統に接続された電気機器に種々の悪影
響を及ぼす。また、高調波電流はテレビやラジオ
あるいは通信線に誘導障害をひき起こし、特に変
換器によつて発生する第3、第5、第7次の高調
波は除去しにくいものとしてきらわれている。
無効電力補償形サイクロコンバータ(特公昭59
−14988号等)は受電端の入力力率を常に1に保
持できる電力変換器として、上記無効電力の問題
を解決する有力な手段であるが、出力周波数に依
存する高調波電流が入力側に現われるため、その
対策に苦慮しなければならない。
さらに、最近では交直電力変換器とアクテイブ
フイルタの機能を合わせもつ電力変換装置(特開
昭59−61475号等)も発表されており、前記自動
インバータ+誘導電動機の装置と組合せた交流電
動機駆動装置が注目されている。この方式は、入
力電流が電源電圧と同相の正弦波に制御されるた
め、高調波が少なく、入力力率を常に1に保持で
きる等の利点を有する反面、変換器はトランジス
タやゲートターンオフサイリスタ等の自己消弧素
子で構成しなければならず、大容量化が難しく、
経済性に難を持つ欠点がある。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたもの
で、商用の電源周波数(50Hzまたは60Hz)に対し
て、交流電動機(誘導電動機、同期電動機、リラ
クタンスモータ等)に0〜数百Hzの正弦波電流を
供給し、かつ電源の入力力率が常に1で高調波が
少ない高速大容量の交流電動機駆動制御装置を提
供することを目的とする。
特に電動機の過負荷運転を容易にし、かつ転負
荷運転時の運転効率を向上させた交流電動機駆動
制御装置を提供しようとするものである。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 以上の目的を達成するために、本発明は交流電
源と、当該交流電源に出力側端子を接続した第1
のサイクロコンバータと、当該第1のサイクロコ
ンバータの入力側端子に接続された高周波進相コ
ンデンサと、該進相コンデンサに入力側端子を接
続した第2のサイクロコンバータと、当該第2の
サイクロコンバータの出力側端子に接続された交
流電動機とから構成される交流電動機駆動装置に
おいて、当該交流電動機の負荷の軽重に応じて前
記進相コンデンサに印加される電圧の周波数を変
化せることにより、過負荷運転を容易にし、かつ
軽負荷運転時の運転効率を向上させている。
(作用) すなわち、第1のサイクロコンバータは、交流
電源と進相コンデンサとの間で電力変換を行うも
ので、当該進相コンデンサに印加される電圧値が
ほぼ一定になるように前記交流電源から供給され
る電流を制御している。このとき、該電源からの
供給電流が電源電圧と同相の正弦波になるように
制御することにより、入力力率が常に1となり、
高調波成分の少ない電流とすることができる。
また、第2のサイクロコンバータは前記進相コ
ンデンサと交流電動機との間で電力変換を行うも
ので、進相コンデンサの周波数を例えば500Hz程
度とした場合、交流電動機の電機子巻線には、0
〜500Hz程度の周波数の正弦波電流を供給するこ
とができる。
このとき、進相コンデンサは第1及び第2のサ
イクロコンバータに対して進み無効電力源となる
もので、その電圧の周波数前記2台のサイクロコ
ンバータの遅れ無効電力と、当該進相コンデンサ
の進み無効電力とが等しくなるように決定され
る。言い換えると、外部の正弦波発振器からコン
バータの位相制御基準信号を与えることにより、
当該基準信号の周波数及び位相に前記進相コンデ
ンサ電圧の周波数及び位相が一致するようにサイ
クロコンバータの循環電流が流れる。
このようにして確立した進相コンデンサ電圧に
より、両サイクロコンバータは自然転流動作だけ
で電力変換を行うことができ、しかも、交流電源
の周波数50Hz(又は60Hz)に対して交流電動機に
0〜数百Hzの正弦波電流を供給することができ
る。
さらに、前記交流電動機の負荷の軽重に応じて
前記進相コンデンサに印加される電圧の周波数を
変化させることにより、荷負荷運転を容易にし、
かつ軽負荷運転時の運転効率を向上させることが
可能となる。
(実施例) 第1図は、本発明の交流電動機駆動装置の実施
例を示す構成図である。
図中、R,S,Tは3相交流電源の受電端子、
CC−1は第1の循環電流式サイクロコンバータ、
CAPは高周波進相コンデンサ、CC−2は第2の
循環電流式サイクロコンバータ、Mは交流電動機
(3相かご形誘導電動機)である。
第1の循環電流式サイクロコンバータCC−1
は、他励コンバータSS1,SS2,SS3と直流リアク
トルL1,L2,L3及び絶縁トランスTR1とで構成
されており、その出力側端子は交流リアクトル
LSR,LSS,LSTを介して、3相交流電源に接続さ
れている。
また、第2の循環電流式サイクロコンバータ
CC−2は他励コンバータSS4,SS5,SS6と直流
リアクトルL4,L5,L6及び絶縁トランスTR2
で構成されており、その出力側端子は交流電動機
Mに接続されている。
上記2台のサイクロコンバータの入力側端子
は、高周波進相コンデンサCAPに接続されてい
る。
また、制御回路として直流電流検出器CT1
CT6、交流電圧検出器PTS,PTCAP、回転パルス
発生器PG、整流回路D、関数発生器FNC、3相
基準電圧発生器OSC、電圧制御回路AVR、速度制
御回路SPC、電流制御回路ACR1,ACR2、位相
制御回路PHC1,PHC2が用意されている。
第1のサイクロコンバータCC−1は△結線さ
れた循環電流式サイクロコンバータで、高周波進
相コンデンサCAPに印加される3相交流電圧Va
Vb,Vcの波高値Vcapがほぼ一定になるように、
3相交流電源から供給される電流IR,IS,ITを制
御する。
また、第2のサイクロコンバータCC−2は、
やはり△結線された循環電流式サイクロコンバー
タで、前記高周波進相コンデンサCAPを3相電
圧源とし、誘導電動機Mに可変電圧可変周波数の
3相交流電力を供給する。
両サイクロコンバータCC−1,CC−2の位相
制御には外部発振器Oscからの3相基準電圧ea
eb,ecの信号を用いており、上記進相コンデンサ
CAPの電圧Va,Vb,Vcの周波数と位相は、当該
基情電圧ea,eb,ecの周波数と位相に一致する。
以下、その詳細な動作説明を行う。
まず、進相コンデンサCAPの電圧Va,Vb,Vc
を確立させるための起動動作を説明する。
説明を簡単にするため、起動時、第2のサイク
ロコンバータはゲートオフしておく。
第2図は3相交流電源の電圧波形を示すもの
で、次式のように表わせる。
VR=Vsn・sinωst …(1) VS=Vsn・sin(ωst−2π/3) …(2) VT=Vsn・sin(ωst+2π/3) …(3) ここで、Vsnは電源電圧波高値、 ωs=2πfsは電源角周波数である。
当該電源の周波数fs(50Hzあるいは60Hz)に対
して、サイクロコンバータCC−1の入力側(進
相コンデンサ側)の周波数fCが十分高いものとす
れば、ある微少時間の間、上記電源電圧VR,VS
VTを直流電圧に置き換えることができる。
第2図のの区間との区間では、各コンバー
タに印加される電圧極性が異なるが、ここでは
の区間を例によつて起動動作を説明する。
第3図は第2図のの区間にサイクロコンバー
タCC−1に印加される電源電圧の極性を表わし
たものである。
コンバータSS1及びSS2には逆電圧が印加され
るため点弧パルスを与えてもオンしない。従つて
コンバータSS3を介して進相コンデンサCAPに充
電される。
第4図はコンバータSS3に順電圧VRTが印加さ
れたときの等価回路を表わすもので、サイリスタ
S1とS5に点弧パルスが入つた場合を示す。
充電電流IRは電源VRT +→サイリスタS5→コンデ
ンサCab→サイリスタS1→リアクトルLs→電源
VRT -の経路と、電源VRT +→サイリスタS5→コン
デンサCbc→コンデンサCca→サイリスタS1→リア
クトルLs→電源VRT -の経路に流れる。この結果、
コンデンサCabには電源電圧VRTが充電され、コ
ンデンサCbc,CcaにはVRT/2の電圧が印加され
る。
第5図はコンバータSS3のサイリスタS1〜S6
点弧モードを示すもので、第1図の3相基準電圧
発生器Oscからの信号に同期して点弧パルスが与
えられる。第4図のモードの後はサイリスタS6
点弧パルスが与えられる。すると、コンデンサ
Cbcに充電された電圧によつてサイリスタS5に逆
バイアス電圧が印加され、S5はオフする。すなわ
ち、起動時には進相コンデンサCAPは転流コン
デンサの役目をはたす。サイリスタS1とS6がオン
すると、コンデンサCab,Cbc,Ccaに印加される
電圧も変化する。
第6図は第5図のモードで点弧されたときの第
4図のa、b端子間の電圧Va-bと相電圧Vaの波
形を表わす。電圧Va-bはリアクトルLsを介して
充電されるため、破線の如く除々に立上る。その
時間を2δとした場合、Va-bの基本波成分はδだ
け遅れる。相電圧Vaは線間電圧Va-bに対して
(π/6)ラジアンだけ位相が遅れる。
第5図の点弧モードと相電圧Vaを比較すると
わかるように起動時の位相制御角α3は α3=π/δ(ラジアン) …(4) となつている。δはあまり大きくないので、近似
的にはα3≒180゜で運転されていることになる。こ
のときのコンバータSS3の出力電圧V3は V3=k・Vcap・cosα3 …(5) となつている。ただし、kは比例定数、Vcapはコ
ンデンサの相電圧波高値となる。
当該出力電圧−V3が電源電圧VRTとつり合つて
いる。しかしこのままでは進相コンデンサCAP
には当該電源電圧VRT以上の電圧は充電されな
い。
そこで、点弧位相角α3を90゜の方向に少しずら
してやる。すると(5)式で示される出力電圧V3
減少し、VRT>−V3となる。この結果、充電電流
IRが増大し、コンデンサ電圧Vcapを増大させ、
VRT=−V3となつて落ちつく。このとき、IRは零
となつている。さらにVcapを増大させたいとき
は、α3をさらに90゜の方向にずらし、出力電圧V3
を減少させることにより達成できる。α3を90゜で
はV3=OVとなり、理論的には電源電圧VRTがごく
わずかな値でもコンデンサ電圧Vcapを大きな値に
充電することができる。しかし、実際には回路損
失があるため、その分の電力供給は必要不可欠の
ものとなる。
このようにして進相コンデンサCAPの電圧
Vcapを任意の値に充電することができる。
第2図のの区間ではコンバータSS1とSS3
順電圧が印加される。この場合には2台のコンバ
ータを介して進相コンデンサCAPに充電される
ことになるが、各コンバータの出力電圧は次式を
満足するように制御される。
V1=k・Vcap・cosα1=−VSR …(6) V3=k・Vcap・cosα3==−VRT …(7) ∴cosα1/cosα3=VSR/VRT …(8) なお、cosα1>(VSR/VRT)・cosα3とした場合、
VSR<−V1となり、コンバータSS1を介して充電
することはできず、コンバータSS3を介して充電
されることになる。
逆に、cosα1<(VSR/VRT)・cosα3とすること
により、コンバータSS1からのみ充電させること
もできる。
第2図の別の区間でも同様に進相コンデンサ
CAPの電圧を確立させることができる。
このようにして確立された進相コンデンサ
CAPの電圧Va,Vb,Vcが第1図の位相制御回路
PHC1に与えられる3相基準電圧ea,eb,ecの周
波数と位相に一致することを説明する。
(1)式〜(3)式で示される3相電源電圧VR,VS
VTが与えられた場合、電源電流IR,IS,ITが零の
平衡状態では、各コンバータの出力電圧V1,V2
V3は次式のようになる。
V1=VS−VR …(9) V2=VT−VS …(10) V3=VR−VT …(11) 例えば、第2図のt1の点では、V1=−V3、V2
=0となる。このときの各コンバータの位相制御
角をα1=45゜、α2=90゜、α3=135゜として説明する
第7図は、上記条件における位相制御基準信号
ea,eb,ecと、各コンバータの点弧パルス信号の
関係を表わす。
基準信号ea,eb,ecは外部発振器Oscから与えら
れるもので、次式のように表わせる。
ea=sin(ωc・t) …(12) eb=sin(ωc・t−2π/3) …(13) ec=sin(ωc・t+2π/3) …(14) ここでωc=2πfcは高周波の角周波数で、例え
ば、fc=500Hz程度に選ばれる。
進相コンデンサCAPの相電圧Va,Vb,Vcが上
記基準電圧ea,eb,ecの周波数と位相が一致して
いる場合、各コンバータの出力電圧は次のように
なる。
V1=K・Vcap・cosα1 …(15) V2=K・Vcap・cosα2 …(16) V3=K・Vcap・cosα3 …(17) 故にV1+V2+V3=0となり、サイクロコンバ
ータCC−1の循環電流の増減はない。
この状態から仮にコンバータ電圧の周波数が低
くなり、破線のようにVa′,Vb′,Vc′となつた
場合を考える。
コンバータSS1の点弧位相角はα1からα1′に、ま
たSS2の点弧位相角α2からα2′に、さらにSS3の点
弧位相角はα3′からα3に変化する。この結果V1
V2+V3>0となり、サイクロコンバータCC−1
の循環電流を増大させる。当該循環電流は進相コ
ンデンサCAP側から見たサイクロコンバータCC
−1の入力側の遅れ無効電力となる。
第8図はサイクロコンバータの入力側の1相分
の等価回路を表わしたもので、サイクロコンバー
タCC−1は遅れ電流をとる可変インダクタンス
Lccに置き換えられる。この回路の共振周波数fcap
は fcap=1/(2π√cccap) …(18) となる。
循環電流が増大することは、等価インダクタン
スLccが減少することに等しく、上記周波数fcap
増大し、Va′,Vb′,Vc′の周波数fcapは基準電圧
ea,eb,ecの周波数fcに近ずく。
同様にfcap>fcとなつた場合には、循環電流が
減少し、Lccが大きくなつてやはりfcap=fcとなつ
て落ち着く。
進相コンデンサCAPの電圧の位相が基準電圧
の位相より遅れた場合には、上記fcap<fcとなつ
たときと同様に循環電流が増加し、進相コンデン
サのCAPの電圧位相を進める。逆に進相コンデ
ンサCAPの電圧位相が基準電圧より進んだ場合
には上記fcap>fcとなつたときと同様に循環電流
が減少し、進相コンデンサCAPの電圧位相を遅
らせる。このようにして進相コンデンサCAPの
電圧Va,Vb,Vcは基準電圧ea,eb,ecと同一周
波数、同位相となるように循環電流の大きさが自
動的に調整されるものである。当該コンデンサ電
圧Va,Vb,Vcは次式のように表わされる。
Va=Vcap・sin(ωc・t) …(19) Vb=Vcap・sin(ωc・t−2π/3) …(20) Vc=Vcap・sin(ωc・t+2π/3) …(21) ただし、Vcapは電圧波高値である。
次に第1図にもどつて、上記進相コンデンサ
CAPの電圧波高値Vcapを一定に制御する動作説
明を行う。
第9図は第1図の第1のサイクロコンバータ
CC−1の制御回路を詳しく表わしたもので、第
1図の制御回路と対応させると次のようになる。
まず、第1図の電圧制御回路AVRは第9図の
電圧設定器VR、比較器C1及び電圧制御補償回路
Gcからなる。
また、次の電流制御回路ACR1は第9図の乗算
器ML1〜ML3、電流変換回路D/S−1、比較
器C2〜C4、電流制御補償回路GR,GS,GT及び加
算器A1〜A3で構成される。
さらに、第1図の位相制御回路PHC1は第9図
の位相制御回路PHC11〜PHC13で構成され、第1
図の3相基準電圧発生器Osc及び関数発生器FNC
は第9図の基準電圧発生器Osc及び関数発生器
FNCに対応する。
まず、進相コンデンサCAPの電圧を変成器
PTcapで検出し、当該3相電圧を整流器Dによつ
て整流する。これによつて進相コンデンサCAP
の電圧波高値Vcapが検出され、比較器C1に入力さ
れる。
また、電圧設定器VRから電圧指令器Vcap *を出
力し、比較器C1によつて上記検出値Vcapと比較す
る。当該偏差ωc=Vcap *−Vcapは、次の電圧制御
補償回路Gc(S)に入力され、積分あるいは比例
増幅される。ここでは説明を簡単にするため、
Gc(S)=Kcとして比例増幅だけとする。制御補
償回路Gc(S)の出力Isnは電源から供給される電
流IR,IS,ITの波高値指令となるもので、次の乗
算器ML1〜ML3に入力される。
一方、電源電圧VR,VS,VTを変成器PTsによ
つて検出し、当該波高値Vsnの逆数倍することに
よつて次の3相単位正弦波φR,φS,φTを求める。
φR=(VR/Vsn)=sin(ωs・t) …(22) φS=(VS/Vsn)=sin(ωs・t−2π/3) …(23) φT=(VT/Vsn)=sin(ωs・t+2π/3) …(24) この3相単位正弦波φR,φS,φTを上記乗算器
ML1〜ML3に入力し、前記波高値Isnと掛け算を
行う。その結果が電源から供給される電流の指令
値IR *,IS *,IT *となる。
IR *=Isn・sin(ωst) …(25) IS *=Isn・sin(ωst−2π/3) …(26) IT *=Isn・sin(ωst+2π/3) …(27) また、電源から供給される実電流IR,IS,IT
次のように検出される。
すなわち、各コンバータSS1〜SS3の出力電流
I1,I2,I3を検出し、電流変換回路D/S−1に
よつて、次の演算を行うことにより求められる。
IR=I3−I1 …(28) IS=I1−I2 …(29) IT=I2−I3 …(30) もちろん、実電流IR,IS,ITを直接検出してき
ても何ら変るところはない。
R相の電流IRは次のように制御される。
電流指令値IR *と検出器IRを比較器C2に入力し、
偏差ωR=IR *−IRを求める。当該偏差ωRを電流制
御補償回路GR(S)に入力し、比例増幅を行う。
その比例定数をKRすると、補償回路GR(S)の出
力信号、KR・ωRは1つが反転されて加算器A1
介して位相制御回路PHC11に入力され、もう1つ
がそのまま加算器A3を介して位相制御回路
PHC13に入力される。
位相制御回路PHC11〜PHC13は公知の手法によ
るもので、3相基準電圧発生器Oscからの出力信
号ea,eb,ecと位相制御入力電圧V〓を比較し、そ
の交差点から点弧パルス信号を得るものである。
すなわち、位相制御回路PHC11に位相制御入力
電圧V〓1を入力すると、制御位相角〓1は、 α1=cos-1{k〓・V〓1} …(31) となる。ただし、k〓は比例定数である。これを書
きなおすと、 cosα1=k〓・V〓1 …(32) の関係がある。コンバータSS1の出力電圧V1
(15)式で示される関係にあり、 V1=k・Vcap・cosα1=k・k〓・Vcap・V〓1
…(33) となつて、V1∝V〓1となる。
同様にV2∝V〓2、V3∝V〓3となる。
このような条件下で前記R相電流にIRが指令値
IR *より小さくなつた場合を説明する。
偏差εR=IR *−IRは正の値となり、KR・ωRが増
大する。その結果、PHC11の位相制御入力電圧
V〓1=−KR・ωRは負の値になり、逆にPHC13の位
相制御入力電圧V〓3=KR・εRは正の値となつて増
加する。
従つて、コンバータSS1の出力電圧V1は第1図
の矢印と反対方向に増大し、出力電流I1を減少さ
せる方向に働く。逆にコンバータSS3の出力電圧
V3は第1図の矢印方向に増大し、出力電流I3を増
加させる方向に働らく。この結果、R相電流IR
I3−I1は増大し、指令値IR *に近ずく。
逆にIR>IR *となつた場合には偏差εRは負の値と
なり、SS1の出力電圧V1を矢印方向に増大させ、
SS3の出力電圧V3を矢印と反対方向に増大させ
る。その結果、I1が増加し、I3が減少し、R相電
流IR=I3−I1は減少させられる。最終的にIR≒IR *
となつて落ち着く。
S相及びT相の電流及びITも同様に制御され
る。
3相の電流IR,IS,ITを同時に制御する場合、
各コンバータの位相制御入力電圧V〓1,V〓2,V〓3
は次式のようになる。
V〓1=KS・ωS−KR・ωR …(34) V〓2=KT・ωT−KS・ωS …(35) V〓1=KR・ωR−KT・ωT …(36) ただし、KR,KS,KTは制御補償回路GR(S),
GS(S),GT(S)を比例要素だけとした場合の比
例倍率である (34)〜(36)式からわかるように、各コンバ
ータの出力電圧の和V1+V2+V3は零となつて循
環電流を増減させることはない。
さて、このようにR相、S相、T相の電流はそ
の指令値IR *,IS *,IT *に一致するように制御され
るが、当該指令値は電源電圧VR,VS,VTと同相
の正弦波になつている。
すなわち、入力力率は常に1で、高調波成分が
きわめて少ない運転が可能となるわけである。
次に進相コンデンサCAPの電圧波高値Vcap
制御動作を説明する。
Vcap *>Vcapとなつた場合、偏差εR=Vcap *
Vcapは正の値となり、電流波高値指令Isn=Kc
ωcも正の値となつて増加する。
故に各相の入力電流IR,IS,ITも増大し、次式
で示される有効電力PSが電源から供給される。
Ps=IR・VR+IS+VS・IT・VT =3/2・Vsn・Isn …(37) ただし、Vsnは電圧波高値、Isnは電流波高値と
する。
この結果、エネルギーPs・tが電源から進相コ
ンデンサCAPに供給され、(1/2)CcapVcap 2とし
て蓄えられる。故に電圧Vcapが増大し、最終的に
Vcap≒Vcap *となつて落ち着く。
逆にVcap *<Vcapとなつた場合、偏差εcは負の
値となり、電流波高値指令Isnも負の値となる。
故に、進相コンデンサCAPのエネルギー(1/2)
CcapVcap 2がPS・tとなつて電源に回生される。
従つて、電圧Vcapが減少し、やはりVcap≒Vcap *
となるように制御される。このとき電源のR相、
S相、T相の電流IR,IS,ITは各々電源電圧VR
VS,VTに対して逆相の正弦波に制御され、やは
り入力力率=1を保持することができる。
以上のように、第1の循環電流サイクロコンバ
ータは進相コンデンサCAPの電圧波高値Vcap
その指令値Vcap *に一致するように電源から供給
される電流IR,IS,ITを制御するもので、当該電
流の指令値IR *,IS *,IT *を電源電圧と同相(又は
逆相)の正弦波で与えることにより、入力力率を
常に1に保持することができる。
また、このとき、進相コンデンサCAPの電圧
の周波数fcapと位相は、外部発振器Oscによつて与
えられる3相基準電圧信号ea,eb,ecの周波数fc
と位相に一致することは前に説明した通りであ
る。
このように、進相コンデンサCAPの電圧Va
Vb,Vcが確立している状態で、第2の循環電流
式サイクロコンバータCC−2のゲート信号を活
かし、運転を開始する。
次にこの第2のサイクロコンバータの制御動作
を説明する。
第10図は第1図の第2のサイクロコンバータ
CC−2の制御回路の具体的実施例を示す構成図
である。第1図の制御回路と対応させると次のよ
うになる。
まず、第1図の速度制御回路SPCは第10図の
比較器C5、速度制御補償回路G〓、励磁電流設定
器EX、演算回路CAL1〜CAL3、3相正弦波パ
ターン発生器PTG及び乗算器ML1〜ML3からな
る。
また、電流制御回路ACR2は、第10図の比較
器C6〜C9、電流変換回路D/S−2、電流制御
補償回路GU,GV,GW,GO及び加算器A4〜A10
構成される。
さらに、第1図の位相制御回路PHC2は第10
図の位相制御回路PHC21〜PHC23で構成される。
なお、第10図の基準電圧発生器Osc及び関数
発生器FNCは第1図の基準電圧発生器Osc及び関
数発生器FNCに対応するもので、第9図のOsc
よびFNCと共通のものである。
まず、誘導電動機Mの速度制御動作を説明す
る。
誘導電動機の2次電流I〓と励磁電流Ieをベクト
ル的に直交させ、各々を独立に制御できるように
したものはベクトル制御誘導機として知られてい
る。ここでは、その手法を用いて速度制御するも
のを例にとつている。
ベクトル制御の手法は文献が多く出ており、詳
しい説明は省略し、概要を述べるにとどまる。
まず、電動機の回転子に直結された回転パルス
発生器PGから回転速度ωrに比例したパルス列を
取り出す。
比較器C5は当該回転速度ωrとその指令値ωr *
比較し、当該偏差ε〓=ωr *−ωrを次の速度制御補
償回路G〓(S)に入力する。
G〓(S)は比例要素あるいは積分要素等からな
り、出力としてトルク電流指令I〓*を与える。
また、前記回転速度検出値ωrは励磁電流設定
器EXに入力され、励磁電流指令Ie *を与える。
当該トルク電流指令I〓*及び励磁電流指令Ie *は、
演算回路CAL1〜CAL2に入力され、次の演算
を行う。
すなわち、演算回路CAL1では ωsl *=Rr *・I〓*/Lr * Ie * …(38) Rr *:2次抵抗 Lr *:2次インダクタンス の演算によつてすべり角周波数ωsl *を求める。ま
た、演算回路CAL2では θr *=tan-1(I〓* Ie *) …(39) の演算によつて、励磁電流Ie *に対する1次電流
指令値IL *の位相角θr *を求める。
さらに、演算回老CAL3では、 ILn=Ie *2+I〓*2 …(40) の演算によつて2次電流指令値IL *の波高値ILn
求める。
第11図は当該誘導電動機の電流ベクトル図を
表わすもので、励磁電流Ie *と2次電流(トルク
電流)I〓*とは直交関係にあり、当該電動機の発
生トルクTeは、次式で表わせる。
Te=Ke・I〓*・Ie * …(41) 通常励磁電流指令Ie *は一定に与えられ、電動
機の発生トルクTeは2次電流指令(トルク電流
指令)I〓*を変えることによつて制御される。
ただし、回転速度を定格以上で運転させるとき
には、弱め界磁制御が行なわれ、励磁電流設定器
EXによつて、励磁電流指令Ie *を回転速度ωrに応
じて変化させることがある。
このようにして求められたすべり角周波数ωsl
、位相角θr *と回転角周波数(回転速度検出値)
ωrを正弦波パターン発生器PTGに入力し、次の
3相単位正弦波φu,φv,φwを求める。
φu=sin{(ωr+ωsl *)・t+θr *}…(42) φv=sin{(ωr+ωsl *)・t+θr *−2π/3)
…(43) φw=sin{(ωr+ωsl *)・t+θr *+2π/3)
…(44) 当該単位正弦波φu,φv,φwは誘導電動機Mに
供給される1次電流ILの周波数と位相を決定する
ものである。
乗算器ML4〜ML6によつて、当該3相単位正
弦波φu,φv,φwと前記波高値指令ILnを掛け合わ
せ、誘導電動起Mに供給される3相電流(1次電
流)の指令値Iu *,Iv *,Iw *を求める。
Iu *=ILn・sin{(ωr+ωsl *)・t+θr *} …(45) Iv *=ILn・sin{(ωr+ωsl *)・t +θr *−2π/3} …(46) Iw *=ILn・sin{(ωr+ωsl *)・t +θr *+2π/3} …(47) 誘導電動機のベクトル制御は励磁電流Ieと2次
電流I〓を独立に制御できることに特長がある。故
に電動機の励磁電流Ieを一定に保ちながら2次電
流I〓の大きさを変えることにより発生トルクを制
御することができ、直流機と同等の速度制御応答
を達成することが可能となる。
次に、上記のように与えられた1次電流指令値
Iu *,Iv *,Iw *に従つて実電流Iu,Iv,Iwを制御す
る動作を説明する。
まず、第2のサイクロコンバータの各コンバー
タの出力電流I4,I5,I6を変換器CT4,CT5,CT6
によつて検出し、電流変換回路D/S−2に入力
する。電流変換回路D/S−2は各コンバータ出
力電流I4〜I6から電動機の1次電流Iu,Iv,Iwを求
めるもので、次の演算を行う。
Iu=I4−I6 …(48) Iv=I5−I4 …(49) Iw=I6−I5 …(50) この電動機1次電流検出値Iu,Iv,Iwを各々比
較C6〜C8に入力し、前記指令値Iu *,Iv *,Iw *
各々比較する。
U相電流を例にとつて制御動作を説明する。
比較器C6によつて実電流IUと指令値Iu *を比較
し、当該偏差ωU=Iu *−Iuを電流制御補償回路GU
(S)に入力する。GU(S)では積分あるいは比
例増幅し、その出力を加算器器A4,A5を介して
位相制御回路PHC21へ入力する。また、GU(S)
の出力の反転値を加算器A8,A9を介して位相制
御回路PHC23へ入力する。
各コンバータSS4〜SS6の出力電圧V4〜V6は位
相制御回路PHC21〜PHC23の入力電圧V〓4〜V〓6
に比例することは前に述べた通りである。
故に、Iu *>Iuとなつた場合、偏差ωUは正の値
となり、制御補償回路GU(S)を介して、位相制
御回路PHC21の入力電圧V〓4を増加させ、コンバ
ータSS4の出力電圧V4を第1図の矢印の方向に
増大させる。また、同時に位相制御回路PHC23
入力電圧V〓6を減少させ、コンバータSS6の出力
電圧V6を第1図の矢印と反対方向に発生させる。
この結果、コンバータSS4の出力電流I4が増大し、
コンバータSS6の出力電流I6が減少する。故に
(48)式で示される電動機のU相電流IUが増大し、
IU≒IU *となるように制御される。
逆にIU *<IUとなつた場合、偏差εVは負の値と
なり、出力電圧V4が減つて、V6が増加する。従
つて、IU=I4−I6は減少し、やはり、IU≒IU *とな
るように制御される。指令値IU *を正弦波状に変
化させれば、それに従つて実電流もIU≒IU *とな
り、正弦波電流が誘導電動機Mに供給されること
になる。
V相及びW相の電流IV,IWも同様に制御され
る。
従つて、誘導電動機Mの回転速度ωrは、次の
ようにして制御される。
ωr *>ωrとなつた場合、偏差εωは、正の値とな
り、制御補償回路G〓(S)を介してトルク電流
(2次電流)指令I〓*を増加させる。
この結果、第11図に示される誘導電動機の1
次電流指令IL *(IU *,IV *,IW *)の波高値ILnと位
相角θr *を増加させ、実電流IU,IV,IWもそれに従
つて追従制御される。
故に誘導電動機Mの実際の2次電流I〓が増大
し、発生トルクTeをふやして加速する。これに
よりωrが増加し、ωr≒ωr *になるように制御され
る。
逆にωr *<ωrとなつた場合、偏差ε〓は負の値と
なり、トルク電流指令I〓*を減少させ、1次電流
指令IL *(IU *,IV *,IW *)の波高値ILnと位相角θr *
を減少させる。故に発生トルクTeは減少し、回
転速度ωrが減つてやはりωr≒ωr *になるように制
御される。
次に第2のサイクロコンバータの循環電流制御
について説明する。
第1のサイクロコンバータCC−1の循環電流
は、進相コンデンサCAPの電圧の周波数fcap及び
位相が外部に設けられた3相基準電圧発生器Osc
からの信号ea,eb,ecの周波数はfcと位相に一致
するように自動的に調整されることを述べた。
第2のサイクロコンバータCC−2の循環電流
も同様に自動的に調整されると考えてもよいので
あるが、この場合、第1及び第2のサイクロコン
バータがとる無効電力の和と進相コンデンサ
CAPがとる進み無効電力とが丁度打ち消し合う
ように各サイクロコンバータの循環電流が流れる
ことになる。故にどちらか一方のサイクロコンバ
ータにかたよつて循環電流が多く流れる可能性が
ある。そこで、ここでは第2のサイクロコンバー
タCC−2の循環電流を確定させるように制御し
ている。
第10図において、第2のサイクロコンバータ
CC−2の各コンバータの出力電流I4〜I6の検出値
を加算器A10に入力し、次式で示される和電流
I0を求めている。
I0=I4+I5+I6 …(51) この和電流I0を比較器C9に入力し、その指令値
I0 *と比較する。その偏差εO=I0 *−I0を次の制御
補償回路GO(S)を介して加算器A5,A7,A9
入力する。
故に位相制御回路PHC21〜PHC23の入力電圧
V〓4〜V〓6は次のようになる。
V〓4=ωU・GU−ωV・GV+ωO.GO …(52) V〓5=ωV・GV−ωW・GW+ωO.GO …(53) V〓6=ωW・GW−ωU・GU+ωO.GO …(54) 従つて、各コンバータの出力電圧の和は、 V1+V2+V3=Kc・3εO・GO …(55) Kcは比例定数 となつて偏差εOに比例する。
故にI0 *>I0となつた場合、偏差εOは正の値とな
り、V1+V2+V3を増加させ、循環電流を増大さ
せ、前記和電流IOをふやして最終的にI0≒I0 *とな
つて落ち着く。
逆にI0 *<I0となつた場合、偏差εOは負の値とな
り、V1+V2+V3<0にして、循環電流を減少さ
せる。故にやはりI0≒I0 *となるように制御され
る。
以上のように第2のサイクロコンバータCC−
2の和電流I0をほぼ一定に制御すると、進相コン
デンサCAP側から見たサイクロコンバータCC−
2の遅れ無効電力は大略一定になり、第1のサイ
クロコンバータCC−1がとる遅れ無効電力もそ
れに従つて大略一定値となる。
また、第2のサイクロコンバータCC−2の和
電流ではなく、循環電流を検出し、それをほぼ一
定に制御することもできる。その場合には、負荷
の大小によつて第2のサイクロコンバータCC−
2がとる遅れ無効電力が変化し、それに応じて第
1のサイクロコンバータCC−1の循環電流が自
動的に調整され、第1及び第2のサイクロコンバ
ータのとる遅れ無効電力の和と進相コンデンサ
CAPのとる進み無効電力は常に等しい値となる
ことは同じである。
以上は第2のサイクロコンバータCC−2の循
環電流(又は和電流)をその指令値に一致するよ
うに制御し、第1のサイクロコンバータCC−1
の循環電流は無制御としたが、逆に第1のサイク
ロコンバータCC−1の循環電流(又は和電流)
をその指令値に一致するように制御し、第2のサ
イクロコンバータCC−2の循環電流を無制御に
してもよい。
さらに、第1及び第2のサイクロコンバータの
うち、一方を非循環電流式サイクロコンバータと
し、他方を循環電流式サイクロコンバータとする
ことも考えられる。その場合、循環電流式サイク
ロコンバータの循環電流は無制御にする必要があ
る。
さて、以上のような交流電動機駆動装置におい
て、荷負荷運転を行う場合の動作を説明する。
第1及び第2のサイクロコンバータがとる遅れ
無効電力の和θCCは、各コンバータの出力電流を
I1,I2,I3,I4,I5,I6、そのときの制御位相角を
α1,α2,α3,α4,α5,α6とすると、次式のように
表わすことができる。
θCC=k〓{I1・sinα1+I2・sinα2 +I3・sinα3+I4・sinα4 +I5・sinα5+I6・sinα6} ……(56) ただし、k〓は比例定数 この遅れ無効電力θCCと進相コンデンサCAPが
とる進み無効電力θcapが常に等しくなるように第
1サイクロコンバータCC−1の循環電流が自動
的に調整される。(第2のサイクロコンバータCC
−2の循環電流は外部指令値に等しくなるように
制御されているものとする)。
電動機に供給されるIU,IV,IWが増加すると、
当然電源電流IR,IS,ITが増加し、(56)式で示さ
れる無効電力θccをθcapに等しくするために、第1
のサイクロコンバータCC−1の循環電流が減少
してくる。さらに負荷を増大させると、CC−1
の循環電流は零となり、(18)式で示した共振条
件を満足しなくなる。すると進相コンデンサ
CAPに印加される電圧は不安定になり、最終的
には動作不能となつてしまう。
従つて、普通には、当該第1のサイクロコンバ
ータCC−1の循環電流が適当な値だけ流れる範
囲内で負荷をかけ、過負荷運転は避けなければな
らない。
本発明は上記過負荷運転が可能な交流電動機駆
動装置を提供する。
第12図は第1図の関数発生器FNCの具体例
を示す特性図である。
速度制御回路SPCから電動機供給電流の波高値
指令ILnをもらい、3相基準電圧発生器Oscに周波
数fcを与える。
第12図の実線で示した特性は高速回転時の特
性を表わし、破線で示した特性は低速回転時の特
性を表わす。
例えば、高速回転時は、波高値ILnがILOになる
までは、fc=fc1で一定に保ち、ILnがILOを越える
と、当該波高値に比例して周波数fcを増加させて
いる。
3相基準電圧ea,eb,ecの周波数fcを増加させ
ると、当然のことながら進相コンデンサCAPに
印加される電圧Va,Vb,Vcの周波数fcap=fcも増
大し、その結果進相コンデンサCAPには、より
多くの進み電流が流れるようになり容量が増加し
たことと等価になる。
一方、第1及び第2のサイクロコンバータのと
る遅れ無効電力θccは上記進相コンデンサCAPの
電圧の周波数fcapが増加しても何ら変化しない。
θccは(56)式に示したようにコンバータの出力
電流I1〜I6と制御位相制御各α1〜α6によつてのみ
決定される。
従つて、電動機Mの負荷が増大し、電流IU
IV,IWが増大しても第1のサイクロコンバータ
CC−1の循環電流は零にならず、最小値IO(min)
を維持するようになる。
第13図は電動機の電流波高値ILnに対する第
1のサイクロコンバータCC−1の循環電流I00
大きさを示したもので、高速回転時には実線で示
すように変化する。
すなわち、ILn<ILOまでは電流波高値ILnの増加
に伴ない、循環電流I01が減少する。さらに負荷
が増大し、ILn>ILOになると進相コンデンサCAP
の周波数fcap=fcが増大し、IO≒IO(min)となつて
一定値になる。
第1のサイクロコンバータCC−1の循環電流
が零にならないため進相コンデンサCAPに印加
される電圧Va,Vb,Vcは安定し、3相基準電圧
ea,eb,ecの周波数と位相に一致する。
従つて、過負荷運転が可能となり、負荷変動の
激しい用途にも適用できるようになる。
第12図及び第13図の破線は低速運転時の特
性を表わす。
電動機が低速回転しているときは当該出力周波
数も低くてよい。故に入力側(進相コンデンサ
側)の周波数もそれ程高くする必要はない。そこ
で、低速運転時に電動機への供給電流が小さくな
つた場合、基準電圧ea,eb,ecの周波数fcをさら
に低い値までもつていき、それによつて循環電流
I00を第13図の破線のように低減させている。
この結果、軽負荷時にむだな循環電流を流すこ
とがなくなり、損失が小さくなつて運転効率を向
上させることができる。
以上は第2のサイクロコンバータCC−2の循
環電流を一定に制御し、第1のサイクロコンバー
タCC−1の循環電流が上記の如く調整される場
合を説明したが、その逆の場合も同様に可能であ
ることは言うまでもない。
第1の実施例はCC−1及びCC−2を△結線さ
れた循環電流式サイクロコンバータとして説明し
たが、普通の正逆コンバータを用いたサイクロコ
ンバータでも同様に実施可能であることは言うま
でもない。
また、CC−1,CC−2のどちらか一方が循環
電流式サイクロコンバータであればよく、他の一
方は非循環電流式サイクロコンバータでも同様に
達成できる。
[発明の効果] 以上のような交流電動機駆動制御装置では、次
のような効果が得られる。
電源周波数50Hzに対し、電動機に供給される
電流の周波数は0〜数百Hzになる。
すなわち、第2のサイクロコンバータの制御
パルス数(制御相数)を増加し、かつ循環電流
式サイクロコンバータとすることにより、その
出力周波数fOを入力周波数fcap以上にすること
も可能である。故に進相コンデンサCAPの電
圧の周波数fcapを500Hz程度にすることにより、
電動機に供給される電流IU,IV,IWの周波数は
は0〜500Hz程度まで運転することができる。
従つて、2極の交流電動機では、回転数が
30000rpmにもなり、超高速運転が可能となる。
故に従来ギア等で増速していたブロア用高速モ
ータではそのギアが不要となり、運転効率が向
上し、かつ小形軽量化が図れるようになる。
また、回転数を30000rpm程度とした場合、
電動機の極数を20極にもすることができ、低速
時のトルクリツプルが小さくなるばかりでな
く、速度制御の精度を1ケタも向上させること
が可能となる。
電動機に供給される電流IU,IV,IWは正弦波
に制御され、トルクリツプルのきわめて小さい
装置が得られる。同時に電磁騒音がなくなり、
公害の原因を取り除くことができる。
電源から供給される電流は電源電圧と同相の
正弦波に制御され、入力力率は常に1に制御で
き、かつ入力電流に含まれる高調波はきわめて
小さくなる。入力力率=1ということは無効電
力が零になることで電源系統の設備容量が小さ
くなり、しかも無効電力変動に伴なう電圧変動
がなくなる。また、高調波が小さく、近くの通
信線あるいはTVやラジオへの誘導障害がなく
なる。
コンバータSS1〜SS6は進相コンデンサCAP
に印加される電圧を利用して転流させる自然転
流方式であるため、大電力トランジスタやゲー
トターンオフサイリスタ(GTO)等の自己消
弧素子を必要せず、信頼性が高く、過負荷運転
にも強く、大容量化がきわめて容易なシステム
を提供することができる。
進相コンデンサCAPに印加される電圧の周
波数を負荷の軽量に応じて変化させたため過負
荷運転時でもサイクロコンバータの循環電流が
零になることはなくなり、当該進相コンデンサ
CAPの電圧を安定に保つことができる。
また、軽負荷運転時にはむやみに循環電流を増
やさなくて済むため、運転効率が向上するばかり
でなく、変換器やトランスの容量を低減させるこ
とができる。
従来は過負荷運転を想定して進相コンデンサ
CAPの容量を増大させ、軽負荷時には過大な循
環電流を流さなければならなかつたのに比べ格段
の相違がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の交流電動機駆動制御装置の実
施例を示す構成図、第2図は第1図の動作を説明
するための電圧波形図、第3図及び第4図は第1
図の動作を説明するための等価回路図、第5図〜
第7図は第1図の動作を説明するためのタイムチ
ヤート図、第8図は第1図の動作原理を説明する
ための等価回路図、第9図及び第10図は第1図
の制御回路部の実施例を示す構成図、第11図は
第1図の動作を説明するための電流ベクトル図、
第12図及び第13図は第1図の装置の動作を説
明するための特性図である。 R,S,T……3相交流電源端子、CC−1…
…第1のサイクロコンバータ、CC−2……第2
のサイクロコンバータ、CAP……進相コンデン
サ、M……交流電動機、LSR,LSS,LST……交流
リアクトル、SS1〜SS6……他励コンバータ、L1
〜L6……直流リアクトル、TR1〜TR6……絶縁ト
ランス、CT1〜CT6……電流検出器、PTS
PTcap……電圧検出器、PG……回路パルス発生
器、D……整流回路、OSC……3相基準電圧発生
器、FNC……関数発生器、AVR……電圧制御回
路、ACR1,ACR2……電流制御回路、PHC1
PHC2……位相制御回路、SPC速度制御回路。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 交流電源と、当該交流電源に出力側端子を接
    続した第1のサイクロコンバータと、当該第1の
    サイクロコンバータの入力側端子に接続された進
    相コンデンサと、該進相コンデンサに入力側端子
    を接続した第2のサイクロコンバータと、当該第
    2のサイクロコンバータの出力側端子に接続され
    た交流電動機と、前記第1のサイクロコンバータ
    は前記進相コンデンサの電圧波高値がほぼ一定に
    なるように前記交流電源から供給される電流を制
    御する手段を備え、前記第2のサイクロコンバー
    タは前記交流電動機に供給される電流を制御する
    手段を備え、かつ前記第1及び第2のサイクロコ
    ンバータの位相基準の周波数を制御する手段を具
    備してなる交流電動機駆動制御装置。 2 交流電源と、当該交流電源に出力側端子を接
    続した第1のサイクロコンバータと、当該第1の
    サイクロコンバータの入力側端子に接続された進
    相コンデンサと、該進相コンデンサに入力側端子
    を接続した第2のサイクロコンバータと、当該第
    2のサイクロコンバータの出力側端子に接続され
    た交流電動機と、前記第2のサイクロコンバータ
    は前記進相コンデンサの電圧波高値がほぼ一定に
    なるように前記交流電源から供給される電流を制
    御する手段を備え、前記第2のサイクロコンバー
    タは前記交流電動機に供給される電流を制御する
    手段を備え、かつ前記第1、第2のサイクロコン
    バータの位相基準の周波数を制御する手段と、前
    記位相基準の周波数の制限値を前記交流電動機の
    回転速度に応じて可変する手段を具備して成る交
    流電動機駆動制御装置。
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