JPH04137206U

JPH04137206U - 四サイクルエンジンの弁駆動カム潤滑装置

Info

Publication number: JPH04137206U
Application number: JP5219691U
Authority: JP
Inventors: 裕行高津
Original assignee: スズキ株式会社
Priority date: 1991-06-12
Filing date: 1991-06-12
Publication date: 1992-12-21

Abstract

(57)【要約】【目的】カムシャフトのカムの下側に専用の油溜めを
設けて、潤滑油を溜め、カムの頭部に潤滑油が付着し、
始動直後から潤滑できて無給油を防止できる四サイクル
エンジンの弁駆動カム潤滑装置を得ること。【構成】シリンダーヘッド１に軸架したカムシャフト
２のカム３の下側に、円弧状の凹部８を設けた油溜め７
を設け、カム３の頭部に油溜め７内の潤滑油が付着する
ようにしたこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、四サイクルエンジンの弁駆動カム潤滑装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

四サイクルエンジンは、シリンダーヘッドにカムシャフトを軸架して、クランクシャフトにチエンなどで連動させて回転させ、カムシャフトのカムの回転で、ロッカーアームを揺動させて、吸気弁及び排気弁を押下げて開くようにしている。そして、オイルポンプで圧送される潤滑油が、カムシャフト内の孔などを通して送られて、カムとロッカーアームの当る面などを潤滑するようにしている。ところが、シリンダーヘッドは、オイルポンプからは、最も遠い位置にあり、エンジンを始動してオイルポンプが駆動され始めてから、カム部分に潤滑油が届くまで時間がかかる。特に長期間使用しないエンジンを使用するとき、カム部分の潤滑油膜が切れており、始動からオイルポンプによる潤滑油が届くまでの間、無給油になって、カム面などの異状摩耗が発生する。これをさけるため、ロッカーアームのカムが当る部分の周りに囲いを設けて油溜めにして、潤滑油が供給できるようにしたものがある。例えば、実開昭５８−９４８０３号公報参照。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ロッカーアームは、運転中、カムシャフトのカムによって揺動されて、吸気弁及び排気弁を開閉する。このため、ロッカーアームに油溜めを設けても、揺動によって振落され、潤滑油溜めとしての機能が十分でない。

【０００４】かかる点に鑑み、この考案は、カムシャフトのカムの下側に専用の油溜めを設けて、潤滑油を溜め、カムの頭部に潤滑油が付着し、始動直後から潤滑できて無給油を防止できる四サイクルエンジンの弁駆動カム潤滑装置を得ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、この考案の四サイクルエンジンの弁駆動カム潤滑装置は、シリンダーヘッドに軸架したカムシャフトのカムの下側に、円弧状の凹部を設けた油溜めを設け、カムの頭部に油溜め内の潤滑油が付着するようにしたことにある。

【０００６】

【作用】

エンジン運転中に、シリンダーヘッド内に飛散している潤滑油滴が、油溜めに受止められて、油溜めに潤滑油が溜る。そして、エンジンを始動して、カムシャフトが回転を始めると、カムの回転でカム頭部が凹部を通って、カム頭部に潤滑油が付着して油膜が形成でき、始動直後からカムの潤滑ができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１乃至図３によって説明する。シリンダーヘッド１の上面には、二つのカムシャフト２が軸架してあって、クランクシャフトにカムチェンなどで連動して回転するようにしてある。二つのカムシャフト２には、各々カム３が設けてあり、カム３の頭部で、ロッカーアーム４を押して揺動させ、吸気弁５及び排気弁６を押下げて開くようにしてある。

【０００８】油溜め７は、円弧状の凹部８を設けて、鋼板プレス製などで形成するもので、一側下側に取付け孔９を設けてロッカーシャフト１０に通し、片側上端を、ビス１１でシリンダーヘッド１に締着して、凹部８をカムシャフト２のカム３の下側に位置させて取付ける。

【０００９】エンジン運転中、シリンダーヘッド１内に飛散している潤滑油滴の一部が、凹部８に受止められて、凹部８に潤滑油が溜る。そして、エンジンを始動して、カムシャフト２が回転すると、カム３の頭部が、凹部８内を通り、カム３に潤滑油が付着して油膜ができる。エンジン運転によってオイルポンプの潤滑油が届くようになると十分に潤滑されるようになって、油溜め７は必要なくなるので、カム３の頭部に付着する程度の小さい凹部８でよい。

【００１０】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案は、上述のように構成したので、油溜めの凹部に潤滑油を溜めておくことができ、長期間使用せずにカムの潤滑油膜が切れたものでも、始動直後にカムの頭部に潤滑油を付着させることができて、油膜を形成することができ、異状摩耗を防止できる。又、油溜めは、シリンダーヘッドに固定されているので、ロッカーアームのように移動することがなくて、溜った潤滑油が振り落されることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す縦断面図である。

【図２】本考案の実施例を示す要部の拡大縦断面図であ
る。

【図３】本考案の実施例を示す油溜めの斜視図である。

【符号の説明】

１シリンダーヘッド２カムシャフト３カム７油溜め８凹部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】シリンダーヘッドに軸架したカムシャフ
トのカムの下側に、円弧状の凹部を設けた油溜めを設
け、カムの頭部に油溜め内の潤滑油が付着するようにし
たことを特徴とする四サイクルエンジンの弁駆動カム潤
滑装置。