JPH04136494A - 冷媒圧縮機 - Google Patents

冷媒圧縮機

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JPH04136494A
JPH04136494A JP25942690A JP25942690A JPH04136494A JP H04136494 A JPH04136494 A JP H04136494A JP 25942690 A JP25942690 A JP 25942690A JP 25942690 A JP25942690 A JP 25942690A JP H04136494 A JPH04136494 A JP H04136494A
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JP
Japan
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carbon steel
refrigerant
refrigerant compressor
cast iron
shaft
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JP25942690A
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Shoichiro Kitaichi
昌一郎 北市
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、冷媒圧縮機に係り、特に冷媒として1,1,
1.2−テトラフルオロエタンまたは1.1−ジフルオ
ロエタンの冷媒を使用するに際して好適な冷媒圧縮機に
関する。
(従来の技術) 一般に、室内あるいは車内の空気調和機、あるいは冷蔵
庫などには、冷風あるいは温風を送り出すために、冷媒
圧縮機が使用されている。
この冷媒圧縮機は、例えば第1図に示すロータリー式の
密閉型圧縮機や、カーエアコン用の半密閉型冷媒圧縮機
(図示省略)などがある。
第1図の、縦断面図として示した密閉型の冷媒圧縮機を
例として説明する。
同図において、密閉されたケーシング1内にはステータ
2とロータ3とで構成されるモータ機構4が設置されて
いる。
モータ機構4の下部には圧縮機構5が配設され、上記モ
ータ機構4によって圧縮装置5が駆動される。これによ
って、図示しないアキュムレータを介して供給管6から
導入された冷媒が圧縮され、ケーシング1内に一旦吐出
させた後、ケーシング1の上部に設けられた吐出管7か
ら冷凍機側に冷媒が供給される。
このような密閉型圧縮機における圧縮機構5について、
第2図を加えて詳しく説明する。N2図は圧縮機構5の
横断面図である。
これらの図において、ケーシング1内にはモータ4が収
容され、このモータ4により回転するシャフト8がフレ
ームの軸受9に軸支されてシリンダ10内を貫通し、さ
らにその下端部はサブベアリング11の軸受に軸支され
ている。
シャフト8のシリンダ10の内部は、クランク部12(
偏心部)となっており、このクランク部12とシリンダ
10との間にローラ13が嵌合され、シャフト8の回転
によりローラ13が遊星運動する。
また、シリンダ10を貫通してブレード14が設けられ
、スプリング15の付勢力によりブレード14の一端側
はローラ13の外周に接触し、シリンダ10内を吸込室
16と吐出室17に分割している。上記ローラ13の遊
星運動に応じてブレード14は往復運動する。
冷媒ガスはシャフト8の回転に伴うローラ13の遊星運
動に応じて、吸込口18から吸込まれ、圧縮され、吐出
ロユ9から吐出されるが、この摺動部の動作を円滑にす
るためにケーシング1内には冷凍機油20が収容されて
いる。この冷凍機油20は、シャフト8の回転により、
シャフト8下端に設けられている図示されないポンプに
沿って吸い上げられ、摺動部を潤滑するようになってい
る。
このような冷媒圧縮機の摩耗は、ブレード14とシャフ
ト8を中心としたものに分けられる。
ブレード14はシャフト8の回転に伴い往復運動するが
、この際分割されたシリンダ10内の2室の圧力差によ
りシリンダ10の貫通孔内面にこすりつけられブレード
14、シリンダ10ともに摩耗する。また、ブレード1
4はスプリング15によりその端部がローラ13に押付
けられているため、ローラ13の外周も摩耗する。
一方、シャフト8は、ローラ13を介してスプリング1
5やシリンダ10内の圧力を受け、軸受9とサブベアリ
ング11に押付けられて若干湾曲した形状となって高速
回転するため、シャフト8の外面、軸受9及びサブベア
リング11の内面が同様に摩耗する。
このような密閉型冷凍圧縮機の冷媒としては、ジクロロ
ジフロロメタン(以下フロン12 (CPC12)と称
する)やクロロジフロロメタンが主に用いられており、
また圧縮機構5に封入される冷凍機油としては、CFC
12やクロロジフロロメタン(HCFC22)に対して
溶解性を示すナフテン系やパラフィン系鉱油が用いられ
ている。
これら冷媒や冷凍機油はケーシング1内を直接循環する
ため、圧縮機構5においては耐摩耗性を有することが必
要である。
、ところで、最近、上述した冷媒などからのフロンの放
出がオゾン層の破壊につながり、人体や生態系に深刻な
影響を与えることがはっきりしてきたため、オゾン破壊
係数の高いフロン12などは段階的に使用が削減され、
将来的には使用しない方向に決定している。
このような状況下にあって、フロン12 (CPCI2
)の代替冷媒として1,1,1.2−テトラフルオロエ
タン(以下フロン184a (HPC114a)と称す
)や、1.1−ジフルオロエタン(以下フロン152a
 (HFC152a)と称す)等が開発されている。
ところで、これらフロン134aまたはフロン152a
の冷媒は、オゾン破壊係数が低い反面、フロン12の使
用において用いられていた冷凍機油である鉱油にはほと
んど溶解しない。このため、フロン134aまたはフロ
ン152aを冷媒圧縮機の冷媒として使用する場合は、
冷凍機油としてこれらの冷媒と相溶性を有するエーテル
系油、エステル系油、フッ素系油等の使用が試みられて
いる。
(発明が解決しようとする課8) しかしながら、冷媒としてフロン12に代わってHPC
134aまたはHPC152aを用い、冷凍機油として
これらの冷媒と相溶性を有する、たとえばポリアルキレ
ングリコール系油やポリエステル系油を用いた冷媒圧縮
機の場合、上述した圧縮機構5の摺動部材として使用さ
れているPC25、S−15C、S−12C、5WRC
HLOA、 5WCH15A 、、90M435、焼結
合金、ステンレス鋼などの耐摩耗性が低下し、長期間安
定して冷媒圧縮機を運転することができないという問題
が生じている。
これは、従来冷媒としてフロン12を用いた場合、フロ
ン12中の塩素(CI)原子が、金属基材のFe原子と
反応して耐摩耗性の良い塩化鉄膜を形成するのに対し、
フロン134aあるいはフロン152aを用いた場合は
、これらの化合物中にCI原子が存在しないために塩化
鉄膜のような潤滑膜が形成されず、潤滑作用が低下する
ことに原因の一つがある。
また、摺動部材として多用されている炭素鋼は、通常、
冷間加工などの塑性加工が施され、塑性加工後の炭素鋼
は加工硬化するとともに各結晶粒が加工方向に長く伸び
た冷間圧延組織となっている。
このような低炭素鋼の冷間圧延組織の顕微鏡写真(日本
金属学会 金属組織写真集 鉄鋼材料編p38、(19
79)から引用)の模式図を第9図に示す。
第9図において、圧延方向に長く伸びた白く見える結晶
粒がフェライト、この隙間を埋めるように黒く見える部
分かパーライトである。
このような組織を有する炭素鋼は、もともと圧延によっ
て引張られていることから残留応力が存在しており熱的
に不安定であるうえ、その表面に潤滑膜が充分に形成さ
れなければ、摺動時の熱による剥離が生じ易くなり、剥
離した部分がパリとなって摺動相手材を削るため、摩耗
量が増大してしまうのである。
さらに、従来の鉱油系冷凍機油には環状化合物が含まれ
ており油膜形成能力が比較的高かったのに対し、フロン
134aあるいはフロン152aと相溶性を有する冷凍
機油は鎖状化合物が主体であり、厳しい摺動条件下では
適切な油膜厚さを保つことができないことも耐摩耗性の
低下を促進させる要因となっている。
したがって、フロン12 (CFCI2)に替わる新た
な冷媒であるフロン134a (RPC134a)ある
いはフロン152a (HFC152a)を用い、これ
らの冷媒と相溶性を有する冷凍機油を使用した冷媒圧縮
機において、摺動部材の耐摩耗性を向上させ、長期使用
を可能とすることが、重要な課題となっている。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもの
で、フロン134aまたはフロン152aの使用に際し
て、摺動部位で用いる部材の耐摩耗性を向上させ、長寿
命化を図った冷媒圧縮機を提供することを目的どする。
[発明の構成コ (課題を解決するための手段) 本発明の冷媒圧縮機は、密閉された容器内にモータ機構
および圧縮機構が収容され、かつ、冷媒として1,1,
1.2−テトラフルオロエタンまたは1゜1−ジフルオ
ロエタンの冷媒を、冷凍機油として前記冷媒と相溶性を
有する冷凍機油を使用し、前記冷媒が前記容器内を循環
する冷媒圧縮機において、前記圧縮機構における摺動部
品は、ビッカース硬度が200〜300である鋳鉄と、
焼なまし温度が700〜900℃であり、かつ、冷却速
度10 deg/s以下の熱処理によって得られる炭素
鋼とを用い、前記鋳鉄と前記炭素鋼とが摺動するよう組
合せて構成されたことを特徴としている。
本発明において、冷媒として使用するフロン134aま
たはフロン152aは、両者ともc1原子を含まないた
めオゾン破壊係数が0であり、環境保全に有用である。
フロン134aはエネルギー効率がそれほど高くないも
のの、現行システムとの互換が可能であるという長所を
有している。また、フロン152aは可燃性を有するも
のの、エネルギー効率が非常に高いという長所を有して
いる。
これらの冷媒を使用する冷媒圧縮機では、冷凍機油とし
て134aまたはフロン152aと相溶性を有するもの
を用いる必要があり、たとえば、エーテル系油、エステ
ル系油、フッ素系油等が挙げられる。
冷媒と冷凍機油との相溶性は、冷凍サイクルの配管中に
冷凍機油が残留することを防止し、確実に圧縮機に冷凍
機油を戻すために必要な条件である。
上述したエーテル系油、エステル系油、フッ素系油の中
でも、エーテル系油の1種であるポリアルキレングリコ
ール系油は粘度指数が高く、低温流動性に優れているた
め、フロン134aまたはフロン152aに対する冷凍
機油として適している。
また、エステル系油は吸湿性の低さにおいて優れている
本発明において、冷媒圧縮機の圧縮機構における摺動部
品の一方の部材である鋳鉄は、ビッカース硬度が200
〜300である。
ビッカース硬度が200未満であると機械的強度が充分
でなく、300を超えると摩耗量が急激に増大するため
である。
本発明において、ビッカース硬度が200〜300であ
る鋳鉄は、一般に炭素量またはケイ素量を調節すること
により得られる。これは、鋳鉄の硬度が、次式で示され
る共晶度の値が大きいほど黒鉛量が多く硬度が小さくな
る関係にあるためである。
式:5c−C%/[:4.23 −1/3  (St%
+P%)]これに対する摺動部品の他方の部材である炭
素鋼は、焼なまし温度が700〜900℃であり、かつ
、冷却速度10 deg/s以下の熱処理によって得ら
れるものである。
本発明における炭素鋼は、結晶粒を粗大化および等力比
させることにより、結晶粒界に存在する残留応力を除去
し、摩擦熱に対して結晶粒の結合を促進させることがで
きる。そして、最も適した炭素鋼を得るための熱処理条
件が焼なまし温度が700〜900℃であり、がっ、冷
却速度10 deg/s以下という条件である。
一般に、炭素鋼の焼きなましにおいて、加工によって硬
化したものを軟化させるだけでなく、組織的にも加工の
影響を消すために、炭素鋼の炭素量と焼きなまし温度と
は次に示す第1表のような関係がある(門間改三著、鉄
鋼材科学、実教出版、1983、り133参照)。
(以下余白) 第  1  表 また、炭素鋼の熱処理の冷却速度と組織の関係について
は第7図に示す連続冷却曲線が求められている(門間改
三著、鉄鋼材科学、実教出版、1983、p137参照
)。
そして、鋳鉄の硬度が炭素鋼の硬度よりも多少高い組合
せで両者を用いることが好ましく、耐摩耗性の向上によ
り効果的である。
また、上記炭素鋼は、加工後の熱処理条件によってビッ
カース硬度および結晶粒の形状や大きさをコントロール
することができ、加工によって硬化したものを、軟化さ
せるだけでなく組織的にも加工の影響を除去するために
は、−様なオーステナイト組織まで加熱してから徐冷す
ればよい。
なお、このような熱処理によって寸法の変化が生じた場
合は、必要に応じて最終的に寸法精度を調整する。
硬度については、焼きなましのような熱処理を施さない
場合、通常、ピッカルス硬度で300を超える硬度とな
る。したがって、焼きなましのような熱処理を行うこと
によって、ビッカース硬度が200〜300で、かつ、
加工によって歪んだ炭素鋼の結晶形をほぼ等方的な形状
とすることができる。
本発明の冷媒圧縮機は、上述した鋳鉄と炭素鋼とが摺動
するよう摺動部位に組合せて用いる。
これらの組合せの例として、たとえば、鋳鉄をシャフト
やシリンダに使用し、炭素鋼を軸受やピストンに使用す
る。
このような摺動部材の組合せで冷媒圧縮機を構成するこ
とにより、摺動部材の耐摩耗性を長期に渡って維持する
ことができる。
(作 用) フロン134aやフロン152aは水溶解度が高く、し
たがってこれらと相溶性を有する冷凍機油、たとえばポ
リアルキレングリコール系の冷凍機油は強い極性基を有
することから吸湿性が非常に高いものとなっている。
冷凍機油の吸湿性について第1表に示し、フロン134
aの水溶解度について第8図に示した。
(以下余白) 第1表 各U滑油の吸湿性率 [単位 pp+n) *温度25℃、湿度70%における値である。
このように、かなりの量の水分が存在すると、摺動部材
表面の潤滑膜が分解され、部材の腐蝕摩耗が生じ、しか
もその進展が加速されるのである。
本発明では、ビッカース硬度が200〜300である鋳
鉄と、焼なまし温度が700〜900℃であり、かつ、
冷却速度In dex/s以下の熱処理によって得られ
る炭素鋼とを用い、これらを組合せて摺動部材とするこ
とにより、塩素原子による潤滑膜が形成されない場合、
あるいは冷凍機油の油膜保持力が低い場合でも、摺動部
位での摩擦熱に対する抵抗力を高め、優れた耐摩耗性を
維持している。
一般に、冷間加工などの塑性加工後の炭素鋼は、加工硬
化するとともに各結晶粒が加工方向に長く伸びた冷間圧
延組織となる。このような圧延組織からなる炭素鋼は、
圧延方向に対する強度は高いが、圧延方向に垂直な方向
については強度が低い。
また、結晶粒が歪んでいることから結晶粒界に残留応力
が存在し、熱的に不安定な状態となっている。すなわち
、熱によって容易に残留応力を解放し、表面が剥離しや
すい状態にあると言える。
冷媒圧縮機内の指動部では、金属同士の接触によって5
00℃以上もの高温となり、表面近傍の組織はその部材
の耐摩耗性に大きく影響するのである。
これに対して本発明の炭素鋼は、焼なまし温度が700
〜900℃であり、かつ、冷却速度10 deg/s以
下の熱処理を行うことによって、結晶形状が等方的で、
大きさも適度に粗大化したものが得られる。このような
結晶粒の形状によって、組織の弾力性が増し、表面の剥
離が減少する。これにより、摺動時の摩耗量が低減され
る。
(実施例) 次に、本発明の実施例について説明する。
実施例1 ビッカース硬度280相当の鋳鉄PC25材を用い、シ
ャフトとして所定形状に切り出した。
一方、この摺動相手部品である軸受として、炭素鋼S−
150(炭素含有量0.13νt%)を所定形状に切り
出し、第1表にしたがって焼きなまし温度866℃で1
時間保持し、その後空冷(冷却速度約l deg/s 
)を行い、寸法精度を整えた後、これらを用いて第1図
に示した冷媒圧縮機と同一構成の冷媒圧縮機を組み立て
て、エステル系油の冷凍機油を供給し、冷媒としてHP
C134aを用いて、500時間の運転を行った。
運転終了後、走査電子顕微鏡(SEM)を用いてシャフ
トの表面観察を行ったところ、摩耗痕はほとんど認めら
れなかった。
さらに、第3図に示すような摩耗試験機を用いてシャフ
トの耐摩耗性を評価した。
この装置は、シャフト31を■−ブロック32・32で
挟み込み、■−ブロック32の締め付けによる荷重を一
定の値に設定し、シャフト31を回転させて冷媒を吹込
みながら、一定時間の摩耗量を調べるものである。
ここでは、フロン134aを吹込みつつ、シャフトの回
転を290rpmとして、シャフト31を鋳鉄FC25
とし、■−ブロック32をこの実施例で得た炭素鋼とし
て、試験を行った。
この結果、ビッカース硬度280の鋳鉄Fe12材と、
焼きなまし温度866℃、冷却速度的L deg/sの
条件で得た炭素鋼との組合せでは、摩耗量は4 mgと
非常に少なく、優れた耐摩耗性を有していた。
実施例2 実施例1と同一条件で作製したシャフトおよび軸受を用
い、第1図に示した冷媒圧縮機と同一構成の冷媒圧縮機
を刊み立てた。そして、ポリアルキレングリコール系油
の冷凍機油を供給し、冷媒としてHFC152aを用い
て、500時間の運転を行った。
運転終了後、走査電子顕微鏡(SEM)を用いてシャフ
トの表面観察を行ったところ、摩耗痕はほとんど認めら
れず、摩耗量も 8a+gと少なく、良好な耐摩耗性を
有していた。
実施例3 次に、炭素鋼の焼きなまし温度を変化させた実施例につ
いて述べる。ここで、冷却速度は空冷でI deg/s
とした。
そして、ビッカース硬度240の鋳鉄Fe12材をシャ
フトとして用い、種々の焼きなまし温度条件で得た炭素
鋼をVブロックとして使用し、摩耗試験を行った。
その結果を第4図に示す。この図より、焼きなまし温度
が700℃以下になると摩耗量が急激に増大することが
わかる。
また、900℃を超えると材料の機械強度不足から摩耗
量が増加するとともに、所定の特性を発揮させることが
できなかった。
実施例4 次に、炭素鋼の冷却速度を変化させた実施例について述
べる。ここで、焼きなまし温度は840℃とした。
そして、ビッカース硬度240の鋳鉄Fe12材をシャ
フトとして用い、種々の冷却速度条件で得た炭素鋼をV
ブロックとして使用し、摩耗試験を行った。その結果を
第5図に示す。この図から明らかなように、冷却速度が
lOdeg/sを超えると摩耗量が増大して、十分な信
頼性を得ることができなかった。
比較例1 実施例1と同様のビッカース硬度280相当の鋳鉄Fe
25材を用い、シャフトとして所定形状に切り出した。
一方、この摺動相手部品である軸受として、炭素鋼S−
15C(炭素含有量0.18 wt%)を所定形状に切
り出し、本発明による熱処理を施さずに用いた。
これらを用いて第1図に示した冷媒圧縮機と同一構成の
冷媒圧縮機を組み立てて、エステル系油の冷凍機油を供
給し、冷媒として)IPC134aを用いて、500時
間の運転を行った。
運転終了後、走査電子顕微鏡(SEM)を用いてシャフ
トの表面観察を行ったところ、摩耗痕がはっきりと認め
られ、摩耗量も40+agと増大しており、信頼性の低
いものであった。
比較例2 実施例2と同一条件で作製したシャフトおよび軸受を用
い、第1図に示した冷媒圧縮機と同一構成の冷媒圧縮機
を組み立てた。そして、ポリアルキレングリコール系油
の冷凍機油を供給し、冷媒としてHFC152aを用い
て、500時間の運転を行った。
運転終了後、走査電子顕微鏡(SEM)を用いてシャフ
トの表面観察を行ったところ、摩耗痕がはっきりと認め
られ、摩耗量も50mgと多く、耐摩耗性の不十分なも
のであった。
すなわち、ビッカース硬度が200〜3ooである鋳鉄
と、焼なまし温度が700〜900 ℃であり、がっ、
冷却速度10 deg/s以下の熱処理によって得られ
る炭素鋼とを用いて、これらを組合せるとにより、これ
ら摺動部材の耐摩耗性を大きく向上させ、冷媒圧縮機の
長寿命化を図ることができた。
参考例 ここでは、フロン12 (CFC12)を用いた従来の
システムの冷媒圧縮機の場合における、摺動部材の耐摩
耗性について述べる。
CPC12使用のシステムにおいては、冷凍機油として
パラフィン系冷凍機油を用い、摺動部材とし上記比較例
1と同様の熱処理を施さない材料を使用した。
そして、実施f!II 1と同様に500時間の運転を
行い、運転終了後のシャフトを観察した。
従来の冷媒CFC12によれば、摩耗痕はほとんど認め
られず、シャフトの耐摩耗性評価においても摩耗量は8
 mgと低い値であった。
第6図に、これまで説明した実施例、比較例および参考
例による各組合せの摺動部材の摩耗量の結果をまとめて
示す。
第6図から明らかなように、冷媒としてフロン12が使
用される場合においては、摺動部材に特別な処理を施さ
なくとも十分な耐摩耗性を有していたのであるが、CP
C12に替わるC1原子を含まない冷媒を使用するとき
、それまでの摺動部材では、比較例1に示されるように
耐摩耗性が大きく低下し、CI原子を含まない冷媒であ
るHFC134,aやHFC152aに適した摺動部材
が必要となったのである。
そして、本発明による鋳鉄と炭素鋼との組合せによって
、従来のフロン12使用のシステムと同等あるいはそれ
以上に摺動部材の耐摩耗性を向上させることができた。
なお、ここではロータリー式の冷媒圧縮機について説明
したが、往復式の冷媒圧縮機の場合でも摺動部材として
本発明のような組合せを行うことにより、耐摩耗性向上
の優れた効果を得ることができる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の冷媒圧縮機は、ビッカー
ス硬度が200〜300である鋳鉄と、焼なまし温度が
700〜900℃であり、かつ、冷却速度10 deg
/s以下の熱処理によって得られる炭素鋼とを用い、こ
れらが摺動するよう組み合わせて冷媒圧縮機の摺動部品
を構成しているので、1.L、1.2−テトラフルオロ
エタンまたは1.1−ジフルオロエタンの冷媒使用に際
して、摺動部材の耐摩耗性を大きく向上させることがで
きる。
したがって、信頼性の高い長寿命な冷媒圧縮機を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は密閉型冷媒圧縮機の縦断面図、第2図は第1図
に示した冷媒圧縮機の圧縮機構の横断面図、第3図は摩
耗試験機の断面図、第4図は炭素鋼の焼きなまし温度と
摩耗量との関係を示す図、第5図は炭素鋼の冷却速度と
摩耗量との関係を示す図、第6図は各種組合せの摺動部
材の摩耗量を示す図、第7図は共析炭素鋼の連続冷却曲
線を示す図、第8図は各種冷媒の水溶解度を示す図、第
9図は一般的な炭素鋼の冷間圧延組織の顕微鏡写真の模
式図である。 1・・・ケーシング、2・・・ステータ、3・・・ロー
タ、4・・・モータ機構、5・・・圧縮機構、6・・・
供給管、7・・・吐出管、8・・・シャフト、9・・・
軸受、10・・・シリンダ、11・・・サブベアリング
、12・・・クランク、13・・・ローラ、14・・・
ブレード、15・・・スプリング、16・・・吸込室、
17・・・吐出室、18・・・吸込口、19・・・吐出
口、2o・・・冷凍機油。 出願人      株式会社 東芝 代理人 弁理士  須 山 佐 − 第1図 第2図 焼きなまし温度 第4図 ′冷却速度 第5図 (deq/s) (m9) 第3図 第6図 晴間TS) 温度(0C) 第8図 イ氏炭素鋼の冷開圧延組織 (X400) 第9図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)密閉された容器内にモータ機構および圧縮機構が
    収容され、かつ、冷媒として1,1,1,2−テトラフ
    ルオロエタンまたは1,1−ジフルオロエタンの冷媒を
    、冷凍機油として前記冷媒と相溶性を有する冷凍機油を
    使用し、前記冷媒が前記容器内を循環する冷媒圧縮機に
    おいて、 前記圧縮機構における摺動部品は、 ビッカース硬度が200〜300である鋳鉄と、焼なま
    し温度が700〜900℃であり、かつ、冷却速度10
    deg/s以下の熱処理によって得られる炭素鋼とを用
    い、 前記鋳鉄と前記炭素鋼とが摺動するよう組合せて構成さ
    れたことを特徴とする冷媒圧縮機。
JP25942690A 1990-09-28 1990-09-28 冷媒圧縮機 Pending JPH04136494A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25942690A JPH04136494A (ja) 1990-09-28 1990-09-28 冷媒圧縮機

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