JPH04136493A - 冷媒圧縮機 - Google Patents

冷媒圧縮機

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JPH04136493A
JPH04136493A JP25940290A JP25940290A JPH04136493A JP H04136493 A JPH04136493 A JP H04136493A JP 25940290 A JP25940290 A JP 25940290A JP 25940290 A JP25940290 A JP 25940290A JP H04136493 A JPH04136493 A JP H04136493A
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JP
Japan
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refrigerant
carbon steel
vickers hardness
refrigerant compressor
shaft
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JP25940290A
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English (en)
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Shoichiro Kitaichi
昌一郎 北市
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、冷媒圧縮機に係り、特に冷媒として1.1.
l、2−テトラフルオロエタンまたは1.1−ジフルオ
ロエタンの冷媒を使用するに際して好適な冷媒圧縮機に
関する。
(従来の技術) 一般に、室内あるいは車内の空気調和機、あるいは冷蔵
庫などには、冷風あるいは温風を送り出すために、冷媒
圧縮機が使用されている。
この冷媒圧縮機は、例えば第1図に示すロータリー式の
密閉型圧縮機や、カーエアコン用の半密閉型冷媒圧縮機
(図示省略)などがある。
第1図の、縦断面図として示した密閉型の冷媒圧縮機を
例として説明する。
同図において、密閉されたケーシング1内にはステータ
2とロータ3とで構成されるモータ機構4が設置されて
いる。
モータ機構4の下部には圧縮機構5が配設され、上記モ
ータ機構4によって圧縮装置5が駆動される。これによ
って、図示しないアキユムレータを介して供給管6から
導入された冷媒が圧縮され、ケーシング1内に一旦吐出
させた後、ケーシング1の上部に設けられた吐出管7か
ら冷凍機側に冷媒が供給される。
このような密閉型圧縮機における圧縮機構5について、
第2図を加えて詳しく説明する。第2図は圧縮機構5の
横断面図である。
これらの図において、ケーシング1内にはモータ4が収
容され、このモータ4により回転するシャフト8がフレ
ームの軸受9に軸支されてシリンダ10内を貫通し、さ
らにその下端部はサブベアリング11の軸受に軸支され
ている。
シャフト8のシリンダ10の内部は、クランク部12(
偏心部)となっており、このクランク部12とシリンダ
10との間にローラ13が嵌合され、シャフト8の回転
によりローラ13が遊星運動する。
また、シリンダ10を貫通してブレード14が設けられ
、スプリング15の付勢力によりブレード14の一端側
はローラ13の外周に接触し、シリンダ10内を吸込室
16と吐出室17に分割している。上記ローラ13の遊
星運動に応じてブレード14は往復運動する。
冷媒ガスはシャフト8の回転に伴うローラ13の遊星運
動に応じて、吸込口18から吸込まれ、圧縮され、吐出
口19から吐出されるが、この摺動部の動作を円滑にす
るためにケーシング1内には冷凍機油20か収容されて
いる。この冷凍機油20は、シャフト8の回転により、
シャフト8下端に設けられている図示されないポンプに
沿って吸い上げられ、摺動部を潤滑するようになってい
る。
このような冷媒圧縮機の摩耗は、ブレード14とシャフ
ト8を中心としたものに分けられる。
ブレード14はシャフト8の回転に伴い往復運動するが
、この際分割されたシリンダ10内の2室の圧力差によ
りシリンダ10の貫通孔内面にこすりつけられブレード
14、シリンダ10ともに摩耗する。また、ブレード1
4はスプリング15によりその端部がローラ13に押付
けられているため、ローラ13の外周も摩耗する。
一方、シャフト8は、ローラ13を介してスプリング1
5やシリンダ10内の圧力を受け、軸受9とサブベアリ
ング11に押付けられて寺子湾曲した形状となって高速
回転するため、シャフト8の外面、軸受9及びサブベア
リング11の内面が同様に摩耗する。
このような密閉型冷凍圧縮機の冷媒としては、ジクロロ
ジフロロメタン(以下フロン12 (CPC12)と称
する)やクロロジフロロメタンが主に用いられており、
また圧縮機構5に封入される冷凍機油としては、CPC
I2やクロロジフロロメタン(HCPC22)に対して
溶解性を示すナフテン系やパラフィン系鉱油が用いられ
ている。
これら冷媒や冷凍機油はケーシング1内を直接循環する
ため、圧縮機構5においては耐摩耗性を有することが必
要である。
ところで、最近、上述した冷媒などからのフロンの放出
がオゾン層の破壊につながり、人体や生態系に深刻な影
響を与えることがはっきりしてきたため、オゾン破壊係
数の高いフロン12などは段階的に使用が削減され、将
来的には使用しない方向に決定している。
このような状況下にあって、フロン12 (CFCI2
)の代替冷媒として、1.1,1.2−テトラフルオロ
エタン(以下フロン134a ()IFc 134a)
と称す)や、1゜l−ジフルオロエタン(以下フロン1
52a(HFC152a)と称す)等が開発されている
ところで、これらフロン134aまたはフロン152a
の冷媒は、オゾン破壊係数が低い反面、フロン12の使
用において用いられていた冷凍機油である鉱油にはほと
んど溶解しない。このため、フロン134aまたはフロ
ン152aを冷媒圧縮機の冷媒として使用する場合は、
冷凍機油としてこ°れらの冷媒と相溶性を有するエーテ
ル系油、エステル系油、フッ素系油等の使用が試みられ
ている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、冷媒としてフロン12に代わってRPC
134aまたはRPC152aを用い、冷凍機油として
これらの冷媒と相溶性を有する、たとえばポリアルキレ
ングリコール系油やポリエステル系油を用いた冷媒圧縮
機の場合、上述した圧縮機構5の摺動部材として使用さ
れているFe12、S−15C、S−12C、5WRC
HIOA、 5WC)115A 、 90M435、焼
結合金、ステンレス鋼などの耐摩耗性が低下し、長期間
安定して冷媒圧縮機を運転することができないという問
題が生じている。
これは、従来冷媒としてフロン12を用いた場合、フロ
ン12中の塩素(C1)原子が、金属基材のPe原子と
反応して耐摩耗性の良い塩化鉄膜を形成するのに対し、
フロン134aあるいはフロン152aを用いた場合は
、これらの化合物中に01原子が存在しないために塩化
鉄膜のような潤滑膜が形成されず、潤滑作用が低下する
ことに原因の一つがある。
摺動部材として多用されている炭素鋼は、通常、冷間加
工などの塑性加工が施されたビッカース硬度が300を
超えて500程度までの硬さの部材であり、塑性加工後
の炭素鋼は加工硬化するとともに各結晶粒が加工方向に
長く伸びた冷間圧延組織となっている。このような低炭
素鋼の冷間圧延組織の顕微鏡写真(日本金属学会 金属
組織写真集鉄鋼材料編pag、 (1979)から引用
)の模式図を第6図に示す。
第6図において、圧延方向に長く伸びた白く見える結晶
粒がフェライト、この隙間を埋めるように黒く見える部
分かパーライトである。
さらに、従来の鉱油系冷凍機油には環状化合物が含まれ
ており油膜形成能力が比較的高かったのに対し、フロン
134aあるいはフロン152aと相溶性を有する冷凍
機油は鎖状化合物が主体であり、厳しい摺動条件下では
適切な油膜厚さを保つことができないことも耐摩耗性の
低下を促進させる要因となっている。
したがって、フロン12 (CFC12)に替わる新た
な冷媒であるフロン134a (IPC134a)ある
いはフロン152a (RPC152a)を用い、これ
らの冷媒と相溶性を有する冷凍機油を使用した冷媒圧縮
機において、摺動部材の耐摩耗性を向上させ、長期使用
を可能とすることが、重要な課題となっている。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもの
で、フロン134aまたはフロン152aの使用に際し
て、摺動部位で用いる部材の耐摩耗性を向上させ、長寿
命化を図った冷媒圧縮機を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の冷媒圧縮機は、密閉された容器内にモータ機構
および圧縮機構が収容され、かつ、冷媒としてl 、 
1. 、1 、2−テトラフルオロエタンまたは1゜1
−ジフルオロエタンの冷媒を、冷凍機油として前記冷媒
と相溶性を有する冷凍機油を使用し、前記冷媒が前記容
器内を循環する冷媒圧縮機において、前記圧縮機構にお
ける摺動部品は、ビッカース硬度が200〜300であ
る鋳鉄と、ビッカース硬度が200〜300である炭素
鋼とを用い、前記鋳鉄と前記炭素鋼とが摺動するよう組
合せて構成されたことを特徴としている。
本発明において、冷媒として使用するフロン134aま
たはフロン152aは、両者ともC1原子を含まないた
めオゾン破壊係数が0であり、環境保全に有用である。
フロン134aはエネルギー効率がそれほど高くないも
のの、現行システムとの互換が可能であるという長所を
有している。また、フロン152aは可燃性を有するも
のの、エネルギー効率が非常に高いという長所を有して
いる。
これらの冷媒を使用する冷媒圧縮機では、冷凍機油とし
て134aまたはフロン152aと相溶性を有するもの
を用いる必要があり、たとえば、エーテル系油、エステ
ル系油、フッ素系油等が挙げられる。
冷媒と冷凍機油との相溶性は、冷凍サイクルの配管中に
冷凍機油が残留することを防止し、確実に圧縮機に冷凍
機油を戻すために必要な条件である。
上述したエーテル系油、エステル系油、フッ素系油の中
でも、エーテル系油の1種であるポリアルキレングリコ
ール系油は粘度指数が高く、低温流動性に優れているた
め、フロン134aまたはフロン152aに対する冷凍
機油として適している。
また、エステル系油は吸湿性の低さにおいて優れている
本発明において、冷媒圧縮機の圧縮機構における摺動部
品の一方の部材である鋳鉄は、ビッカース硬度が200
〜300である。
ビッカース硬度が200未満であると機械的強度が充分
でなく、300を超えると摩耗量が急激に増大するため
である。
これに対する摺動部品の他方の部材である炭素鋼は、ビ
ッカース硬度が200〜300である。
ビッカース硬度が200未満であると機械的強度が充分
でなく、300を超えると摩耗量が急激に増大するため
である。
そして、鋳鉄の硬度が炭素鋼の硬度よりも多少高い組合
せで両者を用いることが好ましく、耐摩耗性の向上によ
り効果的である。
本発明において、ビッカース硬度が200〜300であ
る鋳鉄は、一般に炭素量またはケイ素量を調節すること
により得られる。これは、鋳鉄の硬度が、次式で示され
る共晶度(Sc)の値が大きいほど黒鉛量か多く硬度が
小さくなる関係にあるためである。
式:5c−C%/[4,23−t/3  (St%+P
%)]また、上記炭素鋼は、加工後の熱処理条件によっ
てビッカース硬度をコントロールすることができ、たと
えば次のような方法を挙げることができる。
塑性加工した炭素鋼を、その炭素量に応じて適切な温度
で焼きなます。加工によって硬化したものを、軟化させ
るだけでなく組織的にも加工の影響を除去するためには
、−様なオーステナイト組織まで加熱してから徐冷すれ
ばよい。
なお、このような熱処理によって寸法の変化が生じた場
合は、必要に応じて最終的に寸法精度を調整する。
硬度については、焼きなましのような熱処理を施さない
場合、通常、ビッカース硬度で300を超える硬度とな
る。したがって、焼きなましのような熱処理を行うこと
によって、ビッカース硬度が200〜300である炭素
鋼を得ることができる。
本発明の冷媒圧縮機は、上述した鋳鉄と炭素鋼とが摺動
するよう摺動部位に組合せて用いる。
これらの組合せの例として、たとえば、鋳鉄をシャフト
やシリンダに使用し、炭素鋼を軸受やピストンに使用す
る。
このような摺動部材の組合せで冷媒圧縮機を構成するこ
とにより、摺動部材の耐摩耗性を長期に渡って維持する
ことができる。
(作 用) フロン134aやフロン152aは水溶解度が高く、し
たがってこれらと相溶性を有する冷凍機油、たとえばポ
リアルキレングリコール系の冷凍機油は強い極性基を有
することから吸湿性が非常に高いものとなっている。
冷凍機油の吸湿性について第1表に示し、フロン134
aの水溶解度について第7図に示した。
(以下余白) このように、かなりの量の水分が存在すると、摺動部材
表面の潤滑膜が分解され、部材の腐蝕摩耗が生じ、しか
もその進展が加速されるのである。
本発明では、ビッカース硬度が200〜300である鋳
鉄と、ビッカース硬度が200〜300である炭素鋼と
を組合せて摺動部材とすることにより、塩素原子による
潤滑膜が形成されない場合、あるいは冷凍機油の油膜保
持力が低い場合でも、摺動部位での摩擦熱に対する抵抗
力を高め、優れた耐摩耗性を維持している。
(実施例) 次に、本発明の実施例について説明する。
実施例1 ビッカース硬度280の鋳鉄Fe25材を用い、シャフ
トとして所定形状に切り出した。
一方、この摺動相手部品である軸受として、炭素鋼S−
15G  (炭素含有量0.13 vt%)を所定形状
に切り出し、焼きなまし温度866℃で熱処理を施した
この熱処理によって、ビッカース硬度が236である炭
素鋼部材を得た。
これらの摺動部材を用いて第1図に示した冷媒圧縮機を
組立て、エステル系油の冷凍機油を供給し、冷媒として
肝C134aを用いて500時間の運転を行った。
運転終了後、走査電子顕微鏡(SEM)を用いてシャフ
トの表面観察を行ったところ、摩耗痕はほとんど認めら
れなかった。
さらに、第3図に示すような摩耗試験機を用いてシャフ
トの耐摩耗性を評価した。
この装置は、シャフト31をV−ブロック32・32で
挾み込み、■−ブロック32の締め付けによる荷重を一
定の値に設定し、シャフト31を回転させて冷媒を吹込
みながら、一定時間の摩耗量を調べるものである。
ここでは、フロン134aを吹込みつつ、シャフトの回
転を29Orpmとして、シャフト31を鋳鉄PC25
とし、■−ブロック32をこの実施例で得た炭素鋼とし
て、試験を行った。
この結果、ビッカース硬度280の鋳鉄Fe12材と、
ビッカース硬度236の炭素#ii S−15C材との
組合せでは摩耗量は2Bと非常に少なく、優れた耐摩耗
性を有していた。
実施例2 ビッカース硬度280の鋳鉄Fe12材を用い、シャフ
トとして所定形状に切り出した。
一方、この摺動相手部品である軸受として、炭素@S−
15C(炭素含有量0.IB wt%)を所定形状に切
り出し、焼きなまし温度600℃で熱処理を施した。
この熱処理によって、ビッカース硬度が288である炭
素鋼部材を得た。
これらの摺動部材を用いて第1図に示した冷媒圧縮機を
組立て、ポリアルキレングリコール系油の冷凍機油を供
給し、冷媒としてHFC152aを用いて500時間の
運転を行った。
運転終了後、走査電子顕微鏡(SEM)を用いてシャフ
トの表面観察を行ったところ、摩耗痕はほとんど認めら
れなかった。
さらに、実施例1と同様の耐摩耗性試験を行った結果、
この実施例による鋳鉄と炭素鋼との組合せでは摩耗量は
2.9mgと少なく、優れた耐摩耗性を有していた。
実施例3 ビッカース硬度240の鋳鉄Fe12材を用い、シャフ
トとして所定形状に切り出した。
一方、二〇摺動相手部品である軸受として、炭素鋼S−
150(炭素含有量0.13 wt%)を所定形状に切
り出し、焼きなまし温度866℃で熱処理を施した。こ
の熱処理によってビッカース硬度が220である炭素鋼
部材を得た。
これらの摺動部材を用いて、実施例1と同じ冷媒圧縮機
を組立て、エステル系油の冷凍機油を供給し、冷媒とし
てRPC134aを用いて500時間の運転を行った。
運転終了後、実施例1と同様にシャフトの表面観察を行
ったところ、摩耗痕はほとんど認められず、シャフトの
耐摩耗性評価においても摩耗量は1.7mgと良好な結
果が得られた。
実施例4 ビッカース硬度260の鋳鉄Fe12材を用い、シャフ
トとして所定形状に切り出した。
一方、この摺動相手部品である軸受として、炭素鋼S−
150(炭素含有量0.13νt%)を所定形状に切り
出し、焼きなまし温度866℃で熱処理を施した。
この熱処理によって、ビッカース硬度が250である炭
素鋼部材を得た。
これらの摺動部材を用いて、実施例1と同じ冷媒圧縮機
を組立て、ポリアルキレングリコール系油の冷凍機油を
供給し、冷媒としてフロン152aを用いて500時間
の運転を行った。
運転終了後、実施例1と同様にシャフトの表面観察を行
ったところ、摩耗痕はほとんど認められず、シャフトの
耐摩耗性評価においても摩耗量は2.2Bと良好な結果
が得られた。
比較例1 ビッカース硬度320の鋳鉄Fe12材を用い、シャフ
トとして所定形状に切り出した。
一方、この摺動相手部品である軸受として、炭素jfl
s−150(炭素含有量01.3 vt%)を焼なまし
の熱処理なしで所定形状に切り出し、ビッカース硬度が
310である炭素鋼部材を得た。
これらの摺動部材を用いて実施例1と同一構成の冷媒圧
縮機を組立て、エステル系油の冷凍機油を供給し、冷媒
に実施例1と同じHPC134aを用いて、上記冷媒圧
縮機を500時間運転した。
運転終了後、走査電子顕微鏡(SEM)を用いてシャフ
トの表面観察を行ったところ、摺動によって生じた摩耗
痕がはっきりと認められた。
さらに、第3図に示す摩耗試験機を用いて実施例1と同
一条件でシャフトの耐摩耗性を評価した。
比較例2 ビッカース硬度150の鋳鉄Fe25材を用い、シャフ
トとして所定形状に切り出した。
一方、この摺動相手部品である軸受として、炭素鋼S−
15c  (炭素含有量0.11 wt%)を切り出し
、焼きなまし温度950℃の熱処理によってビッカース
硬度170である炭素鋼部材を得た。
これらの摺動部材を用いて実施例1と同一構成の冷媒圧
縮機を組立て、エステル系油の冷凍機油を供給し、冷媒
に実施例1と同じフロン134aを用いて、上記冷媒圧
縮機を500時間運転した。
すると、摺動部材の硬度が小さいために機械的強度が不
足し、運転終了後のシャフトにはクラックが発生してい
た。
これまで述べてきた実施例および比較例の結果を併せて
第4図にグラフとして示す。第4図は炭素鋼のビッカー
ス硬度と摩耗量との関係を表したものである。
このグラフから、炭素鋼のビッカース硬度が300を超
える付近で摩耗量が飛躍的に増大していることがわかる
すなわち、本発明のように、ビッカース硬度が200〜
300である鋳鉄と、ビッカース硬度が200〜300
である炭素鋼とが摺動するよう摺動部材を組合せること
により、これら摺動部材の耐摩耗性を大きく向上させ、
このような摺動部材を用いることによって冷媒圧縮機の
長寿命化を図ることができた。
参考例 ここでは、フロン12 (CPCI2)を用いた従来の
システムの冷媒圧縮機の場合における、摺動部材の耐摩
耗性について述べる。
CFC12使用のシステムにおいては、冷凍機油として
パラフィン系冷凍機油を用い、摺動部材として通常の炭
素鋼(ビッカース硬度306)と鋳鉄(ビッカース硬度
278)とを組合せて用い、実施例と同様に500時間
の運転を行った。
運転終了後のシャフトの表面観察によれば、摩耗痕はほ
とんど認められず、シャフトの耐摩耗性評価においても
摩耗量は5igと低い値であった。
第5図に、これまで説明した実施例、比較例および参考
例による各組合せの摺動部材の摩耗量の結果を示す。
第5図から明らかなように、冷媒としてフロン12が使
用される場合においては、ビッカース硬度が300を超
える部材を用いても同等問題はなかったのであるが、C
FC12に替わるCI原子を含まない冷媒を使用すると
き、それまでの摺動部材では、比較例1に示されるよう
に耐摩耗性が大きく低下し、CI原子を含まない冷媒で
あるHPC134aやHPC152aに適した摺動部材
が必要となったのである。
そして、本発明によるビッカース硬度や結晶粒数、結晶
形状を有する鋳鉄と炭素鋼との組合せによって、従来の
フロン12使用のシステムと同等あるいはそれ以上に摺
動部材の耐摩耗性を向上させることができた。
なお、ここではロータリー式の冷媒圧縮機について説明
したが、往復式の冷媒圧縮機の場合でも摺動部材として
本発明のような組合せを行うことにより、耐摩耗性向上
の優れた効果を得ることができる。
[発明の効果コ 以上説明したように、本発明の冷媒圧縮機は、ビッカー
ス硬度が200〜300である鋳鉄と、と・ソカース硬
度が200〜300である炭素鋼とを用い、これらの部
材同士が摺動するよう組合せて冷媒圧縮機の摺動部品を
構成しているので、1,1,1.2−テトラフルオロエ
タンまたは1.1−ジフルオロエタンの冷媒使用に際し
て、摺動部材の耐摩耗性を大きく向上させることができ
る。
したがって、信頼性の高い長寿命な冷媒圧縮機を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の冷媒圧縮機の縦断面図、第
2図は第1図に示した冷媒圧縮機の圧縮機構の横断面図
、第3図は摩耗試験機の断面図、第4図は炭素鋼の硬度
と摩耗量との関係を示す図、第5図は各種組合せの摺動
部材の摩耗量を示す図、第6図は一般的な炭素鋼の冷間
圧延組織の顕微鏡写真の模式図、第7図は各種冷媒の水
溶解度を示す図である。 1・・・ケーシング、2・・・ステータ、3・・・ロー
タ、4・・・モータ機構、5・・・圧縮機構、6・・・
供給管、7・・・吐出管、8・・・シャフト、9・・・
軸受、10・・・シリンダ、11・・・サブベアリング
、12・・・クランク、13・・・ローラ、14・・・
ブレード、15・・・スプリング、16・・・吸込室、
17・・・吐出室、18・・・吸込口、9・・・吐出口
、 0・・・冷凍機油。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)密閉された容器内にモータ機構および圧縮機構が
    収容され、かつ、冷媒として1,1,1,2−テトラフ
    ルオロエタンまたは1,1−ジフルオロエタンの冷媒を
    、冷凍機油として前記冷媒と相溶性を有する冷凍機油を
    使用し、前記冷媒が前記容器内を循環する冷媒圧縮機に
    おいて、 前記圧縮機構における摺動部品は、 ビッカース硬度が200〜300である鋳鉄と、ビッカ
    ース硬度が200〜300である炭素鋼とを用い、 前記鋳鉄と前記炭素鋼とが摺動するよう組合せて構成さ
    れたことを特徴とする冷媒圧縮機。
JP25940290A 1990-09-28 1990-09-28 冷媒圧縮機 Pending JPH04136493A (ja)

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JP25940290A JPH04136493A (ja) 1990-09-28 1990-09-28 冷媒圧縮機

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