JPH04136141A - アルミ合金製シリンダヘッドの熱処理方法 - Google Patents

アルミ合金製シリンダヘッドの熱処理方法

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JPH04136141A
JPH04136141A JP25808990A JP25808990A JPH04136141A JP H04136141 A JPH04136141 A JP H04136141A JP 25808990 A JP25808990 A JP 25808990A JP 25808990 A JP25808990 A JP 25808990A JP H04136141 A JPH04136141 A JP H04136141A
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JP
Japan
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cylinder head
refrigerant
water jacket
water
aluminum alloy
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JP25808990A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Oda
信行 小田
Yukihiro Sugimoto
幸弘 杉本
Katsuya Nishiguchi
勝也 西口
Makoto Fujita
誠 藤田
Takahiro Higuchi
樋口 隆博
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、アルミ合金製シリンダヘットの熱処理方法に
関するものである。
[従来の技術] 一般に、アルミ合金製シリンダヘッドにおいては、その
強度、伸縮性等の機械的性質を改善するために、鋳造後
にT6、T4等の熱処理が施され、この後機械加工が施
される。
例えば、T6処理では、次のような手順で熱処理が施さ
れる。
■シリンダヘッドを535℃になるまで加熱し、この温
度で4時間保持した後、例えば水等の冷媒に浸して焼入
れを施す(溶体化処理)。
■次に、シリンダヘッドを180℃になるまで加熱し、
この温度で6時間保持した後、空冷する(人工時効処理
)。
[発明が解決しようとする課題] トコロチ、一般に、溶体化処理において、被M処理物に
焼入れを施すと、被熱処理物の冷却されやすい部分には
圧縮残留応力が発生し、冷却されにくい部分には引っ張
り残留応力が発生するといった問題がある。
すなわち、第9図に示すような加熱された矩形の厚肉板
+01に焼入11を施すと、冷却初期には第10図に示
すように、端面102近傍と端面103近傍の領域A(
以下、これを外側領域Aという)は、急速に冷却されの
で長手方向(第1O図では左右方向)に収縮する。しか
しながら外側領域A以外の領域B(以下、これを内側領
域Bという)は、比較的緩慢に冷却されるので、この時
点てはほとんど収縮しない。このため、外側領域Δと内
側領域Bとが長手方向に互いに引っ張り合い、外側領域
Aには矢印X1で示すような引っ張り方向の変形が生じ
、一方向側領域Bには矢印X、て示すような圧縮方向の
変形が生じる。なお、第10図と第11図とにおいて、
破線は両領域A 、 r3間に相互作用がないと仮定し
た場合の仮想的な形状を示している。
そして、冷却後期には第11図に示すように、内側領域
Bが、十分に冷却されて収縮するが、冷却初期にすでに
圧縮変形が生じているのて、外側領域AよりIt<収縮
しようとし、このため外側領域へと内側領域Bとの間に
は、長手方向に互いに引っ張り合う力が生じる。したが
って、外側領域Aには矢印Y1で示すような圧縮残留応
力が発生し、内側領域Bには矢印Y、で示すような引っ
張残留応力が発生する。
このような現象が、シリンダヘッドの溶体化処理におけ
る焼入れ時に生じるのはもちろんである。
すなわち、シリンダヘッドの焼入れに際しては、通常、
水中に、シリンダヘッドを長手方向に浸す。
ここにおいて、シリンダヘッドの外周部近傍は周囲の水
との接触によって急速に冷却される。一方、シリンダヘ
ッド内部はウォータジャケットに流入する水によって冷
却されるが、ウォータジャケットの形状か複雑なため水
が入りにくく、またウォータジャケット内の水が局部的
に沸騰するので、シリンダヘッドのウォータジャケット
まわりの部分(以下、これをウォータジャケット周辺部
という)は冷却されにくい。このため、ウォータジャケ
ット周辺部には、比較的大きな引っ張り残留応力ないし
残留歪みが発生する。
このため、ウォータジャケット周辺部の実質的強度(引
っ張り強度、耐力、疲労強度)が低下し、かつエンジン
運転時において、ウォータジャケット周辺部、とくに吸
排気ポート周辺部には、爆発応力、熱心ツノ等によって
引っ張り方向の力が作用するので、この部分にクラツク
が発生ずる場合があるといった問題がある。
そこで、このような引っ張り残留え、力ないし残留歪み
を低紘オるために、次のよらなL法が提案されている。
■温水焼入れ、油焼入れ、あるいはミスト焼入れ等の採
用により、焼入れ時の冷却速度を小さくし、冷却の均一
化を図る。
■ポリエチレングリコール等のポリマ焼入れ剤を用いる
ことによってウォータジャケット内での局部的な水の沸
騰を防止し、ウォータジャケット周辺部の冷却を促進す
る。
■焼入れ後、機械的処理によりシリンダヘッドに引っ張
り残留応力と逆方向の応力を生じさ仕、引っ張り残留応
力を除去する。
■引っ張り残留応力が発生している部分に高密度エネル
ギ(例えばレーザ)を照射するなどして再溶融させ、組
織改善により機械的特性の改善を図る(特開昭61−1
93773号公報参照)。
しかしながら、本願発明者らが、上記各手法についてそ
の作用・効果を調へたところ、■の手法には、残留応力
低減効果が低く、かつ焼入れ不良を招きやすいといった
問題があり、■の手法には、焼入れ剤濃度、温度、撹拌
条件等の調整がむずかしく、また使用済み冷媒の廃棄処
分が煩わしいといった問題があり、 ■の手法には、シリンダヘッドのような複雑な形状のも
のには適用しにくいといった問題があり、■の手法には
、高価な設備が必要であり、かつ処理工数が増え、生産
コストが高くなるといった問題があった。
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであっ
て、鋳造後の熱処理工程において、つ1一クジヤケツト
周辺部の引っ張り残留応力を低減して、シリンダヘッド
の強度を高めることができる、簡素で経済的なアルミ合
金製シリンダヘッドの熱処理方法を提供することを目的
とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達するため、第1の発明は、ウォータジャ
ケットを備えたシリンダヘッドを、所定の焼入れ温度ま
で加熱した後、冷媒により冷却するようにしたアルミ合
金製シリンダヘットの熱処理方法であって、ウォータジ
ャケット内への冷媒の供給を促進する冷媒供給促進手段
を設け、該冷媒供給促進手段によってウォータジャケッ
ト内への冷媒の供給を促進しつつ、シリンダヘッドを冷
却するようにしたことを特徴とするアルミ合金製シリン
ダヘットの熱処理方法を提供する。
第2の発明は、第1の発明にかかるアルミ合金製シリン
ダヘッドの熱処理方法において、冷媒供給促進手段が、
ウォータジャケットの第1の開口部に対応する冷媒流入
穴が壁部に設けられたバケットであって、第1の開口部
と冷媒流入穴とが対応するようにしてシリンダヘッドを
バケット内に配置し、バケットを冷媒中に浸し、冷媒流
大穴から流入する冷媒をまずウォータジャケット内に流
入させることによって、ウォータジャケット内への冷媒
の供給を促進させ、この後ウォータジャケット内の冷媒
を第2の開口部から流出させ、この流出した冷媒によっ
てシリンダヘッド全体を冷却するようにしたことを特徴
とするアルミ合金製シリンダヘッドの熱処理方法を提供
する。
第3の発明は、第1の発明にかかるアルミ合金製シリン
ダヘッドの熱処理方法において、冷媒供給促進手段が、
吸排気ポートの配設位置に対応する位置においてシリン
ダヘッドの側壁に設けられシリンダヘッド外部とウォー
タジャケット内とを連通ずる複数の冷媒供給孔であって
、冷媒供給孔からウォータジャケット内に冷媒を流入さ
Uることによって、ウォータジャケット内への冷媒の供
給を促進するようにしたことを特徴とするアルミ合金製
シリンダヘッドの熱処理方法を提供する。
[発明の作用・効果] 第1の発明によれば、冷媒供給促進手段によって、ウォ
ータジャケット内に冷媒が積極的に流入させられるので
、シリンダヘッドの外周部近傍とウォータジャケット周
辺部との間の温度差が小さくなり、ウォータジャケット
周辺部ないし吸排気ポート周辺部の引っ張り残留応力が
低減され、シリンダヘッドの強度ないし耐久性が高めら
れる。
第2の発明によれば、まずもって第1の発明と同様の作
用・効果が得られる。さらに、ウォータジャケット周辺
部が先に冷却されるので、ウォータジャケット周辺部の
引っ張り残留応力が低減され、あるいは圧縮残留応力が
発生する。したがって、ウォータジャケット周辺部の強
度が一層高められる。また、バケットを大型化して冷媒
流入穴を多数段ければ、−度に多数のシリンダヘッドの
熱処理を行なうことができ、生産性を高めることができ
る。
第3の発明によれば、まずもって第1の発明と同様の作
用・効果が得られる。さらに、シリンダヘッドの側壁に
冷媒供給孔を設けるだけで実施できるので、従来の焼入
れ装置をそのまま利用することができ、生産コストが低
減される。また、冷媒供給孔が吸排気ポートと対応する
位置に配置されているので、とくに吸排気ポート周辺部
の冷却が促進され、この部分の強度が高められる。
[実施例1 以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
〈第1実施例〉 以下、請求項1の発明にかかる第1実施例を説明する。
第1図に示すように、鋳造により形成されたアルミ合金
製シリンダヘッドI内には、シリンダヘッド長手方向に
伸長するウォータジャケット2が設けられ、このウォー
タジャケット2は、シリンダヘッド長手方向両端部に形
成された第1.第2開口部3.4で夫々シリンダヘッド
外部に開口している。
そして、このシリンダヘッドIの溶体化処理における焼
入れは、っぎのような手順で施される。
■シリンダヘッド■を、535℃まで加熱してこの温度
で4時間保持した後、運搬手段5を用いて、シリンダヘ
ッド長手方向が上下方向を向くようにして、水が入った
焼入れWi6のやや上方に配置する。
■ウォータジャケット2の上側に位置する第1開口部3
に注水バイブ7(冷媒供給促進手段)を接続し、ウォー
タジャケット2内に水を注入する。
■この後、運搬手段5によって、シリンダヘッド1を下
降させ、これを焼入れ槽6内の水に浸す。
このような焼入れによれば、まずシリンダヘッド1のつ
A−タジャケット周辺部から冷却が開始されるので、ウ
ォータノヤケット周辺部ないし吸排気ポート周辺部に引
っ張り残留応力が発生せず、あるいは圧縮残留応力が発
生ずる。このため、つ噌−タジャケット周辺部の強度か
高ぬられ、エンジン運転時において、爆発応力、機械的
応力あるいは熱応力等に有効に対応することができ、シ
リンダヘッドlの耐久性が高められる。
第2図に示すように、シリンダヘッド1を水に浸すだけ
の従来の焼入れ方法では、iり記したとおり、ウォータ
ジャケット2内に水が流入しにくく、かつウォータジャ
ケット2内で局部的に水が沸騰するので、ウォータジャ
ケット周辺部の冷却が非常に悪くなり、ウォータジャケ
ット周辺部に強い引っ張り残留応力が発生し、その強度
が低下する。
なお、第1実施例では冷媒として水を用いているが、水
辺外の冷媒を用いてもよいのはもちろんである。
〈第2実施例〉 以下、請求項2の発明にかかる第2実施例を説明する。
第3図に示すように、第2実施例では、冷媒供給促進手
段として、底面壁に複数の冷媒流入穴11aが形成され
た箱型のバケット11を用い、シリンダヘッド12に焼
入れを施すようにしている。
シリンダヘッド12内には、シリンダヘッド長手方向に
伸長するウォータジャケット13が設けられ、このウォ
ータジャケット13は、シリンダヘッド長手方向両端部
に形成された第1.第2開口部34.15で夫々シリン
ダヘッド外部に開口している。ここで、バケット11の
冷媒流入穴11aは第2開口部15と係合できるような
形状に形成されている。
そして、このシリンダヘッドI2の溶体化処理における
焼入れは、っぎのような手順で施される。
■シリンダヘッド12を、535℃まで加熱してこの温
度で4時間保持した後、上下方向に長手となるようにし
て、かつ第2開口部15か冷媒流入穴11aと係合する
ようにして、バケッl−11の底面上に配置する。なお
、バケット11には複数の冷媒流入穴11aが設けられ
ており、この冷媒流入穴11aと同数のシリンダヘッド
12がバケットIl内に配置されるのはもらろんである
■シリンダヘッド12を載せたバケット11を、運搬手
段+6によって、焼入れ槽17内の水の中に浸す。バケ
ット11は、シリンダヘッド12の上端面が水面よりや
や下方に位置するような位置まで沈められる。
■ここで、焼入れ槽17内の水が、冷媒流入穴11aと
第2開口部15とを介してウォータジャケット13内に
流入するが、直接的にはバケット11内に入らない。そ
して、ウォータジャケット13内に流入した水は、ウォ
ータジャケット13内を上向きに流通した後、矢印Fで
示すように第1開口部I4からシリンダヘッド外部に流
出する。
この外部に流出した水は、シリンダヘッド12の外面を
冷却しつつバケット11内に溜まる。このようにして、
まずウォータノヤケット周辺部が冷却され、次にシリン
ダヘット12全体が冷却される。なお、適当な時期にバ
ケット11を完全に沈め、焼入れ槽17内の水を直接バ
ケットII内に流入させるようにしてもよい。また、水
以外の冷媒を用いてもよいのはもちろんである。
このような焼入れによれば、まずシリンダヘットI2の
ウォータジャケット周辺部から冷却が開始されるので、
ウォータジャケット周辺部ないし吸排気ポート周辺部に
引っ張り残留応力が発生せず、あるいは圧縮残留応力が
発生ずる。このため、ウォータジャケット周辺部の強度
が高められ、エンジン運転時において、爆発応力、機械
的応力あるいは熱応力等に有効に対応することができ、
シリンダヘット12の耐久性が高められる。
以下に、ディーゼルエンジン用アルミ合金製シリンダヘ
ッド(材質AC4D)に対して、第2実施例にかかる熱
処理(焼入れ)を施した場合と、従来の方法による熱処
理を施した場合の、ウォータジャケット周辺部の残留応
力を、ひずみゲージ法により測定した結果を示す。なお
、測定結果はウォータジャケット内の6か所における測
定値の平均である。
(1)第2実施例にかかる熱処理方法 ■加熱条件  535℃で4時間 ■冷媒    20℃の水 ■残留応力  −3、0kg/ mm’(圧縮)(II
)従来の熱処理方法 ■加熱条件  535℃で4時間 ■冷媒    75℃の水 ■残留応力  4 、0 kg/mm’(引っ張り)こ
のように、第2実施例にかかる熱処理方法によれば、ウ
ォータジャケット周辺部に比較的高い圧縮残留応力が発
生し、シリンダヘッドの強度が大幅に高められる。
〈第3実施例〉 以下、請求項3の発明にかかる第3実施例を説明する。
第4図に示すように、4気筒工ンジン用アルミ合金製シ
リンダヘッド21には、第1〜第4気筒#1〜#4に対
応する位置に、夫々吸気ポート22と排気ポート23と
が設けられている。そして、シリンダヘッド21内には
、フロント側(第4図では左側)からみて右側に偏った
位置に、シリンダヘッド長手方向(第4図では左右方向
)に伸長するウォータジャケット24が設けられている
。このウォータジャケット24は、シリンダヘット21
のフロント端部に形成されたフロント開口部25と、リ
ヤ端部(第4図では右端部)に形成されたリヤ開口部2
6とでシリンダヘッド外部に開口している。
そして、フロント側からみて右側に位置する薄手のシリ
ンダヘッド側壁28には、シリンダヘッド長手方向にみ
て吸・排気ボー)22.23に対応する位置において、
夫々ウォータジャケット24内とシリンダヘッド外部と
を連通ずる冷媒供給孔27が形成されている。
上記シリンダヘット21の溶体化処理における焼入れは
、水中に、シリンダヘット21をリヤ側から7リングヘ
ツト長手方向に浸すといった、第2図に示すような従来
の方法で施される。したがって、従来の焼入れ装置をそ
のまま利用することができるので、格別の設備投資を必
要としない。
そして、上記焼入れにおいては、各冷媒流入孔27から
ウォータノヤケット24内に水が流入するので、ウォー
タジャケット周辺部の冷却が促進され、ウォータジャケ
ット周辺部に引っ張り残留応力が発生しない。また、冷
媒供給孔27が吸・排気ポート22.23に対応する位
置に形成されているので、とくに吸・排気ポート周辺部
の冷却が促進され、この部分の強度が高められる。なお
、水以外の冷媒を用いてもよいのはもちろんである。
第5図に、木本にかかるディーゼルエンジン用アルミ合
金製シリンダヘッドと、同一材料で同一形状に形成され
た従来のシリンダヘッドとに対して、焼入れを施した場
合の、吸・排気ポート周辺部の残留応力の実測値を示す
。なお、測定位置ないし方向は、第4図中の矢印P1〜
P、で示すとおりである。
第5図から明らかなように、従来のシリンダヘッドでは
2〜6kg/in”の引っ張り残留応力が発生している
か、本案にかかるシリンダヘッドでは2〜4kg/1I
IIIl′の圧縮残留応力が発生している。したかって
、本案にかかるシリンダヘッドでは、とくに吸・排気ポ
ート周辺部の強度が高められることがわかる。
〈第4実施例〉 以下、第4実施例を説明する。
第4実施例における熱処理方法は、アルミ合金製シリン
ダヘッドを、溶体化温度まで加熱した後、固溶限線温度
まで徐冷し、この後急冷して焼入れを施すことによって
、焼入れ時における易冷却部と難冷却部との間の温度差
を小さくし、難冷却部での引っ張り残留応力の発生を低
減するようにしたことを特徴とする。
すなわち、第8図に示すように、溶体化処理の焼入れに
おいては、被熱処理物は、所定の焼入れ温度T、まて加
熱された後(一定時間この温度を保持するのはもちろん
である)、冷媒によって冷媒温度T、まで冷却されるが
、易冷却部では冷却速度が大きく(曲線G1)、一方難
冷却部では冷却速度が小さいので(曲線cJ、焼入41
時にはこれらの間に温度差ΔTが生じ、この温度差へT
が大きいときほど、難冷却部に引っ張り残留応力が発生
ずる。
そこで、上記温度差へTを小さくするために、従来より
油焼入れ(熱移動量を小さくする)、あるいは温水焼入
れ(T2を高くする)が用いられているが、このような
熱処理方法に難点があることは本願[発明が解決しよう
とする課題」に記載したとおりである。
第4実施例は、シリンダヘッドを一応焼入れ温度(溶体
化温度、例えば535℃)まで加熱するが、焼入れにお
いて急冷が必要とされない固溶限線温度(例えば450
℃)以上の温度域では徐冷し、この後急冷することによ
って、実質的に焼入れ温度を低くし、温度差ΔTを小さ
くするようにしているわけである。
具体的には、次のような方法で焼入れ(熱処理)が施さ
れる。
■第6図に示すように、焼入れ槽31内に冷却力の小さ
いオイルと、冷却力の大きい水とを入れる。このとき、
密度差により自然に、油層32(上層)と水層33(下
層)とが杉成される。
■ウォータジャケット35を備えたシリンダヘッド34
を、溶体化温度535℃まで加熱し、所定時間(例えば
4時間)この温度を保持する。
■運搬手段36を用いて、シリンダヘッド34を、シリ
ンダヘッド長手方向が上下方向を向くようにして、油層
32に浸し、第7図に示すように、シリンダヘッド34
が固溶限線温度450℃になるまでこの状態を保持する
。このとき、油層32の冷却力が小さいので、シリンダ
ヘッド34が徐冷される。シリンダヘッド34が535
℃から450℃まで低下するのに要する時間Q+〜11
)はおよそ4秒である。したがって、この工程では易冷
却部(シリンダヘッド外周部)と難冷却部(ライ一タジ
ャケット周辺部)との間の温度差が小さくなり、熱変形
がほとんど生じない。そして、前記したとおり、冷却初
期における熱変形が、焼入れ後の引っ張り残留応力の主
な発生原因であるので、第4実施例に、Lれば、引っ張
り残留応力を効果的に低減することができる。
■シリンダヘッド34が固溶限線温度450℃まで下が
ったときに、運搬手段36によって、シリンダヘッド3
4をさらに下降さl、水層33に浸して急冷する。この
急冷に要する時間(11〜[、)はおよそ2秒である。
このとき、急冷が開始される温度が比較的低いので(4
50℃)、急冷中におけるシリンダヘッド外周部とウォ
ータジャケット周辺部との間の温度差が小さくなり、ウ
ォータジャケット周辺部に発生ずる引っ張り残留応力か
低減される。
本願発明者らの測定結果によれば、従来の熱処理方法に
より焼入れを施したアルミ合金製ノリンダヘッドでは、
残留応力が4kg/mm’であったが、第4実施例にか
かる方法により焼入れを施したものでは、残留応力が3
kg/mm’であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、第1実施例を示す、シリンダヘッドの焼入れ
装置の縦断面説明図である。 第2図は、従来のシリンダヘッドの焼入れ装置の縦断面
説明図である。 第3図は、第2実施例を示す、シリンダヘッドの焼入れ
装置の縦断面説明図である。 第4図は、第3実施例を示す、シリンダヘッドの横断面
説明図である。 第5図は、第3実施例による焼入れが施されたシリンダ
ヘッドと、従来の方法による焼入れが施されたシリンダ
ヘッドの、残留応力の測定結果を示す図である。 第6図は、第4実施例を示ケ、シリンダヘッドの焼入れ
装置の縦断面説明図である。 第7図は、第4実施例における焼入れ時の、シリングヘ
ッド温度の時間に対する特性を示す図である。 第8図は、焼入41時における、易冷却部と難冷却部の
、冷却特性を示す図である。 第9図〜第11図は、夫々、厚肉板の焼入れ時における
、冷却的と冷却初期と冷却後期の収縮状態を示す模式図
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ウォータジャケットを備えたシリンダヘッドを、
    所定の焼入れ温度まで加熱した後、冷媒により冷却する
    ようにしたアルミ合金製シリンダヘッドの熱処理方法で
    あって、 ウォータジャケット内への冷媒の供給を促進する冷媒供
    給促進手段を設け、該冷媒供給促進手段によってウォー
    タジャケット内への冷媒の供給を促進しつつ、シリンダ
    ヘッドを冷却するようにしたことを特徴とするアルミ合
    金製シリンダヘッドの熱処理方法。
  2. (2)請求項1に記載されたアルミ合金製シリンダヘッ
    ドの熱処理方法において、 冷媒供給促進手段が、ウォータジャケットの第1の開口
    部に対応する冷媒流入穴が壁部に設けられたバケットで
    あって、第1の開口部と冷媒流入穴とが対応するように
    してシリンダヘッドをバケット内に配置し、バケットを
    冷媒中に浸し、冷媒流入穴から流入する冷媒をまずウォ
    ータジャケット内に流入させることによって、ウォータ
    ジャケット内への冷媒の供給を促進させ、この後ウォー
    タジャケット内の冷媒を第2の開口部から流出させ、こ
    の流出した冷媒によってシリンダヘッド全体を冷却する
    ようにしたことを特徴とするアルミ合金製シリンダヘッ
    ドの熱処理方法。
  3. (3)請求項1に記載されたアルミ合金製シリンダヘッ
    ドの熱処理方法において、 冷媒供給促進手段が、吸排気ポートの配設位置に対応す
    る位置においてシリンダヘッドの側壁に設けられシリン
    ダヘッド外部とウォータジャケット内とを連通する複数
    の冷媒供給孔であって、冷媒供給孔からウォータジャケ
    ット内に冷媒を流入させることによって、ウォータジャ
    ケット内への冷媒の供給を促進するようにしたことを特
    徴とするアルミ合金製シリンダヘッドの熱処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6214136B1 (en) 1997-07-31 2001-04-10 Mazda Motor Corporation Light-alloy casting heat treatment method
US7854252B2 (en) 2005-09-21 2010-12-21 United Technologies Corporation Method of producing a castable high temperature aluminum alloy by controlled solidification

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