JPH0413472Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はワークに開設された閉塞具取付孔を
取外しを容易に、且つ外観を良好に塞ぐ一体の孔
の閉塞装置に関する。

例えば実開昭51−70369号公報に示されている
様に、「一端の盤状部の一側に一体の筒部を有し、
筒部の外周に拡大段部を設け、盤状部と段部の間
の外周面を段部に向つて拡大したテーパ面とし、
段部と筒部の先端との間の外周面に先端に向つて
縮小したテーパ面とし、筒部に数個の半径方向の
割溝を設けてなる板状体の孔塞ぎ栓」は公知であ
る。

しかし、この公知例は単に孔を塞ぎ良い栓であ
り、取外しは困難である。又、板に取付けた状態
では、板から盤状体の厚さ分突出し、外観を損う
恐れがあつた。

そこで本考案は閉塞具取付孔に装着後、外すに
は一回転以内回動することにより自動的に或る程
度浮き上つて取外しを容易にし、且つ頭部をワー
クと同一平面上に取付け外観を良くする体型の孔
の閉塞装置を提供して、上記した従来例の欠点を
解消することを目的とするものである。

以下、図示の実施例を参照して本考案を説明す
る。

１は鍔、２は円筒部を示し、これらはプラスチ
ツクで一体に成形されている。この実施例で円筒
部２は円周方向に等間隔な四つのスリツト３で相
対向した二対の弧状片２ａ，２ａと２ｂ，２ｂに
切割られている。そして、一方の対の弧状片２
ａ，２ａの外周の下端部中央からは鋸歯形の爪片
４が突出している。この爪片４の平らな上面と鍔
１の下面間の距離は、鍔の下面が受止められるワ
ーク５の厚さないし、閉塞具取付孔６が段付孔の
場合は小径な下段部６ａの厚さに適合している。
尚、閉塞具取付孔６ないし小径な下段部６ａの内
形は円筒部２の外形より僅かに大である。

又、弧状片の他の一対２ｂ，２ｂの外周の上端
部中央からはカム片７が突出する。従つて、この
実施例における爪片４とカム片７は円周方向に
90°位相がずれている。

上記爪片４の円周方向の幅はカム片７と同じ
か、カム片よりも小にする。尚、鍔１の上面には
ドライバなどの工具を係合する係合溝８を設けて
置く。

ワーク５に開設する閉塞具取付孔６の縁（閉塞
具取付孔６が段付孔の場合は大径な上段部６ｂの
縁）には上記カム片７の円周方向の位置に対応さ
せてカム片７が通過できる切欠き９を形成して置
く。

上記閉塞具取付孔６を塞ぐにはカム片７を切欠
き９に合わせて円筒部２を閉塞具取付孔ないし下
段の小径部６ａ中に押込む。これにより各爪片４
は孔の内周で内向きに押され、円筒部ないし弧状
片を撓めて孔内を通過し、ワークの裏面に出ると
弾性を復元してワークの裏面で孔の縁に引掛り、
孔を塞ぐ。この状態でカム片７は切欠き９中に突
出しているので振動等によつても回動することは
なく、孔を塞いだ状態を維持する。孔から外すに
は工具の先端を鍔の上面の係合溝８に突入し、こ
の実施例では90°正逆どちらかの方向に回す。こ
れによりカム片７は切欠き９から脱出してワーク
の上面ないし段付孔の大径な上段部６ｂの上面に
乗り上げ、爪片４が円筒部の内側に撓んだ状態で
切欠き９の位置に来ると弾性で元に戻り、切欠き
９から上に脱出させる。従つて、鍔１はワークの
上面上又は段付孔の上段部６ｂから上に浮上るの
で指で容易に摘み、取除くことができる。

この実施例では円筒部の外周に前述の様に円周
方向に90°の位相で爪片４とカム片７を設けたが
これに限定されず、例えば60°とかその他の位相
角で設けてもよい。又、孔への装着を容易にする
ため鍔の上面にはカム片７或いは爪片４と同位置
に目印を付してもよい。

更に、この実施例では外観を良くする為に閉塞
具取付孔の周面に段部を設けたが、これに限定さ
れず、外観を良くする必要のないワークへの取付
には段部を設けなくてもよい。

こうして本考案によれば樹脂の使用量が必要最
小限度で、孔から外す際は浮き上つて取除くこと
が容易なワンピースの孔の閉塞装置を提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は一半は上から、他半は下から見た平面図、第２
図は同上の側面図、第３図は孔を塞いだ状態の断
面図、第４図は孔から外した状態の側面図、第５
図は取付孔を上から見た平面図で、図中、１は
鍔、２は円筒部、４は爪片、５はワーク、６は閉
塞具取付孔、７はカム片、８は係合溝を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ワークに形成され、その円周の一部には周縁
   部から外方側に切欠かれて切欠部が形成された
   閉塞具取付孔と、上面に工具の係合溝を有する
   鍔部と、外径を上記閉塞具取付孔の径とほゞ等
   しくし、鍔部の下面から同心状に一体に垂下し
   て閉塞具取付孔に突入する可撓の円筒部が形成
   され、該円筒部の外周下部にはワークの裏面に
   係合する爪片が円周方向に複数突出すると共
   に、円筒部の外周上部には上記爪片と円周方向
   及び高さ方向に位相をずらして上記切欠部内に
   侵入可能なカム片が突出する閉塞具を有し、該
   閉塞具を上記閉塞具取付孔に装着する際、前記
   円筒部上部のカム片をワークの切欠部に臨ませ
   接面上に装着し、装着の解除の際閉塞具の捻回
   により上記カム片を切欠部より摺り上げると共
   に爪片の円筒部内側への撓んだ状態のまま切欠
   部の位置で弾性復帰する事でワーク裏面の係合
   を外し、もつて閉塞具の鍔部をワークの上面に
   浮き上げるようにしたことを特徴とする孔の閉
   塞装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲(1)の孔の閉塞装置に
   おいて、閉塞具取付孔の周面には閉塞具を受用
   する段部を設けてなる孔の閉塞装置。 (3) 実用新案登録請求の範囲(1)の孔の閉塞装置に
   おいて、各爪片の円周方向の幅はカム爪と同じ
   かそれよりも小である孔の閉塞装置。