JPH0413383B2 - - Google Patents
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- JPH0413383B2 JPH0413383B2 JP58158091A JP15809183A JPH0413383B2 JP H0413383 B2 JPH0413383 B2 JP H0413383B2 JP 58158091 A JP58158091 A JP 58158091A JP 15809183 A JP15809183 A JP 15809183A JP H0413383 B2 JPH0413383 B2 JP H0413383B2
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Landscapes
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Lubricants (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
技術分野
本発明は樹脂系摺動材料に関するものである。
従来技術
摺動材料に関しては、従来、銅合金、アルミニ
ウム合金などが、金属系の軸受材料として使用さ
れていた。 また、ポリアセタールなどの熱可塑性樹脂を場
合により含油して樹脂軸受材料として使用するこ
とは知られていた。 さらには、ポリテトラフルオロエチレン樹脂
(PTFE)を樹脂軸受材料として使用することも
知られていた。 これら樹脂材料は、金属系の軸受材料に対し、
近年の各種装置の軽量化の要求の上で注目されて
いるが、十分な摺動特性が得られなかつた。 中でも、樹脂材料が相手材と片当りしうる部位
で使用すると偏摩耗が発生し、負荷能力が低下し
て使用に耐えなかつた。 発明の目的 本発明の目的は、優れた摺動特性を有する樹脂
系摺動材料を提供することにある。すなわち、従
来の樹脂材料の欠点である偏摩耗を防止し、かつ
負荷能力を含めた摺動特性を向上させた摺動樹脂
材料を提供することを目的とする。 発明の構成 本発明の上記目的は、熱可塑性樹脂に、グラフ
アイトを混入した摺動樹脂材料のうち、前記グラ
フアイトの混入量を3ないし35重量%とするとと
もに、前記熱可塑性樹脂を少なくとも2種から構
成し、そのうち1種の添加量を、1.0ないし31重
量%のフツ素樹脂とし、他の熱可塑性樹脂のうち
少なくとも1種を基材としたことを特徴とする摺
動特性としての潤滑性が優れた摺動樹脂材料を提
供することにより達成される。さらに、第2の構
成として、熱可塑性樹脂にグラフアイトを混入し
た摺動樹脂材料のうち、前記グラフアイトの混入
量を3ないし35重量%とするとともに、前記熱可
塑性樹脂を少なくとも2種から構成、そのうち1
種の添加量を、1.0ないし31重量%のフツ素樹脂
とし、他の熱可塑性樹脂のうち少なくとも1種を
基材とし、更に潤滑油を0.1ないし10重量%含有
することを特徴とする摺動特性としての潤滑性が
優れた摺動樹脂材料を提供するすることにより達
成される。 以下、本発明の摺動樹脂材料(単に、摺動材料
と後述の部分にて称する)の構成を説明する。 本発明の摺動材料において、基材となる樹脂材
料は、熱可塑性を有する材料であればよく、その
中でポリフエニレンオキシド、ポリブチレンフタ
レート、ポリアミド(商品名ナイロン)、ポリカ
ーボネート、及びポリアセタールが好ましく、ポ
リアセタールが特に好ましい。ポリアセタールと
しては、コポリマータイプとホモポリマータイプ
のうち、前者が好ましい。 しかしながら、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)樹脂は、耐熱性は優れているが、材料
自体では摩耗に弱い材料である。 このため本発明では、第1の構成として、熱可
塑性樹脂を少なくとも2種から構成し、そのうち
1種をフツ素樹脂とし、これを添加材料として用
いた。そして、フツ素樹脂以外の、他の熱可塑性
樹脂を基材とした。本発明におけるフツ素樹脂の
作用については後述する。 本発明の摺動材料の一成分であるグラフアイト
は特にフツ素樹脂との共同効果によつて、偏摩耗
性を防止し、摺動特性を改良する成分である。 ここで、グラフアイト自体は、壁解性があり、
軟質な材料である。 このように、これらフツ素樹脂あるいはグラフ
アイトの単独の材料では、むしろ偏摩耗が発生し
易くなると考えられる。 本発明では、特定量のフツ素樹脂とグラフアイ
トを、他の熱可塑性樹脂中に添加せしめた樹脂材
料とすることにより、偏摩耗を有効に防止し、摺
動特性を向上させる作用があることが判つた。 次に、各成分の添加量について述べると、フツ
素樹脂の上限は、グラフアイトと共同添加される
上で、31%である。これを超えると、偏摩耗が進
行しやすくなり摺動性が劣化する。 フツ素樹脂の添加量が1.0%未満であると、十
分な偏摩耗の防止効果が得られず、その結果とし
て負荷能力も低下する。 本発明において、フツ素樹脂の添加量は1.0な
いし31重量%とする。 グラフアイト添加量の下限は3%である。これ
未満では、フツ素樹脂との相乗効果が得られな
い。グラフアイトの添加量の上限は35%である。
これを超えると摺動材料としての強度が低下した
り、フツ素樹脂との同時添加のため実質的に成形
不能になることがある。そして、グラフアイト量
が多すぎると摺動材料の強度が低下する結果摺動
特性も不十分になる。十分なる強度を得ようとす
る場合は、グラフアイト添加量上限は25%が好ま
しい。また、摺動特性の面からはグラフアイトは
5%以上が好ましい。グラフアイトが後述の潤滑
油保持に併用される場合は、グラフアイトの添加
量は10−25%が好ましい。本発明の摺動材料にお
いて、グラフアイトの添加量は3ないし35%とす
る。 グラフアイトとしては、天然に産する土状黒鉛
や鱗状黒鉛が使用されるほか、石炭、石油、コー
クス等から得られる非結晶質炭素を加熱により結
晶化した人造黒鉛も使用される。但し、人造黒鉛
の方が天然黒鉛よりも摩耗量で測定した摺動特性
を約10倍(摩耗量1/10倍)向上させる。本発明の
摺動材料に使用されるグラフアイトの粒度に関し
ては特に制限がないが、50μm以下が好ましい。 本発明における第2の構成として、特定量のフ
ツ素樹脂とグラフアイトと潤滑油を、他の熱可塑
性樹脂中に添加せしめた。ここで潤滑油は、フツ
素樹脂とグラフアイトとの同時添加において、こ
の偏摩耗の防止作用を補助して、摺動特性をさら
に向上させる。 第2の構成において添加される潤滑油は、添加
量の上限が10%である。10%を超えて添加する
と、逆に偏摩耗の防止効果が阻害されて、負荷能
力も低下してしまう。潤滑油添加量の下限は、
0.1%である。これ未満では偏摩耗防止の補助効
果が得られない。 ここで、本発明の摺動材料における低摩耗性の
付加的観点として、グラフアイトあるいは潤滑油
による潤滑性能向上によつて、優れた潤滑性能が
得られる。このような潤滑油は、潤脂材料中に含
有される場合と、グラフアイトに含有(含油)さ
れる場合と、及びこれらを同時に行う場合とがあ
る。 潤滑油の種類は250℃までの耐熱性をもつもの
が好ましいが特に制限はない。特にジエツトエン
ジンオイルが好ましいが一般のエンジンオイル
(180℃までの耐熱性を有する。)でもよい。本発
明の第2の構成において、潤滑油の添加量は1.0
ないし10重量%とする。なかでも約1.5〜3.5%が
特に好ましい。 本発明の摺動材料の必須成分であるフツ素樹脂
は、グラフアイトと組合せた第1の構成や、グラ
フアイトと潤滑油と組合せた第2の構成における
偏摩耗の防止効果といつた摺動特性の向上に有効
に寄与する成分である。この効果はフツ素樹脂の
粒子が25μm以上であることが好ましい。粒子が
7〜8μmであると摺動特性向上効果は奏される。
フツ素樹脂の添加量は5%以下が好ましいが、フ
ツ素樹脂の粒子径が25μm〜40μmであるならば、
さらに多い添加量であつても採用可能である。 続いて、本発明の摺動材料の成分相互作用につ
いて説明する。 第1図は、2%潤滑油、4%ポリテトラフルオ
ロエチレン、グラフアイト(横軸に示す添加量)、
残部ポリアセタール樹脂からなる摺動材料の摩擦
係数(μ)を示すグラフである。このグラフよ
り、グラフアイト添加量が、約0%のときに摩擦
係数(μ)は約0.3であり比較的低いが、グラフ
アイト添加とともに摩擦係数(μ)はさらに低下
することが分かる。しかしながら、相手材と片当
りしうる摺動部での使用においては、グラフアイ
トの添加量が3%未満では、偏摩耗が進行し、初
期の性能が維持できず、負荷能力が低下し、摺動
特性に劣ることとなる。 フツ素樹脂は樹脂の中で耐熱性が優れているが
耐摩耗性は良くない材料である。ところが、本発
明の摺動材料の一成分として用いられグラフアイ
トと共存するフツ素樹脂は、摺動材料の偏摩耗
(片減り)防止に対して有効である。すなわち摺
動材料が相手材と片当りしている状況で摺動され
ても、偏摩耗を進行させないという効果をもつ。 本発明に係る摺動材料の製法を以下説明する。
粒度を調製した所定の成分を秤量した後、混合
し、さらに必要によりカツプリング剤、粘度調節
剤等を添加した後、混錬機により押出し、ペレツ
ト化し、その後成型機にて所定形状に成形する。
また潤滑油をグラフアイト又はカーボンブラツク
に含浸(含油)させる場合は、グラフアイト等を
潤滑油の中で撹拌すると、容易に含油樹脂が得ら
れる。 実施例 以下、本発明の実施例を第1表により説明す
る。 第1表において、Grは規格G117の人造グラフ
アイト、OILはジエツトエンジンオイル(グラフ
アイトに含浸)、4Fはポリテトラフルオロエチレ
ンであり、数字は全体に対する百分率を示す。こ
れらのGr等の成分の残部はポリアセタール(コ
ポリマタイプ)であつた。これらの成分を混錬機
により成形した。 第1表中、「μ」は摩擦係数、「荷重」は以下の
条件で測定した負荷能力(単位Kg)を示す。 負荷能力測定条件: (イ) 試験機:スラスト型摩耗摩擦試験機 (ロ) 摺動速度:0.2m/sec (ハ) 荷重:5Kg/hrで段階的に増加 (ニ) 相手材:SUJ−2(焼入) (ホ) 潤滑:ドライ条件 (ヘ) 荷重印加法:スラスト荷重
ウム合金などが、金属系の軸受材料として使用さ
れていた。 また、ポリアセタールなどの熱可塑性樹脂を場
合により含油して樹脂軸受材料として使用するこ
とは知られていた。 さらには、ポリテトラフルオロエチレン樹脂
(PTFE)を樹脂軸受材料として使用することも
知られていた。 これら樹脂材料は、金属系の軸受材料に対し、
近年の各種装置の軽量化の要求の上で注目されて
いるが、十分な摺動特性が得られなかつた。 中でも、樹脂材料が相手材と片当りしうる部位
で使用すると偏摩耗が発生し、負荷能力が低下し
て使用に耐えなかつた。 発明の目的 本発明の目的は、優れた摺動特性を有する樹脂
系摺動材料を提供することにある。すなわち、従
来の樹脂材料の欠点である偏摩耗を防止し、かつ
負荷能力を含めた摺動特性を向上させた摺動樹脂
材料を提供することを目的とする。 発明の構成 本発明の上記目的は、熱可塑性樹脂に、グラフ
アイトを混入した摺動樹脂材料のうち、前記グラ
フアイトの混入量を3ないし35重量%とするとと
もに、前記熱可塑性樹脂を少なくとも2種から構
成し、そのうち1種の添加量を、1.0ないし31重
量%のフツ素樹脂とし、他の熱可塑性樹脂のうち
少なくとも1種を基材としたことを特徴とする摺
動特性としての潤滑性が優れた摺動樹脂材料を提
供することにより達成される。さらに、第2の構
成として、熱可塑性樹脂にグラフアイトを混入し
た摺動樹脂材料のうち、前記グラフアイトの混入
量を3ないし35重量%とするとともに、前記熱可
塑性樹脂を少なくとも2種から構成、そのうち1
種の添加量を、1.0ないし31重量%のフツ素樹脂
とし、他の熱可塑性樹脂のうち少なくとも1種を
基材とし、更に潤滑油を0.1ないし10重量%含有
することを特徴とする摺動特性としての潤滑性が
優れた摺動樹脂材料を提供するすることにより達
成される。 以下、本発明の摺動樹脂材料(単に、摺動材料
と後述の部分にて称する)の構成を説明する。 本発明の摺動材料において、基材となる樹脂材
料は、熱可塑性を有する材料であればよく、その
中でポリフエニレンオキシド、ポリブチレンフタ
レート、ポリアミド(商品名ナイロン)、ポリカ
ーボネート、及びポリアセタールが好ましく、ポ
リアセタールが特に好ましい。ポリアセタールと
しては、コポリマータイプとホモポリマータイプ
のうち、前者が好ましい。 しかしながら、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)樹脂は、耐熱性は優れているが、材料
自体では摩耗に弱い材料である。 このため本発明では、第1の構成として、熱可
塑性樹脂を少なくとも2種から構成し、そのうち
1種をフツ素樹脂とし、これを添加材料として用
いた。そして、フツ素樹脂以外の、他の熱可塑性
樹脂を基材とした。本発明におけるフツ素樹脂の
作用については後述する。 本発明の摺動材料の一成分であるグラフアイト
は特にフツ素樹脂との共同効果によつて、偏摩耗
性を防止し、摺動特性を改良する成分である。 ここで、グラフアイト自体は、壁解性があり、
軟質な材料である。 このように、これらフツ素樹脂あるいはグラフ
アイトの単独の材料では、むしろ偏摩耗が発生し
易くなると考えられる。 本発明では、特定量のフツ素樹脂とグラフアイ
トを、他の熱可塑性樹脂中に添加せしめた樹脂材
料とすることにより、偏摩耗を有効に防止し、摺
動特性を向上させる作用があることが判つた。 次に、各成分の添加量について述べると、フツ
素樹脂の上限は、グラフアイトと共同添加される
上で、31%である。これを超えると、偏摩耗が進
行しやすくなり摺動性が劣化する。 フツ素樹脂の添加量が1.0%未満であると、十
分な偏摩耗の防止効果が得られず、その結果とし
て負荷能力も低下する。 本発明において、フツ素樹脂の添加量は1.0な
いし31重量%とする。 グラフアイト添加量の下限は3%である。これ
未満では、フツ素樹脂との相乗効果が得られな
い。グラフアイトの添加量の上限は35%である。
これを超えると摺動材料としての強度が低下した
り、フツ素樹脂との同時添加のため実質的に成形
不能になることがある。そして、グラフアイト量
が多すぎると摺動材料の強度が低下する結果摺動
特性も不十分になる。十分なる強度を得ようとす
る場合は、グラフアイト添加量上限は25%が好ま
しい。また、摺動特性の面からはグラフアイトは
5%以上が好ましい。グラフアイトが後述の潤滑
油保持に併用される場合は、グラフアイトの添加
量は10−25%が好ましい。本発明の摺動材料にお
いて、グラフアイトの添加量は3ないし35%とす
る。 グラフアイトとしては、天然に産する土状黒鉛
や鱗状黒鉛が使用されるほか、石炭、石油、コー
クス等から得られる非結晶質炭素を加熱により結
晶化した人造黒鉛も使用される。但し、人造黒鉛
の方が天然黒鉛よりも摩耗量で測定した摺動特性
を約10倍(摩耗量1/10倍)向上させる。本発明の
摺動材料に使用されるグラフアイトの粒度に関し
ては特に制限がないが、50μm以下が好ましい。 本発明における第2の構成として、特定量のフ
ツ素樹脂とグラフアイトと潤滑油を、他の熱可塑
性樹脂中に添加せしめた。ここで潤滑油は、フツ
素樹脂とグラフアイトとの同時添加において、こ
の偏摩耗の防止作用を補助して、摺動特性をさら
に向上させる。 第2の構成において添加される潤滑油は、添加
量の上限が10%である。10%を超えて添加する
と、逆に偏摩耗の防止効果が阻害されて、負荷能
力も低下してしまう。潤滑油添加量の下限は、
0.1%である。これ未満では偏摩耗防止の補助効
果が得られない。 ここで、本発明の摺動材料における低摩耗性の
付加的観点として、グラフアイトあるいは潤滑油
による潤滑性能向上によつて、優れた潤滑性能が
得られる。このような潤滑油は、潤脂材料中に含
有される場合と、グラフアイトに含有(含油)さ
れる場合と、及びこれらを同時に行う場合とがあ
る。 潤滑油の種類は250℃までの耐熱性をもつもの
が好ましいが特に制限はない。特にジエツトエン
ジンオイルが好ましいが一般のエンジンオイル
(180℃までの耐熱性を有する。)でもよい。本発
明の第2の構成において、潤滑油の添加量は1.0
ないし10重量%とする。なかでも約1.5〜3.5%が
特に好ましい。 本発明の摺動材料の必須成分であるフツ素樹脂
は、グラフアイトと組合せた第1の構成や、グラ
フアイトと潤滑油と組合せた第2の構成における
偏摩耗の防止効果といつた摺動特性の向上に有効
に寄与する成分である。この効果はフツ素樹脂の
粒子が25μm以上であることが好ましい。粒子が
7〜8μmであると摺動特性向上効果は奏される。
フツ素樹脂の添加量は5%以下が好ましいが、フ
ツ素樹脂の粒子径が25μm〜40μmであるならば、
さらに多い添加量であつても採用可能である。 続いて、本発明の摺動材料の成分相互作用につ
いて説明する。 第1図は、2%潤滑油、4%ポリテトラフルオ
ロエチレン、グラフアイト(横軸に示す添加量)、
残部ポリアセタール樹脂からなる摺動材料の摩擦
係数(μ)を示すグラフである。このグラフよ
り、グラフアイト添加量が、約0%のときに摩擦
係数(μ)は約0.3であり比較的低いが、グラフ
アイト添加とともに摩擦係数(μ)はさらに低下
することが分かる。しかしながら、相手材と片当
りしうる摺動部での使用においては、グラフアイ
トの添加量が3%未満では、偏摩耗が進行し、初
期の性能が維持できず、負荷能力が低下し、摺動
特性に劣ることとなる。 フツ素樹脂は樹脂の中で耐熱性が優れているが
耐摩耗性は良くない材料である。ところが、本発
明の摺動材料の一成分として用いられグラフアイ
トと共存するフツ素樹脂は、摺動材料の偏摩耗
(片減り)防止に対して有効である。すなわち摺
動材料が相手材と片当りしている状況で摺動され
ても、偏摩耗を進行させないという効果をもつ。 本発明に係る摺動材料の製法を以下説明する。
粒度を調製した所定の成分を秤量した後、混合
し、さらに必要によりカツプリング剤、粘度調節
剤等を添加した後、混錬機により押出し、ペレツ
ト化し、その後成型機にて所定形状に成形する。
また潤滑油をグラフアイト又はカーボンブラツク
に含浸(含油)させる場合は、グラフアイト等を
潤滑油の中で撹拌すると、容易に含油樹脂が得ら
れる。 実施例 以下、本発明の実施例を第1表により説明す
る。 第1表において、Grは規格G117の人造グラフ
アイト、OILはジエツトエンジンオイル(グラフ
アイトに含浸)、4Fはポリテトラフルオロエチレ
ンであり、数字は全体に対する百分率を示す。こ
れらのGr等の成分の残部はポリアセタール(コ
ポリマタイプ)であつた。これらの成分を混錬機
により成形した。 第1表中、「μ」は摩擦係数、「荷重」は以下の
条件で測定した負荷能力(単位Kg)を示す。 負荷能力測定条件: (イ) 試験機:スラスト型摩耗摩擦試験機 (ロ) 摺動速度:0.2m/sec (ハ) 荷重:5Kg/hrで段階的に増加 (ニ) 相手材:SUJ−2(焼入) (ホ) 潤滑:ドライ条件 (ヘ) 荷重印加法:スラスト荷重
【表】
【表】
【表】
注:成形不能
この試験結果より、フツ素樹脂の添加量は、31
%以下が好ましいことが判る。 効 果 (イ) 上記した材料を提供することにより、偏摩耗
を防止して、負荷能力を含めた摺動特性の高い
樹脂軸受材料が提供される。そして長い時間に
わたつて安定した摺動特性を有する樹脂軸受材
料が提供されることとなる。このため、相手材
と片当りしうる摺動部に使用すると、部品交換
が少なくなり、またメンテナンスの面で非常に
有利となり、メンテナンスフリーも期待され
る。 (ロ) 長時間にわたる安定した摺動特性が得られる
ため、回転・摺動を伴う部品の信頼性が高めら
れる。 (ハ) これら摺動特性を満足した上で軽い樹脂材料
の特性を享受でき、負荷能力が高いこととも相
まつて、装置の軽量化に寄与できる。 特に、本発明の摺動材は、相手材を疵つけな
いから相手材として軟質軽量の樹脂材料を使用
し、樹脂材料製品同志が摺動する軽量軸受装置
を製造しうる。 (ニ) 本発明の摺動材料は負荷能力が高いため、ス
ラスト軸受として使用される。
この試験結果より、フツ素樹脂の添加量は、31
%以下が好ましいことが判る。 効 果 (イ) 上記した材料を提供することにより、偏摩耗
を防止して、負荷能力を含めた摺動特性の高い
樹脂軸受材料が提供される。そして長い時間に
わたつて安定した摺動特性を有する樹脂軸受材
料が提供されることとなる。このため、相手材
と片当りしうる摺動部に使用すると、部品交換
が少なくなり、またメンテナンスの面で非常に
有利となり、メンテナンスフリーも期待され
る。 (ロ) 長時間にわたる安定した摺動特性が得られる
ため、回転・摺動を伴う部品の信頼性が高めら
れる。 (ハ) これら摺動特性を満足した上で軽い樹脂材料
の特性を享受でき、負荷能力が高いこととも相
まつて、装置の軽量化に寄与できる。 特に、本発明の摺動材は、相手材を疵つけな
いから相手材として軟質軽量の樹脂材料を使用
し、樹脂材料製品同志が摺動する軽量軸受装置
を製造しうる。 (ニ) 本発明の摺動材料は負荷能力が高いため、ス
ラスト軸受として使用される。
第1図は、2%潤滑油、4%ポリテトラフルオ
ロエチレン、グラフアイト(横軸に示す添加量)、
残部ポリアセタール樹脂からなる摺動材料の摩擦
係数(μ)を示すグラフである。
ロエチレン、グラフアイト(横軸に示す添加量)、
残部ポリアセタール樹脂からなる摺動材料の摩擦
係数(μ)を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 熱可塑性樹脂にグラフアイトを混入した摺動
樹脂材料のうち、前記グラフアイトの混入量を3
ないし35重量%とするとともに、前記熱可塑性樹
脂を少なくとも2種から構成し、そのうち1種の
添加量を、1.0ないし31重量%のフツ素樹脂とし、
他の熱可塑性樹脂のうち少なくとも1種を基材と
したことを特徴とする摺動特性としての潤滑性が
優れた摺動樹脂材料。 2 熱可塑性樹脂にグラフアイトを混入した摺動
樹脂材料のうち、前記グラフアイトの混入量を3
ないし35重量%とするとともに、前記熱可塑性樹
脂を少なくとも2種から構成し、そのうち1種の
添加量を、1.0ないし31重量%のフツ素樹脂とし、
他の熱可塑性樹脂のうち少なくとも1種を基材と
し、更に潤滑油を0.1ないし10重量%含有するこ
とを特徴とする摺動特性としての潤滑性が優れた
摺動樹脂材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15809183A JPS6051731A (ja) | 1983-08-31 | 1983-08-31 | 摺動樹脂材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15809183A JPS6051731A (ja) | 1983-08-31 | 1983-08-31 | 摺動樹脂材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6051731A JPS6051731A (ja) | 1985-03-23 |
JPH0413383B2 true JPH0413383B2 (ja) | 1992-03-09 |
Family
ID=15664099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15809183A Granted JPS6051731A (ja) | 1983-08-31 | 1983-08-31 | 摺動樹脂材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6051731A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6641100B2 (ja) * | 2015-04-27 | 2020-02-05 | 東洋炭素株式会社 | 摺動部材およびその製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5578079A (en) * | 1978-11-07 | 1980-06-12 | Unasco Pty | Superior packing material and said manufacture |
JPS5635699A (en) * | 1979-08-31 | 1981-04-08 | Canon Inc | Driving system for pulse motor |
-
1983
- 1983-08-31 JP JP15809183A patent/JPS6051731A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5578079A (en) * | 1978-11-07 | 1980-06-12 | Unasco Pty | Superior packing material and said manufacture |
JPS5635699A (en) * | 1979-08-31 | 1981-04-08 | Canon Inc | Driving system for pulse motor |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6051731A (ja) | 1985-03-23 |
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