JPH0413186Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、タイプライターもしくは各種電子装
置のプリンターなどに使用されるフイルムリボン
に関する。さらに詳しくは、フイルム基材の片面
に転写性インク層が設けられると共にパンケーキ
状に巻かれたフイルムリボンと、該フイルムリボ
ンの始端部に接続されたリーダーテープとからな
るリーダーテープ付きフイルムリボンに関する。

［従来の技術および考案が解決しようとする問題
点］ 前記リーダーテープ付きフイルムリボン（以
下、単にリボンという）は、第２図に示すよう
に、そのリーダーテープ３の先端をプリンターな
どの巻取部、たとえば表面に２本の軸方向の溝を
有する円筒状の巻取部５の外周に半周程度巻きつ
け、Ｕ字状のピン６を前記溝内に挿入することに
より、ピンと溝とで弾性的にはさむことにより、
図示のように１個所ないし数個所で巻取部にひつ
かけられてセツトされる形式や、第４図に示すよ
うな単に２本の平行ピン６ａによりリボンの巻取
部５ａを構成した形式などがある。そして巻取部
５，５ａの回転に伴つてリーダーテープ３が巻き
取られ、引き続き前記フイルムリボン１が巻き取
られていくときに前記プリンターなどの印字作用
を行なうものである。

ところで、前述した巻取部をリボンとともに廃
棄するのではなく、巻取部を再利用しようとする
ばあい、巻取部５、５ａのまわりに巻き取られた
使用済みのリボンは、新しいリボンと交換するた
めに巻取部から取りはずされるのであるが、従来
よりその取りはずしのときに、フイルムリボンの
巻取時の巻き締まりにより、リーダーテープが前
記巻取部のまわりに強くからみついてフイルムリ
ボンの巻体が型くずれしたり、抜き出すことが困
難になる。詳細に説明すると、前記Ｕ字状のピン
６を先ず抜き取る際に、従来のリーダーテープ
（こわさが小さい）では、前記ピン６が巻取部の
構内の底表面に〓間なく接触し、またリーダーテ
ープもピン６と溝のあいだにはさみ込まれるため
抜き取り難くなる。また、後者の２本の平行ピン
にリボンを巻き取つたばあいには、２本の平行ピ
ンの間に偏平にリーダーテープおよびリボンが巻
かれ、前記２本の平行ピンとリーダーテープとの
接触面積が大きくなり、引き抜き抵抗が増加する
ためフイルムリボン巻体を型くずれさせずに抜き
取ることができなくなるという問題がある。

［問題点を解決するための手段］ 本考案のリボンにおいては、前記のような新た
に生じた課題を解決するために、前記リーダーテ
ープとして、表面に離型剤が塗布された、こわさ
がJISP−8143に基づく値で、すなわち張り出し
長さをＬcmとしたときのL³／100の数値で、10〜
150の範囲にある紙を採用している。

［作用および考案の効果］ 以上のように構成するときは、リーダーテープ
が適切なこわさと滑り性とを有しているので、フ
イルムリボンに巻き締まりが生じたばあいでも、
使用後のリボン全体を巻きとられたままの形状で
巻取部からスムーズに抜き出すことができる。

前記こわさは、リーダーテープが巻き取られた
ままの形状を保持するためのものであり、それに
より巻き取られたリボンを型くずれすることな
く、抜き出すことができるようになる。

［実施例］ つぎに図面を参照しながら本考案のリボンを説
明する。

第１図は本考案のリボンの一実施例を示す斜視
図、第２〜４図はそれぞれ本考案のリボンの使用
状態の一例を示す斜視図である。

本考案のリボンにおけるフイルムリボンの部
分、すなわち転写インク層が設けられている部分
は、それ自体従来公知のものであつてもよく、た
とえばポリエステルフイルムまたはポリアミドフ
イルムなどの合成樹脂フイルムの片面に感圧性ま
たは感熱性などの転写インク層が設けられている
ものなどが用いられる。

第１図に示すように、フイルムリボン１は、コ
ア２に巻き取られてパンケーキ状にされている。
そしてフイルムリボン１の先端にはリーダーテー
プ３が貼着テープ４などで連結されている。なお
第１〜２図における４ａは、リーダーテープ３の
先端をパンケーキ本体に貼着しておくための貼着
テープである。

本考案において用いられるリーダーテープ３
は、グラシン紙、セミグラシン紙、ポリラミグラ
シン紙、ドリープ紙などの表面にシリコーン系の
離型剤が施されたものや、ドリーぷ紙やトレーシ
ングペーパーにワツクス系の離型剤を施したも
の、あるいは両面貼着テープに用いられる剥離紙
であつて、こわさが10〜150の範囲にあるものを、
前記フイルムリボンと同じ幅にスリツテイングし
たものである。

こわさが前記数値範囲よりも小さいばあいは、
フイルムリボンの巻き締まりに対抗するだけの剛
性がなく、巻取部５または巻取部のピン５ａに強
くからみついて、ピン６を巻取部５の溝から抜く
ときにリーダーテープ３を破断したり、巻き取つ
たリボンが巻取部５，５ａから抜きにくくなると
いう問題がある。

そのような例として、たとえばワンタイム原紙
をリーダーテープ３として用いたばあいには、前
記問題が生じた。

逆にこわさが前記数値範囲よりも大きいばあい
には、フイルムリボン１の巻き締まりに対しては
有効であるが、とくに軸径が小さい巻取部に対し
ては、リボンの初期印字のとき、リーダーテープ
３が巻取部に沿わないため、リボンの走行不良を
発生させるという問題がある。

叙上のごとく構成したリボンは従来のものと同
じように使用しうる。すなわち第２図に示すよう
に、リーダーテープ３をプリンターの巻取部５に
巻き掛けてＵ字状のピン６で止めてプリンターに
装着したのち、プリンターの印字作用に伴なつて
フイルムリボン１を巻き取る。第３図に示すよう
に、フイルムリボン１が全部巻取部５上に巻き取
られると、その巻取部５に新しいリボンを取りつ
けるために使用済みのリボンを矢印Ａ方向に抜き
出す。

本考案のリボンでは、リーダーテープ３は巻き
取られたときと同じ姿で型くずれすることなく、
抜き出すことができる。

なお本考案のリボンを第４図に示すような２本
のピン６ａからなる巻取部５ａを有するプリンタ
ーなどに用いるばあいには、本考案で規定したこ
わさを有するリーダーテープであるとリボン断面
が略円形となり、巻取力の変動も少なく、リボン
の巻き締まりや、巻取の姿が変形することがな
い。よつて、使用済のリボンは、離型剤の滑り性
とあいまつて２本のピンから容易に抜き出すこと
ができる効果を奏しうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のリボンの一実施例を示す斜視
図、第２〜４図はそれぞれ本考案のリボンの使用
状態の一例を示す斜視図である。 図面の主要符号、１……フイルムリボン、３…
…リーダーテープ、４……粘着テープ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 フイルム基材の片面に転写性インク層が設けら
   れると共にパンケーキ状に巻かれたフイルムリボ
   ンと、該フイルムリボンの始端部に接続されたリ
   ーダーテープとからなるリーダーテープ付きフイ
   ルムリボンであつて、 前記リーダーテープが、表面に離型剤が塗布さ
   れた、こわさがJIS Ｐ−8143に基づく値、すなわ
   ち張り出し長さをＬcmとしたときのL³／100の数
   値で10〜150の範囲にある紙であるリーダーテー
   プ付きフイルムリボン。