JPH0413170Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本考案は被記録部材上に液滴を吐出して文字、
画像等を敬しえするインクジエツト記録装置に用
いられるインク容器に関する。特に複数色のイン
クを収納しうるインク容器に関する。

従来、この種の装置はカラー記録のために複数
のインクジエツトヘツドを用いている。

また、通常、この種の装置はキヤリツジ上にヘ
ツドのオリフイスと連通する第一のインク容器
（サブタンク）が設けられ、第一のインク容器に
連結し、交換可能な第二のインク容器（メインタ
ンク）がキヤリツジ上、もしくはキヤリツジ部以
外の固定部に設けられている。

このメインタンクとオリフイスとの相対高さは
インク滴の吐出特性に大きく影響する。即ち、オ
リフイスより相対的に高く、メインタンクが位置
している場合には、オリフイス近傍のインク圧が
大気圧以上となるため、オリフイスからのインク
もれが生ずる。またオリフイスより相対的に低く
第２のインク容器が位置している場合には、オリ
フイス近傍のインク圧が大気圧以下となりインク
滴吐出後のインクメニスカス（インクの前面位
置）のオリフイス先端までの復帰時間が遅くなる
ため、インク滴の吐出の実効的な最大駆動周波数
が低くなる。

以上の理由からインクジエツト記録装置のメイ
ンタンクは、各オリフイスからのインク滴の吐出
特性を同一にするために、望ましくはオリフイス
より０乃至60mm下方に配置されなければならな
い。

しかしながら、従来のメインタンクの形状は内
容量を大きくするため、略円柱形状であり、多数
のインク容器を同一装置内に収納する場合装置を
小型化するためには各インク容器を上下方向に重
ね合わせて配置しなければならない。すると各色
のインクタンクとオリフイスとの相対高さが同一
ではなくなり、各オリフイスからのインク滴の吐
出特性が不均一となる欠点があつた。

従つて、各オリフイスからのインク滴の吐出特
性を均一とするためには、各インク容器を横方向
に配列しなければならず色等のインクの種類が増
えるとインク容器自体が大型化し、更に装置の大
型化を招来する。

＜考案の効果＞ 本考案は上述従来例の欠点を除去し、インクジ
エツト記録装置の各オリフイスからのインク滴の
吐出特性を均一化し、更に装置全体を小型化しう
るインクジエツト記録装置に用いられるインク容
器を提供することを目的とした。

本発明は、前述の目的を達成するために提供さ
れたものであつて、被記録部材上に異なるインク
を付着させて記録を行う記録ヘツドに供給される
インクを収容したインク容器において、前記イン
ク容器は、前記異なるインクを収納する複数の可
撓性偏平インク袋を相互にほぼ同様な位置成分有
するように偏平面を垂直な状態で並列配置すると
ともに、インクを導出するための管部材の一端を
前記インク袋の底部に配し、他端を弾性部材と結
合させて前記インク袋に取り付け、前記弾性部材
の全てを前記インク容器上面からの距離をL₁、
前記インク容器底面からの距離をL₂としたとき
にL₁＞L₂なる関係を満足するように下方寄りに
偏寄させて配列させたことを特徴とする。

＜実施例の説明＞ 以下に本考案の一実施例を図面を用いて詳細に
説明する。

第１図は本実施例のインクジエツト記録装置の
斜視図である。図において１１は被記録部材とし
ての記録紙、１２はインク滴を吐出するための複
数のオリフイスと、インク滴を形成するための複
数のエネルギー発生体と、複数のオリフイスに連
通する複数インク流路と、複数のインク流路に連
通してインクを供給する複数のサブタンクとで構
成されているインクジエツトヘツドユニツトであ
る。各オリフイスからは例えばシアンの濃いイン
ク、シアンのうすいインク、マゼンタの濃いイン
ク、マゼンタのうすいインク、イエローの濃いイ
ンク、イエローのうすいインク、及びブラツクイ
ンクの液滴がそれぞれ吐出される。インクヘツド
ユニツト１２は記録紙１１と対向して走査するキ
ヤリツジ１３上に装着されている。１４は各色の
メインタンクを複数個、及び排液タンクを内蔵す
る交換可能なインクカートリツジであり、インク
カートリツジ１４内の各メインタンクとインクジ
エツトヘツドユニツト１２内の各サブタンクは供
給チユーブ１５により連結されている。又、各サ
ブタンクと前記排液タンクは後述のポンプシステ
ムを介して排出チユーブ１９により連結される。
また、図において１６はプラテンローラ、１７は
記録紙を内蔵する交換可能な紙カセツト、１８は
インク滴の不良吐出時に動作し、各オリフイスよ
りインクを吸引する吐出回復システムである。こ
の吐出回復システムにより吸引されたインクは不
図示のチユーブを介してインクカートリツジ１４
内の排液タンクに排出される。

以上のような構成をもつインクジエツト記録装
置において、インクカートリツジ１４内に収納さ
れている１つのメインタンクを第２図に示す。図
において、２１は可撓性部材で成形されたインク
袋、２２は袋用チユーブ、２３は第１図中１５の
供給チユーブに連結するゴム栓等の連結部材であ
る。図のようにメインタンクは偏平状であり、内
蔵されるインク容量は、容器内のインク圧が加圧
に至らない最大値までの範囲となる。また、第二
のインク容器は後述するように、縦に配置される
ことから袋用チユーブ２２は残存インクを極力少
なくするためにインク袋２１内の下方に折曲げら
れている。

第３図はインクカートリツジ１４の一部破断図
である。第３図において３１はカートリツジケー
ス、３２はメインタンクである。図より明らかな
如くメインタンクは縦に配置され、横方向一列に
並べてある。従つて、各メインタンクと各オリフ
イスの相対高さは同一であり、偏平部が対向する
如く、横方向に配列されているため、インクカー
トリツジが略直方体の形状となつている。

また図において３３は前述した第１図吐出回復
システム１８から排出される排液を導入するため
の排液導入口であり、３４は排液を吸収する吸収
体である。３５は排液室内の温度変化による加減
圧を防止するための空気穴である。

又、インクカートリツジ１４における連結部材
２３の位置は図に示す如くオフセツト（L₁＞L₂）
している為、間違つて上下を逆にしてカートリツ
ジ１４を装填しても、チユーブと連結されない。
従つて各色インクと各色のヘツドの対応関係が取
れなくなるという不都合を回避できる。

＜効果の説明＞ 以上説明してきたようにインクジエツト記録装
置に用いられる各インクタンクを可撓性を有する
偏平な袋で構成し、偏平な面がインクカートリツ
ジの底面に対して大略垂直な方向にかつ、各イン
クタンクの高さ位置が大略同じになる如く配列す
ることにより、各オリイスと各インクタンクの相
対高さが同一となるため、各オリフイスの記録液
滴の吐出維持を均一化することが可能となり、更
にインクカートリツジ内の不要空間が減少し、イ
ンクカートリツジが小型化し、更に装置全体の小
型化が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に用いられるマルチインクジエ
ツト記録装置の斜視図、第２図はインクカートリ
ツジを示す図、第３図はインクカートリツジの一
部破断図である。 図において、１１は記録紙、１２はインクジエ
ツトヘツドユニツト、１３はキヤリツジ、１４は
インクカートリツジ、１５は供給チユーブ、１６
はプラテン、１８は吐出回復システム、２１はイ
ンク袋、２２は袋用チユーブ、３１はカートリツ
ジケース、３２は第２のインク容器、３３は排液
導入口、３４は吸収体、３５は空気穴である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 被記録部材上に異なるインクを付着させて記録
   を行う記録ヘツドに供給されるインクを収容した
   インク容器において、 前記インク容器は、前記異なるインクを収納す
   る複数の可撓性偏平インク袋を相互にほぼ同様な
   位置成分有するように偏平面を垂直な状態で並列
   配置するとともに、インクを導出するための管部
   材の一端を前記インク袋の底部に配し、他端を弾
   性部材と結合させて前記インク袋に取り付け、前
   記弾性部材の全てを前記インク容器上面からの距
   離をL₁、前記インク容器底部からの距離をL₂と
   したときにL₁＞L₂なる関係を満足するように下
   方寄りに偏寄させて配列させたことを特徴とする
   インク容器。