JP3813208B2 - インクジェット印刷用のマトリクスペン配列 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に、製品の幅を最小化すると共に印刷スループットを向上させるインクジェット印刷用のペン配列ならびにインクジェット印刷機構からインクを放出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット印刷機構は、本書で一般に「インク」と称する着色材を使用して画像を印刷するために様々な異なる製品(プロッタ、ファクシミリ機、およびインクジェットプリンタ等)で使用できる。インクジェット印刷機構は典型的には、紙等の印刷媒体を横切って左右に推進される印刷ヘッドを有しており、この印刷ヘッドは、その印刷媒体の頁上に所望のパターンで選択的にインクを付着させるよう制御される。ある種のインクジェット印刷機構は、全ての供給用インクを備えたインクカートリッジをシートを横切って往復して移送する。「軸外(off-axis)」システムとして知られる別のインクジェット印刷機構は、少量の供給用インクのみを印刷ヘッドカートリッジと共に印刷領域を横切って推進させ、その印刷ヘッドの進行経路の「軸外」に配置された固定リザーバ中に主な供給用インクを貯蔵しておく。典型的には、軸外の主リザーバから印刷ヘッドカートリッジにインクを供給するために可撓性導管が使用される。多色カートリッジでは、幾つかの印刷ヘッドおよびリザーバを組み合わせて単一のユニットにし、その所定のカラー用の各リザーバ/印刷ヘッド組み合わせ体が「ペン」と呼ばれる。
【0003】
これまで、インクジェットペンは、例えば図5に概略的に示す多色カートリッジ200のように並置態様で構成されてきた。カートリッジ200のペンは並置され、矢印201で示す走査軸と平行に1×4マトリクスで配列されている。走査軸201は印刷領域上での印刷ヘッドキャリッジの進行経路を規定するものである。カートリッジ200は、4つのペン、即ちブラック(K),マゼンタ(M),イエロー(Y),シアン(C)用のペン202,204,206,208を有しており、ケーシング210が、ペンのリザーバ212,214,216,218をそれぞれ規定する。オリフィス板220を使用して各ペン202,204,206,208用のブラック、マゼンタ、イエローおよびシアンのインク噴射ノズルセット222,224,226,228を規定することが可能である。インク供給オリフィス即ち入口オリフィス232,234,236,238は、リザーバ212,214,216,218から各ノズルセット222,224,226,228のインク噴射機構(図示せず)にインクを供給するものである。
【0004】
各インク供給オリフィス232,234,236,238と、それらに関連するノズルセット222,224,226,228との間にはインク噴射機構があり、これは当業者に公知の多様な異なる形態をとる(例えば圧電技術またはサーマル印刷ヘッド技術を用いる)ことが可能なものである。その例として、2つの従来のサーマルインク噴射機構が、本出願人の米国特許第5,278,584号および第4,683,481号明細書に開示されている。サーマルシステムでは、インクチャネルおよび蒸発チャンバを含む障壁層(図示せず)がオリフィス板220と基板層(図示せず)との間に配置されている。その基板層は、典型的には、抵抗体等の加熱素子の線形アレイを備えている。その抵抗体は、その付勢時に蒸発チャンバ中のインクを加熱し、その付勢された抵抗体と関連する個々のノズルからインク滴が噴射される。抵抗体を選択的に付勢することにより、インクが印刷媒体上に所定のパターンで放出されて、所望の画像(例えば絵、線図、または文書)が形成される。
【0005】
これらの従来の多重ペンアセンブリの最小幅は、各ノズル群にインクを供給するインク圧調整システムによって制約される。典型的なインク圧調整システムは、例えばフォームを用いて、または弾性ブラダーシステムを使用して形成される場合が多い。図5のカートリッジ200等の代表的な従来のシステムでは、ケーシング210の深さD1が約45mmであり、各リザーバ212〜218の幅が約18.5mmであり、隣接するリザーバ間に必要な間隔が2.5mmである。従って、ブラックのノズルセット222の最外縁部とシアンのノズルセット228の最外縁部との間の全幅W1が約66mmとなる。最も外側の2つのリザーバ222,228とケーシング210の外縁部210との間隔を典型的な9.3mmとすると、ペンケーシング210の全体幅W2は約100mmとなる。各インク圧調整システム222〜228の幅を15mmというオーダーにしたとしても、このような構成では、ノズル列の間隔を狭く抑えつつインクをキャリッジの中央線に向かって供給することが極めて困難となる。カートリッジ200のノズル列の間隔が広いと、印刷機構のスループット(例えば毎分の頁数)が減少する。これは、各印刷領域全体を走査するために印刷ヘッドが一層長い経路を横切らなければならないからである。残念なことに、このように走査経路が長いと、製品の幅も広くなってしまう。
【0006】
製品幅を最小限にする別のシステムとして、ペンを4段のスタックとして配列し、そのペンが軸から半径方向に離れるように、典型的には垂直方向に延びるようにしたものがある。このような垂直アレイにも特有の問題が伴う。例えば、この場合には、印刷ヘッドキャリッジを重い構造体にして、上部が重い設計による慣性モーメントを処理しなければならない。更に、頻繁に使用しない場合には、最も上のリザーバからのインクが乾燥して供給通路内を詰まらせる恐れがある。更に、このようなシステムのインクリザーバは、インクを補給するためのアクセスが困難なものである。4段ペンスタックを適応させるために、このような製品は、例えばペン200を使用した製品よりも高さが高くなるのが普通であり、これにより、4段ペンユニットの美的外観が損なわれることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、既に提案されている従来のペン配列システムは、インクジェットプリンタに関して上述したようなスループットの増大および製品幅の最小化という必要性に適当に応えるものではなかった。毎分の頁数で測られる場合が多いスループットの増大はユーザーにとって好ましいことである。一層大型の装置は、通常は重くて製造及び輸送コストが高く、さらに、床投影面積(footprint)が小さい(即ち作業台や机の上に置くスペースが小さくてすむ)コンパクトな装置を好むユーザーにとっては望ましくないものとなる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様では、インクジェット印刷機構は、カートリッジと印刷媒体との間での相対移動を提供するキャリッジシステムを有しており、この相対移動は走査軸に沿って行われる。このインクジェット印刷機構はまた、前記キャリッジシステムにより受容される印刷ヘッド本体と印刷ヘッド部とを備えたインクジェットカートリッジを有している。前記印刷ヘッド部は、通過するインクを選択的に噴射する少なくとも2つのノズルセットを有している。この印刷ヘッド本体は、前記の個々のノズルセットと各々が流体連通した少なくとも2つのインク貯蔵チャンバを有している。この貯蔵チャンバはマトリクス状に配列され、少なくとも2つの貯蔵チャンバが走査軸に対して垂直方向に配置される。
【0009】
本発明の別の態様では、インクジェットカートリッジについて前述したものと同様に構成することが可能な交換可能なペンカートリッジが提供される。図示の実施例によれば、そのカートリッジは、2×2マトリクスで配列された4つのリザーバを有するものとなる。
【0010】
本発明の別の態様によれば、インクジェット印刷機構を使用したインク放出方法が提供される。この方法は、インクジェットカートリッジ内の少なくとも2つのインク貯蔵チャンバにインクを供給するステップを含むものであり、前記インクジェットカートリッジは前記インク貯蔵チャンバに対応する数のノズルセットを有しており、その各ノズルセットは前記インク貯蔵チャンバとそれぞれ流体連通されている。走査ステップでは、走査軸に沿って印刷媒体を横切ってカートリッジが移動される。噴射ステップでは、走査中にカートリッジノズルから供給されたインクが選択的に噴射されて印刷媒体上に画像が記録される。前記供給ステップに先立ち、インク貯蔵チャンバがマトリクス状に配列されて、少なくとも2つのインク貯蔵チャンバが走査軸に対して垂直方向に配列される。
【0011】
本発明の別の態様によれば、インクジェットカートリッジを介してインクを供給するための方法が提供される。この方法は、インクジェットカートリッジの複数のインク貯蔵チャンバ内に異なる色のインクを貯蔵し、そのインクジェットカートリッジの複数のノズルセットからインクを選択的に噴射させる、というステップを含む。好適には、各ノズルセットは、それぞれ異なる色を噴射し、第1の平面の各側に配置されたものとなる。前記噴射ステップに先立ち、第1平面の対向側に配置されたポートを介して複数のインク貯蔵チャンバからそれに貯蔵されているインクを抽出することにより、ノズルセットにインクが供給される。
【0012】
本発明の全体的な目的は、従来のペン配列を用いた装置よりも、コンパクトで軽量で製造および輸送コストが経済的な一層幅の狭いインクジェット印刷機構を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、スループット(典型的には頁数/分で測られるもの)が従来のペン配列を用いた装置よりも高いインクジェット印刷機構を提供することにある。
【0013】
本発明の別の目的は、インクジェット印刷機構を用いたインク放出方法、及び、インクジェットカートリッジを通したインク供給方法を提供することにある。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に従って構成されたインクジェット印刷機構の実施例(ここではインクジェットプリンタ20として図示されている)を示すものであり、これは、産業、オフィス、家庭その他で業務報告書、通信文、DTP等の印刷のために使用可能なものである。他のインクジェット印刷機構、例えばプロッタ、携帯用印刷装置、およびファクシミリ機等も、本発明を実施することが可能であるが、便宜上、インクジェットプリンタ20の環境で本発明の思想を説明する。
【0015】
プリンタの部品はモデル毎に異なることは明白であるが、典型的なインクジェットプリンタ20は、シャシ22と、プリンタ20に媒体を供給するための給紙装置24とを含んでいる。印刷媒体は、単票紙、カード用紙、箔、マイラー、透明紙等の適当なあらゆる種類のシート材料とすることが可能であるが、便宜上、本実施例では印刷媒体として紙を用いて説明を行う。給紙装置24は、シートを給紙トレイ26から印刷領域25へと供給し次いで出力トレイ28へと供給するための一連のローラ(図示せず)と結合された従来構成の駆動モータを備えたものとすることができる。
【0016】
キャリッジアセンブリ30は、双方向矢印32で示す走査軸に沿って印刷領域25を横切って左右に駆動される。このキャリッジアセンブリ30は、例えば従来の駆動ベルト/プーリ・モータアセンブリ(図示せず)により、案内ロッド34に沿って駆動される。液体着色材(ここでは一般に「インク」と称す)は、可撓性インク導管即ち配管系36を介して主リザーバ35からキャリッジ30へと印刷のために供給することが可能である。この導管36は、当業者に公知の多様な異なるエラストマおよびプラスチックから従来の方法で製造可能なものである。主リザーバ35、導管36、およびキャリッジ30は、例えばブラック等の単色のモノクロ印刷用に設計することが可能ではあるが、本発明の思想は、例えば、シアン、イエロー、マゼンタ、および場合によっては真正ブラック(シアン、イエロー、マゼンタの組み合わせで印刷される合成ブラックとは異なるもの)の組み合わせ等の多色印刷用に特に良く適したものである。便宜上、4色(シアン、イエロー、マゼンタ、および真正ブラック、ここでは「CYMK」とも称し、また「K」は真正ブラックのことである)のプリンタ20の実施例を用いて本発明の思想を説明する。
【0017】
インクをリザーバ35からキャリッジ30へと推進するために多様な異なるシステムを実施することが可能である。例えば、従来のピストンアクチュエータ38をリザーバ35内へと伸張させてインクを導管36中に押し込むことが可能である。導管36中にインクを押し込む他の方法としては、毛管現象の利用、キャリッジ30よりも上昇した位置にリザーバ35を取り付けることにより得られる重力供給システムの利用、または、例えばぜん動ポンプ(図示せず)により得られるポンプ作用の利用等が挙げられる。
【0018】
シャシ22の図示の領域の近傍に配置可能な制御装置40は一般に、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ(図示せず)からの命令を受信する。パーソナルコンピュータ、そのキーボード及び/又はマウス等の入力装置、およびコンピュータモニタは、当業者に公知のものである。制御装置40は、上記の命令に応じて、シート媒体を印刷領域25を通して選択的に前進させるよう給紙装置24に命令し、またキャリッジ30を印刷領域25を横切って選択的に走査させるようキャリッジ駆動機構に命令する。制御装置40は、印刷制御信号を生成し、その印刷制御信号が、可撓性導電ストリップ42を介してキャリッジ30へと送られる。
【0019】
ここで図2および図3を参照する。プリンタ20は、キャリッジ30内に受容された印刷ヘッドリザーバアセンブリ即ちインクジェットカートリッジ50を有している。このプリンタ20等のインクジェット印刷機構のスループットを高めると共にその幅を最小限にするにあたり、多重ペンキャリッジの配列に制限を加える特徴の1つとして印刷ヘッドの設計が挙げられる。例えば、所与のペン設計が製品幅に及ぼす影響を決定する場合、2つの寸法の合計、即ち、(1)キャリッジ全体の幅と、(2)隣接するペンの線形ノズルアレイ間の最大ノズル列間隔との合計が考慮される。所与のペン設計がスループットに及ぼす影響は、最大ノズル列間隔によって決まる。スループットおよび最小製品幅を改善するために、これらを考慮した場合、2つの設計上のアプローチを採用することが可能となる。第1に、キャリッジ幅を最小限にすることが可能であり、第2に、ノズル列間隔を最小限にすることが可能である。図示のカートリッジ50は、上記のペン設計上の特徴を双方とも実施したものである。
【0020】
図示のインクジェットカートリッジ50は、印刷ヘッドケーシング即ち印刷ヘッド本体52を有している。その印刷ヘッド本体52は、印刷ヘッド部56に流体連結された上部インク受容部54を有している。印刷ヘッド部56の下端部は、図3に最も明解に示すように印刷ヘッド面58で終端している。上部ケーシング部54は、印刷ヘッド蓋部材60により永久に密閉可能なものであり、また、その蓋部材60は、ヒンジ部材61または構造的に同様な取付機構により印刷ヘッド本体52に取り付けて、補給のために選択的に開放または再密閉可能なものとすることができる。多色インクジェットカートリッジ50は、4つのペン、即ちブラック(K)ペン62、マゼンタ(M)ペン64、イエロー(K)ペン66、およびシアン(C)ペン68を有している。ここで用いるように、「ペン」という用語は、一般に、特定色のインクが流れるよう互いに連結された印刷ヘッド/リザーバアセンブリのことである。
【0021】
印刷ヘッド面58は、ブラック、マゼンタ、イエロー、シアンのインク噴射ノズルセット72,74,76,78をペン62,64,66,68にそれぞれ規定するのに用いられる従来のオリフィス板70で形成することができる。ノズルセット72〜78は、ノズル80等の別個のノズルの2つの線形アレイからなるものとして図示されており、それらのアレイは、走査軸32に対して実質的に垂直方向に延びている。従来、インクジェットペンは、例えば図5に概略的に示す多色カートリッジ200のように、並置して配列されていた。ノズル列間隔を最小限にするために、好適には、印刷ヘッドケーシング52は、リザーバ即ちチャンバ82,84,86,88等の複数のインク貯蔵チャンバを規定するように構成される。
【0022】
印刷ヘッドケーシング52は、図2および3に符号90で示す平面によって仕切ることが可能であり、この平面は、走査軸32とほぼ平行であり、貯蔵チャンバ82,86と貯蔵チャンバ84,88とを分離させる壁91と同一平面上にある。ケーシング52は好適には、リザーバ82,84,86,88からノズルセット72,74,76,78の各インク噴射機構(図示せず)へとインクを供給するための通路を提供するインク供給用入口オリフィス即ちポート92,94,96,98を規定するように構成されている。好適には、入口ポート92,94,96,98は、平面90の対向側にあり、隣接するノズルセット(例えばノズルセット72,74)には平面90の対向側(例えばポート92,94)からインクが供給される。
【0023】
各供給オリフィス92,94,96,98とそれに関連するノズルセット72,74,76,78との間にはインク噴射機構が配設され、このインク噴射機構は、当業者に公知の多様な異なる形式をとる(例えば、圧電またはサーマル印刷ヘッド技術を利用する)ことが可能なものである。その一例として、従来のサーマルインク噴射機構が、本出願人の米国特許明細書第5,278,584号および第4,683,481号が開示されている。シアンペン68に関して図4に概略的に示すサーマルインク噴射機構100では、インクチャネルおよび蒸発チャンバを含む障壁層をオリフィス板70と基板層との間に配置することが可能である。この基板層は典型的には、抵抗体等の加熱素子の線形アレイを含んでおり、その加熱素子アレイは、その付勢時に蒸発チャンバ内のインクを加熱して、前記付勢された抵抗体と関連する別個のノズル(ノズル80等)からインク滴を噴射する。選択された抵抗体が付勢されると、インクの気泡が生成され、次いでノズルから、印刷領域25内に配置されたシートにおける前記ノズルとの隣接部分へとインクが噴射される。導電ストリップ42を介して受信した制御装置40からの信号に応じて抵抗体を選択滴に付勢することにより、インクが所定パターンで印刷媒体上に放出されて、所望の画像(例えば、絵、線図、文書その他)が形成される。
【0024】
当業者には以下の説明から自明であるように、図示のカートリッジ50は、インクジェット印刷機構での使用に適した多様な異なるペン形式で実施することが可能なものである。図2は、このような実施例の幾つかを示したものであり、リザーバ82,84,86,88は、ブラック(K)インク102、マゼンタ(M)インク104、イエロー(K)インク106、およびシアン(C)インク108を幾つかの異なる態様でそれぞれ貯蔵している。例えば、プリンタ20の軸外インク供給システムは、図1に示すような永久的または半永久的な印刷ヘッドユニットを有することが可能である。この実施例では、インクジェットカートリッジ50は、リザーバ84(図2参照)等に少量の供給用インクのみを保持し、主な供給用インクは固定式リザーバ35に貯蔵される。供給用インクに負圧をかける背圧システムを主リザーバ35またはカートリッジ50に設けてインクがノズルから漏出するのを防止することが可能である。本発明に適した様々な背圧システムは、当業者に公知のものであり、本出願人のヒューレット・パッカード・カンパニーにより市販されている、DeskJet(登録商標)シリーズのインクジェットプリンタ用のカートリッジ等のインクジェットカートリッジで一般に入手可能なものである。
【0025】
代替的には、幾つかの交換可能なリザーバユニット(チャンバ82内に供給用ブラックインク102を収容するインク容器110等)で各リザーバの充填または再充填を行うことが可能である。インク容器110は、剛性または可撓性の、プラスチック、ゴム、またはエラストマ製の、ブラダー構造、箔製バッグ構造、またはインクの漏出を防止する背圧システムを収容しまたは備えた他の構造的に等価な容器構造とすることが可能なものである。例えば、インク102が欠乏した際のつぶれに抗する図示のエラストマ製ブラダー容器110を使用することにより、漏出を防止するための適当な負圧が保持される。
【0026】
別の例として、主リザーバ35を使用せず、図示のカートリッジ50を交換可能なペンとして使用することが可能であり、この場合には、印刷ヘッドおよび主供給用インクの双方がキャリッジ30により支持されることになる。図2は、このような実施例の一部を示しており、インク86,88をそれぞれ十分にしみ込ませたリザーバ86,88内のフォーム120等のフォームが充填されたリザーバとすることが可能である。このフォーム120により、例えば米国特許第5,025,271号明細書に詳細に記載されているような毛管現象を介した背圧システムがリザーバに提供される。フォーム120用の適当な材料の1つとして、ポリウレタン製網状フォームがあるが、別の種類のフォームを使用することもできる。図2に示すカートリッジ50は、本発明の思想の様々な実施の態様を示すために、複合構造を有するものとしたが、ほとんどの実際の構造では、各リザーバは同一の態様で充填されよう。
【0027】
リザーバ82〜88およびノズルセット72〜78はマトリクス状に配列され、少なくとも2つのリザーバ(例えばリザーバ82,84またはリザーバ86,88)が2×1マトリクスで走査軸に対して垂直方向に配列されるようになっている。図示のように、4つのペン62〜68は、2×2マトリクスに好適に配列され、即ち、少なくとも2つのリザーバ(即ちリザーバ82,86またはリザーバ84,88)が走査軸32と平行に、少なくとも2つのリザーバ(即ちリザーバ82,84またはリザーバ86,88)が走査軸と垂直に配置される。他のマトリクス配列も可能であることは明らかである。例えば、図2および図3に示した実施例ほど好適なものとはならないであろうが、3つのカラーペン66〜68を走査軸32と平行に配列し、それらカラーペンの前壁または後壁の何れかに沿って延びるようにブラックペン62を配列して、走査軸32と平行な主軸を有する直線的な(rectilinear)断面形状を有するように、4つのペン62〜68をマトリクス状に配列することも可能である。
【0028】
別の適当な構成としては、2×1マトリクス配列を各々が有する2つのカートリッジを使用したものがある。例えば、その一方のカートリッジがブラックペン62およびマゼンタペン64を有し、他方のペンがイエローペン66およびシアンペン68を有することが可能である。好適には、これら2×1マトリクスのカートリッジは、図2ないし図4に示すペン62,64およびペン66,68のように走査軸32に対して配向されたチャンバ82,84およびチャンバ86,88を備えたものとなる。
【0029】
図3と図5を比較することにより、インク容量を確保しつつ、全体的なノズル列間隔が最小限になることが分かる。これは、カートリッジ50のペン配列を利用して達成されたものである。カートリッジ50,200内のリザーバのサイズについては、寸法Aで深さが、また寸法Bで幅が示されている。図示のカートリッジ50では、これら寸法はカートリッジ200と同一にされており、深さAは約37mm、幅Bは約18.5mmである。カートリッジ50が、同一のノズル寸法を有し、従来のリザーバと同じ2.5mmの壁厚を有しているものと仮定すると、ノズルセット72〜78の全幅W3は約27.5mmとなる。カートリッジ200の幅寸法W1が66mmであるのに対し、全ノズル幅寸法(W3)の38.5mmの縮小が達成される。これは、カートリッジ50内のマトリクスペン配列によりノズル列間隔が狭くなったことによるものである。このマトリクス配列によって、左端のノズルから右端のノズルまでの幅が41%以上縮小されることになる。このような特徴の結果として、ノズルセット72〜78が印刷領域25全体(典型的には最大幅が約200mm)を横切るのに必要なキャリッジ進行幅(over-travel)が、カートリッジ200の場合よりも少なくなる。従って、カートリッジ50を使用することにより、スループットが向上し、プリンタ20の全体の製品幅を、従来のカートリッジ200を使用した場合に可能であったものよりも有利に最小限に抑えることができた。
【0030】
プリンタ20の幅の縮小に貢献する別の要因は、マトリスクカートリッジを使用して達成される印刷ヘッドキャリッジ30の幅の縮小にある。上述のサイズを仮定した場合、カートリッジ50の深さ寸法D2は約81.5mmとなり、幅寸法W4は約44.5mmとなる。カートリッジ200と比較してカートリッジ50の深さが僅かに深くなることは、インクジェット印刷機構を使用したほとんどの製品の寸法全体に影響を与えるような特に問題となるものではない。しかし、キャリッジ幅の縮小は製品の全幅に著しい影響を及ぼすものとなる。この寸法W4は、図5のカートリッジ200の全幅W2=100mmと比較して大幅に縮小されており、カートリッジ幅の65%以上の縮小が達成される。このカートリッジ幅の縮小により、製品幅が正味65.5mmも縮小されることになる。
【0031】
印刷ヘッドカートリッジ幅を最小限にするための別の解決策として、全てのペンを、図5に示すように走査軸に対して平行な方向にではなく、走査軸に対して垂直な方向に水平に積み重ねることが可能である。このようなシステムは、2ペンシステム、例えば、ペン62,64だけからなる2×1のペンマトリクスに好適なものである。しかし、この思想を4ペンシステムに拡張すると、幾つかの実際的な問題が生じることになる。例えば、4×1マトリクスペンの場合には印刷スワス(swath)の幅が増大するので、高画質の印刷を保つには4倍もの幅の印刷媒体を印刷ヘッド下でほぼ平坦に保持しなければならない。4ペンによる印刷スワスを適合させるには、印刷媒体を極めて精確に制御する必要があり、その実施及び保守は現時点では高コストのものとなる。更に、このような4×1カートリッジは、使用する媒体の厚さが変化する場合(比較的厚い封筒や薄い透明紙を使用する場合等)には、印刷品質を維持することが困難になる。このような印刷スワスに関連する問題は、例えば、ペン62,64のみまたはペン66,68のみからなる好適な2×1ペンマトリスクでは生じない。
【0032】
動作時には、インクジェット印刷機構を利用したインクの放出方法もまた提供される。この方法は、1つのカートリッジの少なくとも2つのインク貯蔵チャンバにインクを供給するステップを含むものであり、前記カートリッジは、前記インク貯蔵チャンバに対応する数のノズルセットを有しており、その各ノズルセットは、個々のチャンバと流体連通したものである。4つの貯蔵チャンバ82〜88を備えたカートリッジ50の場合、ノズルセットとの流体連通は、入口92〜98により与えられる。走査ステップでは、カートリッジが走査軸32に沿って印刷媒体を横切って走査される。噴射ステップでは、供給されたインクが走査中にカートリッジノズル75〜78から選択的に噴射されて、印刷媒体上に画像が記録される。供給ステップに先立ち、配列ステップで、貯蔵チャンバがマトリクス状に配列されて、少なくとも2つの貯蔵チャンバ、例えば貯蔵チャンバ82,84または貯蔵チャンバ86,88が、走査軸32に対して垂直に配置される。図示の実施例の場合、本方法は貯蔵ステップを含んでおり、この貯蔵ステップでは、カートリッジ50の貯蔵チャンバ82〜88への供給用インクが、そのカートリッジ50とは別個に印刷機構20内に貯蔵される。
【0033】
更に、他の方法、特にインクジェットカートリッジを介してインクを供給するための方法が提供され、この方法は、インクジェットカートリッジの複数の貯蔵チャンバ(この例では貯蔵チャンバ82〜88)内にブラックインク102、マゼンタインク104、イエローインク106、およびシアンインク108等の異なる色のインクをそれぞれ貯蔵するステップを含んでいる。噴射ステップでは、供給されたインクがカートリッジノズルセット72〜78から選択的に噴射され、そのノズルセットはそれぞれ異なる色を噴射し、その各ノズルセットは第1の平面の各側に配置された別個のノズル80を有するように配列されたノズル群から構成されている。噴射ステップに先立ち、第1の平面90の対向側に配置されたポート92〜98を介して個々のインク貯蔵チャンバ82〜88から貯蔵されているインク102〜108を抽出することにより、ノズルセット72〜78にインクが供給される。図示の実施例の場合、本方法は、インクがその抽出時に通過するポートを、隣接するノズルセットについて第1の平面90の対向側に配置するステップを含んでいる。
【0034】
本開示のカートリッジ配列を利用して更に幾つかの利点が実現される。例えば、本開示のペン配列は、圧電またはサーマル印刷ヘッド等の多様な異なるインク噴射機構と共に使用することが可能である。更に、それらペン配列は、インクが所定のノズルセット内のノズルの直線アレイ間に供給される中心供給システムや、インクがノズルセット内の各ノズル列の外側のノズルに供給されるエッジ供給システム等の、多様なインク供給設計で使用することが可能である。また、前述のフォームもしくは弾性ブラダー等の多様な異なるリザーバ背圧保持装置をこれらの構成で利用してインクの漏出を防止することが可能である。
【0035】
更に、例示したカートリッジの実施例の幅が狭いことが製品幅を狭くすることに好適に貢献し、その結果として、プリンタを作業面に置くのに必要な面積である製品の「床投影面積」が小さくなる。一般に、このような小型の製品は、その製造および輸送がより経済的であると共に、一層コンパクトでエンドユーザーにとって望ましいものとなる。上記のカートリッジ配列を使用して実現される印刷媒体スループットの増加は、購入を決定する際に多くの顧客が重視する製品特徴となるものである。
【0036】
以下においては、本発明の種々の構成要件の組み合わせからなる例示的な実施態様を示す。
【0037】
1.カートリッジと印刷媒体との走査軸に沿った相対移動を提供するキャリッジシステムと、
そのキャリッジシステムにより受容される印刷ヘッド本体と、選択的にインクを噴射する少なくとも2つのノズルセットを有する印刷ヘッド部とを有するインクジェットペンカートリッジであって、前記印刷ヘッド本体が、前記ノズルセットと1つずつ流体連通した少なくとも2つのインク貯蔵チャンバを規定し、そのインク貯蔵チャンバが、前記走査軸と垂直な少なくとも2つのチャンバを有するようマトリクス状に配列されている、前記インクジェットペンカートリッジと
を備えていることを特徴とする、インクジェット印刷機構。
【0038】
2.異なる色のインクを別々に貯蔵する別個のリザーバを有するインク供給システムと、
異なる色のインクを前記カートリッジの前記インク貯蔵チャンバへと供給するインク移送管と
を更に備えている、前項1に記載のインクジェット印刷機構。
【0039】
3.カートリッジと印刷媒体との走査軸に沿った相対移動を提供するインクジェット印刷機構で使用する交換可能なインクジェットペンカートリッジであって、
前記インクジェット印刷機構で使用するように装着可能であり、少なくとも2つのインク貯蔵チャンバを規定する、印刷ヘッド本体と、
使用中に選択的にインクを噴射する少なくとも2組のノズルセットを有する印刷ヘッド部であって、前記ノズルセットが前記インク貯蔵チャンバと1つずつ流体連通されている、前記印刷ヘッド部とを備えており、
前記印刷ヘッド本体が、少なくとも2つのインク貯蔵チャンバが走査軸と垂直に配置されたマトリクス状配列のインク貯蔵チャンバを規定するものである、
ということを特徴とする、交換可能なインクジェットペンカートリッジ。
【0040】
4.インクジェット印刷機構で使用する交換可能なインクジェットペンカートリッジであって、
前記インクジェット印刷機構で使用するように装着可能であり、複数のインク貯蔵チャンバを規定する、印刷ヘッド本体と、
使用中に選択的にインクを噴射する複数の隣接するノズルセットを有する印刷ヘッド部であって、前記各ノズルセットが、第1の平面の対向側に配置されたノズル群からなる、前記印刷ヘッド部とを備えており、
前記印刷ヘッド本体が、前記ノズルセットを前記インク貯蔵チャンバと1つずつ流体連通させる通路を提供する複数のポートを規定し、互いに隣接する2つの前記ノズルセットにインクを供給するポートが、前記第1の平面の対向側に配置されている、
ということを特徴とする、交換可能なインクジェットペンカートリッジ。
【0041】
5.前記印刷ヘッド本体が、2×2マトリクスに配列された4つのインク貯蔵チャンバを規定する、前項1ないし前項4の何れかに記載のインクジェットペンカートリッジ。
【0042】
6.前記4つのインク貯蔵チャンバが、ブラック、マゼンタ、イエロー、およびシアンからなるグループから選択された異なる色のインクをそれぞれ収容する、前項1ないし前項5の何れかに記載のインクジェットペンカートリッジ。
【0043】
7.前記インク貯蔵チャンバと同数の複数の交換可能なインク容器を更に備え、それら容器が前記インク貯蔵チャンバ内に1つずつ収容される、前項1ないし前項6の何れかに記載のインクジェットペンカートリッジ。
【0044】
8.前記各インク貯蔵チャンバ内にインク保持用フォーム材料を備えている、前項1ないし前項6の何れかに記載のインクジェットペンカートリッジ。
【0045】
9.インクジェットカートリッジを介してインクを供給する方法であって、
前記インクジェットカートリッジの複数のインク貯蔵チャンバ内に異なる色のインクを貯蔵し、
複数のノズルセットから選択的にインクを噴射させ、その各ノズルセットが異なる色のうちの1色を噴射し、その各ノズルセットが第1の平面の各側に配置された複数の別個のノズルを備えており、
前記噴射ステップの前に、前記第1の平面の対向側に配置されたポートを介して前記複数のインク貯蔵チャンバからそれに貯蔵されているインクを抽出することにより、ノズルセットにインクを供給する、
という各ステップを含むことを特徴とする、前記の方法。
【0046】
10.前記インク貯蔵ステップが、4つのインク貯蔵チャンバ内に4つの異なる色のインクを貯蔵することからなり、
前記4つのインク貯蔵チャンバを2×2マトリクス配列に配列するステップを更に含む、前項9に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマトリクスペン式インクジェットカートリッジの1つの形態を用いたインクジェット印刷機構(ここではインクジェットプリンタ)の一実施例を部分的に断面して示す斜視図である。
【図2】図1のマトリクスペン式インクジェットカートリッジを拡大すると共に部分的に断面して示す斜視図である。
【図3】図2のライン3−3から見た底面図である。
【図4】図3の4−4断面図である。
【図5】従来のインクジェットペンカートリッジの配列を示す底面図である。
【符号の説明】
32 走査軸
50 インクジェットカートリッジ
52 印刷ヘッド本体
54 上部インク受容部
56 印刷ヘッド部
58 印刷ヘッド面
62,64,66,68 ペン
70 オリフィス板
72,74,76,78 ノズルセット
80 ノズル
82,86,84,88 インク貯蔵チャンバ
90 平面
92,94,96,98 ポート
Claims (12)
- インクジェット印刷機構であって、
印刷領域内を走査軸に沿って往復動するキャリッジシステムと、
該キャリッジシステムにより支持されたインクジェットカートリッジと
を備えており、該インクジェットカートリッジが、
インク供給源を各々収容する4つのインク貯蔵チャンバを含む本体であって、前記走査軸と実質的に平行な平面を提供する壁を有しており、前記4つのインク貯蔵チャンバが、第1対のチャンバ及び第2対のチャンバからなる2×2マトリクスに配置され、前記壁が、前記第1対のチャンバと前記第2対のチャンバとを分離させる、本体と、
4つのノズルセットを備えた印刷ヘッド部分であって、該ノズルセットの各々が、前記4つのインク貯蔵チャンバのうち該ノズルセットに関連するインク貯蔵チャンバに1つずつ流体的に連絡しており、該ノズルセットの各々が、少なくとも1つの線形ノズルアレイからなり、該4つのノズルセットの各々の該線形ノズルアレイが、実質的に互いに平行であると共に前記平面と交差しており、該4つのノズルセットが、1×4マトリクス内で互いに並置して配置されている、印刷ヘッド部分とを備え、
前記インクジェットカートリッジが4つの供給ポートを更に備えており、該4つの供給ポートの各々が、前記4つのインク貯蔵チャンバのうちの1つを前記4つのノズルセットのうち該1つのインク貯蔵チャンバに関連する1つのノズルセットへと連結してそれらの間に前記流体的な連絡を提供し、
互いに隣接する2つの前記ノズルアレイに関する前記供給ポートが、前記平面の対向側に配置されている、インクジェット印刷機構。 - 前記4つのノズルセットの各々の線形ノズルアレイが前記平面と実質的に直交している、請求項1に記載のインクジェット印刷機構。
- 追加のインクジェットカートリッジを更に備えており、前記キャリッジシステムが、前記カートリッジと前記追加のインクジェットカートリッジとを受容する、請求項1に記載のインクジェット印刷機構。
- 前記キャリッジシステムが、前記走査軸に対して並置された向きで前記カートリッジ及び前記追加のインクジェットカートリッジに関する相対移動を提供する、請求項3に記載のインクジェット印刷機構。
- 前記カートリッジが、4つの交換可能な容器を更に備えており、該容器の各々が、前記4つのインク貯蔵チャンバのそれぞれの内部に1つずつ受容される、請求項1に記載のインクジェット印刷機構。
- 前記カートリッジが、前記インク貯蔵チャンバの各々の内部にインク保持用フォーム材料を1つずつ有する1つの交換可能なカートリッジからなる、請求項1に記載のインクジェット印刷機構。
- 4つの異なる色のインクを別個に収容する4つの別個のリザーバを有するインク供給システムと、
前記異なる色のインクを前記4つの別個のリザーバから前記4つのインク貯蔵チャンバへと配送する可撓性インク移送導管と
を更に含む、請求項1に記載のインクジェット印刷機構。 - 走査軸に沿って印刷領域を横切って移動する際にインクジェットカートリッジを介してインクを配送する方法であって、
前記インクジェットカートリッジ内に複数の異なる色のインクを収容し、該インクジェットカートリッジが、
前記複数の異なる色のインクをそれぞれ収容する4つのインク貯蔵チャンバを含む本体であって、前記走査軸と実質的に平行な平面を提供する壁を有しており、前記4つのインク貯蔵チャンバが、第1対のチャンバ及び第2対のチャンバからなる2×2マトリクスに配置され、前記壁が、前記第1対のチャンバと前記第2対のチャンバとを分離させる、本体と、
4つのノズルセットを備えた印刷ヘッド部分であって、該ノズルセットの各々が、前記4つのインク貯蔵チャンバのうち該ノズルセットに関連するインク貯蔵チャンバに1つずつ流体的に連絡しており、該ノズルセットの各々が、少なくとも1つの線形ノズルアレイからなり、該4つのノズルセットの各々の線形ノズルアレイが、実質的に互いに平行であると共に前記平面と交差しており、該4つのノズルセットが、1×4マトリクス内で互いに並置して配置されている、印刷ヘッド部分とを備えており、
前記インクジェットカートリッジの前記4つのノズルセットからインクを選択的に放出し、該4つのノズルセットの各々が前記複数の異なる色のうちの1つをそれぞれ放出し、
該放出ステップに先立ち、前記4つのインク貯蔵チャンバ内に貯蔵されているインクを該インク貯蔵チャンバから、互いに隣接する2つのノズルアレイに関して前記平面の対向側に配置されているポートを介して抽出することにより、前記ノズルセットにインクを供給する、という各ステップを有する、インクジェットカートリッジを介してインクを配送する方法。 - 交換可能なペンカートリッジと印刷媒体との間の走査軸に沿った相対移動を提供するインクジェット印刷機構で使用するための交換可能なペンカートリッジであって、該交換可能なペンカートリッジが、
前記インクジェット印刷機構で使用するよう取り付けることが可能な印刷ヘッド本体であって、インク供給源を各々収容する4つのインク貯蔵チャンバを含み、前記走査軸と実質的に平行な平面を提供する壁を有しており、前記4つのインク貯蔵チャンバが、第1対のチャンバ及び第2対のチャンバからなる2×2マトリクスに配置され、前記壁が、前記第1対のチャンバと前記第2対のチャンバとを分離させる、印刷ヘッド本体と、
4つのノズルセットを備えた印刷ヘッド部分であって、該ノズルセットの各々が、前記4つのインク貯蔵チャンバのうち該ノズルセットに関連するインク貯蔵チャンバに1つずつ流体的に連絡しており、該ノズルセットの各々が、少なくとも1つの線形ノズルアレイからなり、該4つのノズルセットの各々の線形ノズルアレイが、実質的に互いに平行であると共に前記平面と交差しており、該4つのノズルセットが、1×4マトリクス内で互いに並置して配置されている、印刷ヘッド部分とを備え、
前記インクジェットカートリッジが4つの供給ポートを更に含み、該4つの供給ポートの各々が、前記4つのインク貯蔵チャンバのうちの1つを前記4つのノズルセットのうち該インク貯蔵チャンバに関連する1つのノズルセットへ連結してそれらの間に流体的な連絡を提供し、
互いに隣接する2つのノズルアレイに関する供給ポートが前記平面の対向側に配置されている、交換可能なペンカートリッジ。 - 複数の交換可能なインク容器を更に備えており、該インク容器の各々が、前記4つのインク貯蔵チャンバのそれぞれの内部に1つずつ受容される、請求項9に記載の交換可能なペンカートリッジ。
- 前記交換可能なインク容器の各々が、シアン、イエロー、マゼンタ、及びブラックからなる一群から選択された異なる色のインクを1つずつ収容する、請求項10に記載の交換可能なペンカートリッジ。
- 前記4つのノズルセットの各々の線形ノズルアレイが、前記平面と実質的に直交する、請求項9に記載の交換可能なペンカートリッジ。
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