JPH0413091Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の利用分野） この考案はネジ供給装置を備えたネジ締め機に
関する。

（従来技術とその問題点） 一般に、ネジ締め機とネジ供給装置とは別体に
構成され、ネジ通路を構成するホースを介して連
結されている場合が多い。その理由は、ネジ供給
装置は比較的大形で、機動性の要求されるネジ締
め機との一体化になじみにくいこと、ネジ供給装
置におけるネジ整列分離機構はネジの自重を利用
する構成なので、常に同じ向きに保持しなければ
ならないことなどによる。これに対し、最近、ネ
ジ締め機本体の先端に摺動自在に設けられたノー
ズ部を突設するネジ締め機に圧縮エアによつて作
動する小形のネジ供給装置を一体的に設けたもの
が提案されている。このように、ネジ供給装置を
ネジ締め機本体に装備することによつて全体の小
形化が達成でき、いちいちネジ供給装置を持ち運
ぶ必要もないので機動性も向上する。しかしなが
ら、ネジ供給装置とネジ締め機本体のノーズ部と
を連結するホースも短くなり、しかもネジ込み作
動させるときにはノーズ部が摺動してネジ締め機
本体との間に相対移動が生じるので、上記ホース
の両端は互いに近づき、ホースは急角度でたわむ
ことになる。一回のネジ締め動作毎にホースがた
わむと、それだけでも耐久性が劣化するが、それ
だけでなく、ホースには固有の強度によりたわみ
に対する抵抗があるから、ノーズ部が摺動しにく
く、しかもたわんだときにネジ供給装置によつて
ノーズ部に向つてネジを給送すると、ネジがホー
スを通過するときに、その内面を傷つけたり、ネ
ジがホース内面につき刺つてネジ詰りを生じたり
することがあるので好ましくない。

（考案の目的） この考案は上記事情に鑑みて成立したものであ
つて、ネジ締め機のノーズ部の摺動に起因するホ
ースのたわみを吸収することができるネジ供給装
置を備えたネジ締め機を提案することを目的とす
る。

（考案の構成） 上記目的を達成するため、この考案に係るネジ
締め機は、ネジ締め機本体の先端に摺動自在に設
けられたノーズ部と、すり鉢を合わせたような内
部形状のホツパ内にランダムに収容されたネジを
圧縮エアにより攪拌し、且つ上記圧縮エアにより
上記ネジを上記ホツパの接線上に設けられたシユ
ートに整列状態で送り出すネジ整列機構と、圧縮
空気によつて作動するピストン杆によつて上記シ
ユートから排出された先端ネジを他のネジから分
離して圧縮エアにより給送可能な送り出し部に送
り出すネジ分離送り出し機構とを備えるネジ供給
装置とを、ホースを介して連結し、上記ホースの
一端を上記送り出し部に接続し、他端を上記ノー
ズ部に接続し、上記送り出し部に送られたネジの
後方側に圧縮エアを噴出して該ネジを上記ホース
を介してノーズ部に給送させるとともに、上記ネ
ジ供給装置をネジ締め機本体に対して中空の揺動
軸を中心に回動自在に支持し、且つ該揺動軸を介
してネジ締め機本体側から圧縮空気を上記ネジ供
給装置に供給してなることを特徴とする。

（考案の作用、効果） 上述の構成により、ネジ供給装置はネジ整列機
構とネジ分離供給機構とを備えているので、ホツ
パ内にランダムに収容されたネジを整列させ、圧
縮エアによつて順次にホースからノーズ部に供給
することができる。また、ネジ締め機によつてネ
ジ締め操作をする場合、ノーズ部を被ネジ込み材
料の表面に押し付けて、ネジ締め機本体に対して
軸線方向に沿つて摺動させるが、その際、ホース
も同じ方向に押し込まれる。ホースには固有の強
度があるから、ネジ供給装置もホースによつて同
じ方向に押圧される。ところが、ネジ供給装置は
ネジ締め機本体に対して揺動自在に支持されてい
るから、上記押圧力によつて揺動する。この揺動
によりホースのたわみはほとんど吸収されてしま
い、しかも、ノーズ部を摺動する際の抵抗もほと
んどない。したがつて、操作が楽で、ネジの給送
が円滑に行なわれるとともに、ホースに傷がつい
たり、ネジ詰りや劣化が生じるのを防止すること
ができ、その実用的効果は非常に大である。さら
に、ネジ供給装置を駆動する圧縮エアはすべてネ
ジ供給装置を回動自在に支持している中空の揺動
軸を介してネジ締め機本体側から供給されるた
め、外部にエア配管の必要がなく、また外観が複
雑になることもなく、さらにネジ供給装置の回動
に支障を与えずに初期の目的を達成することがで
きる。

（実施例） 以下、図面とともにこの考案の実施例について
説明する。

図において、符号Ａはネジ締め機を示す。この
ネジ締め機Ａはネジ供給装置Ａ１をネジ締め機本
体Ａ２に対して揺動自在に支持させるとともに、
ネジ締め機本体Ａ２に設けられたノーズ部１とネ
ジ供給装置Ａ１とをホース２を介して連結したも
のである。

ネジ供給装置Ａ１は、エア源３から供給された
圧縮エアによりホツパ４内にランダムに収容され
たネジＮをホツパ４外へ案内するシユート５上に
整列させて供給するネジ整列機構６と、該シユー
ト５の先端部出口から供給されたネジＮを分離し
て上記圧縮エアによつて給送可能な位置に送り出
すネジ分離送り出し機構７とを備えるものであ
る。

ネジ整列機構６は第１図及び第３図に示すよう
に、多数のネジＮをランダムに収容する円盤形ホ
ツパ４の内周面の一部に圧縮エアの供給孔８を設
け、他の一部に上記圧縮エアによつてかくはんさ
れたネジＮの軸部よりも大きく頭部よりも小さい
巾のシユート５を連設するとともに、上記ホツパ
４内にはかくはんされたネジＮが円滑にシユート
５に進入するのを案内するガイド部９を形成した
ものである。このカイド部９は上記シユート５に
連続するガイド溝１０と該ガイド溝１０にかくは
んされたネジＮを落し込むのを案内するガイド壁
１１とから構成されている。上記圧縮エア供給孔
８にはエア源３が接続され、このエア源３からホ
ツパ４内に圧縮エアを給送すると、ホツパ４内部
にランダムに収容された非整列ネジＮはかくはん
され、その一部はガイド壁１１に案内され、ガイ
ド溝１０に落し込まれる。この場合、ネジＮはそ
の頭部がシユート５の開口端に係合するので、ネ
ジＮは全て同じ姿勢となり、このままシユート５
に進入する。したがつて、シユート５には複数の
ネジＮが直列状に並んで整列され、圧縮エアによ
つてシユート５の先端側に送られる。

なお、上述のネジの整列機構６は実願昭59−
39074号実開昭60−151820号公報参照に詳しく説
明されている。

次に、ネジ分離送り出し機構７は、上記シユー
ト５の先端部出口にホース２に接続するネジ通路
１２の後端側部を開口し、上記シユート５先端に
は爪１３ａを一端に備えるストツパ部材１３を揺
動自在に設ける一方、ネジ通路１２の後端にはピ
ストン杆１４ａを進退可能に設けるとももに、該
ピストン杆１４ａの進退位置には、上記ストツパ
部材１３を揺動させる作動部材１５を設け、前記
ピストン杆１４ａの退動時にネジ通路１２を開放
するとともに上記作動部材１５及びストツパ部材
１３を揺動させてストツパ部分の爪１３ａを第２
位のネジＮ２の前方に進入させ、前記ピストン杆
１４ａの前進時にネジ通路１２内のネジＮを送り
出すとともに、上記ストツパ部材１３の爪１３ａ
を上記位置から退避させるものである。

上記の構成により、まず上記ネジ整列機構６を
駆動させる圧縮エア供給中にピストン杆１４ａを
退動させると、これに応動して作動部材１５はバ
ネ１６により係合突部１５ａがネジ通路１２内に
進入するので揺動し、作動部材１５の揺動に応じ
て作動部材１５の端部傾斜面１５ｂに係合してい
るストツパ部材１３の係合片１３ｂが押し上げら
れるため、ストツパ部材１３も揺動し、爪１３ａ
が第２位のネジＮ２の前方に進入する。これによ
り、シユート５内の第２位以下のネジＮの送りは
上記爪１３ａによつて押えられるのに対し、先頭
ネジＮはフリーであるから、ピストン杆１４ａが
ネジ通路１２から後退したときに、圧縮エアによ
つて第２位以下のネジＮから分離し、シユート５
から排出されててネジ通路１２内に供給される。
次に、送り出しピストン杆１４ａを前進させる
と、該ピストン杆１４ａによつてネジ通路１２内
のネジＮは圧縮エアによつて給送可能な送り出し
部Ｐに送り出され、さらに該圧縮エアによつて後
述のホース２からネジ締め機Ａのノーズ部１に供
給される。そして、ピストン杆１４ａが前進する
際、上記作動部材１５の係合突部１５ａに当接す
ると、該作動部材１５が上記と反対側に揺動し、
これに連動してストツパ部材１３も同じく上記と
反対側に揺動し、爪１３ａが上記位置から退避す
る。これによつて、シユート５内のネジＮはフリ
ーとなり、圧縮エアによりネジ一本分だけシユー
ト５の先端側に送られる。以下、同様にして、シ
ユート５上の整列ネジＮは先頭のものから順次に
給送可能な送り出し部Ｐに送り出され、上述のエ
ア供給孔８から供給された圧縮エアによつてネジ
締め機Ａの所定の位置に供給される。

また、上述のように上記ピストン杆１４ａはネ
ジ整列機構６を躯動させる圧縮エア供給中に後
退、前進するように構成されているが、その駆動
機構を第３図及び第４図によつて説明すると次の
通りである、すなわち、圧縮エアは駆動エア供給
ポート２２からシリンダ２０内に供給されると、
ピストン１４の受圧有効面積の小さい送り出し側
に作用してピストン１４をバネ１７の力に抗して
送り出し側からその反対側の排気弁側に後退させ
る（ピストン杆１４ａ後退）。ピストン１４はそ
の後退端で排気弁１８に係合し、これを押圧す
る。排気弁１８はバネ１９の力に抗してシリンダ
２０と大気とを遮断する位置に移動してシリンダ
２０の排気弁１８側を密閉する（第４図）。とこ
ろが、駆動エア供給ポート２２から供給された圧
縮エアは連通管２３を経て送り出し側から排気弁
１８側に供給され、排気弁１８側のシリンダ２０
内圧は増圧する。ピストンの受圧有効面積は排気
弁１８側の方が送り出し側よりも大きく設定さ
れ、またバネ１７の力も送り出し側に作用するか
ら、排気弁１８側の内圧が増圧するにつれてピス
トン１４に対する作用圧は増圧側の方が供給側よ
りも勝り、ピストン１４は今度は送り出し側に前
進し、その際ピストン杆１４ａが前進してネジ通
路１２内に進入し、ネジＮを送り出し部Ｐまで送
り出す。このとき、排気弁１８は上記内圧によつ
て遮断位置に保持される。ピストン１４が初期位
置に復帰して供給された圧縮エアの供給が停止し
てが排気されると、シリンダ２０内圧も減圧する
から、排気弁１８はバネ１９に付勢されてシリン
ダ２０と大気とを連通する位置に復帰し、シリン
ダ２０内エアは排気されて初期の大気圧状態とな
る。

次に、ネジ締め機本体Ａ２を示す。このネジ締
め機本体Ａ２には図示しないエアモータが内蔵さ
れ、その出力軸にはドライバビツトが保持されて
いる。さらにネジ締め機本体Ａ２には、ドライバ
ビツトの前方に突出し、且つ軸線方向に沿つて摺
動するノーズ部１が設けられているとともに、該
ノーズ部１の作動ストロークの初期にエア源３に
通じるエア通路２５と上記ネジ供給装置Ａ１に通
じるエア通路２６とを連通させ、上記作動ストロ
ークの後期に上記両エア通路２５，２６を遮断す
るエア制御装置２７が設けられている。このよう
なエア制御装置２７はノーズ部１にコンタクトア
ーム２８を連結し、該コンタクトアーム２８の動
きに起因してエア通路２５，２６を継続作用する
バルブ等を利用することによつて構成すればよ
い。

上記ネジ締め機本体Ａ２と前記ネジ供給装置Ａ
１とは揺動軸３０によつて回動自在に連結されて
いる。これにより、ネジ供給装置Ａ１はネジ締め
機本体Ａ２に対して揺動軸３０を中心に揺動自在
に支持される。なお、揺動軸３０の内部は中空に
形成され、その一端はエア通路２６からネジ締め
機本体Ａ２のエア制御装置２７を介してエア通路
２５を経てエア源３に通じ、他端はエア通路２６
ａを介してネジ供給装置Ａ１に通じている。この
ため、エア通路を外部に設ける必要がない。

さらに、ノーズ部１とネジ供給装置Ａ１のネジ
分離送り出し機構７とはホース２を介して連結さ
れている。ホース２の一端は上記送り出し部Ｐに
接続され、他端はノーズ部１に接続されている。
ネジ供給装置Ａ１から供給されたネジＮはこのホ
ース２からノーズ部１に供給される。

上述の構成により、ネジ供給装置Ａ１はネジ整
列機構６とネジ分離供給機構とを備えているの
で、ホツパ４内にランダムに収容されたネジＮを
整列させ、圧縮エアによつて順次にホース２から
ノーズ部１に供給することができる。また、ネジ
締め機Ａによつてネジ締め操作をする場合、ノー
ズ部１を被ネジ込み材料の表面に押し付けて、ネ
ジ締め機本体Ａ２に対して軸線方向に沿つて摺動
させるが、その際、ホース２も同じ方向に押し込
まれる。ホース２には固有の強度があるから、ネ
ジ供給装置Ａ１もホース２によつて同じ方向に押
圧される。ところが、ネジ供給装置Ａ１はネジ締
め機本体Ａ２に対して揺動自在に支持されている
から、上記押圧力によつて第３図に示すように、
揺動軸３０を中心に揺動する。この揺動によりホ
ース２のたわみはほとんど吸収されてしまい、し
かも、ノーズ部１を摺動する際の抵抗もほとんど
ない。したがつて、操作が楽で、ネジの給送が円
滑に行なわれるとともに、ホース２に傷がついた
り、ネジ詰りや劣化が生じるのを防止することが
でき、その実用的効果は非常に大である。さら
に、ネジ供給装置Ａ１を駆動する圧縮エアはすべ
てネジ供給装置Ａ１を回動自在に支持している中
空の揺動軸３０を介してネジ締め機本体Ａ２側か
ら供給されるため、外部にエア配管の必要がな
く、また外観が複雑になることもなく、さらにネ
ジ供給装置Ａ１の回動に支障を与えずに初期の目
的を達成することができる。

なお、第３図にはネジ供給装置Ａ１においてピ
ストン杆１４が送り出し動作している間に該ネジ
供給装置Ａ１が揺動しているように示されている
が、通常はネジ供給装置Ａ１の揺動とネジの送り
出し動作とは別個に行なわれるのであり、図の例
には限定されない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るネジ締め機の斜視図、
第２図はネジ締め機本体とネジ供給装置との連結
部における要部断面図であり、第３図は上記ネジ
供給装置の縦断面図であり、第４図はネジ送り出
し用ピストン杆の駆動機構説明図である。 符号、Ａ……ネジ締め機、Ａ１……ネジ供給装
置、Ａ２……ネジ締め機本体、１……ノーズ部、
２……ホース、３……エア源、４……ホツパ、５
……シユート、６……ネジ整列機構、７……ネジ
分離送り出し機構、１３ａ……爪、１３……スト
ツパ部材、１４ａ……ピストン杆、１４……ピス
トン、１８……排気弁、２０……シリンダ、２７
……エア制御装置、２８……コンタクトアーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ネジ締め機本体の先端に摺動自在に設けられた
   ノーズ部と、すり鉢を合わせたような内部形状の
   ホツパ内にランダムに収容されたネジを圧縮エア
   により攪拌し、且つ上記圧縮エアにより上記ネジ
   を上記ホツパの接線上に設けられたシユートに整
   列状態で送り出すネジ整列機構と、圧縮空気によ
   つて作動するピストン杆によつて上記シユートか
   ら排出された先端ネジを他のネジから分離して圧
   縮エアにより給送可能な送り出し部に送り出すネ
   ジ分離送り出し機構とを備えるネジ供給装置と
   を、ホースを介して連結し、上記ホースの一端を
   上記送り出し部に接続し、他端を上記ノーズ部に
   接続し、上記送り出し部に送られたネジの後方側
   に圧縮エアを噴出して該ネジを上記ホースを介し
   てノーズ部に給送させるとともに、上記ネジ供給
   装置をネジ締め機本体に対して中空の揺動軸を中
   心に回動自在に支持し、且つ該揺動軸を介してネ
   ジ締め機本体側から圧縮空気を上記ネジ供給装置
   に供給してなることを特徴とするネジ締め機。