JPH04130283U - 外れ防止手段付鉤フツク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外れ防止手段をより簡単な構造でありながら
より確実に奏功させる。 【構成】 常時外側方向に付勢されるように、開口の一
側に取り付けた弾性金属線による外れ防止手段１６の上
側の嵌着曲折部２１を、該一側を貫通させて反対側に飛
び出させ、その飛び出した部分２２を弾性金属線が一定
位置以上に外側に倒れることのないようにするためのス
トッパーとした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は鉤フックの改良に関し、さらに詳しくは鉤フックの外れ防止手段付鉤 フックの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

牽引等の目的で、ロープ、ワイヤー、チェーン等（以下単にロープ等という） の一端等に取付け、他のロープ等をフック孔に引っ掛けて用いる鉤フックにおい て、掛止したものから鉤フックが不本意に外れることを防止する手段はこれまで 種々提案されている。それらの中で、第４図及び第５図に示すような、一側が開 口となっているフック孔１を形成したフック本体２の前記開口の一側３の左右両 面に、ほぼ上下に位置を食い違わせて一対の挿入孔４、４’を形成し、弾性金属 線５をほぼ中央からＵ字状に折り曲げると共に、それによって形成された左右両 脚の先端をほぼ上下に食い違った前記開口に対応する位置で内方に折曲して折曲 部６、６’を形成し、この折曲部をフック本体１の前記挿入孔４、４’に枢動可 能に挿入し、且つ弾性金属線５の中央Ｕ字状折り曲げ部の先端７を鉤フック開口 の他側８内側に衝止させた鉤フックの外れ防止手段がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような外れ防止手段は、弾性金属線の枢軸線を上下左右に食い違わせたも のを枢動可能に取り付けた構造により、弾性金属線が常時外側に倒れるように付 勢されているので、弾性金属線に外れ防止機能を持たせるために弾性金属線が必 要以上に開口部外側に倒れず、しかも強固にその位置に保持されるようにする必 要があるために、弾性金属線の中央Ｕ字状折り曲げ部の先端を鉤フック開口の他 側８内側に衝止させる構造になっている。このために、外れ防止手段である弾性 金属線の長さ（高さ）が長く（高く）なり、鉤フックの開口部の実質的な開口間 隔が小さくされることになる。従って、掛止するために鉤フックのフック孔１の 中に入るべきものＡの径（太さ）は制限され、所望の開口間隔を得るためには必 要以上に鉤フックのフック孔を大きくしなければならず、ひいては鉤フックは必 要以上に大型になって、重量も嵩むことになり、又取扱にも不便であった。 このような問題を解決するものとして、本願出願人は、先に弾性金属線の中央 Ｕ字状折り曲げ部の先端を鉤フック開口の他側内側に衝止しない程度に弾性金属 線の長さ（高さ）を短く（低く）するとともに、挿入孔を設けた本体の開口の一 側に弾性金属線が外側に倒れ過ぎることを防止する係止凸部を形成した鉤フック の外れ防止手段を開発した（平成３年３月２日提出の実用新案登録願）。

【０００４】 しかし、その改良された外れ防止手段も、係止凸部を相当程度大きなものとし ないと弾性金属線がその係止凸部を乗り越えて外側に倒れてしまい、外れ防止機 能を果たさず、係止凸部を大きくすることは、一般的に鉤フックは鋳造されるこ とが多いこともあり、製造上不利であり、また使用上も好ましくないという問題 があった。 本考案は、従来の鉤フックの前述の問題点を解消するためのもので、簡単な構 造にして外れ防止機能は確実に果たしながら、しかも鉤フックの小型化を図るこ とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前述の目的を達成するための鉤フックに関し、一側が開口となって いるフック孔を形成したフック本体の前記開口の一側の左右両面に、ほぼ上下に 位置を食い違わせて一対の挿入孔を形成し、弾性金属線をほぼ中央からＵ字状に 折り曲げると共に、それによって形成された左右両脚部の先端を前記開口に対応 する、ほぼ上下に食い違った位置で内方に折曲して折曲部を形成し、この折曲部 をフック本体の前記挿入孔に枢動可能に挿入してなる外れ防止手段を有する鉤フ ックにおいて、該一対の挿入孔の中の上側の挿入孔を貫通孔とし、該孔に挿入す る弾性金属線脚部先端の長さを貫通孔の長さより一定長長くして該貫通孔から突 出させ、他方の脚部を内側からその突出部に衝止させることにより、前述の目的 は達成される。

【０００６】

【作用】

本考案の鉤フックは、弾性金属線の左右両脚部の先端の折曲部を挿入する一対 の挿入孔の内上側の挿入孔を貫通孔とし、該孔に挿入する弾性金属線脚部先端の 長さを貫通孔の長さより一定長長くして該貫通孔から突出させ、他方の脚部をそ の突出部に内側から衝止させ、その突出部を確実なストッパーとして機能させる ものであり、外れ防止手段である弾性金属線は一定位置より外側に倒れることは なく、完全に外れ防止機能を果たす。

【０００７】

【実施例】

次に、本考案の実施の一例を図１〜図３について、以下に説明する。 １１は、従来の鉤フックと同様に一側が開口されている楕円形状のフック孔１ ２が形成されているフック本体で、ロープ等の一端を連結するための取付け孔１ ３が形成され、フック孔１２を形成する開口の取付け孔１３側には、左右両面に 、ほぼ上下位置に、一対の挿入孔１４、１５が穿設されている。上側の挿入孔１ ５は下側の挿入孔１４よりも幾分外側寄りに穿設されている。挿入孔１４はフッ ク本体の穿設部の厚さのほぼ半分程度の深さに穿設され、挿入孔１５はフック本 体の穿設部を貫通している。

【０００８】 １６は、ピアノ線のような弾性を有する金属線を折曲して形成した弾性線で、 そのほぼ中心部においてＵ字状に湾曲された折曲部１７が設けられており、該折 曲部１７によって形成された左右の脚１８、１９は図３に示すように前後に食い 違わせてある。この左右の脚１８、１９は、その下端までの長さを違わせて、内 方に向かってほぼ直角に折曲した折曲部２０、２１とされており、この折曲部２ ０、２１が前記フック本体１１の挿入孔１４、１５にそれぞれ挿入されている。 曲折部１７を４５°以内程度の角度に前傾或いは後傾させると、弾性金属線１６ の前後動のときに生じる変形の際に逃げが生じて弾性金属線１６の動きが円滑に なり、その耐久性が向上する。

【０００９】 挿入孔１４、１５の間隔と、折曲部２０、２１までの長さの差は同一であり、 弾性線１６の脚１８、１９はフック本体１１の面とほぼ平行となる。しかし、脚 部１８、１９は図３に示すように前後方向に食い違うように曲げられているので 、折曲部２０、２１が挿入孔１４、１５に挿入されると、脚部１８、１９と平行 状となり、その形状変化によって弾性線１６には、フック孔１２の外側方向への 付勢を生ずる。 折曲部２１の長さは、挿入孔１５を穿設した部分の厚さに弾性金属線の直径を 足した長さより僅かに長くしてあり、その先端部分２２は該貫通挿入孔１５の反 対側に飛び出している。折曲部２０の長さは挿入孔１４の中に丁度上手く嵌まり 込む長さにしてある。

【００１０】 折曲部２０、２１が挿入孔１４、１５に挿入された場合、上記のように折曲部 １９が挿入される上側の挿入孔１５は下側の挿入孔１４よりも幾分外側寄りに穿 設されているので、弾性金属線１６の脚部１８は折曲部２１の突出端２２よりも 内側に位置することになり、弾性金属線１６が外方向に常に付勢されるので、弾 性金属線１６全体はその突出端２２に衝止させられて、その位置より外側には絶 対に倒れることはない。 図３に示すように、弾性金属線１６の脚部１８は他の脚部１９の曲折部の突出 端２２に当接する個所から外側にくの字形に曲折させることにより、一対の挿入 孔の内、上側の挿入孔を下側の挿入孔よりも外側寄りに設ける必要はなく、一対 の挿入孔を開口他側と結んだ線上に設けることができる。

【００１１】

【考案の効果】

このように、本考案の鉤フックの外れ防止手段は簡単な構造で且つ１００パー セント確実な外れ防止効果を奏せしめることができる。又外れ防止手段を短くす ることができるので、フック孔に掛止するものＡの径（太さ）が大きくてもよく 、そのため、同じ耐力で小型化でき、扱い易い鉤フックとすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例の鉤フックの側面図である。

【図２】図１の正面図である。

【図３】弾性金属線の挿入孔への挿入以前の側面図であ
る。

【図４】従来の鉤フックの側面図である。

【図５】図４の正面図である。

【符号の説明】

１１ 鉤フック本体 １２ フック孔 １４ 挿入孔 １５ 貫通挿入孔 １８、１９ 弾性金属線の脚部 ２０、２１ 曲折部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一側が開口となっているフック孔を形成
   したフック本体の前記開口の一側の左右両面に、ほぼ上
   下に位置を食い違わせて一対の挿入孔を形成し、弾性金
   属線をほぼ中央からＵ字状に折り曲げると共に、それに
   よって形成された左右両脚部の先端を前記開口に対応す
   る、ほぼ上下に食い違った位置で内方に折曲して折曲部
   を形成し、この折曲部をフック本体の前記挿入孔に枢動
   可能に挿入してなる外れ防止手段を有する鉤フックにお
   いて、該一対の挿入孔の中の上側の挿入孔を貫通孔と
   し、該孔に挿入する弾性金属線脚部先端の長さを貫通孔
   の長さより一定長長くして該貫通孔から突出させ、他方
   の脚部を内側からその突出部に衝止させたことを特徴と
   する外れ防止手段を有する鉤フック。
2. 【請求項２】 該Ｕ字状の折曲部をフック孔の前方向
   （外側方向）に向かって折曲した請求項１の鉤フック。
3. 【請求項３】 該Ｕ字状の折曲部をフック孔の後方向
   （内側方向）に向かって折曲した請求項１の鉤フック。