JPH04129690U - 熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 胴内の伝熱管群の全てを嵌挿する邪魔板を設
けることができ伝熱管の損傷を防止できる熱交換器を得
ることを可能にする。 【構成】 伝熱管群１を収容する胴２内に、上記伝熱管
群１を嵌挿する欠円状の邪魔板３を、その欠円部４が上
下交互になるよう間隔を隔てて設けた熱交換器におい
て、上記邪魔板３を伝熱管群１の全てを嵌挿する大きさ
に形成し、かつ、上記胴２の断面を縦長の長円状に形成
したことを特徴としている

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、伝熱管群を収容する胴内に、伝熱管群を嵌挿する欠円状の邪魔板が 間隔を隔てて設けられた熱交換器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、多管式熱交換器においては、図３，図４に示すように、伝熱管群１を 収容する胴内に、伝熱管群１を嵌挿する欠円状の邪魔板３が間隔を隔てて設けら れ、これら邪魔板３の欠円部４は上下交互になるように配置されて構成され、流 体導入口５から胴２内に導入された流体（矢印で示す）は、それら欠円部４に形 成された流路７を通って排出口６に向けてジグザグ状に流れるようになっている 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述のものにあっては、邪魔板３が欠円部４に配置される伝熱 管８を支持することができないので、それら伝熱管８の支持点間距離が他のもの に比べて２倍となって振動による損傷を受け易くなるという問題があり、また、 邪魔板３を大きくすると流路７の面積を確保できないという問題があった。

【０００４】 本考案は、上記課題を解決するために創案されたもので、その目的は、所定流 路を確保し、かつ、伝熱管群の全てを等間隔に支持することのできる熱交換器を 提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案は、伝熱管群を収容する胴内に、上記伝熱管 群を嵌挿する欠円状の邪魔板を、その欠円部が交互になるよう間隔を隔てて設け た熱交換器において、上記邪魔板を伝熱管群の全てを嵌挿する大きさに形成し、 かつ、上記胴の断面を長円状に形成して構成されたものである。

【０００６】

【作用】

上記構成によれば、各邪魔板に伝熱管群の全てを嵌挿させるので、各伝熱管の 支持点間距離が一定となり、従来のような欠円部の伝熱管の支持点間距離が大き くなるようなことがなく、振動による伝熱管の損傷を防止することができる。

【０００７】 また、胴の断面を長円状に形成したので、邪魔板を大きくしても欠円部に形成 される流路を所定の大きさに確保することができる。

【０００８】

【実施例】

本考案の実施例を添付図面に基いて説明する。

【０００９】 図１，図２は本考案の熱交換器の実施例を説明するもので、図において、伝熱 管群１は胴２内に収容されており、その胴２の一端側には、被加熱流体の供給口 ９を有する供給室１０と排出口１１を有する排出室１２が仕切部１３で区画され 、上記伝熱管群１は、これら供給室１０及び排出室１２に円形の管板１３を介し て接続される。胴２の他端側には、円形の管板１３を介して伝熱管群１に接続さ れ、供給側の伝熱管群１からの被加熱流体を排出側の伝熱管群１にＵターンさせ て流す中間室１４が設けられている。

【００１０】 また、胴２内には、管板１３間に等間隔を隔てて、伝熱管群１を嵌挿する邪魔 板３が設けられており、それら邪魔板３は、その上部または下部が欠円状に切り 欠かれ、その欠円部４が交互になるよう配置され、欠円部４に形成される流路７ が一側の加熱流体導入口５から胴２内に導入された加熱流体を他側の加熱流体排 出口６へ向けてジグザグ状に流すようになっている。

【００１１】 本実施例において、上記胴２は図示するように、両端部の断面が円形に形成さ れ、その両端部から中央に向けて漸次拡径され、その拡径された断面は水平径（ 短径）が端部円形の径とほぼ等しく、垂直径（長径）が端部円形の径より大きく した縦長の長円状に形成され、管板１３間を結ぶ伝熱管群１の最上下の各伝熱管 ８が胴２の上下の内面から十分離間されるようになっている。

【００１２】 また、上記邪魔板４は、胴２の断面に合わせて長円状に、かつ、その欠円部４ の上端部または下端部は、最上列または最下列の各伝熱管８より上方または下方 に位置するよう形成され、伝熱管群１の全ての伝熱管８を嵌挿する嵌挿孔１７が 穿設され、伝熱管群１はこれら嵌挿孔１５を嵌挿し、その途中が各邪魔板３で等 間隔に支持されている。

【００１３】 次に上記実施例の作用を説明する。

【００１４】 被加熱供給口９から供給室１０内に供給された被加熱流体は、供給側の伝熱管 群１を通って中間室１４に流入し、Ｕターンして排出側の伝熱管群１を通って排 出室１２内に入り被加熱排出口１１から外部に排出される。

【００１５】 一方、加熱流体は、加熱流体導入口５から胴２内に導入され、邪魔板３の欠円 部４に形成された流路７を通って胴２内をジグザグ状（図１中矢印で示す）に流 れながら、被加熱流体と熱交換して加熱流体排出口６から排出される。

【００１６】 このとき、伝熱管群１の全ては邪魔板３を嵌挿して等間隔に支持されているの で、支持点間距離が一定となり、振動による伝熱管８の損傷を防止することがで きる。

【００１７】 また、胴２の断面を縦長の長円状に形成したので、邪魔板３を大きくしても欠 円部４に形成される流路７を所定の大きさに確保することができる。

【００１８】 なお、胴２の断面は、縦長長円状に限らず横長長円状に形成してもよい。

【００１９】

【考案の効果】 本考案によれば、伝熱管群の全てを嵌挿するよう邪魔板を設けたので、振動に よる伝熱管の損傷を防止することができる。

【００２０】 また、胴断面を長円状に形成したので、邪魔板を大きくしても欠円部に形成さ れる流路を所定の大きさに確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の熱交換器の実施例を説明する側断面図
である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図３】従来の熱交換器を説明する側断面図である。

【図４】図３のＢ−Ｂ断面図である。

【符号の説明】

１ 伝熱管群 ２ 胴 ３ 邪魔板 ４ 欠円部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 伝熱管群を収容する胴内に、上記伝熱管
   群を嵌挿する欠円状の邪魔板を、その欠円部が交互にな
   るよう間隔を隔てて設けた熱交換器において、上記邪魔
   板を伝熱管群の全てを嵌挿する大きさに形成し、かつ、
   上記胴の断面を長円状に形成したことを特徴とする熱交
   換器。