JPH04128771U - ゴルフクラブヘツド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アイアンタイプのゴルフクラブヘッドでゴル
フボールを打つときに、ボールの打撃点がスイートスポ
ットから偏位すると、ボールの飛距離が減少するので飛
距離がばらつく問題があったので、ボールの打撃点が偏
位しても飛距離が安定するアイアンタイプのゴルフクラ
ブヘッドを提供することを目的とする。 【構成】 ヘッドのフェース面１の反対面である後部面
２に、後部面２の輪郭にほぼ平行な輪郭を有する凹部３
を設け、凹部３の底面を中央部４が凸となる面に形成
し、中央部４の肉厚を周縁部５の肉厚よりも厚くした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドに関するものであり、特に、 スイートスポットより偏位した点でボールを打った場合でも、スイートスポット でボールを打ったときとあまり差のないボール飛距離を出すことができるゴルフ クラブヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のアイアンタイプのゴルフクラブヘッドには、図５の斜視図、図５のＸ− Ｘ断面図である図６に示すように、ボールの打撃面であるフェース面１の反対側 の後部面２に、後部面２の輪郭にほぼ平行な輪郭を有する凹部３が設けられるゴ ルフクラブヘッドＡや、図７の斜視図、図７のＹ−Ｙ断面図である図８に示すよ うに、後部面２に凹部３が設けられないゴルフクラブヘッドＡ₁ などがある。

【０００３】 ゴルフクラブヘッドＡでは、凹部３の外側に厚肉部４が形成され、この厚肉部 ４の重量によりゴルフクラブヘッドＡの慣性モーメントが大きくなり、スイート スポットを外した点でボールを打ったときでもボール飛距離を安定化させる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記のゴルフクラブヘッドＡ，Ａ₁ では、フェース面１の中央部近くに、ボー ルを最も遠くに飛ばすことができるスイートスポットＳ．Ｓがあり、このスイー トスポットＳ．Ｓを外れた位置でボールを打つとゴルフクラブのシャフトに横振 れの振動が生じ、ボール飛距離が減少する。

【０００５】 図９に示すように、ゴルフクラブヘッドＡのスイートスポットＳ．Ｓよりヒー ル側（図９において右側）に５cm，１０cm，１５cm偏位した位置をそれぞれＰ₁ ，Ｐ₂ ，Ｐ₃ とし、トウ側（図９において左側）に５cm，１０cm，１５cm偏位し た位置をそれぞれＱ₁ ，Ｑ₂ ，Ｑ₃ とし、第１１図に示すスイートスポットチェ ッカー６で計測する。

【０００６】 スイートスポットチェッカー６は、衝撃部７によりゴルフクラブヘッドの各位 置に衝撃を与え、ゴルフクラブ８のシャフト９の横揺れを測定し、オシロスコー プ１０にうつし出してスイートスポットＳ．Ｓの位置を測定するものである。そ して、このスイートスポットチェッカー６により各位置Ｐ₁ ，Ｐ₂ ，Ｐ₃ ，Ｑ₁ ，Ｑ₂ ，Ｑ₃ に衝撃を与えて振動を観察すると、図１０に示すように、偏位量が 大きくなるほどゴルフクラブの横振れの振動の振幅が大きくなることが観察され る。

【０００７】 然し、熟練者でないとボールをスイートスポットＳ．Ｓに正確に当てることは 困難であり、ボールの打撃位置のばらつきによりボール飛距離がばらつくため、 ボールが狙った位置をオーバーしたり或いは狙った位置に届かなかったりする問 題があった。

【０００８】 本考案はかかる課題を解決することを目的としており、スイートスポットＳ． Ｓを外れてもゴルフクラブヘッドの横振れの振動が小さく、従って、ボール飛距 離のばらつきが少ないゴルフクラブヘッドを提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案のアイアンタイプのゴルフクラブヘッドに おいては、ゴルフクラブヘッドのフェース面の反対側の後部面に、後部面の輪郭 にほぼ平行な輪郭を有する凹部を設け、該凹部の底面を、中央部が外側に凸とな る面に形成し、上記凹部の中央部の肉厚を上記凹部の周縁部の肉厚よりも大きく した。

【００１０】

【作用】

上記のように構成されたゴルフクラブヘッドは、フェース面の反対側の後部面 に、後部面の輪郭にほぼ平行な輪郭を有する凹部を設け、該凹部の底面の中央部 を外側に凸となるように形成し、該凹部の底面の中央部の肉厚を周縁部の肉厚よ りも大きくしたので、ボールを打ったときの衝撃力が、凹部の中央部よりも薄肉 の周縁部によって吸収されるので、スイートスポットＳ．Ｓでボールを打撃した ときも、スイートスポットＳ．Ｓを外れた位置でボールを打撃したときも、打撃 力が凹部の周縁部にほぼ一様に吸収され、ゴルフクラブヘッドの横振れの振動が 小さくなる。

【００１１】 従って、ゴルフクラブヘッドの打撃位置に多少のばらつきを生じても、ボール 飛距離のばらつきが小さくなり、狙った距離にボールを飛ばすことができる。

【００１２】

【実施例】

本考案の実施例について図面を参照して説明すると、図１及び図２に示すよう に、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドＢのフェース面１の反対側の後部面２ に、後部面２の輪郭にほぼ平行な輪郭を有する凹部３を設け、凹部３の底面の中 央部４を外側に凸となる面に形成し、凹部３の中央部４の肉厚を凹部３の周縁部 ５の肉厚よりも大きくした。

【００１３】 図３に示すように、ゴルフクラブヘッドＢのスイートスポットＳ．Ｓよりヒー ル側（図９において右側）に５cm，１０cm，１５cm偏位した位置をそれぞれＰ₁ ，Ｐ₂ ，Ｐ₃ とし、トウ側（図９において左側）に５cm，１０cm，１５cm偏位し た位置をそれぞれＱ₁ ，Ｑ₂ ，Ｑ₃ とし、図１１に示すスイートスポットチェッ カー６によりゴルフクラブヘッドに生じる振動をオシロスコープ１０で観察する と、図４に示すように、偏位量が大きくなってもゴルフクラブヘッドＢではシャ フト９の横振れの振幅がほとんど変わらないことが観察される。

【００１４】 スイートスポットＳ．Ｓより外れた位置でもゴルフクラブヘッドＢの横振れの 振幅がほとんど変わらない理由としては、ボールを打ったときの衝撃力が、凹部 ３の周縁部５によって吸収されるので、ボールを打った衝撃力が周縁部５の全体 でほぼ一様に吸収され、ゴルフクラブヘッドＢの横振れの振動の振幅がほぼ一様 になるものと考えられる。

【００１５】 従って、スイートスポットＳ．Ｓより外れた位置にボールが当たっても、スイ ートスポットＳ．Ｓでボールを打った場合とほぼ同等に近いボール飛距離が生じ 、スイングに応じた安定したボール飛距離が得られるので、未熟練者でもスコア を向上させることが出来る。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は以上のように構成されているので、ボールをとらえる位置がスイート スポットから外れた場合でも、スイートスポットでボールを打ったときとほぼ同 様のボール飛距離が得られるので、未熟練者でもスイングに応じた安定したボー ル飛距離が得られ、ボールが狙ったとおりの距離に飛んでくれるのでスコアを向 上させることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のゴルフクラブヘッドの斜視図である。

【図２】図１のＺ−Ｚ断面図である。

【図３】本考案のゴルフクラブヘッドにおいて、スイー
トスポットから偏心した位置を示す正面図である。

【図４】スイートスポットチェッカーにより、偏心した
位置と本考案のゴルフクラブヘッドの振幅との関係を観
察した状態を示す図である。

【図５】ゴルフクラブヘッドの従来例を示す斜視図であ
る。

【図６】図５のＸ−Ｘ断面図である。

【図７】ゴルフクラブヘッドの他の従来例を示す斜視図
である。

【図８】図７のＹ−Ｙ断面図である。

【図９】従来のゴルフクラブヘッドにおいて、スイート
スポットから偏心した位置を示す正面図である。

【図10】スイートスポットチェッカーにより、偏心した
位置と従来例のゴルフクラブヘッドの振幅との関係を観
察した状態を示す図である。

【図11】スイートスポットチェッカーの正面図である。

【符号の説明】

Ｂ ゴルフクラブヘッド １ フェース面 ２ 後部面 ３ 凹部 ４ 中央部 ５ 周縁部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アイアンタイプのゴルフクラブヘッドに
   おいて、ゴルフクラブヘッドのフェース面の反対側の後
   部面に、後部面の輪郭にほぼ平行な輪郭を有する凹部を
   設け、該凹部の底面を、中央部が外側に凸となる形状に
   形成し、上記凹部の中央部の肉厚を上記凹部の周縁部の
   肉厚よりも大きくしたことを特徴とするゴルフクラブヘ
   ッド。