JPH04126665U - 平型ケーブルの分岐モ−ルド部の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 分岐モ−ルド部の側端部の絶縁テ−プ巻回処
理を容易に行うことができ、さらに均一な仕上がり状態
にできること。 【構成】 平型ケーブルと同等幅に形成された導電性部
材により平型ケーブルを厚さ方向に挟持し、さらにこの
導電性部材の側端部には、他の平型ケーブルに接続した
導電性の接続端子を締め付け固定し、かつ前記導電性部
材は前記他の接続端子の締め付け部位までその外表面を
絶縁材料によってモ−ルド成形し、このモ−ルド成形部
の側端部から前記接続端子の後端部までの外表面には絶
縁テ−プを巻回してなる平型ケーブルの分岐モ−ルド部
において、前記モ−ルド成形部の側端部の絶縁テ−プ巻
回面に、径方向に変化する段部を形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、平型ケーブルの分岐モ−ルド部の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近時、ビルなどの大規模建築物の大容量電力系統等においては、低インピ−ダ ンスという特徴に着目して平型ケーブルが盛んに用いられるようになって来てい る。この平型ケーブル１は図３（ｂ）の断面図に示すように、銅などの丸形導体 を横方向に並べた導体部２の外層を架橋ポリエチレン絶縁体３で被覆し、さらに その外層をビニルシ−ス４で被覆して構成されるものである。

【０００３】 一方、大規模建築物の大容量電力系統等においては、各階床に共通の縦幹線の 電力ケーブルを敷設し、各階床にはこの縦幹線の電力ケーブルを分岐した横幹線 の電力ケーブルを敷設し、階床内の電気設備に配電するという配線工事が行われ ている。そこで、平型ケーブルを縦幹線および横幹線の電力ケーブルとして使用 した場合、図３（ａ），（ｃ）に示すような導電性部材からなる分岐端子５を用 いて縦幹線の電力ケーブルを横幹線の電力ケーブルに分岐する分岐接続工事が従 来から実施されている。

【０００４】 この分岐接続工事に用いる分岐端子５は、図３（ｃ）に示すように一方の側端 部分にスライド部材６を設け、このスライド部材６を長さ方向にスライドして取 り外すことによって内側に導体部２をその側端部分から挿入するための開口部が 形成されるように構成され、他方の側端部分には他の接続端子を締め付け固定す るためのネジ穴７を設けたものであり、平型ケーブル１を分岐する場合、スライ ド部材６を取り外して形成される開口部に、図３（ａ）の平面図に示すように露 出させた分岐点の導体部２を挿入し、この後に、スライド部材６を係合して露出 した導体部２を囲み、図示しない工具によって分岐端子１を厚さ方向に圧縮成形 加工することにより、分岐端子１の内側に導体部２の露出部分を厚さ方向に圧縮 した状態で挟持する。次に、図４（ａ）の平面図、図４（ｂ）のＡ−Ａ断面図に 示すように、他の平型ケーブル８の端部に圧縮接続された接続端子９の端部を締 め付けボルト１０とナット１１を用いて分岐端子５に重ね合わせた状態で締め付 け固定する。 これによって、平型ケーブル１は、分岐端子５とこれに締め付け固定される接 続端子９とによって直交する方向の平型ケーブル８に分岐される。この分岐接続 部分は絶縁テ−プあるいは絶縁樹脂等によって絶縁被覆される。

【０００５】 ここで、最近では、配電工事現場での作業効率を上げるために、分岐端子５は 工場段階で平型ケーブル１に予め取り付け、この分岐端子５を取り付けた状態の 平型ケーブル１を巻取ドラムに巻いて配電工事現場に供給するという作業分担を 行う場合が増加している。そして、さらに作業効率を上げるために、分岐端子５ の圧縮成形部および導体部２の外表面は塩化ビニル樹脂等の絶縁材料によって予 めモ−ルド成形して配電工事現場に供給するという形態が増加している。なお、 このモ−ルド成形の範囲は、圧縮成形部の側端部から分岐端子５の締め付け部位 手前までである。

【０００６】 したがって、分岐端子５に接続端子９を締め付け固定した後は、分岐モ−ルド 部１２の側端部１３から接続端子９の後端部９Ｂおよび他の平型ケーブル８の露 出部位を覆うように絶縁テ−プ１４を巻回し絶縁保護することになる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記のようにして平型ケーブル１を分岐する分岐接続方法において、 分岐モ−ルド部１２の側端部１３の形状が従来は図示のように傾斜した形状に形 成されているため、この部分に絶縁テ−プ１４を巻回するのが難しく、しかも巻 回した後に絶縁テ−プ１４が分岐端子側へずれてしまうことが多くなり、仕上が り状態が不均一で見栄えが悪くなるという問題があった。

【０００８】 本考案は上記のような問題点を解決するためになされたもので、その技術的課 題は、分岐モ−ルド部の側端部の絶縁テ−プ巻回処理を容易に行うことができ、 均一な仕上がり状態にすることができる平型ケーブルの分岐モ−ルド部の構造を 提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案の平型ケーブルの分岐モ−ルド部の構造は、平型ケーブルと同等幅に形 成された導電性部材により平型ケーブルを厚さ方向に挟持し、さらにこの導電性 部材の側端部には、他の平型ケーブルに接続した導電性の接続端子を締め付け固 定し、かつ前記導電性部材は前記他の接続端子の締め付け部位までその外表面を 絶縁材料によってモ−ルド成形し、このモ−ルド成形部の側端部から前記接続端 子の後端部までの外表面には絶縁テ−プを巻回してなる平型ケーブルの分岐モ− ルド部において、前記モ−ルド成形部の側端部の絶縁テ−プ巻回面に、径方向に 変化する段部を形成することにより、上記課題を達成するものである。

【００１０】

【実施例】

図１は本考案による平型ケーブルの分岐モ−ルド部の構造の一実施例を示すも のであり、この実施例の分岐モ−ルド部１２は、側端部１３の絶縁テ−プ巻回面 の断面形状が巻径方向に順次小さくなる段部１５を階段状に形成したことを特徴 とするものであり、絶縁テ−プ１４はこの階段状の側端部１３に巻回される。

【００１１】 したがって、このように絶縁テ−プ１４の巻回面を階段状としたことにより、 絶縁テ−プ１４は階段の水平部分に巻き付けることになるので、巻き付け処理は 極めて容易になる。また、巻き付け面が階段の水平部分であり、傾斜した面でな いため、絶縁テ−プ１４を堅固に巻き付けることができる。したがって、巻き付 けた後に絶縁テ−プ１４が接続端子９の後端部９Ｂ方向にずれてしまうようなこ とも起こらず、見栄えのよい状態に仕上げることができる。

【００１２】 図２は本考案の他の実施例を示すものであり、この実施例の分岐モ−ルド部１ ２は、側端部１３の絶縁テ−プ巻回面に凹溝１６を形成することにより、上昇、 下降、上昇といった具合に巻径方向の断面形状が変化する階段状の構造にし、こ の階段状の側端部１３から接続端子９の後端部９Ｂまでを覆うように絶縁テ−プ １４を巻回するようにしたものである。 この実施例においても図１の実施例と同様な効果が得られる。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように本考案の平型ケーブルの分岐モ−ルド部の構造は、平型ケーブル と同等幅に形成された導電性部材により平型ケーブルを厚さ方向に挟持し、さら にこの導電性部材の側端部には、他の平型ケーブルに接続した導電性の接続端子 を締め付け固定し、かつ前記導電性部材は前記他の接続端子の締め付け部位まで その外表面を絶縁材料によってモ−ルド成形し、このモ−ルド成形部の側端部か ら前記接続端子の後端部までの外表面には絶縁テ−プを巻回してなる平型ケーブ ルの分岐モ−ルド部において、前記モ−ルド成形部の側端部の絶縁テ−プ巻回面 に、径方向に変化する段部を形成したものである。このため、分岐モ−ルド部の 側端部の絶縁テ−プ巻回処理を極めて容易に行うことができ、しかも見栄えの良 い均一な仕上がり状態に仕上げることができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の平型ケーブルの分岐モ−ルド部の構造
の一実施例を示す平面図である。

【図２】本考案の平型ケーブルの分岐モ−ルド部の構造
の他の実施例を示す平面図である。

【図３】従来における平型ケーブルの分岐端子の一例を
示す平面図と断面図である。

【図４】従来における平型ケーブルの分岐モ−ルド部の
構造を示す平面図である。

【符号の説明】

１ 平型ケーブル ２ 導体部 ５ 分岐端子 ８ 他の平型ケーブル ９ 他の接続端子 １０ 締め付けボルト １２ 分岐モ−ルド部 １３ 側端部 １４ 絶縁テ−プ １５ 段部 １６ 凹溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 平型ケーブルと同等幅に形成された導電
   性部材により平型ケーブルを厚さ方向に挟持し、さらに
   この導電性部材の側端部には、他の平型ケーブルに接続
   した導電性の接続端子を締め付け固定し、かつ前記導電
   性部材は前記他の接続端子の締め付け部位までその外表
   面を絶縁材料によってモ−ルド成形し、このモ−ルド成
   形部の側端部から前記接続端子の後端部までの外表面に
   は絶縁テ−プを巻回してなる平型ケーブルの分岐モ−ル
   ド部において、前記モ−ルド成形部の側端部の絶縁テ−
   プ巻回面に、径方向に変化する段部を形成したことを特
   徴とする平型ケーブルの分岐モ−ルド部の構造。