JPH0412555Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、回転円盤に設けた突起によつて各振
動板と対向する爪車を回転し、この爪車により振
動板を弾いて鳴奏させるオルゴール装置の改良に
関する。

【従来の技術】

オルゴールの一つの形態として、回転円盤の板
面に音譜にしたがつた突起を設け、この突起によ
つて各振動板と対向する爪車を回転し、爪車によ
り振動板を弾いて鳴奏する回転円盤型オルゴール
は従来公知（１例として実公昭60−4235号公報を
参照）であり、この回転円盤型オルゴールは、他
の形態であるドラム型オルゴールと比較して、回
転円盤を取替えることによつて各種の音曲を鳴奏
できる点で優れている。

【考案が解決しようとする問題点】

一般に、オルゴールは宝石箱等の箱に組込んで
用いられ、特に回転円盤型オルゴールは、回転円
盤を着脱自在に支持する支軸とオルゴール本体の
位置決めを正しく行なうや回転円盤の押えアーム
等を取付ける作業が必要であり、一方、完成した
オルゴールを箱に組込む作業は宝石箱等を製造す
る箱の製造業者側で行われているのが普通であ
る。 ところが、宝石箱を始めとしてオルゴールを組
込んだ商品は多種少数商品化の傾向が強く、特に
回転円盤型オルゴールを組込むための箱の製造は
手間や技術面で採算上著しく不利となることは避
けられず、箱の製造業者からは余り歓迎されてい
ないのが実情であつて、箱の製造業者に余り負担
をかけないで簡単に組込みできるオルゴールが要
望されていた。

【問題点を解決するための手段】

本考案は上記の点に鑑みてなされたものであつ
て、その目的は回転円盤型オルゴールを宝石箱等
の箱に組込むに当つて、取付け板や押えアーム等
を含めてオルゴール本体を１個のコンパクトなユ
ニツト装置体として構成し、箱側には収容口を設
けるだけでオルゴールの組込みが簡単にできるよ
うに改良したオルゴール装置を提供することにあ
り、また、他の目的は回転円盤を爪車上に正しく
支持し、回転円盤を円滑に回転させるための押え
手段を具備したオルゴール装置を提供することに
ある。 しかして、本考案の上記目的はオルゴール基台
上に横架した駆動軸に駆動歯車を取付け、この駆
動歯車を回転円盤のボス部に設けた歯輪部に噛み
合わせて該回転円盤を回転し、回転円盤に設けた
突起によつて各振動板と対向する爪車を回転する
と共に、該爪車により振動板を弾いて鳴奏させる
回転円盤型オルゴールであつて、上記オルゴール
基台上には回転円盤を除いたオルゴールの機構部
を上を覆うようにして取付け板を取付け、この取
付け板上には上記爪車と駆動歯車に臨んだ部分に
窓穴を設けると共に、上記駆動軸の延長線上に位
置させた部分には回転円盤を着脱自在に装着する
支軸を突設し、また、上記取付け板上には、上記
駆動軸の延長線上であつて上記支軸とは反対側の
部分に位置させて、該支軸方向に延びる押えアー
ム基部を回動自在に取付け、この押えアームに
は、該押えアーム上に取付けたバネ板により支持
されていて押えアームの下面側に突出し、上記支
軸に装着される回転円盤のボス部と周縁にそれぞ
れ当接できるようにした２個の押え突起を設けて
構成したオルゴール装置により達成される。

【実施例】

以下に、本考案の実施例を添付図面を参照しな
がら説明する。 第１図乃至第５図において、オルゴール基台１
上にゼンマイ又はモータを収設した動力箱２を取
付け、この動力箱２内に設けた動力歯車（クラウ
ン歯車）３によつて回転する駆動軸４と、この駆
動軸４の一端に固定した駆動歯車５と、上記駆動
軸４に遊嵌して固定状態に支持されているスリー
ブ６上に回転自在に嵌着した多数の爪車７と、各
爪車７に対向させて設けた振動板８をオルゴール
基台１上に設けて、オルゴール本体が構成されて
いる。しかして、上記駆動歯車５は別に設けた回
転円盤９の駆動部材として機能付けられている。 回転円盤９の両面には音譜にしたがつた突起１
１を突設すると共に、そのボス部１２の外周には
歯輪部１３を設けてあり、ボス部１２と回転円盤
９の周縁１４は回転円盤９の両面より若干高く形
成され、駆動歯車５と歯輪部１３が噛み合つて回
転円盤が回転する仕組になつている。１５は回転
円盤９の軸孔である。 オルゴール本体の上記構成は従来の回転円盤型
オルゴールと同一であつて、本考案はこのような
オルゴール本体を宝石箱等の箱に簡単に組込みで
きるように、また、回輝円盤が円滑に回転できる
ように構成したものである。 即ち、オルゴール基台１上には上記オルゴール
の機構部上を覆うことができる大きさに形成した
取付け板１６を設けてあり、この取付け板１６は
下面に突設した管状の固定脚１７によつてオルゴ
ール基台１上に固定されている。この固定手段と
しては、オルゴール基台１の下面から固定脚１７
に止めネジ（図示省略）を螺装する方法が採用さ
れる。 取付け板１６は動力箱２側を若干高くした上段
板部１６ａと、この上段板部１６ａと連続した下
段板部１６ｂによつて形成され、動力箱２上に臨
んだ部分と駆動歯車５を含む爪車７上に臨んだ部
分に窓穴１８，１９をそれぞれ穿設する一方、下
段板部１６ｂ上には駆動軸４の延長線上に位置さ
せて支軸２１を突設し、この支軸２１の上端寄り
部分に環状溝２１ａを設けてある。環状溝２１ａ
は、例えば支軸２１に螺装（第４図参照）したビ
ス２２によつて形成することができる。 また、動力箱２上には雌ネジ部２３を突設して
あり、この雌ネジ部２３は取付け板１６の高段板
部１６ａ側に設けた窓穴１８を貫通して高段板部
１６ａ上に突出し、この突出部分に押えアーム２
４の基部２４ａが枢着されている。押えアーム２
４の先端部２４ｂは支軸２１の環状溝２１ａと係
脱自在である鉤形に形成されている。 押えアーム２４上には中間部分にバネ板２５を
取付けてあり、このバネ板２５の両端下面には、
支軸２１に装着される回転円盤９のボス部１２と
周縁１４上にそれぞれ臨むようにして、２個の押
え突起２５ａを突設し、両押え突起２５ａは押え
アーム２４上に穿設した穴２６から押えアーム２
４の下側に突出している。また、押えアーム２４
は先端部２４ｂを残して合成樹脂製のカバー体２
７によつて被着され、このカバー体２７を押えア
ーム２４上にネジ止めすることによつて、バネ板
２５は押えアーム２４とカバー体２７の間に挟持
される。即ち、押えアーム２４の基部２４ａ側に
は嵌合穴２８を穿設して、この嵌合穴２８を雌ネ
ジ部２３に遊嵌し、ワツシヤー３１，３２，３３
を介して止めネジ２９を雌ネジ部２３に螺装する
ことにより押えアーム２４の枢着が果される。 一方、押えアーム２４上に雌ネジ穴３４，３５
を、カバー体２７上にバカ穴３６，３７を、また
バネ板２５上にバカ穴３８をそれぞれ穿設し、止
めネジ３９をバカ穴３６，３７，３８に挿通して
雌ネジ穴３４，３５に螺装することによつて、押
えアーム２４、バネ板２５及びカバー体２７の結
合が果される。 上記の如く構成した本オルゴール装置は、宝石
箱等の箱に取付け板１６の大きさに見合う収容口
を穿設しておけば、この収容口に取付け板１６を
嵌合するだけで簡単に箱に組込むことができ、そ
の固定は、オルゴール基台１の下面に穿設されて
いるネジ穴を利用するなど、通常の固定手段を採
用すればよい。また、支軸２１に回転円盤９の軸
孔１５を嵌合し、次に押えアーム２４を操作し
て、第１図及び第５図に示す位置に押えアーム２
４を回動し、その先端部２４ｂを支軸２１の環状
溝２１ａに掛け止めると、バネ板２５に支持され
ていて該バネ板２５の弾下に置かれている２個の
押え突起２５ａが回転円盤９のボス部１２と周縁
１４上に軽く圧着し、その２か所での押圧作用に
より回転円盤９の装着状態は安定して、回転円盤
９の歯輪部１３と駆動歯車５の噛み合わせ、及び
突起１１と爪車７の噛み外しを良好に行なわせる
ことができる。したがつて、駆動軸４の駆動によ
つて回転円盤９は回転し、回転円盤９の突起１１
によつて回転する爪車７により振動板８を弾き、
所望の音曲を鳴奏できることになる。しかして、
回転円盤９を他の音曲のものと取替える場合は、
押えアーム２４を取付け板１６の上段板部１６ａ
側に回動復帰させ、新たな回転円盤９を支軸２１
に装着すればよい。 なお、固定脚１７と支軸２１は合成樹脂製の取
付け板１６と一体成形されており、この取付け板
１６上には、動力箱２上に突設した雌ネジ部２３
に代えて、該取付け板１６と一体成形するか、或
いは該取付け板１６にインサートすることによつ
て枢軸を突設し、この枢軸に押えアーム２４を回
動自在に取り付けて実施することもできる。 次に、第６図を参照して押えアームの変形例を
説明する。 先の実施例における動力箱２上に臨んだ部分の
取付け板１６上には止めネジ２９を用いて蝶番金
具４１を回動自在に取付けてあり、この蝶番金具
４１にカバー体４２の基部を軸４３によつて回動
自在に取付け、カバー体４２の裏面に押えアーム
４４を止めネジ３９によつて固定し、押えアーム
４４の先端部４４ｂをカバー体４２の自由端４２
ａより突出させて、押えアーム４４がカバー体４
２を介して上下及び左右方向に回動できるように
構成する。 この変形例によれば、押えアーム４４を上方へ
回動した後で左右方向へ回動させることができ、
その操作時に回転円盤９との不当な接触が防止さ
れ、回動操作を円滑に行なうことが可能となる。 なお、第６図には先の実施例と同一な部材に対
し同一符号が用いられている。

【考案の効果】

本考案は上記の如くであつて、オルゴール基台
上にオルゴール機構部を被覆できる取付け板を取
付け、この取付け板上に回転円盤の押えアームと
支軸を設けて、装置全体をコンパクとな１個のユ
ニツト装置体としたので、宝石箱等の箱に対する
回転円盤型オルゴールの組込みは、箱側に取付け
板の大きさに見合う収容口を設けるだけで簡単に
行なうことができる作業上の利点があり、箱の製
造業者は特別の負担を必要としないでオルゴール
の組込み作業ができる一方、あらゆるデザインの
箱に対し小スペースで簡単に組込むことが可能で
ある。また、押えアームに付属させた２個の押え
突起を弾撥作用によつて回転円盤のボス部と周縁
にそれぞれ当接させ、駆動軸に沿つて２カ所で回
転円板を軽く押えるようにしたので、差し替え自
在な回転円盤の装着状態は安定し、回転円盤は揺
動することなく円滑に回転し、音曲を正しく鳴奏
させることができる等、その実用的価値は極めて
多大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
一部を切欠いた平面図、第２図は側面図、第３図
はオルゴール機構部側を除いた取付け板構成部材
の分解斜視図、第４図は側断面図、第５図は取付
け板部分の斜視図、第６図は第５図の変形例を示
す斜視図である。 図中、１はオルゴール基台、４は駆動軸、５は
駆動歯車、７は爪車、８は振動板、９は回転円
盤、１１は突起、１２はボス部、１３は歯輪部、
１４は周縁、１６は取付け板、１７は固定脚、１
９は窓穴、２１は支軸、２１ａは環状溝、２３は
雌ネジ部、２４，４４は押えアーム、２４ｂ，４
４ｂは先端部、２４ａは基部、２５はバネ板、２
５ａは押え突起、２７，４２はカバー体、２９，
３９は止めネジ、４１は蝶番金具である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) オルゴール基台上に横架した駆動軸に駆動歯
   車を取付け、この駆動歯車を回転円盤のボス部
   に設けた歯輪部に噛み合わせて該回転円盤を回
   転し、回転円盤に設けた突起によつて各振動板
   と対向する爪車を回転すると共に、該爪車によ
   り振動板を弾いて鳴奏させる回転円盤型オルゴ
   ールであつて、上記オルゴール基台上には回転
   円盤を除いたオルゴールの機構部上を覆うよう
   にして取付け板を取付け、この取付け板上には
   上記爪車と駆動歯車に臨んだ部分に窓穴を設け
   ると共に、上記駆動軸の延長線上に位置させた
   部分には回転円盤を着脱自在に装着する支軸を
   突設し、また、上記取付け板上には、上記駆動
   軸の延長線上であつて上記支軸とは反対側の部
   分に位置させて、該支軸方向に延びる押えアー
   ムの基部を回動自在に取付け、この押えアーム
   には、該押えアーム上に取付けたバネ板により
   支持されていて押えアームの下面側に突出し、
   上記支軸に装着される回転円盤のボス部と周縁
   にそれぞれ当接できるようにした２個の押え突
   起を設けて成ることを特徴とするオルゴール装
   置。 (2) 押えアームの先端部は支軸に設けた環状溝に
   係脱自在である鉤形に形成されている前記実用
   新案登録請求の範囲第(1)項記載のオルゴール装
   置。 (3) 押えアームは上下及び左右方向へ回動自在で
   ある前記実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の
   オルゴール装置。 (4) 押えアームはカバー体によつて被着されてい
   る前記実用新案登録請求の範囲第(1)項記載のオ
   ルゴール装置。