JPH04124272U - 双方向型シミユレータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高画質な映像を映し出し、しかも双方向機能
を有する双方向型シミュレータを、安価・簡易な装置で
実現する。 【構成】 あらかじめ作成してある映像情報，動揺情報
及び付属演出情報は、時間区間で区切った複数の情報記
憶ブロック単位に分けて、各情報記憶装置１３ａ，１４
ａ，１５ａに記憶されている。操作装置６ａ，６ｂによ
り情報記憶ブロックを選択すると、相互に対応した映像
情報，動揺情報及び付属演出情報が読み出され、各装置
２，８，４により相互にマッチングした映像，動揺及び
付属演出が得られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、訓練や遊戯や教育等に用いる双方向型シミュレータに関するもので あり、英会話や生花の練習用の双方向型ティーチングマシンとしても利用するこ とができる。

【０００２】

【従来の技術】

従来の遊戯用シミュレータの実施例を図６に示す。図６においては、キャビン ２３の内部に座席２５や映像装置２１及びスクリーン２４を設けてあり、又キャ ビン自体を動揺させる油圧式動揺装置２２をキャビン２３の底部に備えている。 本シミュレータは、予め作成・記憶しておいた一定の映像情報と、これに同期し て又マッチングしたキャビン動揺情報により、前記映像装置２１及び油圧式動揺 装置２２を作動させて、ゲストに疑似体験をさせる装置である。尚、座席動揺の 方法は、キャビン全体でなく、座席のみを直接駆動する方法もある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の遊戯施設等におけるシミュレータは、予め作成・記憶させた一定の映像 情報，座席動揺情報，付属演出情報を基に映像や動揺や付属演出を、一方的にゲ ストに与えるものであり、遊戯施設として利用する場合、提示内容のストーリー の多様性に欠けゲストのリピート効果上問題があった。又、ゲストとシミュレー タの間で双方向性が無く、ゲストのショウへの参加感を与える点で不十分であっ た。また訓練用，教育用への適用については、双方向性が無いため、適用が難か しかった。

【０００４】 また、従来、飛行機等の訓練用のシミュレータには、操縦者の操作・応答に応 じて、リアルタイムでコンピュータ・グラフィクスにより画像を変化させるもの もあるが画像を作成するための計算機に高度な処理能力が要求され、非常に高価 な装置となるため、一般の遊戯施設等に用いることが難かしかった。

【０００５】 更に、遊戯施設に、リアルタイムで画像変化を与える簡易・安価な装置を付し た従来の施設では、リアルタイム処理は可能ではあるが、安価な双方向型シミュ レータであるため、画像処理能力が低く、画質が劣るという問題があた。

【０００６】 本考案は、上記従来技術に鑑み、高価な計算機を用いることなく高画質で双方 向機能を有する双方向型シミュレータを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決する本考案の構成は、映像情報が入力されて映像を映し出す映 像装置と、映像情報にマッチングした動揺情報が入力され映像にマッチングして ゲストが座る座席やこの座席が取り付けられているキャビンを動揺させる動揺装 置と、映像情報にマッチングした付属演出情報が入力され映像にマッチングして 付属演出をする付属演出装置と、を備えたシミュレータにおいて、 あらかじめ作成してある前記映像情報を、時間区間に区切った複数の映像情報 記憶ブロック単位に分けて記憶した映像情報記憶装置と、 前記動揺情報を、映像情報の時間区間と一致した時間区間で区切った複数の動 揺情報記憶ブロック単位に分けて記憶した動揺情報記憶装置と、 前記付属演出情報を、映像情報の時間区間と一致した時間区間で区切った複数 の付属演出情報記憶ブロック単位に分けて記憶した付属演出情報記憶装置と、 ゲスト又は運営者の操作により前記各情報記憶ブロックの中から、相互に対応 した映像情報記憶ブロック，動揺情報記憶ブロック及び付属演出情報記憶ブロッ クの情報を選択する操作装置と、 選択された映像情報記憶ブロック，動揺情報記憶ブロック及び付属演出情報記 憶ブロックの情報を読み出して、それぞれの情報を、前記映像装置，前記動揺装 置及び前記付属演出装置に入力させる制御装置と、 を備えたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】 本考案では、時系列的な映像情報，動揺情報，付属演出情報を、ある時間区間 毎の情報ブロック単位に分けて作成・記憶させておき、ゲストの応答又は運営者 の操作に応じて各情報ブロックを選択し装置を作動させる。ゲストの操作応答又 は運営者の操作はシミュレータ作動中、又は作動前に事前に行う。このようにシ ミュレータの作動中あるいは作動前に事前に、ゲスト又は運営者が操作すること により、これに応じて映像情報，動揺情報，付属演出情報が選択され、各装置が 作動する。これにより、ゲストにショウへの参加感を与え、ショウのストーリー の多様化が行える。

【０００９】 なお、情報ブロックの選択時に、スムーズな場面切換えを行うため、情報選択 ブロックをランダムアクセスメモリに記憶するか、あるいは複数のメモリ装置を 用意して場面切換え時の情報ブロック移行ポイントの頭出しを予め行っておくよ うにしておいてもよい。このようにすれば切換え時間がほとんどなく、ゲストに 違和感を与えない、場面切換えが行える。

【００１０】

【実施例】

本考案の一実施例としての双方向型シミュレータの構成概要を図１乃至図５に 示す。 図１及び図２において、キャビン１には、内部に映像を映すための映像装置２ とスクリーン３、付属演出装置としての音声・音楽・効果音等を発生するための スピーカ４、ゲストが座る座席５、ゲストがショウのストーリーに関する操作を するための押しボタン等の操作機器６ａ、及び運転監視用のカメラ装置とマイク ロフォン装置７が設けられている。このキャビン１は、映像と同期しながらキャ ビン全体を動揺させる動揺装置８により支持されている。

【００１１】 図３は本発明の双方向型シミュレータの制御システムを概略的に示すブロック 図である。同図において映像情報記憶装置１３ａは、あらかじめ作成してある映 像情報を、ある時間区間に区切った複数の映像情報記憶ブロック単位に分けて記 憶してある。各情報記憶ブロックに記憶されている映像情報は、あらかじめ作成 したものを単に時間区間で区切ったものであるから、コンピュータグラフィック スを利用してリアルタイムで作った情報に比べ情報量が多く、映像として映し出 したときには画質がきわめて高い。

【００１２】 動揺情報記憶装置１４ａは、映像情報にマッチングしてキャビン１を動揺させ る動揺情報を、映像情報の時間区間と一致した時間区間で区切った複数の動揺情 報記憶ブロック単位に分けて記憶している。付属演出情報記憶装置１５ａは、映 像情報にマッチングして付属演出（照明や音響やレーザ光等）をさせる付属演出 情報を、映像情報の時間区間と一致した時間区間で区切った複数の付属演出情報 記憶ブロック単位に分けて記憶している。

【００１３】 上述したように情報を区切る時間区間を一致させているので、各情報記憶装置 １３ａ，１４ａ，１５ａの情報記憶ブロックの情報内容は、他の情報記憶装置の 情報記憶ブロックの情報内容と対応した内容となっている。例えば図３において 映像情報記憶ブロック１の情報内容と動揺情報記憶ブロック１の情報内容及び付 属演出情報記憶ブロック１の情報内容は、記憶時間及びその内容のマッチングに おいて対応したものになっている。

【００１４】 操作機器６ａはゲストが操作し、操作機器６ｂは運営者が操作する。ゲスト又 は運営者は、シミュレータ作動中又はシミュレータ作動前に事前に操作を行い、 この操作に基づき前記各情報記憶装置１３ａ，１４ａ，１５ａから、いづれか１ つの情報記憶ブロックが選択される。つまりゲストの操作応答または運転者の操 作・選択は、シミュレータにオンラインで取り込みシミュレータの作動内容を選 択することもできるし、あるいはシミュレータ作動前に事前に、ゲスト又は運営 者の操作により、シミュレータの作動内容を選択することも出来る。

【００１５】 前記操作機器６ａ及び操作機器６ｂは、複数個設置することが出来てかつそれ ぞれ別々の操作をしこれにより別々の情報記憶ブロックを選択することも可能で あり、この場合、情報ブロック選択回路１２において、複数個ある操作機器の操 作結果を集計し、多数決等の方法により、各情報記憶装置１３ａ，１４ａ，１５ ａから、前述したように対応した内容を持つ情報記憶ブロックを１つずつ選択す るものとする。各情報制御装置１３ｂ，１４ｂ，１５ｂは、前記情報ブロック選 択回路１２が選択した各情報記憶ブロックを、各情報記憶装置１３ａ，１４ａ， １５ａから読み出し、所定の同期信号に基づき互いに同期を取りながら、映像装 置２、動揺装置８、付属演出装置（スピーカ）４を、それぞれ読み出した内容に 従い作動させる。

【００１６】 図４は、各情報記憶ブロックの時系列的な継がりを示すタイムチャートの一例 であり、例えば「場面１」では映像情報，動揺情報，付属演出情報の各情報記憶 装置１３ａ，１４ａ，１５ａから、情報記憶ブロック１の情報内容を読み出しこ れに基づき、映像装置２，動揺装置８，付属演出装置４が作動することを示す。 「場面２」においては、前記各情報記憶装置１３ａ，１４ａ，１５ａから、情報 記憶ブロック２又は情報記憶ブロック３のいずれかを、ゲスト又は運営者の操作 により選択するものとし、「場面１」と「場面２」の場面切換えは、場面切換え ポイントＡにて行うものとする。場面２で情報記憶ブロック２を選択したときに は、「場面３」においては、情報記憶ブロック４又は情報記憶ブロック５のいず れかを、ゲスト又は運営者の操作により選択するものとし、「場面２」と「場面 ３」の場面切換えは、場面切換えポイントＢにて行う。また場面２で情報記憶ブ ロック３を選択したときには、「場面３」においては、情報記憶ブロック６又は 情報記憶ブロック７のいずれかを、ゲスト又は運営者の操作により選択するもの とし、「場面２」と「場面３」の場面切換えは、場面切換えポイントＣにて行う 。なお、図４において、ｔ₁ ，ｔ₂ ，ｔ₃ は場面１〜３の継続する時間を示す。

【００１７】 図５は図４のような時系列的な継がりをもつ情報記憶ブロックを、２台の情報 記憶装置に分けて記憶する情報記憶ブロック配列法の一例を示す。例えば、情報 記憶装置３１においては、時系列的に継がりをもつ情報記憶ブロック１と情報記 憶ブロック２の記憶位置を、前後に連続するように記憶すると共に、情報記憶ブ ロック３を別の情報記憶装置３２に記憶して頭出しを行っておき、場面切換えポ イントＡにて情報記憶ブロック２が選択された場合は、情報記憶ブロック１に続 いて情報記憶装置３１から情報内容を読み出し、情報記憶ブロック３が選択され た場合は、情報記憶装置３１から情報記憶装置３２に切換えて、あらかじめ頭出 しを行っておいた、情報記憶ブロック３の情報内容を読み出す。 この配列法により、場面切換え時に、時間遅れの少ないスムーズな切換えを行 うことがでる。この場合、情報記憶装置の台数を、１度の場面切換えポイントに おいて存在する切換え場面の数のみとしている。本例では各場面切換えポイント にて、それぞれ切換え場面は２つ存在するので情報記憶装置は２台必要となる。

【００１８】 結局、レーザディスクプレーヤやビデオテープレコーダ等の映像記憶装置は、 場面切換え時に現在の情報記憶位置と次の情報記憶位置とが離れている場合、切 換えに時間を要するので、前述の移行ポイントの頭出しを事前に行なっておけば 、場面切換えの時間遅れを最短に出来るが、この場合映像記憶装置は複数台必要 となる。必要となる映像記憶装置の台数を少なくするため、切換え場面において 、次に来る情報記憶ブロックのうち１つは現在の情報記憶ブロックのすぐ後の位 置に記憶し、他の情報記憶ブロックは別の映像記憶装置で記憶し事前に頭出しを 行っておく方法を採用している。これにより１度の場面切換ポイントにおいて存 在する切換場面の数だけの映像記憶装置の台数のみでスムーズな場面切換えがで きる。ただし、場面切換え時の時間遅れが問題とならない場合は映像記憶装置は １台で良い。

【００１９】 シミュレータ又はティーチングマシンの双方向性の実現にあたり、場面切換え の切換え時間をゲストに意識させないスムーズな切換えを行う場合に対応するた め、前記情報ブロックを、ランダムアクセスメモリに記憶することにより、スム ーズな場面切換えをすることもできる。

【００２０】 映像情報の切換え容易性のために、フィルム映像機器ではなくビデオプロジェ クタ、ハイビジョン映像機器、レーザディスクプレーヤ等の映像機器を用いて双 方向型シミュレータ又は双方向型ティーチングマシンを構成してもよい。 尚、映像は映画やテレビの様な動画又は静止画又は動画と静止画を組合わせた もの、いずれにも利用出来る。

【００２１】 装置の正常な運転を確認する方法として、映像信号のモニタリング等の方法が あるが、簡単で確実な方法として、ゲストが見ている映像自体をモニタするカメ ラ装置や、提示内容の音声やゲストの音声を収音するマイクロフォン装置７を備 えた運転監視装置を設置することもできる。

【００２２】

【考案の効果】

本考案では、従来技術の課題、即ち従来のシミュレータにおいて、ゲストは予 め作成・記憶されたある一定の情報を一方的に与えられるだけでショウのストー リーの多様性に欠け、ゲストのショウへの参加感が不十分であるという課題を、 ゲストの操作や応答又は運営者の操作に応じて映像情報，動揺情報，付属演出情 報を選択し、作動させることにより解決した。 本考案により、飛行機の訓練シミュレータに見られるような高価な計算機を用 いずに、従来型シミュレータと同等の画質等の提示内容をもった双方向型シミュ レータが実現される。 本考案は、遊戯用，訓練用，教育用の双方向型シミュレータに適用可能なうえ 、英会話や生花等用の双方向型ティーチングマシンにも利用出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る双方向型シミュレータを
示す透視斜視図である。

【図２】本考案の実施例に係る双方向型シミュレータを
示す断面図である。

【図３】実施例の双方向型シミュレータに用いる制御シ
ステムを示すブロック図である。

【図４】実施例の双方向型シミュレータの情報記憶ブロ
ックの選択態様を示すタイムチャートである。

【図５】実施例の双方向型シミュレータの情報記憶ブロ
ックの配列例を示す説明図である。

【図６】従来の遊戯用シミュレータを示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１ キャビン ２ 映像装置 ３ スクリーン ４ スピーカ ５ 座席 ６ａ，６ｂ 操作機器 ７ マイクロフォン装置 ８ 動揺装置 １２ 情報ブロック選択回路 １３ａ 映像情報記憶装置 １３ｂ 映像情報制御装置 １４ａ 動揺情報記憶装置 １４ｂ 動揺情報制御装置 １５ａ 付属演出情報記憶装置 １５ｂ 付属演出情報制御装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 映像情報が入力されて映像を映し出す映
   像装置と、映像情報にマッチングした動揺情報が入力さ
   れ映像にマッチングしてゲストが座る座席やこの座席が
   取り付けられているキャビンを動揺させる動揺装置と、
   映像情報にマッチングした付属演出情報が入力され映像
   にマッチングして付属演出をする付属演出装置と、を備
   えたシミュレータにおいて、あらかじめ作成してある前
   記映像情報を、時間区間に区切った複数の映像情報記憶
   ブロック単位に分けて記憶した映像情報記憶装置と、前
   記動揺情報を、映像情報の時間区間と一致した時間区間
   で区切った複数の動揺情報記憶ブロック単位に分けて記
   憶した動揺情報記憶装置と、前記付属演出情報を、映像
   情報の時間区間と一致した時間区間で区切った複数の付
   属演出情報記憶ブロック単位に分けて記憶した付属演出
   情報記憶装置と、ゲスト又は運営者の操作により前記各
   情報記憶ブロックの中から、相互に対応した映像情報記
   憶ブロック，動揺情報記憶ブロック及び付属演出情報記
   憶ブロックの情報を選択する操作装置と、選択された映
   像情報記憶ブロック，動揺情報記憶ブロック及び付属演
   出情報記憶ブロックの情報を読み出して、それぞれの情
   報を、前記映像装置，前記動揺装置及び前記付属演出装
   置に入力させる制御装置と、を備えたことを特徴とする
   双方向型シミュレータ。