JPH04124071U - 漁網における汚損生物の付着防止装置 - Google Patents

漁網における汚損生物の付着防止装置

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JPH04124071U
JPH04124071U JP2955391U JP2955391U JPH04124071U JP H04124071 U JPH04124071 U JP H04124071U JP 2955391 U JP2955391 U JP 2955391U JP 2955391 U JP2955391 U JP 2955391U JP H04124071 U JPH04124071 U JP H04124071U
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嘉文 中山
幸明 根角
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東レ株式会社
日立造船株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 導電性を有する網と、該網に通電する電源
と、網と電源の間に介在されて通電を制御する通電制御
装置とを具備した、漁網における汚損生物の付着防止装
置である。 【効果】 導電性の網に電流を流すことによって水生生
物を胞子や幼生の段階で感電死させ、網への水生生物の
付着を積極的に防止することができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、漁網に貝類や海草類などの汚損生物が付着するのを効果的に防止 する汚損生物の付着防止装置に関する。
【0002】
【従来技術および解決すべき課題】
一般に、養殖その他で使用される漁網は、そのほとんどがポリエステルなどの 合成繊維を素材として作られている。こうした漁網を海中に長期間浸漬して使っ ているとこれにフジツボや海藻などの海棲生物が付着し、これが成長すると網目 を塞ぎ、潮の通しを妨げ、潮流に対する抵抗を増大させる。その結果、養殖魚の 生育が阻害され、魚体が傷付けられ、さらには養殖魚が弊死させられる。
【0003】 従来、漁網への汚損生物の付着に起因する上記の如き弊害を避けるために、網 を日干しにして付着生物を死滅させ死滅物をジェット水で網から落とす方法や、 網に有機スズ系の防汚剤を塗布する方法、さらには電気的に塩素ガスを発生させ 同ガスで生物付着を防止する方法などが実施ないしは提案されていた。
【0004】 しかし、日干しによる方法は、作業に多くの人手と多大な労力を要し、有機ス ズ系防汚剤による方法では防汚剤塗膜から溶出したスズが魚を汚染する恐れがあ るため現在この種の防汚剤の使用は禁止されている。また塩素ガス発生による方 法は電力を多量に消費する欠点のために実用的でない。
【0005】 この考案は、上記の如き実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、従 来技術の問題点を解消し、漁網への汚損生物の付着を効果的に防止することがで きる汚損生物の付着防止装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この考案は上記目的を達成すべく工夫されたもので、特定の材質より成る網を 用い該網に特定の装置を設けることにより漁網への汚損生物の付着を効果的に防 止できるという知見を得て完成されたものである。
【0007】 すなわち、この考案による汚損生物の付着防止装置は、導電性を有する網と、 該網に通して通電する電源と、網と電源の間に介在されて通電を制御する通電制 御装置とを具備したものである。
【0008】 フジツボや海藻などの海棲生物の付着防除対策としては、大きく2つの手段が ある。一つは海棲生物を網に全く付着させないというもので(積極的防除)、も う一つは網に海棲生物が付着しても被害が及ぶ前に海棲生物を網から取り除くと いうものである(消極的防除)。
【0009】 この考案は前者の積極的防除に属し、つぎのような原理に基づく。付着性の水 生生物は胞子や幼生の状態で水中を浮遊している間に網その他の水中浸漬物に接 触付着し、粘液を分泌して該浸漬物に固着する。したがって、分泌液が固まるま では胞子や幼生は固着できないので、分泌液の固化前に胞子や幼生を死滅させる ことができれば付着が防止できるはずである。胞子や幼生の付着から固定までの 時間は約24時間であるとされている。
【0010】 この考案による汚損生物の付着防止装置は、上記付着から固定までの24時間 以内に水生生物を幼生・胞子の段階で電気的に死滅させることによって、付着を 防止するものである。
【0011】 導電性を有する網としては、既知の導電性網、たとえば、銅、ステンレスなど の良導電性金属を繊維状にし、この金属繊維をポリエステルのような合成繊維に 混紡して得られた導電性の網糸を編成して作った網、繊維自体に導電性を有する 導電性網が例示される。特に銅繊維を用いた導電性網は、海水中に銅イオンが溶 出してその影響で生物の付着が減少するので好ましい。
【0012】 網を通して通電する電源としては交流電源が使用される。交流電源の使用によ り、電圧の調節が容易になされ、直流電源の使用の場合のような分極作用、水素 発生による水質悪化、電極表面への析出などの問題がない。
【0013】 通電制御装置としては、たとえば、タイマーを備えたプログラマブル・コント ローラが使用される。
【0014】
【作用】
導電性の網に電流を流すことによって水生生物を胞子や幼生の段階で感電死さ せられる。
【0015】 この考案の装置では通電制御装置を適宜作動させることにより、網の通電を例 えば1〜2回/日間欠的に行なうことによって、また冬場のように付着の少ない 時期には非通電時間を延ばすことによって、電気使用量の節減がなされる。
【0016】 また、広い面積を複数の区画に別け、各区画に順次切替え通電を行なうことに より、電気使用量が少なくて済む。
【0017】 交流電源の使用により、電圧の調節が容易になされる。
【0018】 さらに、電極の数を増せば電圧を下げることができる。
【0019】
【実施例】
つぎに、この考案を具体的に説明するために、この考案の実施例を幾つか示す 。
【0020】 実施例1 図1は、養殖のために湾口を仕切る場合や、沖合の定置網または発電所の取水 口などで用いられる水域遮断用の網の例を示す。湾口の遮断位置海底に所要間隔 で打ち込まれた複数の杭(1) に、炭素棒または銅棒より成る電極(A)(B)(C)(D)が 設けられ、これらの杭(1) に亘って海域遮断網(2) が張られている。海域遮断網 (2) は導電性の網で構成され、各杭(1) の電極(A)(B)(C)(D)に接続されている。 網(2) を吊持する水平筋縄(3) には浮子(4) が取り付けてある。また、所要の杭 (1) の頂部には係留索(5) が設けてある。
【0021】 一方、交流電源(6) は各杭(1) の電極(A)(B)(C)(D)に電線(7) で接続され、安 全のために設けられた絶縁トランス(8) を介してタイマー信号でプログラマブル ・コントローラ(9) の操作により導電性の海域遮断網(2) に通電される。この通 電は、図3に示すタイムスケジュールに従って、複数の杭(1) の電極(A)(B)(C)( D)に順次プログラマブル・コントローラ(9) のリレーを切り換えることによって 行われる。かくして、複数の杭(1) の電極(A)(B)(C)(D)の通電時間が小区画に区 切られるので、電力使用量が少なくて済む。その際、通電中の杭(1) に対しては 、危険表示のため杭(1) の頂部に設けられた警告ランプ(10)が点灯せられる。
【0022】 図3に示すタイム・スケジュールを参照して通電動作を説明すると、まず電極 (A) 〜(B) 間を通電してこれら電極間の網(2) に付着している水生生物の胞子・ 幼生を死滅させる。ついで、タイマー信号でプログラマブル・コントローラ(9) のリレー切換えによって、電極(B) 〜(C) 間を通電してこれら電極間の網(2) に 付着している水生生物の胞子・幼生を死滅させる。ついで、タイマー信号でプロ グラマブル・コントローラ(9) のリレー切換えによって、電極(C) 〜(D) 間を通 電し、次に電極(D) 〜(A) 間を通電する。一通り通電が終ると、所要長さの非通 電時間を置き、その後タイマーの駆動により24時間以内に上記と同様のタイム ・スケジュールで再度通電を行なう。以下は、上記と同じ操作を繰り返す。
【0023】 実施例2 図2は、この考案の汚損生物付着防止装置を養殖業で用いられている小割りい けすに適用した例を示す。
【0024】 一般に汚損生物は垂直分布において水面から5〜6mの深さに濃密に付着し、 10m以下の深さでは急激に減少し、20m以下の深さではほとんど付着しない との報告がある。したがって、いけすの底部の網には汚損生物の付着がないと想 定される。
【0025】 この実施例では、いけすの4隅の垂直筋縄(11)に炭素棒または銅棒より成る電 極(A)(B)(C)(D)が設けられ、いけす網(12)は導電性網で構成されている。いけす 網(12)を吊持する水平筋縄(3) には浮子(4) が取り付けてある。また、各垂直筋 縄(11)の頂部には係留索(5) が設けてある。
【0026】 一方、交流電源(6) 、電線(7) 、絶縁トランス(8) およびプログラマブル・コ ントローラ(9) の構成は実施例1のものと同じである。導電性のいけす網(12)の 通電は、タイマー信号でプログラマブル・コントローラ(9) の操作により、やは り図3に示すタイムスケジュールに従って行われる。
【0027】
【考案の効果】
この考案による汚損生物の付着防止装置は、導電性を有する網と、該網に通電 する電源と、網と電源の間に介在されて通電を制御する通電制御装置とを具備し たものであるので、導電性の網に電流を流すことによって水生生物を胞子や幼生 の段階で感電死させ、網への水生生物の付着を積極的に防止することができる。
【0028】 また、この考案の装置では通電制御装置を適宜作動させることにより、網の通 電を例えば1〜2回/日間欠的に行なうことによって、また冬場のように付着の 少ない時期には非通電時間を延ばすことによって、電気使用量の節減が可能であ り、装置の稼動を省エネルギーの点で有利に行なうことができる。
【0029】 また、広い面積を複数の区画に別け、各区画に順次切替え通電を行なうことに より、電気使用量が少なくて済み、この点でも省エネルギー化が達成せられる。
【0030】 また、交流電源の使用により、電圧の調節が容易になされ、直流電源の使用の 場合のような分極作用がなく、水素発生による水質悪化の恐れがなく、電極表面 への析出による汚れもない。
【0031】 さらに、電極の数を増せば電圧を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】海域遮断の実施例を示す斜視図である。
【図2】養殖いけすの実施例を示す斜視図である。
【図3】通電のタイム・スケジュールを示すグラフであ
る。
【符号の説明】
(1) 杭 (2) 海域遮断網 (3) 水平筋縄 (4) 浮子 (5) 係留索 (6) 交流電源 (7) 電線 (8) 絶縁トランス (9) プログラマブル・コントローラ (10) 警告ランプ (11) 垂直筋縄 (12) いけす網 (A)(B)(C)(D) 電極

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性を有する網と、該網に通電する電
    源と、網と電源の間に介在されて通電を制御する通電制
    御装置とを具備した、漁網における汚損生物の付着防止
    装置。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4852597A (ja) * 1972-04-10 1973-07-24
JPH01140256U (ja) * 1988-03-18 1989-09-26
JPH02171129A (ja) * 1988-12-23 1990-07-02 Dainippon Toryo Co Ltd 漁網の防汚方法

Patent Citations (3)

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