JPH04123895U - ワイヤーガイド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】ワイヤーの挿通口に、側面に開口する摺り割り
部を形成し、自転車の変速機やブレーキ用ワイヤーを簡
便に上記挿通口内にはめ込むことができ、これによって
ワイヤーガイドに対するワイヤーの保持を容易にし、自
転車組み立て作業性を向上させる。 【構成】ガイドのワイヤー挿通口に対し、その側面に開
口させた摺り割り部を形成するとともに、さらに該摺り
割り部の摺り割り方向を、前記挿通口の孔方向に対して
異ならしめた。 また必要に応じて上記挿通口付近にス
ペースリブを突設させる。 これにより車体に対するワ
イヤーの固定が簡単となり、自転車の組み立て作業性が
著しく向上するほか、交差するワイヤーの接触をなく
し、耐久性を向上させることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自転車の立パイプ、シートラグ、あるいはヘッドラグ、ヘッドパイ プに形成されるところの、変速機またはブレーキ用ワイヤーを保持させるワイヤ ーガイドの改良に関し、自転車組み立て作業性と、機能性の向上をはかることを 目的とする。

【０００２】

【従来の技術】

変速機またはブレーキ用のワイヤーは、一般的には上パイプ（トップチューブ ）やシートの下方部に位置する立パイプ（シートチューブ）あるいは下パイプ（ ダウンチューブ）等に、固定用のクリップ（アウタークリップ）またはアウター バンド等を用いて固定し、あるいはワイヤーを挿通させる挿通口を有したアウタ ーガイドを溶接したり、あるいはワイヤーガイドを取り付けて、これに保持させ るようにした構造のものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前者のものにあってはクリップ類、あるいはバンド類によるワ イヤーの固定作業に時間がかかり、また後者のものにあっても、アウターガイド の溶接作業や、ワイヤーガイドのガイド穴に対するワイヤーの挿通作業に手間取 るために効率的ではない。 またブレーキ用のインナーワイヤーと変速機用のワ イヤーとが接触して交差する場合においては、ブレーキインナーワイヤーに接触 抵抗が加わり、ブレーキ性能を著しく低下させるという問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案は、上記した従来技術における種々の課題を解決し、自転車組み 立て作業性と、機能性の向上をはかることを目的とするものであって、具体的に は自転車の立パイプ、シートラグ、あるいはヘッドラグ、ヘッドパイプに形成さ れるところの、変速機またはブレーキ用ワイヤーを保持させるガイドであって、 該ガイドには、挿通させるワイヤーの長さ方向に向けた挿通孔を形成するととも に、該挿通孔からガイドの側面に開口させた摺り割り部を形成し、さらに該摺り 割り部の摺り割り方向を、前記挿通孔の孔方向に対して異ならしめてなることを 特徴としたワイヤーガイドに関する。

【０００５】 また本考案は、自転車の立パイプ、シートポスト、あるいはヘッドラグ、ヘッ ドパイプに形成されるところの、変速機またはブレーキ用ワイヤーを保持させる ガイドであって、該ガイドには、挿通させるワイヤーの長さ方向に向けた挿通孔 を形成するとともに、該挿通孔のブレーキインナーワイヤーと変速機用ワイヤー とが接触交差する部分に、側面方向に向けて一定幅のスペースを確保するための リブが一体に凸設され、さらに前記挿通孔からガイドの側面に開口させた摺り割 り部を形成し、しかも該摺り割り部の摺り割り方向を、前記挿通孔の孔方向に対 して異ならしめてなることを特徴としたワイヤーガイドにも関する。

【０００６】

【作用】

挿通口に添って配設位置している、ブレーキ、あるいは変速機用のワイヤーを 、挿通口の孔方向に対して摺り割り方向に向けて開口させた摺り割り部に強制的 に沿わせつつ、該摺り割り部内に嵌め込み、さらに挿通口内に向けて押し込むと 、ワイヤーはその本来的に有している自由方向に戻りつつ、摺り割り部の摺り割 り方向と異なる挿通口内に安定的に位置し、操作中にインナーワイヤーが挿通孔 から外れることがない。

【０００７】 またスペースリブが凸設されているために、ブレーキ用のワイヤーと変速機用 のワイヤーとが接触交差状態となっている場合においても、スペースリブが、こ れと交差するワイヤーを一定距離離隔させてスペースを確保するために、両ワイ ヤーが互いに接触することを防止し、スムースな作動が得られる。

【０００８】

【実施例】

以下において本考案の具体的な内容を図示の実施例をもとに説明すると、１は 円弧状に丸めて両端部２．３を対面させるようにした本体を示し、該両端部２． ３にはそれぞれビス穴４が連通され、しかも該ビス穴４にはビス９が挿通されて 、反対側からナット１０により締め付けられて、両端部間の摺り割り部１ａが次 第に狭まって内径が縮小されるようになっている。

【０００９】 本体１の内周側には一対の平面的な回転止め１ｂが形成されており、図２に示 したように本体１をシートラグ１３に取り付けた際に、シートラグ１３の平坦面 １３ａと、上記した回転止め１ｂとが重なり合って、本体１の回転を阻止できる ようになっており、これにより片側のワイヤーの引っ張り力や、他の要因による 種々の応力に対して、本体１の回転を完全に防ぐことができる。

【００１０】 さらに側面にはガイド部５が凸設されており、しかも該ガイド部５には挿通口 ６が形成され、さらに該挿通口からガイド部の側面に向けて摺り割り部７が形成 されている。 この場合において、摺り割り部７はその摺り割り方向Ｂ−Ｂを、 上記した挿通口６の孔方向Ａ−Ａに対して一定の角度異ならしめている。

【００１１】 なお挿通口６の孔方向Ａ−Ａに対する摺り割り部７の摺り割り方向Ｂ−Ｂの異 角度については、摺り割り部７から嵌め込んだワイヤー１１が、挿通口６内に位 置したときに、再度摺り割り部７から外方に外れることがない程度に傾斜させ、 しかも摺り割り部７の摺り割り方向両端部の内側角部７ａによって、挿通口６内 に位置するワイヤー１１の外表面が押さえられ、これによって挿通口６から外れ ない程度に設定するものとする。 また上記した挿通口６には角度をもって挿通 させることができるように、その両端部を外方に向けて円錐状に拡開させている 。

【００１２】 なお、本実施例においては上記したガイド部５を、本体１の対称位置に２カ所 形成しているが、必ずしもこれに限られるものではなく、１箇所のみの構成とし てもよい。

【００１３】 さらに８はスペースリブを示し、上記した本体１の端部付近に、側面方向に向 けて一定幅のスペースを確保するためのリブが一体に凸設されている。 このス ペースリブは、挿通口６に挿通されるワイヤー１１に対して、これと交叉方向に 配設されるワイヤー１２との接触を防止し、挿通口６の配設スペースを十分に確 保することに役立つ。

【００１４】 そこで上記した本体１の摺り割り部１ａを開いてシートラグ１３を、その内周 側に位置せしめ、ビス９とナット１０とにより両端部２と３とを相互に接近させ つつ本体１をシートラグ１３の外周面に締め付け固定させる（図２および図３を 参照）。 なお、図中において１４は上パイプを示す。 またフレーム１の取り 付けは、上記したように、シートラグ１３のほかに、上パイプ１４、立パイプ（ 図示省略）、あるいはヘッドラグ、ヘッドパイプ、などの外周面に締め付け固定 し、あるいは上記した各種のラグ自体を加工してガイド部５を一体に形成するよ うにしてもよい。

【００１５】 張設されているワイヤー１１を、その張設方向に対して、上記したガイド部５ の摺り割り部７の摺り割り方向（Ｂ−Ｂ）に合わせて一定角度強制変位させ、摺 り割り部７より挿通孔６内に向けて押し込み、挿通孔６内に達したところでこれ を解放すると、ワイヤー１１は、その張力により本来の張設方向（孔方向Ａ−Ａ ）に自然復帰し、上記摺り割り部７の内側の対称位置にあるエッジにより支えら れる結果、もはや容易に外方に離脱しない。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は上記した通り、自転車の立パイプ、シートラグ、あるいはヘッドラグ 、ヘッドパイプに形成されるところの、変速機またはブレーキ用ワイヤーを保持 させるガイドであって、該ガイドには、挿通させるワイヤーの長さ方向に向けた 挿通孔を形成するとともに、該挿通孔からガイドの側面に開口させた摺り割り部 を形成し、さらに該摺り割り部の摺り割り方向を、前記挿通孔の孔方向に対して 異ならしめてなるものであるために、ワイヤーの挿通作業に際し、いちいち孔内 に通す必要がなく、ワイヤーを摺り割り部よりワンタッチで嵌め込むだけで済み 、したがってクリップ類、あるいはバンド類を用いてワイヤーを固定するように した従来法に比べ、ワイヤーの固定作業に時間がかからない。

【００１７】 また従来のようなアウターガイドの溶接作業や、ワイヤーガイドのガイド穴に 対するワイヤーの挿通作業に手間取るようなこともなく、著しく作業性が向上す る。 また本体のブレーキインナーワイヤーと変速機用ワイヤーとが接触交差す る部分に、側面方向に向けて一定幅のスペースを確保するためのスペースリブが 凸設されているために、ブレーキ用のワイヤーと変速機用のワイヤーとが交差状 態となる場合においても、両ワイヤーが互いに接触して接触抵抗が増大したり、 またワイヤーが損耗するようなことがなく、耐久性と安全性を向上させることが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例であるワイヤーガイドの拡大
斜視図。

【図２】本考案のワイヤーガイドをシートラグに取り付
けた状態の側面図。

【図３】図２における正面図。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 両端部 ３ 両端部 ４ ビス穴 ５ ガイド部 ６ 挿通口 ７ 摺り割り部 ８ スペースリブ ９ ビス １０ ナット １１ ワイヤー １２ ワイヤー １３ シートラグ １４ 上パイプ １５ アウターガイド

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自転車用フレームに取り付けられ、ある
   いはこれに一体に成型されるところの、変速機またはブ
   レーキ用ワイヤーを保持させるガイドであって、該ガイ
   ドには、挿通させるワイヤーの長さ方向に向けた挿通孔
   を形成するとともに、該挿通孔からガイドの側面に開口
   させた摺り割り部を形成し、さらに該摺り割り部の摺り
   割り方向を、前記挿通孔の孔方向に対して異ならしめて
   なることを特徴としたワイヤーガイド。
2. 【請求項２】 自転車用フレームに取り付けられ、ある
   いはこれに一体に成型されるところの、変速機またはブ
   レーキ用ワイヤーを保持させるガイドであって、該ガイ
   ドには、挿通させるワイヤーの長さ方向に向けた挿通孔
   を形成するとともに、該挿通孔の近傍に、側面方向に向
   けて一定幅のスペースを確保するためのリブが一体に凸
   設され、さらに前記挿通孔からガイドの側面に開口させ
   た摺り割り部を形成し、しかも該摺り割り部の摺り割り
   方向を、前記挿通孔の孔方向に対して異ならしめてなる
   ことを特徴としたワイヤーガイド。