JPH04122933U - ボイラ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 微粉炭ミルへ供給される空気を必要な温度に
まで高められるようにして高湿分炭を充分乾燥できるよ
うにする。 【構成】 後部伝熱部４の節炭器５出側に接続された排
ガスダクト６とバーナ３へ燃焼用の二次空気２１を供給
する二次空気供給ダクト２２との途中に二次空気予熱器
２３を設け、一次空気供給ダクト２６から分岐合流され
る加熱一次空気供給ダクト２８と後部伝熱部４の節炭器
５入側に接続された燃焼ガス取出しダクト２７との途中
に一次空気予熱器２９を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ボイラ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

以下、従来のボイラ装置を図２を用いて説明する。

【０００３】 図中１はボイラ本体、２はボイラ本体１を構成する火炉、３は火炉２に設置さ れたバーナ、４は火炉２の出側に接続された後部伝熱部、５は後部伝熱部４内に 設置された節炭器である。

【０００４】 ６は後部伝熱部４の節炭器５出側に接続され、排ガス７を煙突８へ導く排ガス ダクトである。

【０００５】 ９は図示しない押込み通風ファンによってバーナ３へ燃焼用の空気１０を供給 するための空気供給ダクト、１１は空気供給ダクト９及び排ガスダクト６の途中 に設けられて空気１０と排ガス７とを熱交換する空気予熱器である。

【０００６】 １２は後部伝熱部４の節炭器５入側と排ガスダクト６の空気予熱器１１入側と の間を接続する節炭器バイパスダクトである。

【０００７】 １３は空気供給ダクト９の空気予熱器１１入側から分岐して、石炭を微粉砕し て燃料用の微粉炭を製造する微粉炭ミル１４の入側へ接続される一次空気供給ダ クト、２０は微粉炭ミル１４出側とバーナ３との間を接続する微粉炭供給管、１ ５は空気供給ダクト９の空気予熱器１１出側と一次空気供給ダクト１３との間を 接続する加熱一次空気供給ダクト、１６は一次空気供給ダクト１３の途中の微粉 炭ミル１４の入口に設けられた一次空気ファン、１７，１８，１９はそれぞれ節 炭器バイパスダクト１２及び一次空気供給ダクト１３並びに加熱一次空気供給ダ クト１５に設けられたダンパである。

【０００８】 図示しない押込み通風ファンにより空気供給ダクト９を介してバーナ３へ燃焼 用の空気１０を供給すると共に、空気供給ダクト９を流れる空気１０の一部を一 次空気供給ダクト１３及び加熱一次空気ダクト１５を介して微粉炭ミル１４へ送 り、微粉炭ミル１４で石炭を乾燥、微粉砕してなる燃料用の微粉炭を微粉炭供給 管２０を介してバーナ３へ搬送させる。

【０００９】 そして、火炉２内でバーナ３により微粉炭供給管２０からの微粉炭を空気供給 ダクト９からの空気１０で燃焼させる。

【００１０】 すると、燃焼により発生した燃焼ガスはボイラ本体１を構成する火炉２から後 部伝熱部４へ向って流れ、途中、火炉２や後部伝熱部４を構成する各種伝熱管類 、及び火炉２や後部伝熱部４に設けられた図示しない過熱器や節炭器５等を加熱 して蒸気を発生させ、その後、排ガス７として排ガスダクト６へ排出される。

【００１１】 排ガスダクト６へ排出された排ガス７は排ガスダクト６を介して煙突８から大 気へ放出され、途中、空気予熱器１１を通って空気供給ダクト９を流れる空気１ ０との間で熱交換が行われ、バーナ３へ供給される燃焼用の空気１０を加熱する 。

【００１２】 又、空気予熱器１１で加熱された空気１０の一部は、加熱一次空気供給ダクト １５を介して一次空気供給ダクト１３を流れる空気１０に混合されて微粉炭ミル １４へ供給される空気１０の温度を上昇させ、微粉炭ミル１４で微粉砕される石 炭を乾燥するのに利用される。

【００１３】 ボイラ本体１の起動時や負荷低下時などのように、排ガス７の温度が低くて空 気予熱器１１で空気１０を充分に加熱できない時などには、節炭器バイパスダク ト１２を用いて、節炭器５を加熱して温度が下がる以前の温度の高い燃焼ガスを 、排ガスダクト６の空気予熱器１１入側へ直接導き、空気予熱器１１へ導入され る排ガス７の温度を上げるようにする。

【００１４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来のボイラ装置には、以下のような問題があった。

【００１５】 即ち、ボイラに対し高品質炭に代えて様々な種類の石炭（低品質炭など）を使 用する機会が今後一層増えていくことが予想されているが、中でも水分を多く含 んでいる石炭つまり高湿分炭を使用する場合には、微粉炭ミル１４において高湿 分炭を充分乾燥できるようにするために微粉炭ミル１４へ供給する空気１０の温 度を通常よりも上げることが必要となる。

【００１６】 そのために、高湿分炭を使用する場合には、節炭器バイパスダクト１２を積極 的に使用して空気予熱器１１へ供給される排ガス７の温度を上げるようにし、以 て微粉炭ミル１４へ供給する空気１０の温度を上げることが行われているが、こ のようにした場合、空気予熱器１１入側及び出側の排ガス７の温度が高くなって ボイラの効率が低下するという問題があった。

【００１７】 本考案は、上述の実情に鑑み、ボイラ効率を低下させずに、微粉炭ミルへ供給 される空気を必要な温度にまで高められるようにすることにより高湿分炭を充分 に乾燥し得るようにしたボイラ装置を提供することを目的とするものである。

【００１８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、火炉にバーナを有すると共に後部伝熱部に節炭器を有するボイラ本 体と、石炭を微粉砕してバーナへ供給する燃料用の微粉炭を製造するための微粉 炭ミルと、微粉炭ミルへ石炭乾燥用及び微粉炭搬送用の一次空気を供給する一次 空気供給ダクトと、バーナへ燃焼用の二次空気を供給する二次空気供給ダクトと を備えたボイラ装置において、後部伝熱部の節炭器出側に接続された排ガスダク トとバーナへ燃焼用の二次空気を供給する二次空気供給ダクトとの途中に二次空 気予熱器を設け、一次空気供給ダクトから分岐して再び合流される加熱用一次空 気供給ダクトと後部伝熱部の節炭器入側に接続された燃焼ガス取出しダクトとの 途中に一次空気予熱器を設けたことを特徴とするボイラ装置にかかるものである 。

【００１９】

【作用】

本考案によれば、燃焼用の二次空気は二次空気供給ダクトを介してバーナへ送 られ、一次空気は一次空気供給ダクトを介して、石炭を微粉砕して燃料用の微粉 炭を製造するための微粉炭ミルへ送られ、微粉炭ミルで製造された微粉炭は一次 空気によりバーナへ送られて、微粉炭は二次空気によってバーナで燃焼される。

【００２０】 バーナにおける微粉炭の燃焼によって生成された燃焼ガスは、ボイラ本体を火 炉から後部伝熱部へと流れ、途中、火炉や後部伝熱部や節炭器などを加熱し、排 ガスダクトから排ガスとして排出される。

【００２１】 排ガスダクトへ排出された排ガスは、途中、二次空気予熱器によって二次空気 供給ダクトを流れる二次空気との間で熱交換が行われ、バーナへ送られる二次空 気を加熱する。

【００２２】 又、後部伝熱部の節炭器入側を流れる燃焼ガスの一部は燃焼ガス取出しダクト から取り出され、一次空気予熱器により一次空気供給ダクトから分岐して再び合 流される加熱一次空気供給ダクトを流れる一次空気との間で熱交換が行われて、 微粉炭ミルへ送られる一次空気を加熱するのに用いられる。

【００２３】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。

【００２４】 図１は、本考案の実施例である。

【００２５】 又、図中、図２と同一の部分については同一の符号を付すことによって説明を 省略するものとし、以下、本考案に特有の構成についてのみ説明して行く。

【００２６】 図示しない押込み通風ファンによりバーナ３へ燃焼用の二次空気２１を供給す る二次空気供給ダクト２２を設け、排ガスダクト６と二次空気供給ダクト２２の 途中に排ガス７と二次空気２１との間で熱交換を行う二次空気予熱器２３を設け る。

【００２７】 一次空気ファン２４により微粉炭ミル１４へ石炭乾燥用及び微粉炭搬送用の一 次空気２５を供給する一次空気供給ダクト２６を設ける。

【００２８】 ボイラ本体１を構成する後部伝熱部４の節炭器５入側と、排ガスダクト６の二 次空気予熱器２３出側との間を接続する燃焼ガス取出しダクト２７を設け、該燃 焼ガス取出しダクト２７と一次空気供給ダクト２６から分岐し再び合流するよう 設けられた加熱一次空気供給ダクト２８との途中に、節炭器５入側の温度の高い 燃焼ガスと一次空気２５との間で熱交換を行う一次空気予熱器２９を設ける。

【００２９】 尚、３０，３１は一次空気供給ダクト２６と加熱一次空気供給ダクト２８に設 けられたダンパである。

【００３０】 次に、作動について説明する。

【００３１】 ボイラ装置の基本的な作動自体については図２と同様なので説明を省略する。

【００３２】 この際、燃焼用の二次空気２１は、二次空気供給ダクト２２を介してバーナ３ へ供給され、途中、二次空気予熱器２３で排ガスダクト６を流れる排ガス７との 間で熱交換されるようになっており、又、石炭乾燥用及び微粉炭搬送用の一次空 気２５は一次空気供給ダクト２６を介して微粉炭ミル１４へ供給されるようにな っている。

【００３３】 そして、一次空気供給ダクト２６を流れる一次空気２５の一部は、加熱一次空 気供給ダクト２８から一次空気予熱器２９へ導かれて、一次空気予熱器２９で、 燃焼ガス取出しダクト２７からの節炭器５を加熱する前の温度の高い燃焼ガスと の間で熱交換され温度を高められた後、再び一次空気供給ダクト２６の一次空気 ２５と合流されるようになっている。

【００３４】 このように、一次空気２５の系統と二次空気２１の系統とを完全に分離して、 それぞれの系統に対し別個に一次空気予熱器２９及び二次空気予熱器２３を設け たため、二次空気予熱器２３では節炭器５を加熱する前の温度の高い燃焼ガスが 混合されることがなくなって、入側及び出側の排ガス７の温度が高くなりすぎな いように維持されるので、ボイラ効率が低下することが防止される。

【００３５】 又、一次空気予熱器２９では節炭器５を加熱する前の温度の高い燃焼ガスのみ によって一次空気２５の一部が直接加熱されるので、一次空気２５を必要な温度 にまで高めることが容易となり、高湿分炭の乾燥を充分行うことができるように なる。

【００３６】 尚、本考案は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、一次空気予熱器 と二次空気予熱器は一体型で構成してもあるいは分離型で構成しても良いこと、 又、油焚きボイラで高湿分炭を使用できるように改造する場合に本考案を適用す ると構造上の追加変更が少ないので最適であること、その他、本考案の要旨を逸 脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。

【００３７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のボイラ装置によれば、系統が複雑でなく、ボイ ラ効率の低下なしに、微粉炭ミルへ供給される空気を必要な温度にまで高められ るようにすることにより高湿分炭を充分乾燥することができるという優れた効果 を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の全体系統図である。

【図２】従来例の全体系統図である。

【符号の説明】 １ ボイラ本体 ２ 火炉 ３ バーナ ４ 後部伝熱部 ５ 節炭器 ６ 排ガスダクト １０ 空気 １３ 一次空気供給ダクト １４ 微粉炭ミル ２１ 二次空気 ２２ 二次空気供給ダクト ２３ 二次空気予熱器 ２５ 一次空気 ２６ 一次空気供給ダクト ２７ 燃焼ガス取出しダクト ２８ 加熱用一次空気供給ダクト ２９ 一次空気予熱器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 火炉にバーナを有すると共に後部伝熱部
   に節炭器を有するボイラ本体と、石炭を微粉砕してバー
   ナへ供給する燃料用の微粉炭を製造するための微粉炭ミ
   ルと、微粉炭ミルへ石炭乾燥用及び微粉炭搬送用の一次
   空気を供給する一次空気供給ダクトと、バーナへ燃焼用
   の二次空気を供給する二次空気供給ダクトとを備えたボ
   イラ装置において、後部伝熱部の節炭器出側に接続され
   た排ガスダクトとバーナへ燃焼用の二次空気を供給する
   二次空気供給ダクトとの途中に二次空気予熱器を設け、
   一次空気供給ダクトから分岐して再び合流される加熱用
   一次空気供給ダクトと後部伝熱部の節炭器入側に接続さ
   れた燃焼ガス取出しダクトとの途中に一次空気予熱器を
   設けたことを特徴とするボイラ装置。