JPH0412147B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、少量の液剤を密封収納する液剤塗布
容器に関し、特に、所要に従い簡単に開封でき、
携帯に便利な少量の液剤を収納する液剤塗布容器
に関する。更に、所要により、簡単に開封でき所
要の箇所を的確に且つ効果的に塗布又は滴下でき
る機能を有する携帯用液剤容器に関する。

［従来の技術］ 従来、薬剤を必要な箇所に適用するためには、
一般に開閉可能な栓を備えたガラス或いはプラス
チツク製の容器に収納された薬剤を、小型の綿
棒、ブラシ或いはガーゼや脱脂綿に少量含浸させ
て、人体の所要部分に塗布しているのが通常であ
る。この場合、使用に際して栓を開き、慎重に塗
布しなければならないために、取り扱いが相当に
煩わしいものである。その煩わしさを解消するた
めに開口部に液剤浸透性塗布面を備えた直接塗布
可能な容器が供給され、市販されている。然し乍
ら、塗布部材は患者に触れるために、異物、塵埃
等により汚染される可能性があり、また、患部の
状態により直接塗布は苦痛を伴うために使用出来
ないこともある。

また、塗布部材が患部に接触しない方法とし
て、液剤を噴霧する機構を備えた液剤容器がある
が、患部を清拭する必要がある場合には、ガーゼ
或いは脱脂綿に液剤を含浸させた上で行なわなけ
ればならない。そのためのもとして、綿、不織
布、紙等に液剤を含ませ、それを柔軟なプラスチ
ツクフイルムで密封包装した製品があるが、使用
のときに手に触れ、手を汚すおそれがある。

また、１回使用分程度の液剤を持つ携帯に便利
で使い易い液剤容器が求められている。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明は、１回使用分程度の量の液剤を密封収
納し、必要のときに簡易に開封でき、開封後に、
手指に液剤が付着することがなく、塗布すべき部
分の状態により液剤の塗布、滴下、清拭を選択的
に行なうことのできる液剤塗布容器を提供するこ
とを目的とする。また、本発明は、小型で軽量、
携帯に好適な液剤塗布容器を提供することを目的
とする。更に、本発明は、塗布部材への液剤供給
量を適宜に調節することが簡単にできる液剤塗布
容器を提供することを目的とする。また、本発明
は、携帯に便利で少量の液剤を有し、液剤直接塗
布が苦痛を伴うなどのときは、液剤塗布部材を通
して液剤を滴下させることのできる液剤塗布容器
を提供することを目的とする。

［発明の構成」 ［問題点を解決するための手段］ 本発明は、液剤を密封収納した液剤塗布容器に
おいて、該容器は筒状の硬質プラスチツク製容器
本体と、その一端側を封止する封止部材と、該容
器の他端を封止する軟質プラスチツク部材とを備
え、該容器本体と封止部材は、一体成形され、該
容器本体と封止部材に破断可能な肉薄部が形成さ
れ、その両者を該肉薄部にて破断分離したときに
液剤の塗布部材の一部が該容器本体の一端より外
に露出し、塗布に適する形状になるよう液剤の塗
布部材が該容器本体に保持されており、液剤は該
容器本体内の該塗布部材と軟質プラスチツク部材
間に収納され、一方、軟質プラスチツク部材は、
柔軟性を有し、該軟質プラスチツク部材を押圧し
変形させることにより該容器内に収納されている
液剤が塗布部材を通じて浸出しうるよう構成した
ことを特徴とする液剤塗布容器である。

また、前記塗布部材は液剤の浸透性を有する素
材よりなることが好適である。

さらに、封止部材は該容器本体と反対側の端部
に、該封止部材を該容器本体から分離した後再び
該容器本体に嵌合しうる形状を有することが好適
である。

また、前記液剤塗布容器は、軟膏収納部分を備
えてなることが好適である。

［作用］ 本発明による少量の液剤を収納するプラスチツ
ク製液剤塗布容器は、硬質プラスチツク部材と軟
質プラスチツク部材を有し、その硬質プラスチツ
ク部材は密封されて塗布部材及び液剤を簡易に開
封する機能を備えるための手段を有し、その軟質
プラスチツク部材は適宜に押圧することにより、
その密封収納された液剤を適宜に塗布部材を通し
て供給できるためのものである。そして、本発明
の液剤塗布容器に備える塗布部材は、開封により
塗布の便利な形状をとることができるものであ
る。

本発明の液剤塗布容器に用いるプラスチツク樹
脂は、例えば、ポリエチレン系、ポリプロピレン
系などポリオレフイン系、ポリスチレン系、ポリ
塩化ビニル系などを用いることができる。

これらの合成樹脂を、射出成形、押し出し成
形、ブロー成形、インジエクシヨンブロー成形、
真空成形などにより成形することができる。

本発明においては硬質プラスチツクと軟質プラ
スチツクの両者を成形し、その両者を接合しなけ
ればならない。両者を強固に密封固着しなければ
ならない。

以上のように本発明のプラスチツク製液剤塗布
容器は、硬質部分と柔軟性を有する軟質部分より
構成され、両者が強固に固着されている。

この軟質部分は柔軟性を有する必要があり、そ
のために、素材そのものの柔軟性と、樹脂を肉薄
に成形し、その肉薄形状により生じる柔軟性効果
とのいずれか、又は両者の併用した構成を利用す
るもので柔軟性を確保する。

また、これらの硬質部分と軟質部分とを強固に
接合しなければならない。この接合は嵌合又は融
着することにより密封固着され一体化されるもの
である。

一方、硬質プラスチツク部材の中には塗布部材
が装填されており、その塗布部材装填箇所の外側
の所定の硬質プラスチツク部材に肉薄部を設けて
ある。このような構成にすることにより、硬質プ
ラスチツク部材に、例えば、手指などで折るよう
な力を加え、即ち、横方向の応力をかけることに
より、その肉薄部で硬質プラスチツク部材は容易
に破断される。このことにより、その塗布部材の
一部が外に露出し、塗布に適する形状になる。即
ち、塗布部材の先端部が外部に露出し、硬質プラ
スチツク部材の中にある塗布部材部分は固定され
ているので、この塗布部材先端部は、筆穂先部と
同じ役目を果たし、塗布の好適な形状になる。液
剤はこの塗布部材の固定側に密封収納されている
ために、この状態で塗布部材には液剤が湿潤され
ているので、そのままで必要箇所に液剤を塗布で
き、又は液剤で必要箇所を清拭できる。

一方、軟質プラスチツク部材は柔軟性を有し、
この部分を押圧すると、容器内に収納されている
液剤が塗布部材を通じて浸出してくる。このため
に塗布部材は適宜に湿潤することができる。

また、塗布部材が直接に患部に触れると苦痛を
生じるなどの場合には、この塗布部材を患部に接
触させずに、軟質プラスチツク部材を押圧するこ
とにより液剤塗布容器内の液剤は塗布部材を経由
して流れ出てき、塗布部材より適宜に滴下させる
ことができる。また、塗布すべき部位の面積が大
きく、開封後、塗布する際に、塗布部材に湿潤し
た液剤が早く失われるような場合には、同様に軟
質プラスチツク部材を押圧することにより液剤を
押し出して塗布部材中に十分に薬剤を含ませて使
用することができる。

以上の本発明による液剤塗布容器は、管状に限
定されないが、成形技法などの点から、管状のも
のが好適である。

本発明による液剤塗布容器に使用する塗布部材
は、綿、不織布、紙、繊維質のフイルター、長繊
維の束部材、多孔性プラスチツク等により製造さ
れるものであり、液剤の浸透性の良いものを使用
し、液剤塗布容器内の所定位置に固定される。

本発明による液剤塗布容器に収納される液剤
は、人体の皮膚などに塗布すべき薬剤、消毒、治
療その他のための液剤であり、液体の形で収納さ
れ、適用されるものである。

本発明の液剤塗布容器に更に軟膏の付いた軟膏
装着部分を付けることができる。このような構成
により、傷口などを液剤で清拭した後に、この軟
膏を更に塗ることができる製品を提供できる。

本発明の液剤塗布容器において、容器本体から
破断分離した硬質プラスチツク部材は、その破断
端部の反対側端部が液剤塗布容器本体の破断端部
に装着可能な形状にする。即ち、それらの端部に
ねじ切り又は装着性形状を形成することにより、
破断分離した後に、再び、塗布部材端部を包んで
容器本体に装着し、少数回でも液剤を使用できる
構成の液剤塗布容器を提供できる。

また、本発明の液剤塗布容器において、軟質プ
ラスチツク部材は更に端部が丸く、球形にされて
い、スポイトと同じ機能をとり得、効率良く液剤
を押し出すことのできる構成にすることができ
る。

また、本発明による液剤塗布容器の硬質プラス
チツク部材の肉薄部の破断部分以外は更に、強度
補強のために、容器にリブ又はビードを付けてい
てもよい。

次に、本発明の液剤塗布容器を、具体的な実施
例により、説明するが、本発明は、次の説明に限
定されるものではない。

本発明の液剤塗布容器の１例は、右半分を断面
で示す第１図の部分断面図に示される。

１は軟質プラスチツク部材であり、２は硬質プ
ラスチツク部材である。軟質プラスチツク部材１
と硬質プラスチツク部材２は固着部分７で固着さ
れている。硬質プラスチツク部材２の中程に肉薄
部３を設ける。液剤４はその液剤塗布容器の中空
部分に図示のように密封収納されている。また塗
布部材６は硬質プラスチツク部材の中程の中空部
分に図示の如く固着されている。その塗布部材６
を固定する塗布部材固定具５が設けられる。この
塗布部材固定具５のほぼ中心に液剤４の通過する
孔９を設けて、円滑な液剤４の供給をはかる。

本発明の塗布容器本体は、液剤４に不活性で透
過性の少ないプラスチツクより作成される。

容器本体のプラスチツクは、硬質部と軟質部分
より成るが一体化するには同系列の樹脂で硬質及
び軟質部分が構成されることが望ましい。

従つて、好適な例としては、硬質プラスチツク
２はポリプロピレンのホモポリマー、軟質プラス
チツク部材１はポリプロピレンベースのオレフイ
ン系エラストマーを使用し、形成する。

液剤４を内部に入れた状態で容器を強固に密封
しなければならない。その場合硬質プラスチツク
と軟質プラスチツクを強固に固着するが使用プラ
スチツク樹脂を同系列の樹脂にすると、確実容易
に密封を行なうことができる。硬質プラスチツク
部材２にはその長手方向のほぼ中間点に厚さの薄
い肉薄部分、好適には約0.3〜0.5mmの厚さの肉薄
部３を設ける。この肉薄部３の形状は例えば、第
１図の如きＶ字型溝をとる。通常は力がかかりに
くく、横方向から力を加えた場合のみ折れ易く設
定することが重要である。手指により応力を加え
るために肉薄部３の両側に長さ20mm以上の幅をと
り、指でつまめるだけの部分を有するようにす
る。硬質プラスチツク部材２の中程の肉薄部３の
両側にある程度の、即ち、20mm以上の幅を有する
構造体の硬質プラスチツク部材２にする。

この肉薄部３の両側の硬質プラスチツク部材２
に折るように応力をかけて、肉薄部３で破断する
と第２図に示すように硬質プラスチツク部材２の
一部を、硬質分離部分Ｄと液剤塗布容器本体に分
離すると、そして、塗布部材６は第２図のように
露呈する。即ち、この肉薄部３は塗布部材６及び
液剤収納部分の硬質プラスチツク部材２側に位置
し、肉薄部３で切断したときに、塗布部材６は好
適には約３〜５mm露呈するようにする。塗布部材
６は、液剤の浸透性がよく、液剤に対して不活性
で形状保持性が良好で、皮膚などに塗布する場合
の感触が快く、塗布部材片が出にくいものが好適
である。例えば、アセチルセルロース系の長繊維
多数を束に固着させて全体として円柱状にしたも
の、或いは、多孔質のものを使用できる。この塗
布部材６は液剤塗布容器本体に固定して移動しな
い構造が好適である。その固定する方法としては
肉薄部分３で切断したときに露頭する塗布部材６
の部分の長さｂより長い部分ａが液剤収納部分
（側）に収められていることが必要であるととも
に、露頭部分に力が加えられたときに、塗布部材
６が液剤収納側に移動しないためにストツパーを
設ける。ａ／ｂの比率は、２以上の範囲が好適で
ある。

この液剤塗布容器本体において、軟質プラスチ
ツク部材１に第２図で示すように押圧Ａの力をか
けると軟質プラスチツクは押し潰されて液剤４に
圧力がかかり塗布部材６の中に浸透し、塗布部材
６の先端で液剤４が必要箇所に塗布される。

即ち、このような本発明による液剤塗布容器に
おいて、軟質プラスチツク部材１では指などで押
しつぶす操作がされるために、好適には、軟質プ
ラスチツク部材１の長さは10mm以上必要である。

本発明の液剤塗布容器の組立て方法は、先ず硬
質プラスチツク本体部分２に塗布部材６を固着部
分７側から挿入し、次にその塗布部材固定具５を
挿入し、固定し、液剤４を収納し、軟質プラスチ
ツク１を固着部７の鞘状部で封着するものであ
る。

切断分離した硬質プラスチツク部材２の先端部
を再び液剤塗布容器本体に装着できるものとして
は、第３図に示す如きものである。即ち、第３図
は、本発明の液剤塗布容器の他の形状を示す。第
３図Ａは、他の形状の本発明の液剤塗布容器を、
右半分を断面で示す部分断面図であり、各符号は
第１図のものに相当するものとしてある。即ち軟
質プラスチツク部材１と硬質プラスチツク部材２
からなり、即ち、硬質プラスチツク部材２の中程
に肉薄部３を設ける。液剤４はその液剤塗布容器
の中空部分に図示のように密封収納されている。
また塗布部材６は硬質プラスチツク部材２の中程
の中空部分に図示の如く固定されている。その塗
布部材６を固定する塗布部材固定具５が設けられ
る。第３図Ｂは、その形状の液剤塗布容器を、硬
質プラスチツク部材２を肉薄部３で硬質分離部分
Ｄを端部を逆にして再び液剤塗布容器本体Ｃに装
着した液剤塗布容器を一部点線で内部を示した本
発明の液剤塗布容器の正面図である。液剤塗布容
器本体Ｃに装着できる内径を有するような形状の
硬質分離部分Ｄであり、その中に図示の如く塗布
部材６が収納できるものである。

第４図は、本発明の液剤塗布容器の他の形状
を、右半分の断面で示す部分断面図であり、各符
号は第１図のものに相当するものとしてある。即
ち軟質プラスチツク部材１、硬質プラスチツク部
材２で、即ち、硬質プラスチツク部材２の中程に
肉薄部３を設ける。液剤４はその液剤塗布容器の
中空部分に図示のように密封収納されている。ま
た塗布部材６は硬質プラスチツク部材２の中程、
図示の如く、塗布部材固定具５により固定されて
いる。この液剤塗布容器では、硬質分離部分Ｄの
端部に更に軟膏１２を有する軟膏収納用栓体１０
が装着されているものである。

［発明の効果］ 本発明の液剤塗布容器は、軟質プラスチツク部
材と硬質プラスチツク部材とを有し、硬質プラス
チツク部材に肉薄部からなる破断部を有する構成
であり、第１に、保存時完全に密封されており、
液剤適用時に簡単に開封でき、かつ、液剤量を１
回若しくは若干回数使用できる量にすることで、
小型軽量で携帯に好適な形態にできること、 第２に、液剤を塗布適用するに際して直接塗布
部材を必要箇所に接触させて液剤を塗布適用する
又は清拭することができ、塗布面積が大きく液剤
が塗布部材に湿潤しているだけで不足の場合に
は、容器の軟質プラスチツク部材を押しつぶすこ
とにより液剤を容易に追加できること、 第３に、更に、液剤を塗布適用すると苦痛を伴
うなど塗布部材を患部に接触させたくないときに
は、患部の上から塗布部材を通して液剤を容易に
滴下できる液剤塗布容器を提供できたことなどの
顕著な技術的な効果を得ることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による液剤塗布容器の構造を
示す部分断面図である。第２図は、第１図の液剤
塗布容器をその硬質プラスチツク部材の肉薄部分
で破断したものを示す。第３図は、本発明の液剤
塗布容器の他の形状を示す。第４図は、また、本
発明の液剤塗布容器の他の形状を示す。 主要部分の符号の説明、１……軟質プラスチツ
ク部材、２……硬質プラスチツク部材、３……肉
薄部、４……液剤、５……塗布部材固定具、６…
…塗布部材、７……固着部分、Ａ……押圧、Ｃ…
…液剤容器本体、Ｄ……硬質分離部分。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 液剤を密封収納した液剤塗布容器において、
   該容器は筒状の硬質プラスチツク製容器本体と、
   その一端側を封止する封止部材と、該容器の他端
   を封止する軟質プラスチツク部材とを備え、該容
   器本体と封止部材は、一体成形され、該容器本体
   と封止部材には破断可能な肉薄部が形成され、そ
   の両者を該肉薄部にて破断分離したときに液剤の
   塗布部材の一部が該容器本体の一端より外に露出
   し、塗布に適する形状になるよう液剤の塗布部材
   が該容器本体に保持されており、液剤は該容器本
   体内の該塗布部材と軟質プラスチツク部材間に収
   納され、一方、軟質プラスチツク部材は、柔軟性
   を有し、該軟質プラスチツク部材を押圧し変形さ
   せることにより該容器内に収納されている液剤が
   塗布部材を通じて浸出しうるよう構成したことを
   特徴とする液剤塗布容器。 ２ 前記塗布部材は液剤の浸透性を有する素材よ
   りなる特許請求の範囲第１項記載の液剤塗布容
   器。 ３ 封止部材は該容器本体と反対側の端部に、該
   封止部材を該容器本体から分離した後再び該容器
   本体に嵌合しうる形状を有する特許請求の範囲第
   １項記載の液剤塗布容器。 ４ 前記液剤塗布容器は、軟膏収納部分を備えて
   なる特許請求の範囲第１項記載の液剤塗布容器。