JP2929493B2 - 液体塗布具 - Google Patents

液体塗布具

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、消毒液等の液体を収容する容器とこの容器
に収納保持され液体を塗布する塗布部材とからなり、野
外等に携帯し、あるいは家庭に常備して、必要時容器を
開封して患部に消毒液等の液体を塗布することのできる
液体塗布具に関する。
〔従来の技術〕
外傷あるいは虫刺され等の緊急時又は家庭における消
毒治療手段は、一般に、脱脂綿などの塗布部材に薬ビン
内の消毒液等の液体を含浸させて、これで患部を清拭又
は液体を塗布する場合が多い。
そして、この場合の取り扱いの煩わしさを解消する簡
便な液体塗布具として、消毒液等の液体容器口に液体浸
出性の塗布部材を備え、これによって消毒液等の液体を
患部に直接塗布することのできるもの、これら液体を噴
霧する機構を備えたもの、更には、これら液体を含ませ
た不織布等からなるナプキン状の塗布部材を密封包装し
たものなどが提供されている。
そこで、最近これら従来品における長所を総合的に集
約し、取り扱いが簡便で衛生的な液体塗布具として、第
8図に示すような液体塗布具aが考えられている(特開
昭63−181776号公報参照)。この液体塗布具aは、容器
bに1回の使用分程度の消毒液等の液体cを密封収容し
ている。この容器bは、スポイト部dと容器本体eとか
らなり、これらを容器本体eの開口端fで接合すること
により構成されている。この容器本体eは、太径部e
1と、これに連なる細径部e2とからなり、細径部e2には
開封手段gが形成されている(第8図(イ)参照)。そ
して、この液体塗布具aは、必要時容器bの開封手段g
を開封し(第8図(ロ)参照)、露出した柱状の塗布部
材hにより消毒液等の液体bを患部へ直接処置している
(第8図(ハ)参照)。
又、本願出願人による第9図に示すような液体塗布具
2aがある(特願平01−30572号参照)。この液体塗布具2
aは、第8図の液体塗布具aと略同様に形成されている
が、柱状の塗布部材hが長く形成されている。そして、
この長い塗布部材hを支持するために補強用芯材iが塗
布部材h内に差し込まれている。
この補強用芯材iは、容器bを開封する際、曲げるこ
とができる程度に弾性を有し、患部に塗布部材hの先端
部jを除く側面の塗布部kにより塗布する際、塗布部材
hを支持出来る程度に剛性を有している。
従って、この液体塗布具2aは、必要時容器bの開封手
段gを開封し(第9図(ロ)参照)、露出した塗布部材
hの塗布部kにより患部を塗布する(第9図(ハ)参
照)ことが出来、一回の塗布行為により、患部の広い範
囲に液体を塗布することが出来るものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述のような液体塗布具aでは、柱状
の塗布部材hは、アセチルセロース系の長繊維多数を束
に固着させて全体として円柱状にしたものや、スポンジ
等の多孔質のものを使用している。従って、柱状の塗布
部材hのこしが弱く、これの露出部分を長くすることが
困難であるから、塗布部は主に先端面を使用することに
なり、広い患部の場合は、第8図(ハ)に示すように、
時間をかけて塗布しなければならなかった。又、柱状の
塗布部材hの径を大きくして広い患部を短時間で塗布す
ることも可能であるが、容器本体eの径が大きくなり、
従って、全体的なサイズも大きくなるため、保管や野外
等に携帯する際不便になる。
又、本出願人による液体塗布具2aは、一回の塗布行為
により患部の広い範囲に液体を塗布することが出来る
が、比較的構造が複雑になることや、塗布部材hを長く
した分全長が長くなってしまう等の不都合があった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、構造が単純で、全長も従来のものと略同様なもので
ありながら、開封後手指に液体を付着することなく、広
い患部に短時間で液体を塗布することが出来る液体塗布
具を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記の如き課題を解決するために開発したも
のであって、液体を収納する容器と該容器に収納保持さ
れると共に前記液体を塗布可能とする塗布部材とからな
り、前記容器を破断して前記塗布部材を露出させること
により前記液体を塗布し得る液体塗布具であって、前記
塗布部材の先端面形状はこれの一方向の厚さが該一方向
に直交する方向の厚さよりも大きく形成され、かつ露出
した塗布部材の先端面を該先端方向に移動可能に設けた
ことを特徴とする液体塗布具の提供にあり、また前記液
体塗布具の塗布部材に設けたキャップ部に弾圧ばねを固
定し、該弾圧ばねを前記塗布部材の移動手段とする液体
塗布具の提供にある。
〔作用〕
上記構成になる液体塗布具によれば、容器の所定箇所
を破断することにより容器を開封し、先端面形状の一方
向の厚さが該一方向に直交する方向の厚さよりも大きく
形成されている塗布部材を露出させ、この露出した塗布
部材の先端面を前記直交する方向に移動させることによ
り、広い患部に液体を短時間で塗布することが出来る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を第1図乃至第7図に基づいて
詳述する。
第1図は本発明の液体塗布具を示す斜視図、第2図は
液体塗布具を示す半裁縦断面図、第3図は液体塗布具の
容器本体を開封した状態を示す半裁縦断面図、第4図は
第3図のIV−IV線方向から見た側面図である。液体塗布
具1は、硬質プラスチック材からなり断面が略菱形をな
すキャップ部と2硬質プラスチック材からなり断面が略
菱形をなす容器本体3とから構成され、これらを容器本
体3の開口端4で接合して成る容器5と、該容器5内に
収容された消毒液等の液体6及び該液体6を塗布するた
めの先端面7を有する略菱形の塗布部材(以下単に塗布
部材という)8とから成っている。そして、前記キャッ
プ部2には、弾発ばね9、9が固定され、更に弾発ばね
9、9の先端には菱形板10が固定され、この菱形板10に
は孔10aが穿けられている。一方、前記容器本体3は、
側面が傾斜している傾斜筒部3aとこれに連なる水平筒部
3bとからなり、その一部に周壁の肉厚を薄くした開封手
段11を形成してある。
消毒液等の液体6は、前記傾斜筒部3aの中空部分内に
第2図に示すように密封収納されている。又、塗布部材
8は略菱形に成形された容器本体3の傾斜筒部3aの中空
部分内に図示の如く収納されている。すなわち、塗布部
材8は、その周面部が傾斜筒部3aの傾斜した壁面により
保持され、その基端部が菱形板10により支持されてい
る。
この菱形板10には液体6の通過する孔10aが穿けられ
ているから、塗布部材8への円滑な液体6の供給が図ら
れるようになっており、更に、患部に液体6を塗布する
際、塗布部材8の塗布圧が弾発ばね9、9により一定圧
に保たれて必要以上に液体6が患部に塗布されないよう
になっている。又、この塗布部材8は、略菱形をなして
いるから、その一方向の厚さ、例えば、第4図中αが一
方向に直交する方向の厚さ、例えば、第4図中βよりも
大きく形成されている。従って、塗布部材8は、これを
第4図中矢標A方向に移動させると、1回の塗布行為に
より、患部の広い範囲に液体6を塗布することが出来
る。このαとβとの比(α/β)は3〜1.2が好まし
い。3を越えると開封手段11を開封することが容易でな
く、1.2に達しないと塗布面積が小さく好ましくない。
而して、キャップ部2及び容器本体3は、液体6に対し
て不活性で透過性の少ない硬質プラスチックス材より構
成される。この硬質プラスチックス材は、キャップ部2
及び容器本体3が同系列のプラスチックで硬質材にて構
成されることが、超音波融着させることからも望まし
い。従って、好適な例として、硬質プラスチックス材は
ポリプロピレンのホモポリマーを使用し、射出成型、押
し出し成型、ブロー成型、インジェクションブロー成型
及び真空成型などによって、各部を夫々成形する。な
お、液体6を傾斜筒部3aの中空部分内に入れた状態で容
器本体3とキャップ部2とを強固に接合して容器5とし
なければならないが、この場合は、使用硬質プラスチッ
ク材を同系列にすると、超音波融着が可能となり、強固
に接合することができる。
容器5の容器本体3には、その長手方向全長の略中間
点よりやや反キャップ部2側に位置した水平筒部3bに、
前記開封手段11が設けられている。この開封手段11は、
周壁の肉厚を薄くした部分、0.05〜0.5mmの厚さ、好ま
しくは0.1〜0.2mmの厚さに設定されている。この開封手
段11の形状は、例えば、第2図の如きV字型溝をとり、
その溝底の曲率半径を可及的に小さくなっている。この
開封手段11は、通常、力がかかりにくく容器本体3に横
方向から曲げ方向の力を加えた場合のみ、溝底に応力を
集中させて折れ易く設定することが重要である。
容器5は、開封手段11の両側を両手で把持し、両手の
親指を開封手段11の両側に夫々当てて、容器本体3に折
れ曲げ方向の力をかけて、開封手段11を破断して開封さ
れる。この結果、容器の容器本体3は、第3図に示すよ
うに傾斜筒部3a側と水平筒部3b側とに分離される。そし
て、前記塗布部材8が傾斜筒部3aの先端から第3図のよ
うに露呈する。すなわち、塗布部材8は、傾斜筒部3a側
に位置し、その先端面7が開封手段11から約3〜5mm露
呈するようになり、この塗布部材8の略菱形の先端面7
は、第4図の矢標A方向に移動すると、広い患部であっ
ても短時間で容易に液体6を塗布、滴下及び清拭出来る
ものである。
塗布部材8の材質は、液体6の浸透性がよく、液体6
に対して不活性で形状保持性が良好で、皮膚などに塗布
する場合の感触が快く、塗布部材片が出にくいものが好
適である。例えば、アセチルセルロース形の長繊維多数
を束に固着させて全体として楕円柱状にしたもの、或い
は、多孔質のもの等を使用できる。
前述の開封手段11の開封により密封状態を解かれた傾
斜筒部3aにおいて、液体塗布具1の塗布部材8は第3図
で示すように矢標B方向に力をかけられると、すなわ
ち、塗布状態になると、塗布部材8により弾発ばね9、
9のばね力に抗して第3図中左側にある液体6に圧力が
かかる。このため、液体6は菱形板10の孔10aから注出
され、液体6が塗布部材8の中に浸透し、該塗布部材8
の先端面7でこの液体6を必要箇所に塗布、滴下及び清
拭することが出来る。
本発明の液体塗布具1の組立て方法は、先ず、容器本
体3に塗布部材8を開口端4側から挿入し、次に液体6
を収納し、先端に菱形板10を固定した弾発ばね9、9が
固定されたキャップ部2を開口端4の鍔状部で超音波融
着により接合するものである。
次に上記構成になる液体塗布具1の走査を説明する。
この液体塗布具1は、これのキャップ部2及び容器本体
3を硬質プラスチックスで夫々構成したことによって、
キャップ部2及び容器本体3は使用時における塗布部材
8の把持部として機能する。又、キャップ部2及び容器
本体3が硬質であるので、容器本体3内に収容した液体
6の積極的押出を計るためには、該容器本体3の開口端
4に取付けたキャップ部2の弾発ばね9、9が機能す
る。すなわち、第3図に示すように、この塗布部材8を
矢標B方向に押圧することにより、容器本体3の傾斜筒
部3a内の液体6を押圧し容器本体3内の一端側に露出し
ている塗布部材8を通して外部に供給できる。
一方、容器5の開封のために、前記開封手段11が作用
する。通常、この開封は、容器5におけるキャップ部2
及び容器本体3の傾斜筒部3aと、水平筒部3bとを夫々両
方の手で掴み、両手の各指を開封手段11の両側に夫々当
て容器本体3をその開封手段11の位置で折り曲げるよう
に各指に力を加えて、開封手段11の薄肉周壁をその一方
側から引裂き、水平筒部3bを傾斜筒部3aから分離するこ
とによって行なわれる(第5図参照)。
而して、上述の容器5の開封により水平筒部3bを取り
去った傾斜筒部3a側には、塗布部材8の一部が露出し、
第6図に示すように、塗布部材8の略菱形に形成されて
いる先端面7は広い患部の塗布に適する形状になってい
る。すなわち、塗布部材8の露出部分の略菱形に形成さ
れた先端面7を第6図中A方向に移動させれば、広い患
部の場合であっても塗布部材8の先端面7にて患部に液
体を塗布することが出来る。又、この塗布部材8の先端
面7の第6図中E方向は、筆穂先部と同じ役目を果たさ
せることも可能であるから、狭い患部の場合にも、塗布
可能な形状になる。そして、液体6は、この塗布部材8
が収納されている傾斜筒部3a側に密封収納されているた
めに、この状態で塗布部材8は液体6により湿潤されて
るから、そのままで必要個所に液体6を塗布でき、又、
必要個所を液体6で清拭できる。
一方、塗布圧力を高めると、塗布部材8により弾圧ば
ね9、9のばねに抗して菱形板10は第2図、第3図中左
側に移動するから液体6は菱形板10の孔10aから強制的
に浸出してくる。このために液体6は、塗布部材8を適
宜に湿潤させることができる。
又、開封により分離する水平筒部3bの先端部分を中空
に構成(第2図及び第3図参照)して、この水平筒部3b
の先端部分を傾斜筒部3a側に嵌合させるキャップとして
活用することが出来るので、複数回の使用も可能である
(第7図参照)。
尚、本実施例では、液体6のして消毒液を収納した場
合について説明したが、これに限定されるものではな
く、本発明の液体塗布具1の容器5内に収納される液体
は、化粧液、洗剤液等の生活関連で使用されるものであ
れば適宜収納可能である。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、本発明の液体塗布具は、患部を
塗布する塗布部材の少なくとも先端面形状が、これの一
方向の厚さが該一方向に直交する方向の厚さよりも大き
く形成され、かつ露出した塗布部材の先端面を該先端方
向に移動可能に設けると共に、前記液体塗布具の塗布部
材に設けたキャップ部に弾性ばねを固定し該弾性ばねを
前記塗布部材の移動手段としているから、容器の一部を
破断して容器を開封し、塗布部材を露出させ、塗布部材
の先端面を幅の広い方を利用して移動させると、広い患
部に短時間で液体を塗布することが出来る。すなわち、
本発明の液体塗布具は、構造が単純で、その軸方向全長
も従来のものと略同様なものでありながら、開封後手指
に液体が付着することがなく、広い患部に短時間で液体
を塗布することが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第7図は本発明の実施例を示すもので、第1
図は本発明の液体塗布具の斜視図、第2図は液体塗布具
の半裁縦断面図、第3図は液体塗布具の容器本体を開封
した状態を示す半裁縦断面図、第4図は第3図のIV−IV
線方向から見た側面図、第5図は液体塗布具における開
封状況を説明する斜視図、第6図は塗布状態を説明する
斜視図、第7図は容器本体の水平筒部をキャップとして
使用した場合の液体塗布具の半裁縦断面図、第8図は従
来の液体塗布具を示すもので、第8図(イ)は第2図と
同状の半裁縦断面図、第8図(ロ)は第3図と同状の半
裁縦断面図、第8図(ハ)は塗布状態を説明する斜視
図、第9図は従来の液体塗布具を示すもので第9図
(イ)は第2図と同状の半裁縦断面図、第9図(ロ)は
第3図と同状の半裁縦断面図、第9図(ハ)は塗布状態
を説明する斜視図である。 1、a、2a……液体塗布具 5、b……容器、6、c……液体 7、j……先端面 8、h……塗布部材 α……一方向の厚さ β……一方向に直交する方向の厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A62M 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体を収納する容器と、該容器に収納保持
    されると共に前記液体を塗布可能とする塗布部材とから
    なり、前記容器を破断して前記塗布部材を露出させるこ
    とにより前記液体を塗布し得る液体塗布具であって、前
    記塗布部材の先端面形状は、これの一方向の厚さが該一
    方向に直交する方向の厚さよりも大きく形成され、かつ
    露出した塗布部材の先端面を該先端方向に移動可能に設
    けたことを特徴とする液体塗布具。
  2. 【請求項2】前記液体塗布具の塗布部材に設けたキャッ
    プ部に弾圧ばねを固定し、該弾圧ばねを前記塗布部材の
    移動手段とする請求項1記載の液体塗布具。
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