JPH04120968U - 光走査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】レーザプリンタ等のレーザ光走査装置の走査方
向に延設されたミラー、モータ等の振動の伝達によるた
わみ振動による結像位置の変動を防止した光走査装置を
提供することを目的とする。 【構成】ミラー７，８の長手方向に直交する断面の反射
面の幅より奥行きを大きくする。 【作用】たわみ振動のミラー反射面の面内で起るのでレ
ーザ光線の反射位置及び反射方向が変化せず、走査線の
位置が変らず、ピッチムラも防止される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、レーザプリンタやデジタル複写機等のレーザ光走査装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

レーザプリンタ、デジタル複写機、レーザファクシミリ等の画像形成装置のレ ーザ光走査装置では、主走査方向に長く延びる短冊上のミラーが使用される。図 ３は代表的なレーザ光走査光学系の構成を示す図であって、半導体レーザ１より 発射された画像情報を担持するレーザ光は、コリメータレンズ２により平行光束 とされ、ビーム成形アパーチャ３、第１シリンドリカルレンズ４を通過し、光偏 向器としてのポリゴンミラー５に入射される。ポリゴンミラー５は、スキャナモ ータ９により等速で高速度回転しており、これによりレーザ光は所定の角度範囲 を繰返して偏向し、Ｆθレンズ６、第１ミラー７、第２ミラー８を経て感光体ド ラム１０の周面上に結像し、偏向により結像点が感光体ドラム１０の軸方向に移 動することにより、感光体は主走査され、感光体ドラムが一定速度で回転するこ とにより副走査される。なお、符号１４で示す部材は防塵ガラスである。

【０００３】 上記構成の光走査装置で画像書込みが行われるとき、上記のポリゴンミラー５ を回転駆動するスキャナモータ９や画像形成装置本体の駆動モータ等の振動が光 走査装置に伝達され、走査方向に長く延びたミラー７、８がたわみ振動を始める 。 さて、従来のこの目的のミラーは、一般に図４に示す如く、断面形状が反射 面１２の幅Ａの方がそれに直角方向の奥行きＢよりも大きく作られているので、 ミラー７は図中に矢印で示す曲げ剛性の低い方向、すなわち反射面に直角方向に たわみ振動が発生し、図５に示す如く、ミラー７については、破線と一点鎖線で 示す湾曲線の間を振動し、その結果、図５、６に示す如く、ミラー７で反射した 光線１１がミラー８を経て感光体ドラム１０上に結像する位置が主走査方向にも 、副走査方向にも変化する。その結果、形成される画像は、図７に示す如く、振 動のない場合（ａ）の如く一直線になるべきものが、（ｂ）の如く蛇行し、かつ 等間隔に配列される点のピッチにムラが生ずる。（ｂ）図中ｔはたわみ振動の１ 周期分の走査長である。

【０００４】 この振動を除去する手段として、特開昭６０−２４４９２１号公報には、反射 ミラーの裏面、すなわち非反射面側に緩衡部材及び金属板をこの順に重ね合わせ ることが開示されている。この構成により、ミラーのたわみ振動は緩衡部材及び 金属板によって吸収される。しかし、この方法は緩動部材と金属板とを重ね合せ てミラーの裏面に取付けるための接着作業が必要であり、接着のための手数が掛 るほか、反射面に接着剤が付着して汚染した場合、その除去に手数が掛る難点が ある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、従来実施され、提案されているレーザ光走査装置のミラーの上記の 実情にかんかみ、簡単な構成で手数が掛かることなく画像に影響を及ぼすような ミラーの振動を除去することのできる光走査装置を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の課題を解決させるため、レーザ光走査装置の主走査方向に延設 されるミラーの長手方向に直交する断面の反射面の幅よりもこれに直交する奥行 きの長さを大きくしたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

上記の如く、ミラーの断面の反射面の幅よりも奥行きの方を大きくしたので、 ミラーの剛性は反射面と直交する方向よりも反射面に平行な面内で小さくなり、 スキャナモータや装置本体のモータの振動がミラーに伝わった時、ミラーは反射 面と直交する面内で振動し、反射面は実質的に振動せず、反射面から反射するレ ーザ光線は感光体上に所定の走査線上にピッチムラなく結像し、画像に影響を与 えることはない。

【０００８】

【実施例】

以下に、本考案の実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。

【０００９】 図１は、図３で説明したレーザ光走査装置に本考案を適用した実施例を示すも のである。したがって、同一の機能を有する部材には同一の符号と付し、異なる 点を中心に説明する。

【００１０】 この実施例では、走査方向に長く延設されたミラー７’、８’は長手方向に直 角に切った断面の形状は図２に示す如く、反射面１２’の幅Ａ’は、これに直角 方向の奥行きの長さＢ’より短かくなっている。それ以外の構成は従来の装置と 異るところはない。

【００１１】 ミラー７’（８’も同様）の断面形状がこのようになっているので、スキャナ モータ９や装置本体のモータの振動がミラー７’，８’に伝達された場合、ミラ ーは曲げ剛性の小さい反射面１２’と平行方向にたわみ振動が発生し、反射面は その面内で動くだけで入射光線の空間内の入射位置及び反射光線１１’の経路は 全く変動しない。したがって、感光体ドラム１０上への結像位置及び走査線上の ピッチムラも発生することはない。

【００１２】

【考案の効果】

以上の如く、本考案によれば、緩衝部材を使用しなくても、反射面のたわみ振 動を防止することができ、画像品質の向上に効果が得られ、かつ、ミラーに緩衝 材を取付ける接着作業及び接着剤によるミラーの反射面の汚染の除去作業が不要 になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の光走査装置の構成を示す斜視
図である。

【図２】そのミラーの断面形状とそのたわみ振動方向を
示す断面図である。

【図３】従来の光走査装置の構成の１例を示す斜視図で
ある。

【図４】そのミラーの断面形状とそのたわみ振動方向を
示す断面図である。

【図５】そのミラーのたわみ振動による結像位置の走査
方向の移動を示す説明図である。

【図６】そのミラーのたわみ振動による結像位置の副走
査方向の移動を示す説明図である。

【図７】そのミラーのたわみ振動のない場合とある場合
の直線状原稿像に対する形成画像の形状を示す説明図で
ある。

【符号の説明】

１ 半導体レーザ（光源） ５ ポリゴンミラー（偏向器） ７’，８’ ミラー １０ 感光体ドラム Ａ’ ミラー断面の反射面幅 Ｂ’ 反射面に直角方向の奥行

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 光源からのレーザ光線を偏向器により偏
   向し、レンズ及び主走査方向に長く延びるミラー等の光
   学素子を介して感光体面上に結像させ、感光体面上を走
   査させる光走査装置において、上記ミラーの長手方向に
   直交する断面の反射面の幅よりもこれに直角方向の奥行
   きの長さの方が大きいことを特徴とする光走査装置。