JPH0411740B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、噴射弁に燃料を供給するために燃料
を内燃機関の高圧蓄圧器内に搬送する燃料ポンプ
であつて、ポンプケーシングとポンプピストンお
よびポンプ圧力室を取り囲むポンプシリンダとを
有しており、該ポンプシリンダに燃料進路内に接
続された圧力弁を有する弁支持体が接続されてお
り、該圧力弁が少なくとも１つの外側の燃料流過
部を備えた円筒状の案内シヤフトと、後方に向つ
て開かれた袋孔と、前方に閉鎖円錐体とを有して
いてかつ弁支持体の孔内に案内されており、この
孔の、ポンプ圧力室から分岐した直径の小さな供
給孔への移行部が円錐形の弁座として形成されて
おり、該弁座に対して圧力弁が閉鎖方向に作用す
る押しばねによつて圧着されており、該押しばね
が前記袋孔内に案内されていて、一端で袋孔の底
部にかつ他端で支承体に支えられており、該支承
体が、少なくとも１つの燃料流過通路が分岐して
いる燃料捕集室によつて取り囲まれている形式の
ものに関する。

前記形式の燃料ポンプは例えばイギリス国特許
第258682号明細書から公知である。このばあい圧
力弁用の支承体として圧力弁の後方で弁支持体内
に差し嵌められたねじが用いられ、該ねじは前方
に、圧力弁を閉鎖方向で負荷する押しばねを案内
および支持するために中央の袋孔を有していてか
つねじの前方の端面は圧力弁の行程運動を制限す
るためのストツパとして用いられる。圧力弁およ
びこの圧力弁の支承体は、特に燃料ポンプによつ
て内燃機関の高圧蓄圧器およびこの高圧蓄圧器に
接続された噴射弁に圧力の過度に高い、例えば
1000バールクラスの燃料を供給しなければならな
いばあいには、燃料ポンプにおいては危険な構成
部材である。圧力弁の後端並びに支承体の前端は
それぞれスリーブ状に形成されているので、運転
中事実上圧力弁の開放行程に際して支承体および
圧力弁の比較的弱く設計された互いに向き合う環
状面だけが接触し、従つて支承体並びに圧力弁は
所望の高い燃料圧力のばあい過度の負荷にさらさ
れる。従つて、圧力弁並びにこの圧力弁の支承体
が著しい摩耗にさらされ、最悪の場合には破損せ
しめられるということを避けることはできない。
いずれにせよ公知の構造による圧力弁および支承
体によつて所望されるように燃料ポンプの長い耐
用寿命を得ることはできず、更にこのような構造
によつて高圧システムにおいて所望の安全要求を
満すことはできない。

従つて本発明の課題は、冒頭に述べた形式の燃
料ポンプを圧力弁およびこの圧力弁の支承体の範
囲で、これら構成部材の長い耐用寿命が過度に高
い燃料圧力のばあいにも保証され、更に圧力弁の
破損の危険が最小限に減少され、このばあい燃料
ポンプ自体の機能が何等かの形式で損なわれるこ
とがないように構成することにある。

この課題は本発明によれば、支承体が弁支持体
に接続されたポンプケーシング部分の底面に該ポ
ンプケーシング部分に対して半径方向に移動可能
に支えられており、更に支承体が緩衝体として構
成されており、該緩衝体が押しばねを支持するた
めの内側の底面部分と、圧力弁の行程運動を制限
するための外側の底面部分とを有していてかつ圧
力弁の後端をキヤツプ状に外側の環状つばによつ
て、規定された幅の小さな間隙が与えられるよう
に取り囲んでおり、該間隙を介して燃料が圧力弁
の袋孔と支承体の底面部分とによつて空間的に制
限された緩衝圧力室内に絞られて供給可能で、か
つ圧力弁のそれぞれの開放行程に際して圧力弁を
目的通り緩衝して同様に絞られて前記緩衝圧力室
から再び排出可能であることによつて解決され
た。

本発明の有利な実施態様は、特許請求の範囲第
２項、第３項および第４項に記載されている。

次に図示の実施例につき本発明を説明する。

図面では同じ構成部材又は互いに相応する構成
部材は明瞭にするために同じ符号を備えている。

図面では符号１で燃料ポンプを、符号２で燃料
ポンプ１の下側のポンプケーシング部分を、符号
３で燃料ポンプの上側のポンプケーシング部分を
示しており、この上側のポンプケーシング部分３
は更に下側部分４と上側部分５とから構成されて
いる。更に符号６でポンプケーシング部分２内に
差し嵌められたポンプシリンダを、符号７でポン
プシリンダ６を取り囲む吸込み室を、符号８でポ
ンプシリンダ６内で作業するポンプピストンを、
符号９でポンプ圧力室を、符号１０，１１でポン
プ圧力室９を吸込み室７と接続するそれぞれ１つ
の吸込み通路を、符号１２で圧力弁１３用の弁支
持体を示している。ポンプピストン８は図示され
てない形式でポンプ押し棒を介してカム軸のカム
と作業接触している。ポンプシリンダ６は図示さ
れてない下端で下側のポンプケーシング部分２内
に支えられていて、かつ上側の環状の端面１４で
は弁支持体１２がこの端面と協働する下側の支え
面１５によつて支えられている。更に弁支持体１
は該弁支持体１２に配置されたつば１７の外面１
６によつて下側のポンプケーシング部分２の内孔
１８内に位置的にポンプシリンダ６に対して同軸
的に定心されている。更に内孔１８によつて上側
のポンプケーシング部分３は該ポンプケーシング
部分３の下側部分４に突出するように配置された
案内つば１９によつて位置的に弁支持体１２に対
して同軸的に定心されており、かつ弁支持体の上
側の環状の端面２０ではポンプケーシング部分３
がこの端面と協働する環状面２１によつて支えら
れている。

３つのポンプケーシング部分２，４，５はねじ
によつて互いに結合されており、このばあいポン
プケーシング部分の前記ねじ結合によつて同時に
ポンプシリンダ６および弁支持体１２もポンプケ
ーシング内で固定的に締付け固定される。

詳細および配置形式を第２図で申し分なく明ら
かにされた圧力弁１３はポンプ内部の燃料進路内
に接続されていてかつフライス加工部又は縦溝と
しての少なくとも１つの外側の燃料流過部２３を
備えた円筒状の案内シヤフト２２と、後方に向け
て開かれた袋孔２４と、前方で閉鎖円錐体２５と
を有している。圧力弁１３は弁支持体１２の孔２
６内に案内されており、この孔２６の、ポンプ圧
力室９から分岐した直径の小な供給孔２７への移
行部は円錐形の弁座２８として形成されている。
前記弁座２８には圧力弁１３が閉鎖方向に作用す
る押しばね２９によつて圧着されている。押しば
ね２９は圧力弁の袋孔２４内に案内されていてか
つ一端で袋孔２４の底部に、他端で支承体３０に
支えられており、該支承体３０は燃料捕集室３１
によつて取り囲まれている。前記燃料捕集室３１
は弁支持体１２の上面並びにポンプケーシング部
分３の下側部分４の下面を互いに相応して成形す
ることによつて形成されている。

支承体３０は本発明によれば弁支持体に接続さ
れるポンプケーシング部分３の下側部分４の底面
３２に該下側部分４に対して半径方向に移動可能
に支えられている。更に本発明によれば支承体３
０は緩衝体として構成されており、該支承体３０
は押しばね２９を支えるための内側の底面部分３
３と圧力弁１３の行程運動を制限するための外側
の底面部分３４とを有していてしかも圧力弁の後
端をキヤツプ状に外側の環状のつば３５によつて
取り囲んで、つまり前記つば３５は本発明によれ
ば規定された幅の小さな間隙３６が得られるよう
に取り囲んでいる。前記間隙３６を介して燃料は
圧力弁１３の袋孔２４と支承体３０の底面部分３
３とによつて空間的に制限された緩衝圧力室３７
内に絞られて供給可能で、かつ圧力弁１３のそれ
ぞれの開放行程に際して圧力弁を目的通り緩衝し
て絞られて再び前記緩衝圧力室３７から排出可能
である。

押しばね２９を支える内側の底面部分３３は支
承体３０の軸方向の突起３８に配置されており、
この突起３８は圧力弁１３内の袋孔２４よりも小
さな直径を有しかつ前記袋孔内に突入している。
圧力弁１３の支承体側の端部には横溝３９が配置
されており、該横溝は緩衝圧力室３７内へのもし
くは緩衝圧力室３７からの支障のない燃料の流入
および流出を保証する。

ポンプケーシング部分３は高圧緩衝蓄圧室４０
を有しており、該高圧緩衝蓄圧室４０は燃料ポン
プ１の統合された構成部分を成ししかも入口側で
燃料捕集室３１に、支承体３０の外部で燃料捕集
室３１から分岐した多数の流過通路４１を介して
かつ出口側で燃料導管４３に直径の小さな絞り孔
４２を介して接続されており、該燃料導管４３
は、図面で概略的にのみ図示されているように、
内燃機関の高圧蓄圧器４４に該高圧蓄圧器４４に
接続された噴射弁４５に燃料を供給するために案
内されてい。このばあい高圧緩衝蓄圧室４０は有
利には、ポンプピストンの吐出行程の際に生ずる
燃料の圧力ピークを、この圧力ピークが燃料導管
４３において不都合な作用を生ぜしめなくなるま
で、減少させるのに用いられる。

第１図および第２図で図示された支承体３０の
実施例に対して選択的に第３図で図示された変化
実施例によれば支承体３０は附加的に中央の貫通
絞り孔４６を有しており、該貫通絞り孔４６は間
隙３６を介して行なわれる絞られた緩衝圧力室の
燃料後充填もしくは燃料放出を助け、更に直径の
点で前記目的に相応して間隙３６の大きさに適合
されていてかつ相応して配置された通路４７を介
して高圧緩衝蓄圧室４０に連通している。

以下に支承体３０と関連して圧力弁１３の機能
を詳述する。圧力弁１３が閉鎖位置を占めかつ緩
衝圧力室３７が燃料を充填されているということ
を出発点とする。ポンプピストン８の吐出行程の
ばあいポンプ圧力室９内で所定の圧力レベルに達
した後で圧力弁１３が開かれ、このばあい圧力弁
の開放運動に際して緩衝圧力室３７内に存在する
燃料が緩衝圧力室３７から間隙３６を介して絞ら
れて燃料捕集室３１内に（第３図で図示された変
化実施例では附加的に貫通絞り孔４６と通路４７
とを介して絞られて高圧緩衝蓄圧室４０内に）押
し出されるので、圧力弁の開放行程運動時の圧力
弁の目的通りの緩衝および支承体側の底面部分３
４に対する圧力弁１３のソフトな当接が保証され
る。このばあい燃料は圧力弁側で今や自由にされ
た燃料進路においてポンプ圧力室９から供給孔２
７と燃料捕集室３１と流過通路４１とを介して、
過度に高い圧力ピークを減少させる高圧緩衝蓄圧
室４０に達して、この高圧緩衝蓄圧室４０から絞
り孔４２と燃料導管４３とを介して高圧蓄圧器４
４に達する。

吐出行程を終了した後でおよび吐出行程に次い
で行なわれるポンプピストン８の吸込み行程中圧
力弁１３は閉鎖方向で作用する押しばね２９の押
圧作用によつて再び閉鎖位置に戻される。押しば
ね２９の押圧力は緩衝圧力室３７内に存在する燃
料の、開放方向で作用する緩衝作用に基づいて、
ポンプ圧力室９における圧力低下に際して閉鎖位
置への圧力弁の戻りが保証されるような大きさに
のみ選ばれているに過ぎない。このことは、圧力
弁１３の閉鎖円錐体２５が比較的ソフトに弁座２
８に当接することを保証する。閉鎖方向で作用す
る本来の押圧力は圧力弁１３の閉鎖後初めて、外
部から高圧でしかしながら絞られて間隙３６をし
くは絞り孔４６を通つて緩衝圧力室３７内に進入
する燃料によつて遅れて作用する。

従つて簡単な部材によつて燃料圧力が極めて高
いばあいでも圧力弁の長い耐用寿命が保証されか
つ圧力弁の破損の危険が事実上回避される。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すものであつて、第
１図は支承体を有する燃料ポンプの本発明の主要
構成部分の断面図、第２図は圧力弁範囲の第１図
の拡大断面図、第３図は圧力弁および支承体の範
囲の別の実施例の断面図である。 １…燃料ポンプ、２，３…ポンプケーシング部
分、４…下側部分、５…上側部分、６…ポンプシ
リンダ、７…吸込み室、８…ポンプピストン、９
…ポンプ圧力室、１０，１１…吸込み通路、１２
…弁支持体、１３…圧力弁、１４，２０…端面、
１５…支え面、１６…外面、１７，３５…つば、
１８…内孔、１９…案内つば、２１…ねじ、２２
…案内シヤフト、２３…燃料流過部、２４…袋
孔、２５…閉鎖円錐体、２６…孔、２７…供給
孔、２８…弁座、２９…押しばね、３０…支承
体、３１…燃料捕集室、３２…底面、３４，３５
…底面部分、３６…間隙、３７…緩衝圧力室、３
８…突起、３９…横溝、４０…高圧緩衝蓄圧室、
４１…圧力通路、４２…絞り孔、４３…燃料導
管、４４…高圧蓄圧器、４５…噴射孔、４６…貫
通絞り孔、４７…通路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 噴射弁に燃料を供給するために燃料を内燃機
   関の高圧蓄圧器内に搬送する燃料ポンプであつ
   て、ポンプケーシングとポンプピストンおよびポ
   ンプ圧力室を取り囲むポンプシリンダとを有して
   おり、該ポンプシリンダに燃料進路内に接続され
   た圧力弁を有する弁支持体が接続されており、該
   圧力弁が少なくとも１つの外側の燃料流過部を備
   えた円筒状の案内シヤフトと、後方に向つて開か
   れた袋孔と、前方に閉鎖円錐体とを有していてか
   つ弁支持体の孔内に案内されており、この孔の、
   ポンプ圧力室から分岐した直径の小さな供給孔へ
   の移行部が円錐形の弁座として形成されており、
   該弁座に対して圧力弁が閉鎖方向に作用する押し
   ばねによつて圧着されており、該押しばねが前記
   袋孔内に案内されていて、一端で袋孔の底部にか
   つ他端で支承体に支えられており、該支承体が、
   少なくとも１つの燃料流過通路が分岐している燃
   料捕集室によつて取り囲まれている形式のものに
   おいて、前記支承体３０が弁支持体１２に接続さ
   れたポンプケーシング部分４の底面３２に、該ポ
   ンプケーシング部分４に対して半径方向に移動可
   能に支えられており、更に前記支承体３０が緩衝
   体として構成されており、該緩衝体が押しばねを
   支持するための内側の底面部分３３と、圧力弁１
   ３の行程運動を制限するための外側の底面部分３
   ４とを有していてかつ圧力弁１３の後端をキヤツ
   プ状に外側の環状のつば３５によつて、規定され
   た幅の小さな間隙３６が与えられるように取り囲
   んでおり、該間隙３６を介して燃料が圧力弁１３
   の袋孔２４と支承体３０の底面部分３３とによつ
   て空間的に制限された緩衝圧力室３７内に絞られ
   て供給可能で、かつ圧力弁１３のそれぞれの開放
   行程に際して圧力弁１３を目的通り緩衝して同様
   に絞られて前記緩衝圧力室３７から再び排出可能
   であることを特徴とする燃料ポンプ。 ２ 押しばね２９を支持する内側の底面部分３３
   が支承体３０の軸方向の突起３８に配置されてお
   り、該突起３８が圧力弁１３の袋孔２４よりも小
   さな直径を有していてかつ該袋孔２４内に突入し
   ている特許請求の範囲第１項記載の燃料ポンプ。 ３ 圧力弁１３の支承体側の端部に横溝３９が配
   置されている特許請求の範囲第１項記載の燃料ポ
   ンプ。 ４ 支承体３０内に中央の貫通絞り孔４６が設け
   られており、該貫通絞り孔４６が緩衝圧力室３７
   の絞られた燃料後充填もしくは燃料放出を助けか
   つ間隙３６と協働しかつ直径の点で間隙３６の大
   きさに適合されていてかつポンプケーシング部分
   ３，４，５内に統合された高圧緩衝蓄圧室４０に
   連通しており、該高圧緩衝蓄圧室４０に流過通路
   ４１を介して燃料捕集室３１が接続されている特
   許請求の範囲第１項乃至第３項のいずれか１つ記
   載の燃料ポンプ。