JPH04116670U - ４弁エンジンの吸気通路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 着火性を低下させることなく最小限の燃料で
の運転を可能にする。 【構成】 分岐管７ａ，７ｂ内を隔壁２１によって二分
し、隔壁２１に仕切られた点火プラグ１０側に燃料を提
供するインジェクタ２２を設け、燃料の濃い場所が点火
プラグ１０の近くなる状態に混合気を層状化し、着火性
を悪化させることなく最小限の燃料での運転を可能にす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は４弁エンジンの吸気通路に関する。

【０００２】

【従来の技術】

吸気弁や排気弁を大型化することなくエンジンの燃焼室の吸，排気通路面積を 大きくするため、一つの燃焼室に二つの吸気ポートと二つの排気ポートをそれぞ れ設けた４弁エンジンが用いられるようになってきている。この４弁エンジンで は、二つの吸気ポートからそれぞれ吸気通路を介して混合気が燃焼室に流入する ようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

近年、理論空燃比よりも少ない量の燃料の混合気によってエンジンを運転し、 振動低減化と低燃費化が図られるようになってきている。二つの吸気ポートを備 えた４弁エンジンでは、点火プラグが二つの吸気ポートの中間に位置するため、 少ない量の燃料で運転を行なうと着火性が悪くなる虞があり、少ない量の燃料で の運転が行ないにくいものであった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するための本考案の構成は、二つの吸気通路と二つの排気通路 が燃焼室に連通し、各通路と燃焼室の連通部に弁がそれぞれ備えられた４弁エン ジンにおいて、吸気通路内を燃焼室の着火手段側と反着火手段側とに流体の流れ 方向に沿って二分する隔壁を設け、隔壁で仕切られた吸気通路内の着火手段側に 燃料を供給する燃料供給手段を設けたことを特徴とする。

【０００５】

【作用】

吸気通路内は隔壁によって着火手段側と反着火手段側とに仕切られ、着火手段 側に燃料を供給することにより燃料を層状化させ、着火手段には燃料の濃い層の 混合気を供給し、着火性を悪化させることなく燃焼室全体では最小限の量の燃料 の混合気を送る。

【０００６】

【実施例】

図１には本考案の一実施例に係る吸気通路を備えた４弁エンジンの平面。図２ にはその一部破断側面、図３には図２中のＩＩＩ−ＩＩＩ線矢視を示してある。

【０００７】 シリンダ１を有するシリンダブロック２にはシリンダヘッド３が取付けられ、 シリンダヘッド３には燃焼室４に連通する吸気ポート５と排気ポート６がそれぞ れ二個設けられている。シリンダヘッド３には吸気管７が支持され、吸気管７は 二本の吸気通路としての分岐管７ａ，７ｂに分岐して分岐管７ａ，７ｂはそれぞ れ吸気ポート５に連通している。また、シリンダヘッド３には排気管８が支持さ れ、排気管８は二本の排気管８ａ，８ｂに分岐してそれぞれ排気ポート６に連通 している。シリンダヘッド３には吸気ポート５を開閉する吸気弁１１（図２参照 ）と排気ポート６を開閉する排気弁（図示省略）が設けられている。シリンダ１ の中心には着火手段としての点火プラグ１０が設けられ、点火プラグ１０は分岐 管７ａ，７ｂの中間に位置するようになっている。

【０００８】 分岐管７ａ，７ｂ内には先端が吸気ポート５に至る隔壁２１が設けられ、隔壁 ２１によって、分岐管７ａ，７ｂ内は点火プラグ側（中央側）と反点火プラグ側 （外側）とに混合気の流れ方向に沿って二分されるようになっている。分岐管７ ａ，７ｂの基端部における吸気管７には燃料供給手段としてのインジェクタ２２ が取付けられ、インジェクタ２２は分岐管７ａ，７ｂの隔壁２１で仕切られた中 央側に燃料を送るようになっている（図３参照）。

【０００９】 上記実施例では分岐管７ａ，７ｂに隔壁２１を設けたが、図４及び図４中のＶ −Ｖ線矢視を表わす図５に示すように、分岐管７ａだけを隔壁２１で中央側と外 側とに二分し、分岐管７ａにインジェクタ２２を取付けるようにしても良い。

【００１０】 上記構成によると、吸気はインジェクタ２２で噴射された燃料と混合されて吸 気ポート５から燃焼室４内に流入する。混合気は燃焼室４内で圧縮・膨張（爆発 ）された後、排気ポート６から排気管８に排出される。

【００１１】 分岐管７ａ，７ｂの隔壁２１で仕切られた外側には空気だけが送られ、燃料は 、分岐管７ａ，７ｂの隔壁２１で仕切られた中央側にのみ送られるので、燃料と 空気が層状化され、点火プラグ１０には燃料の濃い層の混合気が供給される。こ のため、燃焼室４全体には燃料の少ない混合気が送られ、点火プラグ１０には着 火に十分な量の燃料が送られる。

【００１２】 従って、燃料の濃い場所を点火プラグ１０の近くに作ることができるので、着 火性を悪化させることなく理論空燃比よりも少ない量の燃料の混合気によってエ ンジンを運転することができる。

【００１３】 尚、上述した吸気ポート５は、混合気がシリンダ１の軸方向に旋回するタンブ ルポートが適用される。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の４弁エンジンの吸気通路は、通路内を隔壁によって流体の流れ方向に 沿って二分し、隔壁に仕切られた着火手段側に燃料を供給する燃料供給手段を設 けたので、燃料の濃い場所が着火手段の近くになる状態に混合気が層状化され、 着火性を悪化させることなく理論空燃比よりも少ない量の燃料の混合気によって エンジンを運転することができる。この結果、燃焼を悪化させることなく振動低 減と低燃費化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る吸気通路を備えた４弁
エンジンの平面図。

【図２】図１の一部破断側面図。

【図３】図２中のＩＩＩ−ＩＩＩ線矢視図。

【図４】他実施例に係る吸気通路を備えた４弁エンジン
の平面図。

【図５】図４中のＶ−Ｖ線矢視図。

【符号の説明】

４ 燃焼室 ５ 吸気ポート ６ 排気ポート ７ 吸気管 ７ａ，７ｂ 分岐管 １０ 点火プラグ ２１ 隔壁 ２２ インジェクタ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 二つの吸気通路と二つの排気通路が燃焼
   室に連通し、各通路と燃焼室の連通部に弁がそれぞれ備
   えられた４弁エンジンにおいて、吸気通路内を燃焼室の
   着火手段側と反着火手段側とに流体の流れ方向に沿って
   二分する隔壁を設け、隔壁で仕切られた吸気通路内の着
   火手段側に燃料を供給する燃料供給手段を設けたことを
   特徴とする４弁エンジンの吸気通路。