JPH04116497U - 音声変換素子用コイル - Google Patents

音声変換素子用コイル

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JPH04116497U
JPH04116497U JP1931191U JP1931191U JPH04116497U JP H04116497 U JPH04116497 U JP H04116497U JP 1931191 U JP1931191 U JP 1931191U JP 1931191 U JP1931191 U JP 1931191U JP H04116497 U JPH04116497 U JP H04116497U
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JP
Japan
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weight
coil
wire
strength
copper alloy
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Pending
Application number
JP1931191U
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English (en)
Inventor
佐次郎 清水
一正 江口
兼造 井手
憲治 上農
喜八 大西
Original Assignee
タツタ電線株式会社
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐振性を向上させて、断線をなくす。 【構成】 下記高力高導電性銅合金細線2a外周に融着
性絶縁2cを施して絶縁電線2とし、この絶縁電線2を
互いに密接巻回してコイル状とし、このコイルを融着し
て一体固化する。 記 Cr:0.25〜10重量%を含み、Sn、Zr、Mg、
Mn、Zn、Al、Ni、Fe、Ti、Co、Cd、
V、Ag、In、Te、Y、Siの何れか1種又は2種
以上を、それぞれ 0.001〜0.5重量%、0.001 〜0.2
重量%、0.001〜0.05重量%、又は0.001〜0.01重量%
で、かつ合計 0.001〜3.0重量%含み、残部がCuと
P含有量を100ppm以下に制限した不可避的不純物
の合金からなる、加工方向に伸長し、かつ分散したCr
粒子を持つ高力高導電性銅合金細線。この銅合金細線2
aは繰り返し屈曲強度に優れ、絶縁被覆の融着性による
コイル内の各電線は相互に確実・強固に接着して一体化
する。このため、このコイルは耐振性が高く断線しにく
い。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、スピーカ、マイクロホーン等に使用される音声変換素子用コイルに 関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
例えば、動電型発音体用コイルであるボイスコイルは、図1を参照して説明す ると、振動板1裏面に巻回して取付けられ、そのコイルPのリード線2’が、振 動板1表面に這って導出されたものであり、振動板1に付与された音声振動を電 気信号に、又は逆に外部からの電気信号を振動板1の音声振動に変換する。
【0003】 このボイスコイルPは、例えば電話器の着信報知スピーカ用に使用されるもの にあっては、実使用における最も過酷な状態とされる、900Hz、振幅:0.5 mmの耐振試験が行われる。この耐振試験において、従来のボイスコイルPは、純 銅に近い細線からなり、15時間程度で、巻回層内又はリード線2’において断 線が生じていた。この断線状況を観察すると、巻回層ではあまり断線が生じず、 断線の多くはリード線2’における疲労断線であった。因みに、スピーカ、マイ クロホーンの故障の多くはボイスコイルの断線である。
【0004】 本考案は、上記現状下において、スピーカ、マイクロホーンの長寿命化が望ま れている点に鑑み、上記断線をなくすことを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本考案にあっては、前述の周知の動電型発音体等 の音声変換素子用コイルにおいて、その絶縁電線の導体を、下記(A)又は(B )の高力高導電性銅合金細線とするとともに、絶縁被覆を融着性としたのである 。
【0006】 (A) Cr:0.25〜10重量%を含み、残部がCuとP含有量を100pp m以下に制限した不可避的不純物からなり、前記Crの粒子が加工方向に伸長し て分散しており、かつ伸線加工と焼鈍が加えられた高力高導電性銅合金細線。
【0007】 (B) Cr:0.25〜10重量%を含み、更にSn 0.001〜0.5重量%、Z r 0.001〜0.5重量%、Mg 0.001〜0.5重量%、Mn 0.001〜0.5重量 %、Zn 0.001〜2.0重量%、Al 0.001〜0.5重量%、Ni 0.001〜0. 5重量%、Fe 0.001〜0.5重量%、Ti 0.001〜0.2重量%、Co 0.00 1〜0.5重量%、Cd 0.001〜0.5重量%、V 0.001〜0.5重量%、Ag 0 .001〜0.05重量%、In 0.001〜0.2重量%、Te 0.001〜0.2重量% 、Y 0.001〜0.05重量%、Si 0.001〜0.01重量%の範囲内で、何れか 1種又は2種以上を合計 0.001〜3.0重量%含み、残部がCuとP含有量を1 00ppm以下に制限した不可避的不純物の合金からなる、加工方向に伸長した Cr粒子を持つ高力高導電性銅合金細線。
【0008】 上記加工方向とは、鋳造方向、伸線方向をいい、一方向凝固鋳造(OCC)す ることにより、Cr粒子は加工方向に伸長し、かつ分散する。この分散密度は、 102 〜106 本/mm2 (単位断面積当たりのCr粒子数)程度とするとよい。 なお、半田付け性を高め、又は/及び絶縁被覆形成時のガスが導体に悪影響を及 ぼすのを避け、且つ接触抵抗を低減させるため、Sn、Sn−Pb合金、Ag又 はAg合金を被覆するとよい。ただし、これ等の問題がない場合はこれ等金属又 は合金の被覆は必要としない。焼鈍はN2 雰囲気中で行うのがよく、P含有量は 好ましくは10ppm以下とする。
【0009】 上記組成(B)の高力高導電性銅合金細線にあっても、Cr粒子が分離し、か つ伸線加工と焼鈍が加えられたものとすることができ、また、上記絶縁被覆には 、ポリウレタンを主体とする組成物でアンダーコートを施し、その上に、ポリア ミド系、ポリビニルブチラール系、エポキシ系及びポリエステル系の自己融着性 樹脂混和物のいずれか1つを施こしたものとすることができる。
【0010】
【作用】
このように構成する本考案は、高力高導電性銅合金細線が上記の各組成からな り、この細線は、特開平2−304803号公報及び特開平2−304804号 公報に記載のごとく、繰り返し屈曲強度に優れたものであり、かつ、絶縁被覆の 融着性により、コイル内の各電線は相互に確実・強固に接着して一体化している 。このため、過酷な振動状態においても容易に断線することがない。
【0011】
【実施例】
まず、図2に示すように、40μmφの前記(B)の組成の高力高導電性銅合 金細線2aにポリウレタンを主体とする組成物でアンダーコート2bを施し、そ の上に、ポリビニルブチラールを主体とする自己融着性樹脂混和物の絶縁被覆2 cを施して絶縁電線2とし、この絶縁電線2を所要の大きさ・巻数に巻回した後 、端末リード線2’を導出して加熱し、そのコイル状絶縁電線2相互を、絶縁被 覆2cの自己熱融着性により融着一体化してコイルPとする。この融着は、従来 周知の雰囲気加熱、熱風加熱、通電加熱及び溶剤等による。なお、ポリウレタン のアンダーコート2bは機械的強度を高めるためであり、絶縁被覆2cに架橋( キュアー)タイプのものを使用すると、その絶縁被覆2cに要求される機械的強 度によっては省略することができる。
【0012】 つぎに、図1に示すように、そのコイルPを、振動板1裏面中心に接着固定し 、その端末リード線2’を、振動板1表面に這わせて樹脂aで固定し、外周縁外 側で外部リード線と接続できるようにする。このリード線2’は、振動板1を突 き抜けて導出する、巻回層から直接に導出する等の種々の周知の導出手段を採用 し得る。
【0013】 以上の構成の実施例を10個製作し、それぞれに対し、前述の900Hz、振 幅:0.5mmの耐振試験を行ったところ、いずれのものも500時間経過しても断 線が生じなかった。
【0014】 また、細線2aが前記組成(A)のものにおいてもほぼ同様な効果を得ること ができ、組成(B)において、Cr粒子が分散し、かつ伸線加工と焼鈍が加えら れたものにあっては、より効果が向上した。さらに、前記各実施例において、絶 縁被覆2cを、ポリビニルブチラール系に代えて、ポリアミド系、エポキシ系又 はポリエステル系の自己融着性樹脂混和物により形成して、上記耐振試験を行っ たところ、いずれのものも、上記と同様な結果を得た。
【0015】 なお、実施例は、電話器の着信報知スピーカ用のため、細線2aの径を40μ mとしたが、その径は、使用機器によって適宜に選定し得ることは勿論であり、 絶縁被覆2cにおいても、同様に前記以外のものを採用し得る。
【0016】
【考案の効果】
本考案は、以上のように構成して、耐振性を向上させたので、長寿命のものと なる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る音声変換素子用コイルの一実施例
の断面図
【図2】実施例の絶縁電線の断面図
【符号の説明】
1 振動板 2 絶縁電線 2’リード線 2a 高力高導電性銅合金細線 2b アンダーコート 2c 絶縁被覆 P 音声変換素子用コイル(ボイスコイル)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 上農 憲治 東大阪市岩田町2丁目3番1号 タツタ電 線株式会社内 (72)考案者 大西 喜八 東大阪市岩田町2丁目3番1号 タツタ電 線株式会社内

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記高力高導電性銅合金細線外周に融着
    性絶縁を施した絶縁電線を互いに密接巻回してコイル状
    とし、このコイルを融着して一体固化してなることを特
    徴とする音声変換素子用コイル。記Cr:0.25〜10
    重量%を含み、残部がCuとP含有量を100ppm以
    下に制限した不可避的不純物からなり、前記Crの粒子
    が加工方向に伸長して分散しており、かつ伸線加工と焼
    鈍が加えられた高力高導電性銅合金細線。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の音声変換素子用コイルに
    おいて、上記高力高導電性銅合金細線を、上記組成に代
    えて下記の組成としたことを特徴とする音声変換素子用
    コイル。記Cr:0.25〜10重量%を含み、更にSn
    0.001〜0.5重量%、Zr 0.001〜0.5重量%、M
    g 0.001〜0.5重量%、Mn 0.001〜0.5重量%、
    Zn 0.001〜2.0重量%、Al 0.001〜0.5重量
    %、Ni 0.001〜0.5重量%、Fe 0.001〜0.5重
    量%、Ti 0.001〜0.2重量%、Co 0.001〜0.5
    重量%、Cd 0.001〜0.5重量%、V 0.001〜0.05
    重量%、Ag 0.001〜0.05重量%、In 0.001〜
    0.2重量%、Te 0.001〜0.2重量%、Y 0.001〜
    0.05重量%、Si 0.001〜0.01重量%の範囲内
    で、何れか1種又は2種以上を合計 0.001〜3.0重量
    %含み、残部がCuとP含有量を100ppm以下に制
    限した不可避的不純物の合金からなる、加工方向に伸長
    したCr粒子を持つ高力高導電性銅合金細線。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の音声変換素子用コイルに
    おいて、その高力高導電性銅合金細線を、Cr粒子が分
    離し、かつ伸線加工と焼鈍が加えられたものであること
    を特徴とする音声変換素子用コイル。
  4. 【請求項4】 上記絶縁電線の絶縁被覆を、ポリウレタ
    ンを主体とする組成物でアンダーコートを施し、その上
    にポリアミド系、ポリビニルブチラール系、エポキシ系
    及びポリエステル系の自己融着性樹脂混和物のいずれか
    1つを施したものとしたことを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれか1つに記載の音声変換素子用コイル。
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