JPH04115998U - 高速船の推進軸用張出軸受構造 - Google Patents
高速船の推進軸用張出軸受構造Info
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- JPH04115998U JPH04115998U JP1990491U JP1990491U JPH04115998U JP H04115998 U JPH04115998 U JP H04115998U JP 1990491 U JP1990491 U JP 1990491U JP 1990491 U JP1990491 U JP 1990491U JP H04115998 U JPH04115998 U JP H04115998U
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- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 4
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- 230000006378 damage Effects 0.000 description 2
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Landscapes
- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】推進器直前で推進軸を支持する張出軸受の頂部
付近に生じる死水域を解消し、死水域に起因するプロペ
ラ翼基部に生じるキャビテーションを改善する。 【構成】後端に推進器3 を装着した推進軸2 を推進器直
前で支持する張出軸受6において、前記軸受側部に軸受
側部前方から軸受頂部に掛けて螺旋状のフィン8を設け
たことを特徴とする高速船の推進軸用張出軸受構造であ
る。
付近に生じる死水域を解消し、死水域に起因するプロペ
ラ翼基部に生じるキャビテーションを改善する。 【構成】後端に推進器3 を装着した推進軸2 を推進器直
前で支持する張出軸受6において、前記軸受側部に軸受
側部前方から軸受頂部に掛けて螺旋状のフィン8を設け
たことを特徴とする高速船の推進軸用張出軸受構造であ
る。
Description
【0001】
この考案は高速船において、推進器のプロペラ翼基部付近に生じるキャビテー
ションの発生を防止する高速船の推進軸用張出軸受構造に関する。
【0002】
高速船における推進器は大馬力を吸収する必要上から一般に高速回転になる。
また、構造上の要請から一般に推進軸は後方斜め下向きに水中に突出して軸レー
キがあるのが普通である。
【0003】
図4は高速船の要部を示す側面図である。
【0004】
図において、1 は高速船の船体、2 は推進軸で、船体1 から後方斜め下向きに
突出し、後端にスクリュープロペラ翼4 を有する推進器3 を装着している。5 は
船底1 ′から垂設したスラットで、下端に張出軸受6 を有し、推進器3 の直前で
推進軸2 を支持する。7 は推進器3 後方に装備した舵である。
【0005】
高速船が高速航行時には、高速回転するプロペラ翼の基部にルートキャビテー
ションを生じてプロペラ翼基部が多大の損傷を受けるという問題がある。これを
改善するために張出軸受周りに複数のフィンを設け、各プロペラ翼基部に流入す
る水の流れ全般に対して推進器の回転方向と同じ向きの回転成分を予め付与する
ことが提案がなされている。(実開昭61−44395号参照)
【0006】
ところで、高速船が高速航行するに当たって推進器近傍の水流は、概ね図4中
に矢示するように船底1 ′に沿って流れるので、推進軸3 の各プロペラ翼4 は軸
レーキを大幅に上回る斜流角αの中で作動することになる。このように各プロペ
ラ翼4 が大きな斜流角αの中で作動すると、二次元的にみて推進器直前で推進軸
3 を支持する張出軸受6 の頂部から推進器3 に掛けて図中斜線で示すように流速
を遅くして水が淀み状とされる死水域A を生じる。
【0007】
現実には張出軸受6 の側部からの水の廻り込みもあるので単純なものではない
が、とにかく、この死水域A からの各プロペラ翼4 への水の流入速度が低下する
もので、これは、前記するような張出軸受周りに複数のフィンを設け、各プロペ
ラ翼基部に流入する水の流れ全般に対して推進器の回転方向と同じ向きの回転成
分を予め付与することでは解決されない。
【0008】
上記するように、推進器3 の回転速度を同じくした状態で各プロペラ翼4 への
水の流入速度が低下すると、プロペラ翼系の抑え角が増大してキャビテーション
が発生する。
【0009】
尚、プロペラ翼の半径が大きい所では、水の廻り込みがあってルート部と同じ
形のキャビテーションは発生しにくい。
【0010】
高速船の推進器3 においては、上記する死水域A に起因するキャビテーション
により短期間にプロペラ翼基部に損傷(キャビテーションエロージョン)を生じ
るので、これが最もクリティカルな問題になることがある。
【0011】
この考案は上記するような問題を改善するためになされたもので、張出軸受の
頂部で推進器との間に生じる死水域に対し、張出軸受の側部からの水の廻り込み
を助長させて死水域を改善し、キャビテーションの発生を防止するようにした高
速船の推進軸用張出軸受構造を提供することを目的とする。
【0012】
上記の目的を達成するためのこの考案の要旨とするところは、後端に推進器を
装着した推進軸を推進器直前で支持する張出軸受において、前記軸受側部に軸受
側部前方から軸受頂部に掛けて螺旋状のフィンを設けたことを特徴とする高速船
の推進軸用張出軸受構造にある。
【0013】
推進器直前で張出軸受の頂部には、張出軸受側部に設けたフィンにより張出軸
受側部から水を積極的に廻り込ませて軸受頂部における死水域を解消し、プロペ
ラ翼基部におけるキャビテーションの発生を防止する。
【0014】
図1はこの考案の要部を示す側面図、図2は後方から見た要部の正面図である
。
【0015】
図において、図4と共通部分については同一符号を付す。
【0016】
この考案においては、張出軸受6 の側部に螺旋状のフィン8 を設けたものであ
る。フィン8 は軸受側部前方から軸受頂部に掛けて設けられ、フィン8 の前端部
は水流の方向に平行にしてフィン入口で衝突が生じないようにし、これより徐々
に捻回して軸受頂部に向けて水の廻り込みが円滑に図られるようにする。
【0017】
尚、フィン8 の前端としては、張出軸受6 の外周面が最も側方に張出す軸受中
心線上からスタートさせれば充分であり、後端は完全に張出軸受6 の頂部まで達
している必要はない。また、推進器3 の直前に位置するスラット5 は、プロペラ
翼4 に対して流体力学的な影響を持っていて一種の案内羽根の役割を果たすので
、フィン8 はこのスラット5 との干渉も考えて設計面からは両者を合わせての最
適化が図られるようにする。また、フィン8 によって張出軸受6 の側部から軸受
頂部に誘導される水、つまり、プロペラ翼4 に流入直前の水に対し、推進器3 の
回転方向と同一方向に予旋回を与えると翼素に働く仰え角が後述の如く減少して
キャビテーション問題が更に改善することができるので、フィン8 は上記する予
旋回も得られるように張出軸受6 片側に設ける。しかし、軸受頂部における死水
域A の完全解消だけを図る目的からすれば張出軸受6 両側に設けてもよい。
【0018】
次に図3(a),(b)を参照してフィンによる予旋回の有効性について説明
する。
【0019】
図において、矢視方向 (上向き) を前進方向とし、推進器は左向きに回転する
ものとする。
【0020】
図3(a)はプロペラ翼基部近傍における翼素と水流の基本的な速度三角形を
示す。
【0021】
設計点において、翼素4 ′が周速uで回転している所にv1 の流入速度の水が
流入してきて相対速度w1 が発生する。
【0022】
翼素4 ′上に座標の原点を置き、翼素4 ′が静止しているとした場合に、翼素
4 ′は相対速度w1 の流速中、β1 の迎え角で機能していることになる。
【0023】
今、プロペラ翼が張出軸受6 の頂部付近の死水域を通過する時、周速uは同一
であるが流入速度v1 がv2 に減少するため、相対流速はw2 になり、仰え角が
β2 に増大する。このため、翼素4 ′の背面側の負圧が増大し、問題にしている
キャビテーションが増大し、場合によっては厳しい損傷に至る。
【0024】
これを改善するためには死水域における流入速度v2 をv1 に近づける努力を
することで、プロペラ翼4 に対する流水の流入条件を他の所と同じくすることが
できるわけであるが、流入速度をv1 までもっていくことは困難である。
【0025】
図3(b)はこの考案を適用したプロペラ翼基部近傍における翼素と水流の速
度三角形を示す。
【0026】
翼素4 ′に流入する水流に対し、フィン8 により予旋回Δuが与えられてこれ
が軸受頂部においてプロペラ翼4 に流入すると、相対流速はw2 よりも若干減少
したw3 になると共に、迎え角も流入速度v3 の回復効果以上に減少したβ3 に
なり、この結果、相乗的に死水域の改善が図られる。
【0027】
以上説明したように、この考案によれば、張出軸受側面に螺旋状のフィンを設
けるだけの比較的簡単な構造で、軸受頂部付近に生じる死水域を解消し、高速船
の推進器にとってしばしばクリティカルな問題になるプロペラ翼基部のキャビテ
ーションを積極的に改善することができる。
【図1】この考案を適用した高速船の要部を示す側面図
である。
である。
【図2】後方から見た要部の正面図である。
【図3】(a),(b)はプロペラ翼基部近傍における
翼素と水流の基本的な速度三角形を示す説明図である。
翼素と水流の基本的な速度三角形を示す説明図である。
【図4】従来の高速船の要部を示す側面図である。
1…高速船の船体
2 …推進軸
3 …推進器
4 …プロペラ翼
5 …スラット
6 …張出軸受
7 …舵
8 …フィン
Claims (1)
- 【請求項1】 後端に推進器を装着した推進軸を推進器
直前で支持する張出軸受において、前記軸受側部に軸受
側部前方から軸受頂部に掛けて螺旋状のフィンを設けた
ことを特徴とする高速船の推進軸用張出軸受構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991019904U JP2559635Y2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 高速船の推進軸用張出軸受構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991019904U JP2559635Y2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 高速船の推進軸用張出軸受構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04115998U true JPH04115998U (ja) | 1992-10-15 |
JP2559635Y2 JP2559635Y2 (ja) | 1998-01-19 |
Family
ID=31906080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991019904U Expired - Lifetime JP2559635Y2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 高速船の推進軸用張出軸受構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2559635Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101525791B1 (ko) * | 2013-05-03 | 2015-06-04 | 삼성중공업 주식회사 | 오픈 샤프트 선박의 유동제어장치 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6133794U (ja) * | 1984-07-31 | 1986-03-01 | 三井造船株式会社 | 船舶の水中雑音低減装置 |
JPH02274687A (ja) * | 1989-04-13 | 1990-11-08 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 整流用ビルジキール付き一軸船 |
-
1991
- 1991-03-29 JP JP1991019904U patent/JP2559635Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6133794U (ja) * | 1984-07-31 | 1986-03-01 | 三井造船株式会社 | 船舶の水中雑音低減装置 |
JPH02274687A (ja) * | 1989-04-13 | 1990-11-08 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 整流用ビルジキール付き一軸船 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2559635Y2 (ja) | 1998-01-19 |
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