JPH0411521Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野］ この考案は、室内はき物に関するものである。

従来の技術 従来より室内はき物といえばスリツパに限られ
ていた。しかしながら、女性の場合スリツパでは
脚の線を美しくみせることができないうらみがあ
つた。

この問題を解決する提案として、実開昭58−
41202号公報に、ハイヒール状底板芯にその下面
から周面を下面・周面表皮により緊張包被しかつ
底板芯の上面にこれの周縁部を接着し、その上か
ら中底芯を包蔵した中底表皮の下面を接着したハ
イヒール状のスリツパが開示されている。

考案が解決しようとする課題 上記提案スリツパでは、ハイヒール状底板芯と
中底芯とが別々になつているので、両芯それぞれ
を別の表皮で包まねばならず面倒であるし、接着
も下面・周面表皮の周縁部をハイヒール状底板芯
の上面に接着する工程と、ハイヒール状底板芯の
上面に中底芯を包蔵した中底表皮の下面を接着す
る２工程が必要があり非能率的であるばかりか、
立上り状の下面・周面表皮の周縁部をハイヒール
状底板芯の上面に内方に折曲げて接着するのに
は、必然的に重なり部分が幾つか生じて接着しに
くいし、また中底芯および中底表皮を介してその
重なり部分が足裏に違和感として伝わるので、履
心地を損なうという難点がある。

この考案の目的は、女性の脚線を美しくみせる
ことができ、しかも体裁がよく製作も容易な履心
地のよい室内はき物を提供することにある。

課題を解決するための手段 この考案による室内はき物は、上記の目的を達
成するために、中物芯全体が袋状表皮で包まれて
おり、中物芯は、可撓性を有する中底芯と、これ
の略後半下面に合着せられかつ前方にいくにした
がつて薄肉となされた前下り傾斜部を有するヒー
ル芯とよりなり、袋状表皮は、中底表皮と、下面
から周面を覆う下面・周面表皮とよりなり、両表
皮の境界の前方に設けられた中物芯挿入口が、両
表皮を甲被の内側において糸で縫着することによ
り塞がれているものである。

表皮の材料としては、合成皮革、軟質合成樹
脂、皮などが使用せられる。

作 用 この考案による室内はき物は、中物芯全体が袋
状表皮で包まれており、中物芯は、可撓性を有す
る中底芯と、これの略後半下面に合着せられかつ
前方にいくにしたがつて薄肉となされた前下り傾
斜部を有するヒール芯とよりなるものであるか
ら、全体として履心地のよいサンダル形態とな
る。

また中物芯全体を包んでいる袋状表皮は、中底
表皮および下面から周囲を覆う下面・周面表皮と
よりなり、両表皮の境界の前方に設けられた中物
芯挿入口が、両表皮を内側から糸で縫着すること
により塞がれているから、中物芯挿入口が塞がれ
る前は、表皮全体によりすでにはき物台全体の輪
郭ができている。

そして中物芯挿入口の両表皮を甲被の内側にお
いて縫着するものであるから、外から糸がみえな
い。

実施例 この考案の実施例を、以下図面を参照して説明
する。

実施例 １ この実施例は、第１図ないし第３図に示されて
いるもので、同図の室内はき物は、中底芯２１全
体が袋状表皮２２で包まれており、中物芯２１が
可撓性を有する中底芯２３と、これの略後半下面
に合着せられかつ前方にいくにしたがつて薄肉と
なされた前下り傾斜部を有するヒール芯２４とよ
りなる。中底芯２３は、フエルト２３ａの上面全
体にスポンジ２３ｂが合着せられたものであり、
ヒール芯２４はコルク製である。

また袋状表皮２２は中底表皮２５および下面・
周面表皮２６よりなり、ともに軟質合成樹脂（塩
化ビニル）製である。中底表皮２５と下面・周面
表皮２６との境界の前方に設けられた中物芯挿入
口２８は、両表皮２５，２６を軟質合成樹脂製甲
板３１の内側において細い糸２９で縫着すること
により塞がれている。甲被３１の下縁は中底表皮
２５の周縁の一部にミシン縫いされ、中底表皮２
５は下面・周面表皮２６と、甲被３１で隠された
部分に中物芯挿入口２８が形成せられるようにミ
シン縫いされている。そして、挿入口２８より中
物芯２１をはき物台の輪郭を有する袋状表皮２２
内に挿入するさいは、第３図に示されているよう
に、甲被３１を裏向けながら表皮２６の下面側に
反転させて挿入口２８を露出させ、中物芯２１を
その後側より挿入口２８内に挿入させる。そして
挿入口２８を塞いでから、甲被３１を表向けなが
ら中底表皮２５側の正常状態に戻すのである。

下面・周面表皮２６の接地面には、前後方向に
のびた所要形状のバツクスキン製滑り止め３２が
接着せられている。

実施例 ２ この実施例は、第４図に示されているもので、
袋状表皮４２が、中底表皮４５と、これに縫着せ
られている下面・周面表皮４６がヒール芯の側面
を覆う片４６ａと中物芯の下面全体を覆う片４６
ｂの２つの片に分かれており、前者の片４６ａは
中底表皮４５と同材料が用いられているのに対
し、後者の片４６ｂには多数のいぼ状突起を有す
る材料が用いられている点、実施例１と異なる。
もちろん、両片４６ａ，４６ｂは中底表皮４５と
縫着する前に、あらかじめ下面・周面表皮４６と
なるように縫着されている。その他、ヒール芯
（図示略）の上面が大半水平平坦状であり、前下
り傾斜部が一部に形成せられている外、実施例２
は実質的に実施例１と同じであり、これと同一部
分には同一符号を付した。

考案の効果 この考案による室内はき物は、ヒール芯の存在
により、これをはいた場合、背が高くみえかつ女
性の場合その脚線が美しくみえる。そして、ヒー
ル芯の上には可撓性を有する中底芯が存在するの
で履心地がよい。

また中物芯挿入口が塞がれる前は、表皮全体に
よりすでにはき物台全体の輪郭が袋状にできてい
るので、その挿入口より内部にあらかじめ合着せ
られた中底芯とヒール芯とよりなる中物芯を簡単
に収めることができる。

さらに中物芯挿入口の両表皮が甲被の内側にお
いて縫着せられており、外から糸がみえないか
ら、室内はき物として体裁がよい。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの考案の実施例１を示
すもので、第１図は甲被の一部を切欠いた斜視
図、第２図は甲被を表皮下面側に反転した状態を
示す斜視図、第３図は中物芯をはき物台の輪郭を
なした表皮内に挿入する途上でかつ甲被が第２図
同様反転状態の側面図である。第４図はこの考案
の実施例２を示す甲被の一部を切欠いた斜視図で
ある。 ２１……中物芯、２２，４２……袋状表皮、２
３……中底芯、２４……ヒール芯、２５，４５…
…中底表皮、２６，４６……下面・周面表皮、２
９……糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中物芯２１全体が袋状表皮２２，４２で包まれ
   ており、中物芯２１は、可撓性を有する中底芯２
   ３と、これの略後半下面に合着せられかつ前方に
   いくにしたがつて薄肉となされた前下り傾斜部を
   有するヒール芯２４とよりなり、袋状表皮２２，
   ４２は、中底表皮２５，４５と、下面から周面を
   覆う下面・周面表皮２６，４６とよりなり、両表
   皮２５，４５，２６，４６の境界の前方に設けら
   れた中物芯挿入口２８が、両表皮２４，４５，２
   ６，４６を甲被３１の内側において糸２９で縫着
   することにより塞がれている室内はき物。