JPH04115170U - 液体塗布容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポンプを内蔵し、一定量の液を必要なときに
塗布具に供給させ、液の変質と含み過ぎを除した液体塗
布容器を得る。 【構成】 直筒状の胴部４に液密にかつスライド可能に
中蓋７を内嵌した容器体１の口頸部５先端の筒状口部６
に、通水性の高い棒状の塗布具３をスライド可能に挿通
し、この塗布具３の背後である容器体１内上部に、上部
に容器体１内に開通する吸込み孔８を開けたシリンダー
９、このシリンダー９に内装され常時復帰ばね11で上方
限まで押上げられ、この上限位置で吸込み孔８上方のシ
リンダー９に内接する弾性吐出弁10を一体に付設したピ
ストン12を持つポンプ２を内蔵し、塗布時、塗布具３が
押込まれたときピストン12を介しポンプ２を作動させて
一定量の液を塗布具３に供給させる構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えばアイシャドーや眉墨等の化粧液を塗布する場合に用いる液体 塗布容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種塗布容器はよく知られているように、全体の外形をペン形とし、胴部を 化粧液収納部とし、この胴部に連通した先端口部に化粧液を吸収して流出できる 棒状の塗布具を取付け、この塗布具でアイシャドーや眉などを画くものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前述した従来のものは、塗布具が常時液収納部に連通しているいわゆる万年単 形の機能のもの、つまり使用量分の化粧液を空気と置換させる方式のものなので 化粧液は常時外気と接触することとなり、変質するおそれがある。また塗布具は 常時化粧液に浸漬した状態であることから化粧液を含み過ぎ、化粧液が塗布部に 過剰に塗布され即乾性を損ねている。

【０００４】 本考案はポンプを内蔵し、一定量の液を必要なときに塗布具に供給させ、液の 変質と含み過ぎを除した液体塗布容器を得るにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の液体塗布容器は、直筒状の胴部４上端から縮径して立設した口頸部５ 先端に小径の筒状口部６を形成し、また胴部４に液密にかつスライド可能に中蓋 ７を内嵌した容器体１と、この容器体１内上部に内設固定され、上部に容器体１ 内に通じる吸込み孔８を開孔したシリンダー９を有し、このシリンダー９に、周 縁の弾性周壁を吐出弁10として常時復帰ばね11により吐出弁10が吸込み孔８上方 に位置する上方限まで押上げ付勢されるピストン12を摺動可能に内嵌したポンプ ２と、通水性を有する棒状体であって、前記筒状口部６にスライド可能に挿通さ れ、塗布時押込まれると前記ピストン12を復帰ばね11に抗し押込んでポンプ２を 作動させ一定量の液が供給される塗布具３とで構成している。

【０００６】

【作用】

上記において、常時は化粧液等の液は容器体１から吸込み孔８を通しポンプ２ のシリンダー９内まで詰った密封状態にある。

【０００７】 ここで、塗布に当り塗布具３先端を所要の塗布部に押当てると、この塗布具３ は内方に押込まれ、これにより復帰ばね11に抗しピストン12を押下げるのでシリ ンダー９内の液を加圧し、加圧液が適当な液圧に達すると吐出弁10を押し開くの で加圧液は塗布具３に供給される。塗布具３は通水性がよいので、液はこの塗布 具３から塗布部に塗布される。

【０００８】 塗布が終り、塗布具３を塗布部から離すと、吐出弁10が閉弁し、ピストン12従 って塗布具３が復帰ばね11で上方に押上げられシリンダー９内が負圧化する。こ の負圧状態は吐出弁10が吸込み孔８に達するまでつづき、吐出弁10が吸込み孔８ を通過するとシリンダー９内が吸込み孔８を通し容器体１内に開通するので、容 器体１内の液は吸込み孔８を通しシリンダー９内に吸込まれる。

【０００９】 この液吸込みで容器体１内が負圧化しようとするが、中蓋７が上方にスライド するので負圧化が防止される。即ち、シリンダー９内、容器体１内の液は外気と 接触せず、また液は塗布時にのみ一定量が塗布具３に供給される。

【００１０】

【実施例】

以下図面を参照して実施例を説明するに、本考案の液体塗布容器は容器体１、 ポンプ２及び塗布具３の主要部で構成している。

【００１１】 第１の実施例（図１) 容器体１は、直筒状の胴部４上端からやや縮径した長尺の口頸部５を立設し、 この口頸部５先端に、下半部を内方に入り込ませて小径の筒状口部６を形成し、 また胴部４下端に、中央に空気孔13を開孔した底蓋14を係嵌固定し、そして内部 に液密にそれでいてスライド可能に中蓋７を内嵌している。なお、筒状口部６の 下半部内面には、周方向に複数の縦形の液導入溝15を凹設している。

【００１２】 ポンプ２は、縦形のシリンダー９と、吐出弁10付きピストン12と、復帰ばね11 とで構成している。

【００１３】 シリンダー９は、外面に係合突条を設けた上部の開口部を前記口頸部５の上部 と筒状口部６間の下向き周溝部に差込み、かつ口頸部５内面側の係合突条と係嵌 固定して口頸部５部分に吊下げ内設され、底部中心部から芯軸16を起立し、そし て上部に容器体１内に開通する吸込み孔８を開孔している。

【００１４】 ピストン12は上下スライド可能に前記シリンダー９に内装され、そして上面周 縁部から立設してシリンダー９内面に圧接する弾性周壁を吐出弁10に形成してお り、また下面周縁部から垂下筒を垂設している。このピストン12は、吐出弁10が 前記吸込み孔８上方であって筒状口部６下端に係止した図示位置が上限の常時位 置である。なお、このピストン12は、吐出弁10以外の部分はシリンダー９内面と の間に隙間を設けている。

【００１５】 復帰ばね11はコイル状のもので、ピストン12裏面とシリンダー９底壁上面間に 、上部を垂下筒に内装させ、下部を芯軸16に外嵌させて介装してある。

【００１６】 塗布具３は、腰が強くそれでいて充分通水性のある材料、例えばフェルト等で 形成した細い棒状体のものであり、ピストン12に届くまで筒状口部６に挿通され 、この状態で一部が塗布先として外部に露出している。この塗布具３はスライド 可能であるが、勝手に抜け出すことのないよう筒状口部６に取付けてある。なお 、17はキャップである。

【００１７】 この実施例で、塗布具３を塗布部に押当てると、この塗布具３は内部に押込ま れてピストン12を復帰ばね11に抗し下方に押下げるので、シリンダー９内液を加 圧し、吐出弁10を開弁して液を塗布具３に供給し、塗布を可能にする。

【００１８】 塗布が終ると吐出弁10が閉弁し、ピストン12従って塗布具３は復帰ばね11によ り原状態に戻り、このときシリンダー９内が負圧化する。この負圧はピストン12 が吸込み孔８に達するまでつづき、ピストン12が吸込み孔８を通過するとシリン ダー９内が吸込み孔８を介し容器体１内に連通するので、容器体１内液は吸込み 孔８を通しシリンダー９内に吸込まれ、同時に中蓋７が上方にスライドし、容器 体１内の負圧化を防止する。

【００１９】 即ち、シリンダー９内、容器体１内の液は外気と接触することがなく、また液 は塗布時にのみ一定量が塗布具３に供給される。そして、ポンプ２は吸込み弁を 設けることなくポンプ作用が可能なので構成が簡素化できる。

【００２０】 第２の実施例（図２) この実施例は、容器体１の胴部４と口頸部５を別部材とした例である。

【００２１】 この実施例によれば、ポンプ２は口頸部５を胴部４に取付ける前の短尺部品の 口頸部５に予かじめ取付けることができるので、ポンプ２取付けが楽である。ま た液は、胴部４に底蓋14、中蓋７を先に取付けた場合は胴部４上部から、口頸部 ５とポンプ２を胴部４に先に取付けた場合は胴部４底部からそれぞれ充填できる ので、液充填の自由度が高く便利である。

【００２２】 第３の実施例（図３) この実施例は、第２図において、塗布具３の中間部まわりである筒状口部６の 内側部に空所を設け、この空所にスポンジのような多孔質材を詰めて液溜り部18 を形成したものである。このため筒状口部６の下半部を別部材6aで形成し、かつ この別部材6aを下方に位置をずらして液溜り部18を形成している。液溜り部18に よる貯液量は、塗布具３が液を過剰に含み過ぎない程度に整定しておく。

【００２３】 この実施例によれば、塗布具３は常時適当量の液を含んでいるので、塗布時、 液注出のポンプ作用を待つことなく直ちに液が塗布でき、また溜り液はポンプ作 用による注出液量を補充するので、液注出の操作回数が少なくでき、機構部の損 耗を防ぎ長寿命化が期待できる。

【００２４】

【考案の効果】

上記した如く本考案の液体塗布容器では、筒状口部６に設ける塗布具３をスラ イド可能とし、かつこの塗布具３の背後の容器体１内上部にポンプ２を配設し、 塗布時に塗布具３が押込まれたときポンプ２を作動させて一定量の液を塗布具３ に供給させる構成としたので、容器体１内、ポンプ２内の液は外気と接触するこ とはなく、従って変質したりしない。

【００２５】 また液は塗布時にのみ、しかも整定された一定量のみ供給されるので、過剰に 供給されることはなく、塗布液の即乾性を損ねることはない。

【００２６】 しかも、ポンプ２は吸込み弁を設けずともよいのでその分部品が省略でき、構 造が簡略化する。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施例の半部縦断面図である。

【図２】第２の実施例の半部縦断面図である。

【図３】第３の実施例の半部縦断面図である。

【符号の説明】

１ 容器体 ２ ポンプ ３ 塗布具

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｄ 47/42 Ｊ 2330−3Ｅ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】直筒状の胴部４上端から縮径して立設した
   口頸部５先端に小径の筒状口部６を形成し、また胴部４
   に液密にかつスライド可能に中蓋７を内嵌した容器体１
   と、この容器体１内上部に内設固定され、上部に容器体
   １内に通じる吸込み孔８を開孔したシリンダー９を有
   し、このシリンダー９に、周縁の弾性周壁を吐出弁10と
   して常時復帰ばね11により吐出弁10が吸込み孔８上方に
   位置する上方限まで押上げ付勢されるピストン12を摺動
   可能に内嵌したポンプ２と、通水性を有する棒状体であ
   って、前記筒状口部６にスライド可能に挿通され、塗布
   時押込まれると前記ピストン12を復帰ばね11に抗し押込
   んでポンプ２を作動させ一定量の液が供給される塗布具
   ３とからなる液体塗布容器。