JPH04114675U - 販売装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 商品収納室から商品を取り出すことに伴い
商品の返却を防止するため返却防止扉により前記商品収
納室を閉塞する販売装置において、比較的構造が簡単で
容易に組み立てられ、しかも信頼性の優れた販売装置を
提供する。 【構成】 収納室が閉塞状態では、返却防止扉を押し
ても返却防止扉に軸支されたレバーストッパーのケース
の案内溝に嵌合されている軸部が案内溝の１／４円弧曲
線部の中点より上方にのみ摺動し直線部方向には摺動し
ないので、返却防止扉は回転不能で商品の返却が阻止で
きる。また、旋錠部を作動させレバーストッパーの突出
部を解除バーで押圧することによりレバーストッパーの
軸部が案内溝の１／４円弧曲線部の中点から直線部の間
で摺動するので返却防止扉は回動可能となり収納室の閉
塞状態が解除できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はホテル、旅館等の宿泊施設の部屋に設置される販売装置、特に商品収 納室（以下収納室と言う）から取り出された商品の返却を防止できる販売装置に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ホテル等の宿泊施設の部屋に設置される冷蔵庫型の販売装置には、複数の収納 室にジュース、ビール等の商品を収納し、宿泊客等が収納室から商品を取り出す と返却防止扉がこの収納室を閉塞することにより、商品を返却することができな くなり、かつ商品が取り出されたことが検知されるように構成されたものがある 。

【０００３】 たとえば、特開昭５６−１６０５７４号公報には商品の収納口にレバーを設置 し、そのレバーに連動するシリンダー機構を装着させ、下部にシリンダーガイド 兼ストッパー部を具備することにより商品の返却が防止できるような販売装置が 開示されている。すなわち、商品収納棚から商品を取り出すとレバーがその自重 によりレバーの取付蝶番を支点として下降するが、このとき、シリンダーも自重 で下降していきシリンダーがガイド兼ストッパー部のガイド部にそって押し上げ られ上昇しガイド部を外れたところで再下降し、旋錠状態を保持するようになっ ている。この際、レバーに具設された商品検知用永久磁石の磁力によってスイッ チが動作し商品の取り出しを検知している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、前述した販売装置においては、レバーにはシリンダー機構および永 久磁石を装着し、またレバーが下降する下部にはシリンダーをガイドするガイド 部およびスイッチ等も必要とするため、部品点数、工数が多く工業的原価の低減 の障害になっているとともに、複雑な構造のため組立て不良や繁雑さにつながり 、結果的に故障や商品の取出検知の誤動作をひきおこすおそれがあった。

【０００５】 本考案は、このような事情に鑑みなされたものであり比較的構造が簡単で容易 に組み立てられ、しかも信頼性の優れた販売装置を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の販売装置は、貯蔵室内を区画体にて複数の商品収納室に区画し、該商 品収納室から商品を取り出すことに伴い商品の返却を防止するため返却防止扉に より前記商品収納室を閉塞し、かつ前記各商品収納室に設置された検知体により 商品が取り出されたことを検知する販売装置において、少なくとも一方の側面に 案内溝を形設したケースと、該ケースに一端が回動可能に軸支された前記返却防 止扉と、一端が前記返却防止扉に回動可能に軸支されるとともに他端が前記案内 溝に嵌合されるレバーストッパーと、商品の取り出し時に前記レバーストッパー を商品を取り出す方向に付勢する付勢部材と、前記返却防止扉による前記商品収 納室の閉塞状態を解除する解除手段とを具備することを特徴とするものである。

【０００７】 また、前記案内溝は、１／４円弧曲線部と水平直線部とで略Ｌ字状に形設され ていることを特徴とするものである。

【０００８】 また、前記返却防止扉には、リブが形設され商品が取り出されたとき前記返却 防止扉が回転して前記リブが前記検知体に検知されることを特徴とするものであ る。

【０００９】 また、前記ケースは、前記商品収納室の天井部に着脱自在に装着されることを 特徴とするものである。

【００１０】

【作用】

本考案の販売装置は、前述したような構成としたので収納室から商品が取り出 されると返却防止扉が所定の位置まで下降し、収納室を閉塞する。この閉塞状態 では、返却防止扉を押しても返却防止扉に軸支されたレバーストッパーのケース の案内溝に嵌合されている軸部が案内溝の１／４円弧曲線部の中点より上方にの み摺動し直線部方向には摺動しないので、返却防止扉は回転不能で商品の返却が 阻止できる。同時に、返却防止扉の回転に伴い返却防止扉に形設したリブが検知 体に検知される。

【００１１】 また、旋錠部を作動させレバーストッパーの突出部を解除バーで押圧すること によりレバーストッパーの軸部が案内溝の１／４円弧曲線部の中点から直線部の 間で摺動するので返却防止扉は回動可能となり収納室の閉塞状態が解除できる。

【００１２】

【実施例】

図１乃至図６はいずれも本考案の一実施例を示し図１は返却防止扉により収納 室を閉塞した状態図、図２は販売装置の外扉を開いた概略斜視図、図３は販売装 置の概略縦断面図、図４は収納室の閉塞状態を解除する解除手段の要部斜視図、 図５は収納室の閉塞状態を解除する直前の状態図および図６はその解除後の状態 図を示している。

【００１３】 図２および図３において、（２１）は貯蔵室（２２）を冷却するのに必要な冷 媒圧縮機（２３）等にて構成する冷却装置を備える装置本体で、前面に開口する 貯蔵室（２２）を複数の棚板（２４）および仕切板（２５）にて複数の収納室（ ２６）に区画形成している。それぞれの収納室（２６）には、収納室（２６）か ら取り出された商品（２７）の返却を防止する返却防止扉（１）を具設したケー ス（８）が収納室（２６）の天井すなわち棚板（２４）に取り付けられている。 （２８）は返却防止扉（１）による収納室（２６）の閉塞状態を解除する旋錠部 である。

【００１４】 前述したように構成された販売装置は、収納室（２６）に収納されている商品 （２７）を一旦取り出すと商品（２７）を返却することができないような構造に なっている。

【００１５】 図１において、（１）は返却防止扉で回動自在に支軸（２）にてケース（８） に軸支し、商品（２７）が取り出されて販売されたことをフォトセンサー（３） に検知させるリブ（４）が形設されている。（５）はレバーストッパーでその一 端が支持ピン（６）を介して返却防止扉（１）に軸支され、一方レバーストッパ ー（５）の他端は軸状に形設されており、その軸部（７）はケース（８）の両側 面に対向する位置に１／４円弧曲線部と水平直線部とで略Ｌ字状に形設された案 内溝（９）に嵌合し、軸部（７）は返却防止扉（１）の回動に伴い案内溝（９） に沿って摺動する。また、レバーストッパー（５）には後述する解除バー（３５ ）と当接するように両側に突出部（１０）が形設されている（図では片側しか図 示せず）。（１１）はレバーストッパー（５）を商品（２７）の取出方向に付勢 するバネである。これらの部品等を所定の順序で組入れて、ケース（８）の縁端 部を爪部（１２）に係合し片側のみをボスＡ（１３）部に螺合することで棚板（ ２４）へ容易に取り付けられる。

【００１６】 さて、収納室（２６）に商品（２７）が収納されているときは返却防止扉（１ ）は商品（２７）と密接するＰの位置（二点鎖線で示す）で、またそれに伴いレ バーストッパー（５）の軸部（７）は案内溝（９）の直線部分のＫに位置してい る。いま、この状態のとき収納室（２６）から商品（２７）を取り出すと返却防 止扉（１）はその自重により支軸（２）を支点として下降していく。このとき、 さらにレバーストッパー（５）はバネ（１１）によって商品（２７）を取り出す 方向に付勢され、レバーストッパー（５）の軸部（７）は案内溝（９）の直線部 のＫから１／４円弧曲線部のＭ（その両端をＬおよびＭとし直線部と接続する側 をＬとする）まで摺動する。この結果、返却防止扉（１）は図のＱの位置で静止 し、収納室（２６）を閉塞する。この閉塞状態では、レバーストッパー（５）の 軸部（７）は１／４円弧曲線部の両端ＬおよびＭの中間ＮよりＭ側にあるので、 宿泊客が商品（２７）を故意に返却しようと返却防止扉（１）を押してもレバー ストッパー（５）の軸部（７）が案内溝（９）の１／４円弧曲線部のＭ側に摺動 し、Ｌ側には摺動しないので返却防止扉（１）は回転しない。したがって、商品 の返却を阻止できる。同時に、商品が取り出されたときはフォトセンサー（３） により商品の販売検知を行うことができる。フォトセンサー（３）は棚板（２４ ）のボスＢ（１４）部に立設したプリント基板（１５）に取り付けてある。商品 （２７）の取り出しにより、返却防止扉（１）が回転してＱの位置にくると返却 防止扉（１）に形設しているリブ（４）がフォトセンサー（３）の発光部から受 光部（いずれも図示せず）へと出射されている光を遮断すると、フォトセンサー （３）は検出信号としてホテルのフロント等に設置した積算装置に送りフロント 等で商品（２７）の販売状況が検知管理できる。

【００１７】 一方、ホテル側で取り出された商品（２７）を補充する場合は、旋錠部（２８ ）を作動させることにより、返却防止扉（１）による収納室（２６）の閉塞状態 を解除できる。

【００１８】 図４において、（２８）は収納室（２６）の閉塞状態を解除する旋錠部、（３ １）は旋錠部（２８）に係合された基板、（３２）はガイドレバーで一端が基板 （３１）に嵌合し、他端は切欠部Ａ（３３）にアーム（３４）が係合している。 さらに、アーム（３４）は図に示すように略直角に折り曲げられガイドレバー（ ３２）の中心付近Ｇで挿嵌されている。（３５）はレバーストッパー（５）の突 出部（１０）を押圧する解除バーで、各段に連結板（３６）によって支持されて いる。なお、連結板（３６）の上方に形設された切欠部Ｂ（３７）にアーム（３ ４）が係合されている。

【００１９】 ところで、収納室（２６）の閉塞状態を解除するときは旋錠部（２８）を所定 の方法（たとえば専用錠を使用する等）を作動させると、まず基板（３１）が上 方に移動するのでＧを支点にしてガイドレバー（３２）はその切欠部Ａ（３３） 側が下降する。同時に、アーム（３４）もＧを支点にして下降し、アーム（３４ ）に係合されている連結板（３６）が下降する。したがって、解除バー（３５） が下降しながら図５に示す状態から図６に示す状態となり、すなわちケース（８ ）に形設された縦溝（３８）の底部まで下降する。レバーストッパー（５）はバ ネ（１１）の商品取出方向への付勢力により解除バー（３５）に当接した状態と なり、このときレバーストッパー（５）の軸部（７）は案内溝（９）の１／４円 弧曲線部の中点Ｎより必ず直線部側にある。よって、返却防止扉（１）を押せば レバーストッパー（５）の軸部（７）は案内溝（９）の直線部方向へ（二点鎖線 で示す位置まで）摺動し返却防止扉（１）は図で示す矢印の範囲内で回動状態と なり商品（２７）の補充を可能にする。補充終了後は、この旋錠部（２８）の作 動状態をリセットして解除バー（３５）を上げれば（図５の状態にすれば）商品 の再挿入の防止機能を保持できる。

【００２０】 なお、本考案においてはケース（８）からレバーストッパー（５）およびバネ （１０）を除去し、返却防止扉（１）にねじりバネを付設することによりホテル 、旅館等の宿泊施設側でその要望があれば商品を一旦取り出しても返却できると いった多様的な使用も可能である。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明してきたように本考案によれば、収納室から商品を取り出すと返却防 止扉が降下し所定の位置で収納室を閉塞しかつ返却防止扉は回動しない構造をな し、この返却防止扉に形設されたリブがフォトセンサーに検出されることにより 商品の販売検知管理が行われるようにしたので、宿泊客等が収納室から一旦商品 を取り出すと返却することができないので確実な商品の販売処理が可能となる。

【００２２】 また、ケースは装置本体から取り外すことができるので組立て時には装置本体 と切り離して容易に組み立てられ、結果的に信頼性の優れた販売装置が提供でき る。

【図面の簡単な説明】

【図１】返却防止扉による収納室の閉塞状態の説明図で
ある。

【図２】販売装置の外扉を開いた概略の斜視図である。

【図３】販売装置の概略の縦断面図である。

【図４】収納室の閉塞状態を解除する解除手段の要部斜
視図である。

【図５】収納室の閉塞状態を解除する直前の状態の説明
図である。

【図６】収納室の閉塞状態を解除後の状態の説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 返却防止扉 ２ 支軸 ３ フォトセンサー ４ リブ ５ レバーストッパー ６ 支持ピン ７ 軸部 ８ ケース ９ 案内溝 １０ 突出部 １１ バネ １２ 爪部 １３ ボスＡ １４ ボスＢ １５ プリント基板 ２１ 装置本体 ２２ 貯蔵室 ２３ 冷媒圧縮機 ２４ 棚板 ２５ 仕切板 ２６ 収納室 ２７ 商品 ２８ 旋錠部 ３１ 基板 ３２ ガイドレバー ３３ 切欠部Ａ ３４ アーム ３５ 解除バー ３６ 連結板 ３７ 切欠部Ｂ ３８ 縦溝

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 貯蔵室内を区画体にて複数の商品収納
   室に区画し、該商品収納室から商品を取り出すことに伴
   い商品の返却を防止するため返却防止扉により前記商品
   収納室を閉塞し、かつ前記各商品収納室に設置された検
   知体により商品が取り出されたことを検知する販売装置
   において、少なくとも一方の側面に案内溝を形設したケ
   ースと、該ケースに一端が回動可能に軸支された前記返
   却防止扉と、一端が前記返却防止扉に回動可能に軸支さ
   れるとともに他端が前記案内溝に嵌合されるレバースト
   ッパーと、商品の取り出し時に前記レバーストッパーを
   商品を取り出す方向に付勢する付勢部材と、前記返却防
   止扉による前記商品収納室の閉塞状態を解除する解除手
   段とを具備することを特徴とする販売装置。
2. 【請求項２】 前記案内溝は、１／４円弧曲線部と水
   平直線部とで略Ｌ字状に形設されていることを特徴とす
   る請求項１記載の販売装置。
3. 【請求項３】 前記返却防止扉には、リブが形設され
   商品が取り出されたとき前記返却防止扉が回転して前記
   リブが前記検知体に検知されることを特徴とする請求項
   １記載の販売装置。
4. 【請求項４】 前記ケースは、前記商品収納室の天井
   部に着脱自在に装着されることを特徴とする請求項１記
   載の販売装置。