JPH04114572U - 溶融紡糸用パツク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 スピンブロツク１に形成した凹部２に多眼の
パツク本体３を挿着し、パツク本体３に穿設した凹部５
に口金板１０等を組込んだパツク枠体７を取付ける。パ
ツク本体３の凹部５の表面に円周上に沿って複数の突起
６を一定間隔で配設し、突起６に対応してパツク枠体７
に突起６に噛み合う鉤状の溝１６を設け、パツク枠体７
をパツク本体３の下から押込み、突起６の位置で回動さ
せて噛み合わせ、パツク枠体７を保持する。 【効果】 多眼パツクにおける個々のパツクの取付け、
取外しが自在にでき、またカセツト化されるためパツク
の分解組立時の作業性がきわめて容易かつ迅速、安全に
行える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は合成繊維製造設備における溶融紡糸用パツク、更に詳しくは溶融紡糸 用の多眼パツクの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

溶融紡糸用の口金パツクはパツク本体の下部に順次口金板、集合板（分配板、 耐圧板ともいい、或るいはこれらを含む場合もいう）等を挿着し、この上方部に 濾過部を形成する。これらはパツク本体の上部から納められているため、一旦ス ピンブロツクにとりつけられると濾過部、口金板を自由に交換することは難しい ものが一般的であるが、中には例えば、特公昭５５−１６９３７号公報等に見ら れるように、本体が上、中、下部に分割され、その下部本体に口金を固定し締付 けボルトにより組立てられているため、スピンブロツク取付け後も口金板のみの 交換可能な紡糸用パツクも知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

近年の繊維の高性能化が要求される中で、多品種少量の効率的な生産体制指向 のものが望まれている。

【０００４】 そこで前述の特公昭５５−１６９３７号公報のようなパツクが有効であるが、 特に多眼パツク（いわゆるパツク本体に１つの濾過部、口金板等に限らず２個以 上設けたもの）の場合、紡糸調子不良により１眼の濾過層、口金板のみを交換す ればよいときでも、１眼についてのみの濾過層、口金板の交換は不可能であり、 従って多眼パツクによる１眼についてのこれらの交換は、パツク本体ごと交換し 、このため要するに作業が面倒で時間を要するうえ、生産性が大きく低下する欠 点がある。

【０００５】 本考案は従来技術の有するこのような問題点を解決するためになされたもので あり、多眼パツクにおいて、１眼ごとの濾過部、口金板も含めた部分を交換可能 としたもので、大幅な生産性、作業効率の向上に有効な口金パツクを提供するも のである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

すなわち、本考案はスピンブロツクに複数の口金パツクを装着した多眼パツク 式の溶融紡糸用パツクであつて、長方形に形成したパツク本体の底面に穿設した 円柱状の複数個の凹部と、該凹部に挿着した紡糸口金、分散板、濾過材等を組込 んだ固定用のフランジを設けた筒体を含んで構成され、更に筒体の外周面に鍵状 の案内溝を刻設するとともに該案内溝に対応して凹部の内周面に筒体を支持する 突起を設けたことを特徴とする溶融紡糸用パツクである。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を図面に基いて説明する。図１は本考案の実施例を示す断面図で 、図２のＡ−Ａ断面矢視図であり、図２は図１の底面図である。

【０００８】 図において、１はスピンブロツクであり、該スピンブロツク１に形成した凹部 ２に長方形状の多眼のパツク本体３が挿着され、該パツク本体３に穿設した、中 央上部にポリマ−導入孔４を有する複数個の円柱状の凹部５に、該凹部５に対応 して円筒状のパツク枠体７がそれぞれ取り付けられている。

【０００９】 このパツク枠体７はパツク本体３の下部より挿入され、下端外周部に設けたフ ランジ８によりボルト９を介してパツク本体３の下面に固定され全体として一体 化されている。パツク枠体７には下より口金板１０、分散板１１が組み込まれ、 その上部は２つのリム付き金網フイルタ−１２，１３によつてこの間に濾過部１ ４が形成されると共に、濾過部上のリム付き金網フイルタ−１３は段付き部１５ に置かれ、パツク本体３との漏れ防止用のパツキンを兼用している（このように 兼用するのが好ましいが、通常のパツキンを使用してもよい）。

【００１０】 かかるボルト締めによる強制シ−ル方式によると、ポリマ−流路間には従来の 如くロツクリクング、上蓋等がなく、これらのシ−ル部によつてデツドスペ−ス が形成されることがないので、劣化ポリマ−の発生を抑えることができる。

【００１１】 パツク本体３の凹部５の表面にはその円周上に沿って複数の突起６が一定間隔 で設けられ、更にこの突起６に対応してパツク枠体７には該突起６に噛み合う又 は係合する鉤状の凹部もしくは溝１６が設けられており、パツク枠体７はパツク 本体３の下から押し込まれ、突起６の位置で回動させて噛み合うようにすればよ い。これにより現場でパツク本体３に枠体７を取り付ける際、枠体７が落ちるよ うなことなくその保持が容易にでき、作業能率が大幅に向上する。

【００１２】 ここで鉤状の溝１６は縦溝１７と横溝１８とからなり、縦溝１７はパツク枠体 ７が突起６に沿って入れるようにその上端から刻設され、横溝１８は突起６に保 持されるようにこの縦溝１７からほぼ直角に円周方向に設けられるが、必ずしも 縦溝１７の下端からでなく途中から曲折してもよい。また、横溝１８の幅はパツ ク枠体７の取付けが十分に行えるように突起６の長さよりある程度大きくされる のが好ましい。

【００１３】 このように、パツク内蔵物すべてをフランジ付き枠体７の中に納めることによ り濾過部１４、口金板１０のスピンブロツク１取り付け後の脱着を可能とし、パ ツク分解、組立時の作業性も非常に向上し自動化にも対応が容易となる。

【００１４】 尚、パツク本体３は通常、スピンブロツク１にポリマ−供給口１９と一致する ように吊りボルト２０等によりパツキンを介して固定される。

【００１５】

【考案の効果】

以上に説明の如く、本考案によれば多眼パツクにおいて個々のパツクを自在に 取付け、取外しできると共に、デツドスペ−スが少なく劣化ポリマ−の発生も少 なく、またカセツト化されるためパツクの分解組立時の作業性がきわめて容易か つ迅速、安全に行え、かつ自動化にも対応できるという顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す概略断面図で、図２のＡ
−Ａ断面矢視図である。

【図２】図１の底面図である。

【符号の説明】

１ スピンブロツク ３ パツク本体 ６ 突起 ７ パツク枠体 ８ フランジ １２ リム付き金網フイルタ− １３ リム付き金網フイルタ− １６ 溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スピンブロツクに複数の口金パツクを装
   着した多眼パツク式の溶融紡糸用パツクであつて、長方
   形に形成したパツク本体の底面に穿設した円柱状の複数
   個の凹部と、該凹部に挿着した紡糸口金、分散板、濾過
   材等を組込んだ固定用のフランジを設けた筒体を含んで
   構成され、更に筒体の外周面に鉤状の案内溝を刻設する
   とともに該案内溝に対応して凹部の内周面に筒体を支持
   する突起を設けたことを特徴とする溶融紡糸用パツク。