JPH0411449B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、育苗箱積み込み装置、詳しくは、積
み重ね状態で発芽させた育苗箱を緑化用育苗棚に
積み込む装置に関する。

〔従来の技術〕

限られた発芽用スペースに設置できる育苗箱の
数を多くするとか保温性を良くする等のために育
苗箱を積み重ねた状態で発芽させ、そして、発芽
した苗の緑化を育苗箱を上下に並べて設置する状
態で行わせる場合、緑化時には育苗箱夫々に光が
入り込むようにする必要があることから、発芽期
を終えると、積も重ねてあつた育苗箱を、上下箱
の間に隙間ができる状態で育苗箱を設置するため
の緑化用育苗棚に積み込む必要がある。この積み
込みを従来は人為的に行われており、次の如き不
利があつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

すなわち、育苗箱を積み重ね状態の育苗箱群か
ら取り出すと共に緑化用育苗棚に移す持ち運び作
業をせねばならず、必要労力が大になるばかりで
はなく、積み込み作業の能率が悪くなつていた。

本発明の目的は、積み重ね発芽させた育苗箱の
緑化用育苗棚への積み込みが楽にかつ確実に能率
よくでき、しかも、安全にできると共に極力構造
簡単に得られる積み込み装置を提供することにあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明による育苗箱積み込み装置は、育苗箱が
積み重ねられた育苗箱群から最上段の育苗箱を持
ち上げると共に保持する育苗箱持ち上げ機構、こ
の育苗箱持ち上げ機構に対して緑化用育苗棚を上
下動させるリフト機構、前記育苗箱持ち上げ機構
により持ち上げられた育苗箱の下側空間に対して
挿入及び退出操作自在に構成された育苗箱受け板
を設け、前記育苗箱受け板に前記育苗箱持ち上げ
機構から受け渡された前記育苗箱受け板上の育苗
箱を押し出して前記緑化用育苗棚に載せる育苗箱
押し出し機構を設け、前記育苗箱持ち上げ機構を
構成するに、持ち上げ具支持部材を、育苗箱に対
して昇降操作自在に、かつ、育苗箱の長手方向及
び横巾方向夫々の軸芯の周りで回動自在に設け、
育苗箱の上端に当付けられることにより、この当
りと前記軸芯の周りでの揺動とによつて前記持ち
上げ具支持部材を育苗箱に平行あるいはほぼ平行
にする接当部を前記持ち上げ具支持部材に備えさ
せ、持ち上げ具を育苗箱に対する作用状態と作用
解除状態とに切換え自在に前記持ち上げ具支持部
材に取付けてあることを特徴とし、その作用及び
効果は次のとおりである。

〔作用〕

各機構が所望どおり作動するように夫々の運転
操作をしたり、あるいは、各機構が自動的に駆動
されるように始動操作をすることにより、育苗箱
持ち上げ機構により育苗箱群の最上段の育苗箱が
持ち上げ保持されると共に、保持育苗箱と、これ
を積み込むべき棚部分とが合致する位置合わせ状
態に緑化用育苗棚をリフト機構によつて操作さ
れ、育苗箱持ち上げ機構から育苗箱受け板に受け
渡された育苗箱が緑化用育苗棚に育苗箱押し出し
機構によつて積み込まれる。

積み重ねてある育苗箱が発芽苗の持ち上げ力の
ために傾斜する状態になつても、持ち上げ具支持
部材が最上段の育苗箱に対して下降して接当する
に伴い、前記接当部と回動構成とのために、育苗
箱にこれの傾斜にかかわらず平行あるいはほぼ平
行な姿勢に自ずとなり、作用状態に操作される持
ち上げ具が育苗箱にこれの傾斜にかかわらず所定
どおりに確実に作用する。

〔発明の効果〕

育苗箱の育苗箱群からの取り出しが緑化用育苗
棚への積み込みが各機構を作動させるための運転
操作や始動操作をするだけで楽にできると共に、
各機構をして能率よくできるようになり、苗の生
産性を向上できるようになつた。

育苗箱群からの育苗箱取り出しが積み重なる育
苗箱の最上段のものから、かつ、持ち上げて行わ
れることにより、積み重ねても崩れにくいように
係合し合う構造の育苗箱の場合でも、係合構造に
かかわらず育苗箱の取り出しが崩れを伴うことな
く安全に行われるようになつた。

育苗箱が傾斜していても持ち上げ具が育苗箱に
確実に作用することにより、育苗箱群からの育苗
箱取出しがミスなく確実にできるようになり、積
み込み作業がミスなく確実にできるようになつ
た。

持ち上げ具支持部材の自動姿勢調節が育苗箱と
の接当によつて行われることにより、センサー、
アクチユエータ及び制御回路を用いて行わせるに
比してこれらを要しないように構造の簡略化が可
能になり、かつ、育苗箱と緑化用育苗棚の位置合
わせを緑化用育苗棚の昇降操作によつて行わせる
ことにより、育苗箱持ち上げ機構が緑化用育苗棚
に沿つて上下動するように構成するに比して、こ
の昇降構成を要しないように構造の簡略化が可能
になり、装置全体の構造が極力簡単になるように
して経済面で有利にできた。

〔実施例〕

第１２図に示すように、播種作業を終えた育苗
箱１を第１図に示す如く台車２の上に積み重ねた
育苗箱群３にした状態で設置して発芽させる発芽
室４、発芽を終えた育苗箱群３の育苗箱１…を第
１図に示す如き移送用台車５の有した緑化用育苗
棚６に積み込む装置７、育苗箱１の積み込まれた
緑化用育苗棚６を設置して緑化させる緑化室８を
設けて、主として田植機に使用するマツト状稲苗
を得る育苗プラントを構成してある。

前記育苗箱積み込み装置７を構成するに、第１
図に示すように、前記育苗箱群３を受け台９を介
して支持すると共に昇降操作するシリンダ１０、
育苗箱１の側壁屈曲部１ａに係止作用させて育苗
箱群３から最上段の育苗箱１を持ち上げる４個の
フツク型持ち上げ具１１ａまたは１１ｂ、及び、
持ち上げ状態に育苗箱１を保持する育苗箱受け板
１２を有した育苗箱持ち上げ機構１８、育苗箱１
を育苗箱持ち上げ機構１３から押し出して前記緑
化用育苗棚６に載せる育苗箱押し出しシリンダ１
４、育苗箱持ち上げ機構１３に対して緑化用育苗
棚６を上下方向及び横方向に移動させるリフト機
構１５を設けてある。

すなわち、第６図に示すように、受け台９に載
置した育苗箱群３を最上段の育苗箱１が育苗箱持
ち上げ機構１３の作用し得るレベルになるように
シリンダ１０によつて上昇させ、第９図に示すよ
うに、最上段の育苗箱１を育苗箱持ち上げ機構１
３により育苗箱群３から持ち上げ取り出しさせる
と共に、第１０図に示す如く保持させる。そし
て、第１１図に示すように、育苗箱押し出しシリ
ンダ１４により、育苗箱持ち上げ機構１３が保持
する育苗箱１を、リフト機構１５により緑化用育
苗棚６の上下動操作と横移動操作とでもつて育苗
箱持ち上げ機構１３に位置合わせさせてあるとこ
ろの所定の育苗箱載置すべき棚部分６ａに、育苗
箱受け板１２から押し出し載せ換えさせるように
してある。そして、このように、シリンダ１０に
よつて育苗箱群３の最上段の育苗箱１を育苗箱持
ち上げ機構１３に位置合わせさせる作動、育苗箱
持ち上げ機構１３によつて育苗箱１を持ち上げ取
り出しさせる作動、リフト機構１５によつて緑化
用育苗棚６の空の棚部分６ａを育苗箱持ち上げ機
構１３に位置合わせさせる作動、及び、育苗箱押
し出しシリンダ１４によつて育苗箱１を棚部分６
ａに積み込ませる作動の夫々を繰り返し行わせ、
育苗箱群３の全ての育苗箱１を緑化用育苗棚６に
積み込むようにしてある。

前記育苗箱持ち上げ機構１３は第１図、第２
図、第４図及び第５図に示すように構成してあ
る。

すなわち、４個の前記持ち上げ具１１ａ，１１
ａまたは１１ｂ，１１ｂを、持ち上げ具支持部材
１６、及び、吊り上げフレーム１７を介してメイ
ンフレーム１８に取付けると共に、２個の前記持
ち上げ具１１ａ，１１ａまたは１１ｂ，１１ｂを
一体揺動するように連動させた軸１９ａまたは１
９ｂに連動させた電磁ソレノイド２０ａまたは２
０ｂにより作用状態と作用解除状態とに前記連動
軸１９ａまたは１９ｂの軸芯周りで揺動操作され
るようにしてある。前記育苗箱受け板１２を、第
１シリンダ２１を介してメインフレーム１８に取
付けると共に、前記第１シリンダ２１によつて育
苗箱１の横巾方向に摺動操作されるようにしてあ
る。前記吊り上げフレーム１７を第２シリンダ２
２によりメインフレーム１８に対して昇降操作さ
れるようにしてある。前記持ち上げ具支持部材１
６は内軸部１６ａ及び筒型外軸部１６ｂを介して
育苗箱１の長手方向の軸芯Ｘ及び横巾方向の軸芯
Ｙ夫々の周りで自由に回動するように吊り上げフ
レーム１７に連結すると共に、持ち上げ具支持部
材１６の持ち上げ具１１ａまたは１１ｂを取付け
てあるアーム部１６ｃに育苗箱１の上端１ｃに対
する接当部２３を備えてあり、育苗箱群３の最上
段の育苗箱１がたとえ傾斜していても、持ち上げ
具支持部材１６が吊り上げフレーム１７の下降操
作により待機位置から下降されて前記接当部２３
が育苗箱１に接当するに伴い、この当りのために
前記軸芯Ｘ及びＹの周りで吊り上げフレーム１７
に対して揺動し、全ての持ち上げ具１１ａ及び１
１ｂが育苗箱１に確実に作用するよう、育苗箱１
に平行あるいはほぼ平行な姿勢に自動的になるよ
うにしてある。

そして、持ち上げ具支持部材１６が育苗箱１に
平行あるいはほぼ平行になつた事を育苗箱１との
接当に基づいて検出する一対の感圧式スイツチ２
４ａ，２４ｂ、持ち上げ具１１ａ及び１１ｂが作
用状態や作用解除状態に在ることを検出するセン
サー２５、及び、育苗箱１の所定ストロークの持
ち上げを第２シリンダ２２のストロークに基づい
て検出するセンサー２６の夫々を設けると共に、
これらスイツチ２４ａ，２４ｂ及びセンサー２
５，２６からの情報に基づいてソレノイド２０ａ
及び２０ｂ、並びに両シリンダ２１，２２が自動
的に操作されるように構成してある。すなわち、
育苗箱群３が上昇操作されて最上段の育苗箱１が
所定レベルに達すると、第７図に示す如く第１シ
リンダ２１が駆動されて持ち上げ具支持部材１６
が下降され、持ち上げ具支持部材１６が育苗箱１
に平行あるいはほぼ平行になると、第８図に示す
如く持ち上げ具１１ａ及び１１ｂが育苗箱１に係
合操作されると共に、第１シリンダ２１が駆動さ
れて育苗箱１を下側の育苗箱１に対する係合部１
ｂが抜け外れるように持ち上げる操作が行われ
る。育苗箱１が所定ストロークを持ち上げられる
と、第１０図に示す如く、第２シリンダ２２が駆
動されて育苗箱受け板９が持ち上げ育苗箱１の下
方に差し込み操作される。この後、持ち上げ具支
持部材１６が若干ストローク上昇されて持ち上げ
具１１ａ及び１１ｂが作用解除状態に切換え操作
され、持ち上げ育苗箱１が育苗箱受け板１２に載
置されて受け止め保持されるようにしてある。

そして、前記リフト機構１５は、第１図及び第
３図に示すように、育苗棚載置台２７、この育苗
棚載置台２７をガイドレール２８に沿つて摺動す
るように取付けたメインフレーム２９、前記育苗
棚載置台２７を摺動操作するシフトシリンダ３
０、前記メインフレーム２９を昇降操作自在に支
持するリフトシリンダ３１の夫々から構成してあ
る。すなわちリフトシリンダ３１によるメインフ
レーム２９を介しての育苗棚載置台２７の昇降操
作により、緑化用育苗棚６を上下に移動操作し、
シフトシリンダ３０による育苗棚載置台２７の摺
動操作により、緑化用育苗棚６を横巾方向に移動
操作するようにしてある。

そして、前記育苗箱押し出しシリンダ１４は、
育苗箱受け板１２が支持する育苗箱１の長手方向
での側壁部に押圧作用するように配置して前記育
苗箱受け板１２から緑化用育苗棚６に押し出すよ
うにしてある。

〔別実施例〕

前記シリンダ１０、育苗箱持ち上げ機構１３、
育苗箱押し出しシリンダ１４、リフト機構１５
を、全てが所定の作動順序で自動運転されるよう
に構成する他に、各別に人為運転操作するように
構成して実施してもよい。

前記育苗箱押し出しシリンダ１４に替え、プツ
シヤーとこれを駆動するモータから成る等の各種
構成を採用してもよく、これらを育苗箱押し出し
機構１４と総称する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る育苗箱積み込み装置の実施
例を示し、第１図は育苗箱積み込み装置の正面
図、第２図は育苗箱持ち上げ機構の側面図、第３
図は育苗棚リフト機構の側面図、第４図は育苗箱
持ち上げ部の側面図、第５図は育苗箱持ち上げ部
の平面図、第６図ないし第１１図は育苗箱積み込
み作動の説明図、第１２図は育苗プラントの概略
平面図である。 １……育苗箱、１ｃ……育苗箱上端、３……育
苗箱群、６……緑化用育苗棚、１１ａ，１１ｂ…
…持ち上げ具、１２……育苗箱受け板、１３……
育苗箱持ち上げ機構、１４……育苗箱押し出し機
構、１５……リフト機構、１６……持ち上げ具支
持部材、２３……接当部、Ｘ，Ｙ……軸芯。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 育苗箱１が積み重ねられた育苗箱群から最上
   段の育苗箱１を持ち上げると共に保持する育苗箱
   持ち上げ機構１３、この育苗箱持ち上げ機構１３
   に対して緑化用育苗棚６を上下動させるリフト機
   構１５、前記育苗箱持ち上げ機構１３により持ち
   上げられた育苗箱１の下側空間に対して挿入及び
   退出操作自在に構成された育苗箱受け板１２を設
   け、前記育苗箱受け板１２に前記育苗箱持ち上げ
   機構１３から受け渡された前記育苗箱受け板１２
   上の育苗箱１を押し出して前記緑化用育苗棚６に
   載せる育苗箱押し出し機構１４を設け、前記育苗
   箱持ち上げ機構１３を構成するに、持ち上げ具支
   持部材１６を、育苗箱１に対して昇降操作自在
   に、かつ、育苗箱１の長手方向及び横巾方向夫々
   の軸芯Ｘ，Ｙの周りで回動自在に設け、育苗箱１
   の上端１ｃに当付けられることにより、この当り
   と前記軸芯Ｘ，Ｙの周りでの揺動とによつて前記
   持ち上げ具支持部材１６を育苗箱１に平行あるい
   はほぼ平行にする接当部２３を前記持ち上げ具支
   持部材１６に備えさせ、持ち上げ具１１ａ，１１
   ｂを育苗箱１に対する作用状態と作用解除状態と
   に切換え自在に前記持ち上げ具支持部材１６に取
   付けてある育苗箱積み込み装置。