JPH04114442U - 厨芥粉砕処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、厨芥粉砕処理装置に関し、厨芥の
粉砕に要する水を最少量で抑えると共に、厨芥スラリー
を集約して脱水処理を行う排水処理施設の小型化を図っ
た厨芥粉砕処理装置を提供することを目的とする。 【構成】 流し台の排水路に接続される厨芥粉砕機と、
厨芥粉砕機の厨芥貯留部の上部に接続され、厨芥粉砕機
からの溢水を公共下水道へ流す第一排水管と、厨芥粉砕
機の厨芥貯留部の下部に接続され、厨芥スラリーを排水
処理施設へ流送する第二排水管と、第一排水管よりも厨
芥貯留部の高い位置に接続され、厨芥貯留部内に洗浄水
を供給する給水管と、第二排水管と給水管の流路中に夫
々装着され、厨芥粉砕機の作動後に各流路を開放すると
共に、厨芥粉砕機の停止後に第二排水管と給水管の流路
を閉鎖する自動開閉弁とを備えた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、家庭で発生する厨芥を処理するに当たり、少ない水量で厨芥の粉砕 処理を可能とした厨芥粉砕処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

各家庭で発生するゴミは、現在、各地方自治体が収集し、焼却，埋め立て等の 処理を行っている。 しかし、これらのゴミの中で、台所から出る野菜屑や残飯等の厨芥は水分が多 いため腐敗し易く悪臭の元になる等、衛生上問題があった。そして、都市に対す る人口の集中化に伴い増加する集合住宅では、住居，住棟等地域環境の向上のた めに、厨芥の適切な搬出と処理方法の開発が望まれている。

【０００３】 そこで、昨今では、図７に示すように台所の流し台１からの排水路３中に厨芥 を粉砕しスラリー化する厨芥粉砕機器５を接続し、そして、厨芥粉砕機５からの 厨芥スラリーを、調理水や食器洗浄水等の排水と共に排水管７で集合住宅の一画 に設置した排水処理施設に流送して、脱水装置で固形分と液分に分離することが 提案されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし乍ら、上述の如き厨芥粉砕処理装置では、流し台で発生する調理水や食 器洗浄水等の排水、そして、厨芥自体から発生する水分を厨芥スラリーと共に全 て排水処理施設に受け入れざるを得ず、これらの水量は一回の食事で合わせて少 なくとも３０リットル以上となる。

【０００５】 そのため、集合住宅で各家庭からの厨芥スラリーを集約して脱水処理するため の排水処理施設は大規模な設備が必要となり、その設置面積も大きくなってしま う欠点が指摘されている。 又、厨芥粉砕機で厨芥を粉砕する際には水を必要とするが、上記厨芥粉砕処理 装置では、調理水や食器洗浄水等の排水が厨芥粉砕機内に貯留されずに排水処理 施設へ直ちに流れてしまうため、厨芥を粉砕する際には水を新たに流さねばなら ず、厨芥粉砕機を使用することにより水の使用量が増加してしまう不具合もあっ た。

【０００６】 本考案は斯かる実情に鑑み案出されたもので、厨芥粉砕機での厨芥の粉砕に要 する水を最少量で抑えると共に、厨芥粉砕機からの厨芥スラリーを集約して脱水 処理を行う排水処理施設の小型化を可能とした厨芥粉砕処理装置を提供すること を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

斯かる目的を達成するため、本考案に係る厨芥粉砕処理装置は、流し台の排水 路に接続され、一回の食事の厨芥が収容可能な厨芥貯留部を有する厨芥粉砕機と 、厨芥固形分の流出を阻止する部材を介して厨芥粉砕機の厨芥貯留部の上部に接 続され、厨芥粉砕機からの溢水を公共下水道へ流す第一排水管と、厨芥粉砕機の 厨芥貯留部の下部に接続され、厨芥スラリーを排水処理施設へ流送する第二排水 管と、第一排水管よりも厨芥貯留部の高い位置に接続され、厨芥貯留部内に洗浄 水を供給する給水管と、第二排水管と給水管の流路中に夫々装着され、厨芥粉砕 機の作動後に各流路を開放すると共に、厨芥粉砕機の停止後に第二排水管と給水 管の流路を閉鎖する自動開閉弁とを備えたものである。

【０００８】

【作用】

本考案によれば、調理を行い、又、食後の食器類を洗浄するに当たり、厨芥粉 砕機は停止しておく。そのため、自動開閉弁によって第二排水管と給水管の流路 は閉鎖され、一回の食事に於ける調理水や食器洗浄水として使用される水道水の うち、厨芥貯留部の容積分を除く水は第一排水管から溢水して公共下水道に排水 され、厨芥は厨芥粉砕機内の厨芥貯留部内に貯留されることとなる。又、このと き、厨芥固形分の流出は流出を阻止する部材によって防止される。

【０００９】 そして、食器類を洗浄し終えて、流し台内の厨芥を全て厨芥貯留部内に落とし た段階で厨芥粉砕機を作動すれば、厨芥貯留部内の厨芥は、厨芥貯留部内に貯留 されていた水と一緒になって短時間で粉砕が完了する。又、厨芥粉砕機の作動に より自動開閉弁が第二排水管と給水管の流路を夫々開放する。 従って、厨芥スラリーは第二排水管から排水処理施設に流送されて、脱水装置 で固形分と液分に分離される。又、このとき、給水管からの洗浄水が噴射ノズル により厨芥貯留部内に噴射されて、厨芥貯留部内と第二排水管内の洗浄がなされ ることとなる。

【００１０】 而して、斯様に洗浄水によって厨芥貯留部と第二排水管との洗浄を行った後、 厨芥粉砕機を停止すれば、自動開閉弁が直ちに各第二排水管と給水管の流路を閉 鎖して、厨芥の粉砕処理が完了することとなる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づき詳細に説明する。 図１及び図２に於て、符号９は流し台１の排水路３に接続された厨芥粉砕機で 、その内部には厨芥を貯留する厨芥貯留部１１が設けられており、この厨芥貯留 部１１は、一回の食事の厨芥が十分収容可能なように２リットル程の容積を以っ て形成されている。そして、厨芥貯留部１１の底部には、モータ１３で駆動され る２つのハンマー１５が設置されており、流し台１に設けたスイッチ６のＯＮ， ＯＦＦ操作で当該モータ１３が駆動して、ハンマー１５が回転するようになって いる。そして、モータ１３の駆動で各ハンマー１５が回転すると、図３に示すよ うに、ハンマー１５に対応して厨芥貯留部１１の内壁に設けたシュレッダー１７ との間で厨芥が粉砕されるようになっている。

【００１２】 又、図２に示すように、上記厨芥粉砕機９の厨芥貯留部１１の上部には、第一 排水管１９が接続されている。そして、一回の食事に於ける調理水や食器洗浄水 として、少なくとも３０リットル程の水道水が各家庭で使用されるが、この水の うち厨芥貯留部１１の容積２リットルを除く２８リットル程の水が、第一排水管 １９から溢水して公共下水道に排水されるようになっている。又、第一排水管１ ９の入口部には、公共下水道への厨芥固形分の流出を防止する多孔板２１が取り 付けられている。

【００１３】 一方、厨芥粉砕機９の厨芥貯留部１１には、第二排水管２３がハンマー１５の 下部側面に接続されており、厨芥粉砕機９からの厨芥スラリーを当該第二排水管 ２３から集合住宅の一画に設置した排水処理施設へ流送するようになっている。 更に、上記第一排水管１９よりも厨芥貯留部１１の高い位置には、図４に示す ように給水管２５が接続されており、その出口部には厨芥貯留部１１内に水を噴 射させる噴射ノズル２６が装着されている。そして、当該給水管２５から供給さ れる洗浄水によって、厨芥貯留部１１内や第二排水管２３内の洗浄が行えるよう になっている。

【００１４】 そして、図１に示すように、上記第二排水管２３と給水管２５の流路中には夫 々、自動開閉弁２７，２９が装着されており、自動開閉弁２７，２９は操作ボッ クス３１からの指令で開閉動するようになっている。即ち、上記スイッチ６がＯ Ｎ操作されると、そのスイッチ６からの信号を入力した操作ボックス３１内のタ イマー（図示せず）が作動する。そして、スイッチ６のＯＮ操作後１０秒が経過 すると、操作ボックス３１からの指令で自動開閉弁２７，２９が夫々第二排水管 ２３と給水管２５の流路を開放し、又、スイッチ６のＯＦＦ操作によって厨芥粉 砕機９が停止すると、操作ボックス３１からの指令で、自動開閉弁２７，２９が 第二排水管２３と給水管２５の流路を直ちに閉鎖するようになっている。尚、第 二排水管２３に装着される自動開閉弁２７は、厨芥スラリーによる目詰まりを防 止するため、中央に大径の排水孔を設けたボール弁をモータ２９ａの正逆両回転 で回転させて流路の開閉を行う電動式ボールバルブが使用されている。

【００１５】 又、図５に示すように、上記給水管２５には、手動給水用調節弁３３が装着さ れており、当該手動給水用調節弁３３によって予め給水量の調節ができるように なっている。その他、図２中、符号３５は上記排水路３中に装着されたスプラッ シュカバーである。 本実施例に係る厨芥粉砕処理装置はこのように構成されており、次に図６に示 すフローチャートに基づいてその作用を説明する。

【００１６】 先ず、流し台１で調理を行い、又、食後の食器類を洗浄するに当たり、厨芥粉 砕機９は停止しておく。そのため、自動開閉弁２７，２９によって第二排水管２ ３と給水管２５の流路は閉鎖され、一回の食事に於ける調理水や食器洗浄水とし て使用される約３０リットル程の水道水のうち、厨芥貯留部１１の容積２リット ルを除く約２８リットルの水は、第一排水管１９から溢水して公共下水道に排水 される。そして、厨芥は、厨芥粉砕機９内の厨芥貯留部１１内に貯留されること となる。又、このとき、公共下水道への厨芥固形分の流出は多孔板２１によって 防止されている。

【００１７】 そして、食器類を洗浄し終えて、流し台１内の厨芥を全て厨芥貯留部１１内に 落とした段階でスイッチ６をＯＮ操作すれば（ステップＳ１）、厨芥粉砕機９が 作動し（ステップＳ２）、ハンマー１５とシュレッダー１７との間で厨芥が粉砕 されることとなる。このとき、厨芥貯留部１１内の厨芥は、厨芥貯留部１１内に 貯留されていた約２リットルの水と一緒になって短時間で粉砕が完了する。

【００１８】 又、上述したように、上記スイッチ６がＯＮ操作されるとタイマーが作動する が、操作ボックス３１ではスイッチ６のＯＮ操作後１０秒が経過したか否かが判 定される（ステップＳ３）。そして、１０秒が経過したとステップＳ３で判定さ れると、ステップＳ４，５に進み、操作ボックス３１の指令で自動開閉弁２７， ２９が第二排水管２３と給水管２５の流路を夫々開放する。

【００１９】 従って、厨芥スラリーは第二排水管２３から排水処理施設に流送されて、脱水 装置で固形分と液分に分離される。又、このとき、給水管２５からの洗浄水が噴 射ノズル２６により厨芥貯留部１１内に噴射されて、厨芥貯留部１１内と第二排 水管２３内の洗浄がなされることとなる。 而して、斯様に洗浄水によって厨芥貯留部１１と第二排水管２３との洗浄を行 った後、ステップＳ６に進んでスイッチ６をＯＦＦ操作すれば、厨芥粉砕機９は 停止し（ステップＳ７）、自動開閉弁２７，２９が直ちに各第二排水管２３と給 水管２５の流路を閉鎖して（ステップＳ８，９）、厨芥の粉砕処理が完了するこ ととなる。

【００２０】 そして、一回の食事で発生する厨芥が０．５キログラム、又、給水管２５から の洗浄水が２．５リットルとすれば、厨芥貯留部１１内の貯留水は２リットルで あるから、第二排水管２３を介して排水処理施設に流送される厨芥スラリーは５ リットルとなる。一方、図７に示す従来の厨芥粉砕処理装置では、上述したよう に流し台で発生する調理水や食器洗浄水等の排水、そして、厨芥から発生する水 分を全て排水処理施設に受け入れざるを得ず、これらの水量は一回の食事で合わ せて少なくとも３０リットル以上であるから、本実施例に係る厨芥粉砕処理装置 では、従来の厨芥粉砕処理装置に比較して、排水処理施設に流送される厨芥スラ リーが１／６の量ですむ計算となる。

【００２１】 又、本実施例では、厨芥を粉砕する際、粉砕に必要な水は厨芥粉砕機９の厨芥 貯留部１１内に厨芥と共に蓄えられているから、従来の如く厨芥を粉砕するため の水を水道栓蛇口から出す必要がなく、厨芥を粉砕するための新たな水は不用で ある。 このように、本実施例によれば、排水処理施設に流送される厨芥スラリーの量 が従来の厨芥粉砕処理装置に比しきわめて少量となるから、厨芥スラリーの脱水 処理を行う排水処理施設が従来に比べ遙かに小規模な設備ですむこととなる。

【００２２】 又、本実施例は、従来の如く厨芥を粉砕するための水を水道栓蛇口から出す必 要がなく、厨芥を粉砕するための新たな水は不用であるから、従来に比し水道水 も節約することができ、因って、本実施例によれば、排水処理施設が小規模な設 備ですむことと相俟って、きわめて経済的な厨芥粉砕処理装置が提供できること となった。

【００２３】 尚、上記実施例では、第一排水管１９の入口部に厨芥固形分の流出を防止する 多孔板２１を取り付けたが、斯かる多孔板２１に代えて、金網等を用いてもよい ことは勿論である。又、厨芥が多い場合は厨芥粉砕機９を作動し、順次厨芥を厨 芥貯留部１１内に投入し乍ら粉砕処理を行えばよく、この場合でも、厨芥１キロ グラム当たり粉砕用水道水は５リットル程供給すれば十分粉砕が可能であり、従 来に比し水道水の節約が図れる。

【００２４】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、排水処理施設に流送される厨芥スラリー の量が従来の厨芥粉砕処理装置に比較しきわめて少なくなるため、従来に比べ遙 かに小規模な排水処理施設で済むこととなる。 又、本考案では、厨芥を粉砕する際、粉砕に必要な水は厨芥粉砕機の厨芥貯留 部内に厨芥と共に蓄えられているから、従来の如く厨芥を粉砕するための水を水 道栓蛇口から新たに出す必要がなく、厨芥を粉砕するための新たな水は不用であ る。

【００２５】 従って、本考案によれば、従来に比し水道水も節約することができ、排水処理 施設が小規模な設備ですむことと相俟って、きわめて経済的な厨芥粉砕処理装置 が提供できることとなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る厨芥粉砕処理装置の側
面図である。

【図２】厨芥粉砕機の内部構造を示す拡大縦断面図であ
る。

【図３】厨芥粉砕機の内部構造を示す拡大横断面図であ
る。

【図４】厨芥粉砕機の他の位置に於ける拡大縦断面図で
ある。

【図５】本考案の一実施例に係る厨芥粉砕処理装置の平
面図である。

【図６】厨芥粉砕機と自動開閉弁の作動状態を示すフロ
ーチャートである。

【図７】従来の厨芥粉砕処理装置の側面図である。

【符号の説明】

１ 流し台 ９ 厨芥粉砕機 １１ 厨芥貯留部 １９ 第一排水管 ２１ 多孔板 ２３ 第二排水管 ２５ 給水管 ２７，２９ 自動開閉弁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 流し台の排水路に接続され、一回の食事
   の厨芥が収容可能な厨芥貯留部を有する厨芥粉砕機と、
   厨芥固形分の流出を阻止する部材を介して厨芥粉砕機の
   厨芥貯留部の上部に接続され、厨芥粉砕機からの溢水を
   公共下水道へ流す第一排水管と、厨芥粉砕機の厨芥貯留
   部の下部に接続され、厨芥スラリーを排水処理施設へ流
   送する第二排水管と、第一排水管よりも厨芥貯留部の高
   い位置に接続され、厨芥貯留部内に洗浄水を供給する給
   水管と、第二排水管と給水管の流路中に夫々装着され、
   厨芥粉砕機の作動後に各流路を開放すると共に、厨芥粉
   砕機の停止後に第二排水管と給水管の流路を閉鎖する自
   動開閉弁とを備えたことを特徴とする厨芥粉砕処理装
   置。