JPH081003Y2 - 真空下水道用のディスポーザ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、家庭の台所で発生する厨芥を破砕して下水
道に流す、真空下水道システムのディスポーザに関す
る。

〔従来技術〕

従来から家庭の台所で発生する厨芥を破砕処理する技
術としては、特開昭55-35962号公報の如き技術が公知と
されている。

しかし上記従来の技術は、真空下水道システムに連通
するものではなくて、通常の重力流下式の下水道システ
ムの為のディスポーザであったので、破砕厨芥を下水に
流すことなく、水分と分離した後に収集して、燃えない
ゴミとしてゴミ収集日に出すという作業が必要だったの
である。

〔考案が解決すべき課題〕

しかし最近の下水道技術の進歩により、真空下水道シ
ステムが開発されて、従来の如く汚水や汚物を重力によ
り下水道の内部を流下させるのではなくて、下水道管の
内部を負圧として真空弁を開放することにより、汚水タ
ンク内に一時的に貯溜した汚水を一気に汚水処理槽まで
吸引することが可能となったのである。

このような真空下水道技術の確立に対応して、家庭の
厨芥を破砕状態で一気に汚水処理槽まで吸引処理するこ
とにより、家庭から排出される厨芥の処理の容易化を図
るものである。

〔課題を解決する手段〕

本考案の解決すべき課題は以上の如くであり、次に該
課題を解決する手段を説明する。

シンクの底部にディスポーザに連結する塵芥口と、汚
水タンクに連結する汚水口を設け、該ディスポーザの排
出口を汚水タンクに連通し、該汚水タンクの下流に真空
下水道システムの真空吸引配管に連結される真空弁を設
け、該真空弁を汚水タンクのレベルセンサーによる信号
にて開閉すべく構成したものである。

〔作用〕

本考案は以上の如く構成したので、次のような作用を
行うのである。

シンク１において、食器の洗い水の如く汚水を主とし
たものは、汚水口15からそのまま汚水タンク２に流し、
内部に購入した厨芥はフィルタにより分離して、後に塵
芥口14からディスポーザＤに投入するのである。

そして厨芥は汚水口15に入れることなく塵芥口14から
ディスポーザＤ内に投入し、塵芥口14まで一杯になった
時点で、安全蓋19をすると検出スイッチ６がONとなり、
タイマーＴで定めた所定の時間だけ、駆動モータＭが回
転して回転羽根５により厨芥を破砕する。

該破砕厨芥は、排出パイプ10から汚水タンク２に入
り、汚水口15から汚水パイプ３を経て汚水タンク２内に
貯溜される汚水と混合されるのである。

そして該汚水タンク２が所定のレベルとなると、レベ
ルセンサー８が作動し、ソレノイドバルブ30が開いて、
真空吸引配管17により吸い出すのである。

〔実施例〕

本考案の解決すべき課題及び解決する手段は以上の如
くであり、次に添付の図面に示した実施例の構成を説明
する。

第１図は真空下水道システムの全体構成を示す側面
図、第２図は本考案の真空下水道用のディスポーザ機構
において、真空弁Ｖをソレノイドバルブ30により構成し
た場合の制御回路図、第３図は真空弁Ｖを真空下水道シ
ステムの真空圧により開閉可能とした実施例の制御回路
図、第４図は汚水タンク２をディスポーザＤと一体的に
取り付けた状態の側面断面図である。

真空下水道システムはシンク１から汚水パイプ３を介
して汚水タンク２に入り、汚水タンク２に貯溜された汚
水と、シンク１の厨芥口14からディスポーザＤに入り破
砕処理され、排出パイプ10を介して汚水タンク２に至っ
た破砕厨芥とを、汚水タンク２において合流させ、真空
弁Ｖを介して真空吸引配管17から汚水処理槽23内に案内
するのである。

その他に家庭から排出される汚水としては浴槽26と便
器27とがあり、これらも合流真空吸引配管17aにより合
流するのである。

合流真空吸引配管17aの排出端に接続されたエジェク
ター20が汚水処理槽23の内部に配置されている。

そしてポンプ24の圧力により汚水処理槽23の内部の汚
水をエジェクター20に搬送し、吐出口22から噴出するこ
とにより真空を発生させている。

そして該真空により吸引されて合流真空吸引配管17a
からエジェクター20に至った汚水も、吐出口22から噴出
されるのである。

しかし真空吸引配管17が常時真空であるために、シン
ク１の塵芥口14や汚水口15に真空管の端部が開口されて
いたのでは、汚水や厨芥を吸引する吸引力が発生しない
ので、汚水タンク２が一杯になった時にのみ、真空吸引
配管17を開放する真空弁Ｖを、汚水タンク２と真空吸引
配管17の間に設けたのである。

第２図より真空弁Ｖをソレノイドバルブ30により構成
した実施例を説明する。

通常の家庭におけるシンク１においては、汚水口15の
みが設けられており、塵芥口14は汚水口15が兼用してい
る。そして汚水口15からは水分のみしか流すことは出来
ないので、厨芥はフィルターにより濾過して、別に燃え
ないごみとしてゴミ収集日に出すのが通常である。

本考案においては、シンク１に塵芥口14と汚水口15と
を設け、汚水口15の下方には真空下水道システムの為の
一時貯溜用の汚水タンク２が付設されている。

そして該汚水タンク２の内部に、ディスポーザＤで破
砕処理した厨芥と、汚水パイプ３から流れ込む汚水を溜
めて、一定量溜まった時点で初めて、上部レベルセンサ
ー8aにより検出し、ソレノイドバルブ30により構成され
た真空弁Ｖが開放されて、真空吸引配管17内の真空によ
り汚水タンク２内の汚水と破砕厨芥の混合物を吸引して
汚水処理槽23に案内するのである。

そして汚水タンク２内のレベルが低くなると下部レベ
ルセンサー8bにより該低レベルを検出し、ソレノイドバ
ルブ30を閉鎖するのである。

シンク１の他の部分に塵芥口14が設けられており、該
塵芥口14の部分にディスポーザＤが配置されている。該
塵芥口14の入口部分には安全蓋19が設けられており、該
安全蓋19を閉じた場合にこの安全蓋19の閉鎖状態を検出
する検出スイッチ６が設けられており、該検出スイッチ
６の検出端6aが安全蓋19の有るか無しかを検出し、ディ
スポーザＤの回転を開始するのである。

即ち安全蓋19を閉鎖するかしないかが、このディスポ
ーザＤの回転羽根５の回転をON-OFFするスイッチとなっ
ているのである。

該ディスポーザＤの内部には、少しずつ厨芥が溜めら
れており、有る一定量となると主婦が安全蓋19を蓋する
ことにより、この検出信号が電源Ｂに接続された制御装
置Ｃに送信され、タイマーＴにより設定した一定時間だ
け、駆動モータＭが回転し回転羽根５により厨芥を破砕
するのである。そして一定時間後に駆動モータＭは停止
するが、次回のディスポーザＤの駆動は、一旦安全蓋19
を取り外し、次に安全蓋19が蓋をされた場合において初
めて回転を開始出来るのである。

また安全蓋19を挿入する塵芥口14の、下方には、回転
羽根５の回転により厨芥が塵芥口14の側に戻るのを防ぐ
為の戻り防止弾性板16が設けられている。

次に第３図の真空弁Ｖを、真空吸引配管17の真空回路
からのバイパス12・13により駆動する構成を説明する。

この場合には、レベルセンサー８の信号により、切換
バルブ９を切換えるのである。この切換バルブ９の切換
えにより、バイパス12・13から案内された真空が真空弁
Ｖの内部のアクチュエータ11に導入されて、開閉バルブ
板４の閉鎖押圧状態を解除するのである。

シンク１に設けた塵芥口14を、安全蓋19により閉鎖す
ることにより、ディスポーザＤの駆動モータＭが一定時
間だけ回転する点は同じである。

本考案は以上のように構成したものであり、ディスポ
ーザＤにより破砕した厨芥を、そのまま排出パイプ10を
介して汚水タンク２に案内し、汚水と合流させて流動可
能物とし、真空吸引配管17により汚水処理槽23に集める
ものである。

そして真空弁Ｖの開閉を汚水タンク２のレベルセンサ
ー８により行ったものである。

〔考案の効果〕

本考案は以上の如く構成したので、次のような効果を
奏するものである。

第１に、厨芥を破砕した場合においても、通常の重力
流下式の下水道においては、この破砕厨芥を下水道に流
すことは不可能だったのである。

これに対して、真空下水道システムを構成し、該真空
吸引配管17に向かってディスポーザＤを配置することに
より、従来は台所の燃えないゴミとしてゴミ収集に出し
ていた厨芥を、破砕して下水道に流すことが可能となっ
たのである。

第２に、ディスポーザＤにより破砕した厨芥を、それ
だけで真空吸引配管17に流すのではなくて、汚水タンク
２に合流させて、流動可能物として真空吸引配管17に流
すことにより、真空吸引配管17の内部において、破砕厨
芥の流れが悪くて詰まるという不具合いを少なくするこ
とが出来たのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は真空下水道システムの全体構成を示す側面図、
第２図は本考案の真空下水道用のディスポーザ機構にお
いて、真空弁Ｖをソレノイドバルブ30により構成した場
合の制御回路図、第３図は真空弁Ｖを真空下水道システ
ムの真空により開閉可能とした実施例の制御回路図、第
４図は汚水タンク２をディスポーザＤと一体的に取り付
けた状態の側面断面図である。 １……シンク ２……汚水タンク ５……回転羽根 ６……検出スイッチ ８……レベルセンサー 14……塵芥口 15……汚水口 Ｖ……真空弁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シンクの底部にディスポーザに連結する塵
   芥口と、汚水タンクに連結する汚水口を設け、該ディス
   ポーザの排出口を汚水タンクに連通し、該汚水タンクの
   下流に真空下水道システムの真空吸引配管に連結される
   真空弁を設け、該真空弁を汚水タンクのレベルセンサー
   による信号にて開閉すべく構成したことを特徴とする真
   空下水道用のディスポーザ。