JPH04111347U - 薬液用簡易発熱体 - Google Patents

薬液用簡易発熱体

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JPH04111347U
JPH04111347U JP1349491U JP1349491U JPH04111347U JP H04111347 U JPH04111347 U JP H04111347U JP 1349491 U JP1349491 U JP 1349491U JP 1349491 U JP1349491 U JP 1349491U JP H04111347 U JPH04111347 U JP H04111347U
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JP
Japan
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temperature
heating element
exothermic
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simple heating
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Application number
JP1349491U
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English (en)
Inventor
良成 笠松
Original Assignee
恒真産業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的短時間に温度上昇が可能で、人体に適
用する薬液の厳格な温度設定・維持が可能な薬液用簡易
発熱体を提供する。 【構成】 金属フィルム2と通気性を有するシート3と
の間に、酸素との接触によって酸化発熱する発熱剤4を
複数の区画5,5に封入するとともに、該封入された発
熱剤4のそれぞれの発熱温度上限、温度持続時間、上限
温度到達時間が相違するように、区画毎の該発熱剤の組
成・分量を設定して、被加熱物質である薬液の温度が、
概略人体の体温まで加熱できるように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、薬液物質を加熱するための簡易発熱体に関し、特に医療分野におい て、人体内に治療及び検査のために注入される薬液を、薬液注入による体温の低 下、体温低下に伴うショックなどから患者を保護するために、人体の体温近くま で加熱するための薬液用簡易発熱体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、冬季に暖をとるための所謂使い捨てカイロなどは従来より周知であ り、その構成は、通気性を有する紙、不織布などの袋体に、酸素との接触により 酸化発熱する発熱剤を封入したものである(特開平1−107760号参照) 。
【0003】 また、医療分野において、人体内に治療及び検査のために薬液を注入する場合 に、その患者の身体保護の観点、例えば薬液注入による体温の低下、体温低下に 伴うショックなどからから、患者を有効に保護するためには、患者の体温に近い 温度まで薬液を加温すべきである。このため、従来より、様々な加温方法が実施 されているが、その大半は、医療現場において、容器に収容された温水中に薬液 ボトルなどを浸漬して間接的に薬液を加温する方法が採用されているのが実情で ある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の温水中に薬液ボトルなどを浸漬して間接的に薬液を加温 する方法では、別途温水、容器を用意するなど手間と時間がかかるもので、緊急 を要する医療現場で使用するのには問題があった。
【0005】 また、前述した従来のような使い捨てカイロは、専ら人体の手足など、局所部 分を温めることをその主眼とするために、その設定温度も比較的高温で、最高温 度到達時間、持続時間も比較的長く設定されており、さらにその構造も簡単なも のであって、医療現場において薬液容器などを温める際に使用できる構造とはな っていないので、たとえ医療分野の薬液を加温するのに用いたとしても、特に緊 急を要する医療現場においては到底使用には耐え難いものである。
【0006】 また、使い捨てカイロは、一般に短時間に温度が上昇するものではなく、さら に、人体に適用するような薬液温度の厳格な温度設定・維持という観点は全く考 慮されていないので、この点からも、単に薬液を加熱するのに用いることは適切 ではなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案は、上述した課題及び目的に鑑み考案なされたものであって、その要旨 とするところは、金属フィルムと通気性を有するシートとの間に、酸素との接触 によって酸化発熱する発熱剤を複数の区画に封入するとともに、該封入された発 熱剤のそれぞれの発熱温度上限、温度持続時間、上限温度到達時間が相違するよ うに、区画毎の該発熱剤の組成・分量を設定して、被加熱物質である薬液の温度 が、概略人体の体温まで加熱できるように構成したことを特徴とする薬液用簡易 発熱体である。
【0008】
【作用】
本考案の簡易発熱体は、点滴用液、検査用液、治療用液などの薬液である被加 熱物質Aを収容した薬液ボトルBの外周に、本考案の簡易発熱体1のフィルムシ ート2面が接するように巻きつければ、通気性を有するシート材を介して空気が 発熱剤4内に滲入して、発熱剤4が酸素との接触によって酸化発熱し、その生成 熱が、熱伝導率の良好な金属フィルムシート2を介して、薬液ボトルB内に収容 された被加熱物質Aに熱伝導されて加熱され、複数の区画5に封入された発熱剤 が、予め発熱温度上限、温度持続時間、上限温度到達時間が設定されているので 、薬液ボトルB内に収容された被加熱物質Aは、短時間の内に人体の体温近くま で加熱され、一定時間その温度が維持されるようになっている。
【0009】
【実施例】
以下に、本考案の簡易発熱体について、添付図面に基づいてより詳細に説明す る。
【0010】 図1(a) は、本考案の簡易発熱体の斜視図であり、1は全体で簡易発熱体を示 している。簡易発熱体1は、図2に示したように、点滴用液、検査用液、治療用 液などの薬液である被加熱物質Aを収容した薬液ボトルBに接する面が、例えば アルミニウムなどの熱伝導率の良好な軽金属のフィルムシート2から構成され、 対向側は、例えば、メッシュペーパー、不織布などのある程度の通気性を有する シート材3から構成されている。そして、この両シート2,3の間に、酸素との 接触によって酸化発熱し自己加熱する発熱剤4が、複数の区画5,5に封入され て収容されている。
【0011】 図1(c) の断面図に示したように、このフィルムシート2の薬液接触側2aは、 薬液ボトルBの外周に巻き付けが容易なように概略平坦に形成されている。一方 、シート材3は、前記フィルムシート2 とシート材3 との間に、前記発熱剤を複 数の区画5,5に収容することができるように、シート材3自体に複数の凹部5a ,5a が形成されて複数の区画に分断されている。それぞれの区画5,5には、発 熱温度上限、温度持続時間、上限温度到達時間が相違するように、発熱剤の組成 ・分量を適宜設定して区画毎に収容されるている。この発熱剤の収容に際しては 、フィルムシート2 の発熱剤側面2bにラミネートされたポリエチレンなどの合成 樹脂層と、シート材3の発熱剤側面にラミネートされたポリエステルなどの合成 樹脂層との間で、前記フィルムシート2 とシート材3 がヒートシール (熱融着) 5bされて、発熱剤が封入・収容されている。なお、前記凹部5aを形成するために は、生産効率などを考慮すれば、図1(b)に示したように、ヒートシールを施す際 に、シール部分5bで、シート材3 を適宜折り重ねて所謂タック部分3bを形成する ようにすればよい。
【0012】 さらに、簡易発熱体1の一端部には、本考案の簡易発熱体1の薬液ボトルBの 外周への巻き付け・保持が容易なように、両面テープなどの適宜の粘着テープ6 を付設されている。
【0013】 さらにまた、本考案の簡易発熱体は、未使用時に発熱剤が空気に触れて発熱し ないように、図3に示したように、製造時にアルミシートなどで製造された包装 袋7に密閉封入されるようになっている。
【0014】 なお、シート材3 だけでなく、金属製のフィルムシート2 の方も、ある程度の 通気性を有するようにしておけば、巻き付けにくい薬液ボトル面が加湿され、ボ トル表面との密着性が向上し、より容易に巻きつけが可能である。
【0015】 また、前記発熱剤としては、一例を挙げれば、特開平1 −212504号に示される ように、被酸化剤として鉄粉を55〜70%、保水剤としてゼオフィルを15〜25%、 塩類として、NaClを2 〜5 %、NaOHを0.1 〜0.5 %、活性炭を1 〜3 %、水分を 20〜35%の範囲で適宜選択すれば良い。そして、被加熱物質である薬液の温度が 、本考案の簡易発熱体の使用時に、ほぼ人体の温度まで比較的短時間で上昇し、 ある程度の時間維持できるように、区画の数、区画毎の発熱剤の組成・分量を予 め適宜選択する。具体的には、下記の実験例1及び2の結果から、適宜目的とす る薬液の種類、設定温度、持続時間などに応じて、選択すれば良いことは当業者 であれば容易に理解できるであろう。なお、上記の特開平1 −212504号に示され る発熱剤以外にも、被加熱物質である薬液の温度が、本考案の簡易発熱体の使用 時に、ほぼ人体の温度まで比較的短時間で上昇し、ある程度の時間維持できるよ うなものであれば、何れも本考案の発熱剤として使用可能であることは勿論であ る。
【0016】 このように構成される本考案の簡易発熱体は、使用時に、包装袋7から取出し 、点滴用液、検査用液、治療用液などの薬液である被加熱物質Aを収容した薬液 ボトルBの外周に、本考案の簡易発熱体1のフィルムシート2面が接するように 巻きつければ、通気性を有するシート材を介して空気が発熱剤4内に滲入(図3 の矢印C)して、発熱剤4が酸素との接触によって酸化発熱し、その熱が、熱伝 導率の良好な金属フィルムシート2を介して、薬液ボトルB内に収容された被加 熱物質Aが加熱される(図3の矢印D)。また、複数の区画5に封入された発熱 剤が、予め発熱温度上限、温度持続時間、上限温度到達時間が設定されているの で、薬液ボトルB内に収容された被加熱物質Aは、短時間に人体の体温近くまで 加熱され、一定時間その温度が維持されるようになっている。従って、本考案の 簡易発熱体で加熱された薬液を、人体内に治療及び検査などのために注入でき且 つ、患者を薬液注入による体温の低下、体温低下に伴うショックなどから有効に 保護することが可能となる。
【0017】実験例1 区画数・発熱剤の容量による加熱試験 被酸化剤として鉄粉を55〜70%、保水剤としてゼオフィルを15〜25%、塩類と して、NaClを2 〜5 %、NaOHを0.1 〜0.5 %、活性炭を1 〜3 %、水分を20〜35 %を混合して調製した発熱剤を、シート材3として、セキスイ化学工業株式会社 製の「セルポアNW-60N」( 商品名) を使用し、金属フィルムシート2としてアル ミニウムシートにポリエチレンをラミネートしたものを用い、40 mm ×75 mm × 5.0 mmの袋寸法に、発熱剤を12 g( 以下「Lタイプ」と言う) 、8 g ( 以下「S タイプ」と言う) ずつ各区画に封入したもの適宜組み合わせて、100 ccの生理食 塩水を加熱する加熱実験を行った。なお、以下Lタイプがn個、Sタイプがm個 封入されている場合には、LnSmのごとく略記する。その結果を下記の表1に 示した。
【0018】
【表1】
【0019】 上記表1から明らかなように、Lタイプを4個以上封入したものは人体の体温 近傍温度よりも高い温度であるため、使用には適当ではなく、3個以下のLタイ プを封入したものでは、熱不足・時間超過で使用には不適当であり、Lタイプ1 〜3個、Sタイプ3〜1個の組み合わせ(特に、L2S2、L3S1の場合) が 良好であることが分かる。
【0020】実験例2 薬液の種類による温度・時間の影響 実施例1と同じ条件で、生理食塩水100 cc、血管造影剤「イオパミロン (Iopa miron) 370 (商品名) 」( 日本シェーリング株式会社製) 100cc 、血管造影剤「 オムニパーク 350( 商品名) 」( 第一製薬株式会社製) 100cc をそれぞれ加熱す る場合について、L2S2の場合 (図4)、L3S1の場合(図5)について加 熱実験を行った。
【0021】 図4及び図5から明らかなように、加熱すべき薬液の種類によっても加熱結果 は殆ど差が生じなかった。従って、この結果から、本考案の簡易発熱体は殆どの 薬液に使用可能であることが分かった。
【0022】
【効果】
このように構成される本考案の簡易発熱体は、使用時に、点滴用液、検査用液 、治療用液などの薬液を収容した薬液ボトルの外周に、本考案の簡易発熱体を巻 きつけるだけで、予め発熱温度上限、温度持続時間、上限温度到達時間が設定さ れ複数の区画に封入された発熱剤の発熱作用によって、薬液ボトル内に収容され た薬液が、短時間の内に人体の体温近くまで加熱され、一定時間その温度が維持 される。
【0023】 従って、本考案の簡易発熱体は薬液を予め設定された短時間のうちに、人体の 体温近傍まで簡単容易に加熱・保持でき、且つ加熱された薬液は、人体内に治療 及び検査などのために注入する際にも、患者を薬液注入による体温の低下、体温 低下に伴うショックなどから有効に保護することが可能であるので、特に緊急を 要する医療分野・医療現場での使用においてその効用は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は、本考案の簡易発熱体の一実施例の斜視
図、(b) は、本考案の簡易発熱体の別の実施例の斜視
図、(c) は本考案の簡易発熱体の断面図である。
【図2】本考案の簡易発熱体の使用状態を示す部分拡大
断面図である。
【図3】本考案の簡易発熱体の梱包状態を示す斜視図で
ある。
【図4】本考案の簡易発熱体の一実施例についての薬液
の種類による温度・時間の影響を示すグラフである。
【図5】本考案の簡易発熱体の別の実施例についての薬
液の種類による温度・時間の影響を示すグラフである。
【符号の説明】
1…簡易発熱体 2…フィルムシート 3…シート材 4…発熱材 5…区画 6…粘着テープ 7…包装袋 A…被加熱物質 B…薬液ボトル

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属フィルムと通気性を有するシートと
    の間に、酸素との接触によって酸化発熱する発熱剤を複
    数の区画に封入するとともに、該封入された発熱剤のそ
    れぞれの発熱温度上限、温度持続時間、上限温度到達時
    間が相違するように、区画毎の該発熱剤の組成・分量を
    設定して、被加熱物質である薬液の温度が、概略人体の
    体温まで加熱できるように構成したことを特徴とする薬
    液用簡易発熱体。
  2. 【請求項2】 前記発熱剤が、被酸化剤である鉄粉、保
    水剤であるゼオフィル、NaCl, NaOHなどの塩類、活性
    炭、及び水分から成ることを特徴とする請求項1に記載
    の薬液用簡易発熱体。
JP1349491U 1991-03-12 1991-03-12 薬液用簡易発熱体 Pending JPH04111347U (ja)

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Citations (5)

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